NotebookLMでExcelデータを分析する|方法と注意点を解説
コラム更新日:2026.07.16
Microsoft Excel(エクセル)を利用する企業は多く、大量のデータ(例:売上、在庫、顧客アンケートなど)を要約・分析するために、AI活用を模索している方もいるのではないでしょうか。Googleの「NotebookLM」は、ユーザーがアップロードしたデータのみを根拠とするAIリサーチツールで、チャットでの質問やレポートの自動作成などが可能です。ただし、NotebookLMでエクセル形式(.xlsx)のファイルを使用するには条件があります。
今回は、NotebookLMでExcelデータを分析する方法と、注意点を解説します。企業がNotebookLMを利用する際のポイントも紹介していますので、安全に業務効率化を推進するための参考にしてみてください。
執筆・監修:TSクラウド編集部
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目次
NotebookLMでExcelデータを分析する方法
NotebookLMでExcelデータを分析するアプローチは3つあり、各企業が適したものを選ぶことになります。どの方法が自社にあうのかを検討するために、まずは、それぞれの特徴を知っておきましょう。
①「Googleスプレッドシート」に変換して使う
最も手軽で、NotebookLMとの親和性が高い方法が、Excelファイル(.xlsx)を「Google スプレッドシート」に変換して使う方法です。Google スプレッドシートは、オンラインで利用する表計算ツールです。NotebookLMはGoogleのサービスのため、Google スプレッドシートの読み込みに対応しており、データの連携や追加がスムーズに行えます。
ビジネスに特化したツール群「Google Workspace」環境を利用している場合は、Excelデータを「Google ドライブ」にアップロードし、数クリックでGoogleスプレッドシートに変換できます。
Google Workspaceを導入すれば、プラン料金内でNotebookLMやGeminiも利用できるため、ビジネスツールとは別にAIを契約する手間とコストがかかりません。データを安全に扱いながら、スピーディーに分析を行いたい企業にとって最適な運用方法です。
なお、個人の無料アカウントを用いてExcelデータをスプレッドシートへ変換する運用は、社内のデータが散在する原因となるため控えます。加えて、無料版のNotebookLMは組織による一元管理が不可能なため、コンプライアンスの観点からも利用を避けるべきです。
②CSVファイルにしてアップロードする
現在の環境のままExcelデータをNotebookLMに読み込ませたい場合、ファイルをCSV形式に変換してアップロードする方法があります。ただし、AIに正確にデータを読み取らせるためには、事前のデータ処理が欠かせません。「セルの結合を解除して項目名とデータを区別しやすくする」「視覚的な装飾をなくす」「数式やマクロを外す」など、AIが読み取りやすいシンプルなデータ構造に整えておく必要があります。
③Excelを直接アップロードできるプランを導入する
無料版およびGoogle WorkspaceのNotebookLMでは、Excel形式(.xlsx)のファイルをそのままアップロードすることはできません。しかし、企業向けの「NotebookLM Enterprise」では、Excelファイルを直接ソースとしてアップロード可能です。通常版よりもセキュリティやガバナンスが強化されているので、Excelファイルをそのまま使いたい企業のほか、厳格な情報統制が求められる組織にも向いています。
NotebookLMにExcelデータを読み込ませる3ステップ
社内にある調査データ、売上実績、顧客アンケートの結果、研修資料やマニュアルの読み込み(活用)などは、フォーマットを変換するアプローチで十分に業務を効率化できます。ここでは、ExcelのデータをGoogleスプレッドシートに変換し、NotebookLMに読み込ませて分析を開始するまでの具体的な3つのステップを解説します。
①ExcelファイルをGoogleドライブへアップロードする
最初のステップとして、分析したい社内のExcelデータを、Google ドライブ内の任意のフォルダへアップロードします。手順は簡単で、パソコン内にあるExcelファイル(.xlsx)を、ブラウザで開いたGoogle ドライブの画面上にドラッグ&ドロップするか、画面左上の「新規」ボタンから「ファイルのアップロード」を選択するだけです。
②ファイルを「Googleスプレッドシート」形式に変換する
次に、アップロードしたExcelファイルを、クラウド上でGoogle スプレッドシート形式に変換します。Google ドライブにある対象のExcelファイルをダブルクリックして開くと、画面上部に「Google スプレッドシートで開く」という選択肢が表示されるか、自動的にプレビュー画面が開きます。ファイルのメニューバーにある「ファイル」をクリックし、ドロップダウンメニューから「Google スプレッドシートとして保存」を選択してください。
これにより、元のExcelデータのレイアウトや数値を維持したまま、新しいGoogle スプレッドシートのファイルが同じフォルダ内に自動生成されます。元のExcelファイル自体もそのまま残るため、データが上書きされて消えてしまう心配はありません。
③NotebookLMのソース選択で「Google ドライブ」から読み込む
最後に、変換したファイルをNotebookLMに読み込ませます。NotebookLMで、新しいノートブックを作成(または既存のノートブックを選択)して、画面左側に表示される「ソースを追加」ボタン(プラスアイコン)をクリックします。ソースの選択肢が表示されるので、その中から「Google ドライブ」のアイコンを選択してください。ログインしているユーザー自身のGoogle ドライブ内のファイル一覧が表示されるため、先ほどのステップで変換したGoogleスプレッドシートを指定します。これで、NotebookLMが内容を読み込み、データの要約や分析が可能な状態になります。
※ソースに追加できるデータはユーザーのGoogleアカウントに紐づくため、Google ドライブで目的のファイルが見つからない場合は、共有フォルダ・ファイルのアクセス権限をご確認ください。
ExcelをGoogle スプレッドシートにして使うメリット
Excelのデータをそのまま扱うのではなく、一度Google スプレッドシートに変換してからNotebookLMと連携させることで、情報共有や分析作業のスピード向上が期待できます。ここでは、ExcelをGoogle スプレッドシートにして使用する主なメリットを紹介します。
元データ資料の変更をNotebookLMへ反映しやすい
Googleスプレッドシートに変換して活用する大きなメリットの1つは、元データの変更を、NotebookLMのソースに反映しやすいことです。Google スプレッドシートのデータを編集した場合、以前はNotebookLM側をユーザーが同期する必要がありましたが、現在は、データの変更が自動でNotebookLMに同期される仕様となっています。
一方、Excelファイルのまま使用する場合は、編集内容をNotebookLMに反映できず、手動で最新ファイルをアップロードし直す必要があります。そのため、毎週更新される売上データや、日々蓄積される顧客アンケートのモニタリングなど、定期的に数値が変動する業務データは、Google スプレッドシートで管理すると効率的です。
出力したレポートをGoogle ドライブに格納・共同編集できる
NotebookLMには、ソースからデータ表を生成できる「Data Table」という便利な機能が備わっています。クリックするだけで生成を開始できますが、ユーザーが言語や使用するソースを指定したり、プロンプトで指示を出したりしてカスタマイズ可能です。
作成したデータ表は、Googleスプレッドシート形式で出力し、ユーザーのマイドライブに格納できます。ファイルをチームの共有ドライブに移動・保管するフローにすれば、チーム全体で同時にアクセスして共同編集することもできます。分析結果を蓄積しながら、メンバーがそれぞれ注釈を追記したり、タスクを割り当てたりすることがスムーズになります。
ExcelをGoogle スプレッドシートにして使う際の注意点
ExcelデータをGoogle スプレッドシートに変換してNotebookLMで活用する方法は、技術的な注意点や制限事項があります。スムーズなデータ分析のために、どのような点に注意が必要なのかを把握しておきましょう。
レイアウトや書式が崩れることがある
Excelで作り込まれた複雑な帳票やレポートをGoogle スプレッドシートに変換する際、レイアウトが崩れてしまうことがあります。たとえば、フォントの設定やセルの塗りつぶし(背景色)が引き継がれない、オブジェクトの位置がずれるなどです。
特に、セルの結合が多用されている場合は注意が必要です。人間が見やすいレイアウトでも、AIにとっては複雑で正確に読み取るのが難しい構造なため、AIが項目を誤ったり、行と列の関係性を正しく認識できなくなったりするリスクが高まります。情報分析の精度を高めるため、Googleスプレッドシート変換後にシートをチェックし、AIがスキャンしやすいようシンプルな表に整えることが大切です。
互換性のない関数はエラーになる
Google スプレッドシートと互換性のない計算式や自動化プログラムが含まれている場合は、データそのものが正常に表示されず、AIが数値を認識するのが困難です。Excel独自の関数や特定の配列数式はうまく変換されず、Google スプレッドシートではエラー表示になることがあります。また、マクロやVBA(Visual Basic for Applications)が組み込まれたExcelファイルも、Google スプレッドシートでは正常に動作しないためエラーになります。
業務でマクロや複雑な関数を多用しているExcelデータを分析したい場合は、関数による計算結果を一度「値」として貼り付けて数値データに確定させてから変換する、不要な自動化プログラムを削除した分析専用のファイルを用意するなどの前処理が必要です。
非表示タブもソースとして読み込まれる
Excelファイルに複数のタブ(シート)が含まれていても、NotebookLMは1つの結合されたソースとして読み込みます。たとえば、使っていない非表示のシートや、すでに分析済みのシート、そのほか分析に必要のない情報も読み込まれてしまいます。こうした不要なデータをソースとして追加してしまうと、NotebookLMの使用量を圧迫し、正常な分析ができなくなる懸念があります。ソースに追加する前にデータを確認し、不要なシートなどは削除しておくことをお勧めします。
Excelファイルのオーナーを変更できない
ExcelファイルをGoogle ドライブ(共有ドライブ)内でそのまま運用する場合、ファイルのオーナー(所有者)の権限変更においてトラブルが生じることがあります。Google スプレッドシートと異なり、Excel形式のファイルは、組織内の別のメンバーへ完全にオーナー権限を譲渡できない仕様のためです。そのため、長期的に社内ナレッジとしてデータを蓄積・運用する場合は、ファイル管理の観点からもGoogle スプレッドシートへの移行を推奨します。
企業でNotebookLMを利用する際の運用ポイント
企業がNotebookLMを業務で利用する場合、ただ便利なツールとして開放するだけでは不十分です。安全かつ効果的にAIによるデータ分析を行うために、組織として必ず実践すべき重要ポイントを3つ紹介します。
事前に利用ルールを決めておく
企業でNotebookLMを安全に運用するための最初のステップは、社内における明確な利用ガイドラインやルールの策定です。NotebookLM自体が「アップロードされたデータをAIの学習に使用しない」と明示していますが、「誰が」「どのようなデータをアップロードしているのか」を管理者が把握できません。
そのため、「どのようなデータ(機密情報や個人情報の有無など)のアップロードを許可するのか」「どのような業務(要約やリサーチ、データ分析など)に利用してよいのか」を事前に定義し、全社に周知徹底することが重要です。適切なリテラシー教育を行うことで、潜在的なコンプライアンスリスクを低減できます。
管理者が社員のアクセスを管理する
安全なガバナンス体制を構築するためには、組織の管理者が社員のアカウントやアクセス権限を一元的に管理できる環境が必要です。個人向けの無料アカウント(無料版NotebookLM)の利用は、社外秘のExcelデータをアップロードしていても、管理者がそれを検知・ログ追跡するのは困難で、運用がブラックボックス化します。加えて、社員が退職した際のアカウント削除や、社内データの外部共有制限などを組織側から制御することができず、情報漏洩リスクが高まります。
シャドーITの発生を防ぎ、組織の統制を保つためには、一元管理機能の導入は不可欠です。NotebookLMのようなAIツール導入を検討するなら、社員のAI利用やアクセス権の可視化、外部共有の禁止設定など、企業側でコントロールできる環境を整備しておくことを推奨します。
法人向けプランを導入する
企業が本格的に、かつ最も安全にデータを分析・運用したいのであれば、法人向けのプランを導入すべきです。NotebookLMでは、データがAIの学習に利用されないという基本仕様は無料版でも同じですが、管理者が社員の利用状況や共有設定を制御する機能がありません。法人向けプランでは、管理者によるアクセス制限やログ管理の徹底が可能となり、契約によってデータがAIの学習に利用されないことが保証されるため、安全なAI活用が担保されます。
特に、企業向けグループウェア「Google Workspace」の導入は、コスト面でも優れています。プラン料金内で、日常のビジネスツールに加えて生成AIも利用可能で、NotebookLMの使用量上限も緩和されます。
▼Google Workspaceには、標準のNotebookLMに加え、使用量上限の拡張とより高いセキュリティが追加された「NotebookLM in Pro」を利用できるプランもあります。

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企業のExcelデータを効率的に分析し、結果を生産性向上につなげる上で、NotebookLMは強力なアシスタントとなります。Google Workspaceであれば、ExcelデータをGoogleスプレッドシートへ変換し、強固なセキュリティの下で安全にNotebookLMを使えるようになります。組織全体の生産性向上と自社データの保護を両立させるために、ぜひGoogle Workspaceの導入をご検討ください。

