Gemini の使い方を解説!何がすごい?できることや活用例のご紹介
コラム更新日:2025.08.06
「もっと効率的に仕事をするために生成 AI の導入を考えている」
特に、限られた人員で奮闘する中小企業のIT 担当者や業務管理者の方なら、そんな思いを抱えているのではないでしょうか。生成 AI の導入に興味はあるものの、「専門的なスキルがない」「使いこなせるか不安」という声もよく聞かれます。
そこで注目したいのが、Google が提供している生成 AI サービス「Gemini アプリ」です。 直感的な操作で業務効率化を実現でき、データの整理から、文書作成、タスク管理など、日常業務の多くを効率化できる可能性を秘めています。
この記事では、Gemini アプリは何がすごいの?といった概要から、基本的な使い方、できることを解説。ぜひ、Gemini アプリで、あなたの業務改革への第一歩を始める参考にしてください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Gemini とは Google が開発したマルチモーダルな AI
Gemini は、マルチモーダル生成 AI システム です。このシステムを利用したチャット型の AIサービス が「Gemini アプリ」であり、誰でも無料で利用可能です。
➤Gemini は何がすごい?
Gemini の特徴は、マルチモーダルであることが最大の特徴です。テキスト生成だけでなく、画像や音声などさまざまなデータを学習しており、テキストデータを得意とする他の AI サービス に比べ、より多くのタスクに対応可能です。また、情報源が Google 検索であり、リアルタイムの情報から回答を生成できる点も優れています。
➤Gemini を使いこなすコツ
Gemini を含め、生成AI の進化は目まぐるしいですが、上手に活用できていないと、効果を感じない場合もあるでしょう。Gemini を使いこなす一番のポイントは、適切なプロンプト設計です。
プロンプト設計が不十分だと、意図しない結果や非効率なやり取りにつながります。AIシステム とユーザー間のコミュニケーションを円滑にし、効果的な AI の活用を行うためのプロンプト設計については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:ビジネスで役立つ Gemini のプロンプト設計テクニック
➤Gemini アプリのプラン・料金
Gemini アプリは、大きく分けて「個人向け」と「ビジネス向け」があり、そのなかでそれぞれ有料版・無料版が提供されています。それぞれ、使える機能や制限に違いがあります。
個人向け
個人向けとして提供されている Gemini アプリは、無料版のほか、有料版として「Google AI Pro」「Google AI Ultra」があります。
| 無料版 | Google AI Pro | Google AI Ultra | |
|---|---|---|---|
| 料金(月) | ¥0 | ¥2,900 | ¥36,400 |
| 2.5 Pro | 制限付きアクセス | 拡張アクセス | 最上位アクセス |
| 2.5 Flash | ◯ | ◯ | ◯ |
| Gem | ◯ | ◯ | ◯ |
| Canvas | ◯ | ◯ | ◯ |
| 音声解説 | 制限付きアクセス | 拡張アクセス | 最上位アクセス |
| Deep Research | 制限付きアクセス(Gemini 2.5 Flash) | 拡大アクセス(Gemini 2.5 Pro および 2.5 Flash) | 最上位アクセス(Gemini 2.5 Pro および 2.5 Flash) |
| 最上位アクセス(Gemini 2.5 Pro および 2.5 Flash) | ✕ | ✕ | 制限付きアクセス(2.5 Pro を利用可能) |
| 画像生成 | ◯ | ◯ | ◯ |
| 動画生成 | ✕ | 制限付きアクセス(Veo 3 Fast) | 最上位アクセス(Veo 3) |
| コンテキスト ウィンドウ | 3万2,000 | 100万 | 100万 |
ビジネス向け
ビジネス向けとして提供されている Gemini アプリは、ビジネス向けグループウェア「Google Workspace」を導入している場合に利用でき、基本的に追加料金はかかりません。より高度な機能を使う場合、アドオンサービスとして「Google AI Ultra for Business」も提供されています。こちらは別料金が必要です。
ビジネス向けの Gemini アプリは、入力されたデータが AI モデルの学習に利用されることがありません。人によってレビューされることもなく、データは企業内に限定して扱われるため、企業のデータを守りながら AI の利用が可能です。
| Google Workspace | Google Workspace | アドオンサービス(Google AI Ultra for Business) | |
|---|---|---|---|
| 料金(月) | 追加料金なし | 追加料金なし | 追加料金あり |
| 対応エディション | ・Business Starter ・Essentials エディション ・Frontline エディション |
・Business standard ・Business Plus ・Enterprise エディション |
・Business エディション ・Essentials エディション |
| 2.5 Pro | 制限付きアクセス | 拡張アクセス | 最上位アクセス |
| 2.5 Flash | ◯ | ◯ | ◯ |
| 音声解説 | 制限付きアクセス | 拡張アクセス | 最上位アクセス |
| Gem | ◯ | ◯ | ◯ |
| Canvas | ◯ | ◯ | ◯ |
| Google Workspace アプリに接続 | ◯ | ◯ | ◯ |
| GitHub に接続してコードフォルダをアップロード | ✕ | ◯ | ◯ |
| Deep Research | 制限付きアクセス(Gemini 2.5 Flash) | 拡大アクセス(Gemini 2.5 Pro および 2.5 Flash) | 最上位アクセス(Gemini 2.5 Pro および 2.5 Flash) |
| 予約アクション | ✕ | ◯ | ◯ |
| 動画生成 | ✕ | 制限付きアクセス(Veo 3 Fast) | 最上位アクセス(Veo 3) |
| コンテキスト ウィンドウ | 3万2,000 | 100万 | 100万 |
また、Google Workspace の AI 機能には、ビジネス向けの Gemini アプリのほか、アプリ内で直接 AI が利用できる「Google Workspace with Gemini」やノートブック形式の AI「NotebookLM」の利用も可能です。(※エディションによって制限あり)
Gemini アプリの使い方
Gemini アプリの始め方や操作法を解説していきます。個人版やビジネス版、無料版など、複数ありますが、画面や基本的な使い方はどれも同じです。
➤Gemini アプリを使う前に
Gemini アプリの利用には、Google アカウントが必須です。まだお持ちでない方は、Google アカウントから作成してください。アカウントは無料で作成できます。
ビジネス版の利用を検討している場合は、Google Workspace の導入が必要です。
関連記事:Google Workspace 導入はこれで完璧!申し込み手順を詳しく解説
➤Gemini アプリを開始する
- Gemini
アプリにアクセスし、Google アカウントでログイン


- 利用規約に同意


- 表示されたチャット画面にプロンプトを入力して開始


- 画像アイコンから画像のアップロードも可能


関連記事:Gemini でファイルをアップロードする方法。できないときの対処法も解説
➤回答を再度生成する
生成された回答の末尾にある「再生成」をクリックするだけで、生成された回答を、他の案として再度生成し直すことが可能です。


➤生成された回答をダブルチェックする
一般的に、生成AI は便利な一方で、誤った情報の提供に注意が必要です。Gemini では、生成された回答を裏付ける情報を表示するダブルチェック機能も備えています。
- 生成された回答の末尾の3点アイコンから「回答を再確認」をクリック


- 生成された回答にハイライトがつく
緑色:記述と似ている可能性のあるコンテンツあり、URL が提供される
オレンジ色:記述と異なる可能性のあるコンテンツがある、または関連性のあるコンテンツがない
ハイライトなし:評価する十分な情報がない、または事実確認のいらない情報である

- 緑もしくはオレンジのハイライトがついた記述をクリックすると詳細が表示


Gemini アプリの機能。何ができる?
Gemini アプリの機能やできることは、個人版やビジネス版などによって異なります。 同じ機能であっても、制限に違いがあるものも多いです。ここでは基本的な機能を紹介します。
➤文章を作成
Gemini アプリは、入力したアイデアや指示を瞬時に把握し、その内容をもとに文章を作成できます。人間が書いたような自然な文章が作成できるだけでなく、字数制限を設けたり、フォーマルな文調にしたりも可能です。
例えば、専門用語の多い文章も、「高校生でも分かりやすい文章に変更して」と指示すれば、内容を噛み砕いて教えてくれます。
➤長い文章の要約
Gemini アプリには、長文を一度に読み込めるという特徴があります。長い文章でもすぐに理解し、内容の要約が可能です。人が文章を読み込むのにかかっていた時間と労力が大きく減り、短時間で資料の理解・まとめ作業ができます。
➤画像の作成
文章だけでなく、画像の生成も Gemini アプリで行えます。入力したプロンプトをもとに、高品質な画像の作成が可能です。


➤画像や URL の読み取り
高い画像認識能力も備えており、読み込ませた写真や図から、数値やテキストを出力できます。また、URL を読み込ませれば、Webページ の内容の要約や必要情報の抽出が可能です。競合サイトの情報を分析し、自社の改善点を見つけるのに役立ちます。(※一部読み込めない URL もあるため注意が必要)


➤Gem
Gem は、Gemini アプリを自分専用にカスタマイズできる機能です。特定の目的にあわせたプロンプトやタスクを登録することで、毎回同じ指示をする必要がなくなります。例えば、入力したテキストを自動的に複数言語に翻訳する Gem を作成すれば、翻訳ツールを開く手間が省けます。
➤Canvas
Canvas は、Gemini のアプリ上で直接編集ができる機能です。出力された情報を Canvas 上で編集でき、追加の指示で修正や変更も可能です。
文章の作成から編集まで、一つの画面で完結でき、AI と対話をしながらより質のよいコンテンツの作成ができます。
➤Deep Research
Deep Research は、Gemini が提供する高度なリサーチ機能です。特定のテーマについて、複数の視点から詳細な情報を深く掘り下げて分析ができます。例えば、新規事業立ち上げの競合分析や専門的な学習の情報整理が容易になります。
関連記事:Gemini Deep Research とは?使い方やビジネスでの活用法、無料版の注意点など
➤Google Workspace アプリに接続(ビジネス向け)
Google Workspace の Gemini アプリでは、アプリから Gmail や Google ドキュメントなどの Google Workspace のアプリやサービス内のデータ・コンテンツにアクセスできます。Gemini アプリと Google Workspace を接続させることで、生産性向上と業務効率化が実現できます。
例えば、「Google ドキュメントを読み込ませて内容を要約」「Gmail の履歴から知りたい情報をピックアップする」などが可能になります。


Gemini の具体的な活用方法
Gemini アプリの機能を使った業務の活用例をご紹介します。
➤アイデア出しや壁打ち相手
Gemini は、アイデア出しや壁打ち相手として、人間の創造性を刺激し、新たな可能性を広げるツールです。
新規サービスの開発では、「20~30代女性をターゲットとした新しいコミュニケーションのツールを提案してください」と指示すれば、複数のコミュニケーションツールの機能や斬新なアイデアを提示してくれます。
他にも、自身が企画しているアイデアに対し、「このアイデアの弱点は?」などと問いかけながら、改善点を見つけたり、客観的な意見を聞けたりといつでも壁打ちが行えます。
➤ブログやメール文、キャッチコピーの作成
Google 検索で得られる膨大な情報と学習モデルを組み合わせ、指示に基づいた文章を生成します。「取引先へのお礼のメールを作成してください」と指示すれば、丁寧な表現で相手に配慮した文章を作成してくれます。
他にも、キャッチコピーの作成も可能。「20代の女性向けの化粧水のキャッチコピーを20字で考えて」
と指示すれば、ターゲット層に響くキャッチコピーが出力されます。
作成した文章を、生成された回答の末尾の「共有とエクスポート」から、Google ドキュメントや Gmail で利用することも可能です。


➤長い文章の要約と分析
Gemini のコンテキスト ウィンドウは大きく、長い文章の処理が可能です。
「結論部分を詳細に説明してください」「顧客レビューの中からポジティブな感情のものをまとめてください」などの指示により、膨大なテキストデータも、すぐに理解でき、長文の要約や分析、複雑な質問への回答に役立つでしょう。人が時間をかけて読み込み、理解する必要がある文章でも、Gemini は短時間で処理でき、効率よく情報収集できます。また、客観的な分析や他覚的な視点から、文章の理解と洞察が可能になります。
「ビジネスでの生成 AI 利用は不安」を解消して生産性を向上するなら?
ビジネスに生成 AI 導入し、活用するのは、情報漏洩やセキュリティリスクが不安と感じている企業も多くあるのではないでしょうか。高度なセキュリティ対策のもと、安心してお使いいただくなら、Google Workspace の Gemini がおすすめです。
Google Workspace の Gemini は、ビジネス向けの Gemini アプリのほか、「Google Workspace with Gemini」や「NotebookLM」といった AI サービスも追加料金無しで利用でき、Gemini の力を 100 %発揮できます。
また、生成 AI の活用の課題には、「リテラシー・スキル向上」と「リスクへの対処」が多いとされています。これらの課題を解決できる AI としても、Google Workspace の Gemini が最適といえるでしょう。
参考記事:NRI 「ユーザ企業のIT活用実態調査(2023年)」
➤直感的な操作ですぐに使いこなせる
Google Workspace の Gemini は、Google ツールとシームレスに連携しており、普段使い慣れたインターフェースでの利用が可能です。高度なプロンプト生成などの特別なスキルがなくても、生成したいもの・やりたいことを言葉として入力するだけで利用できます。
➤「入力データは学習されない」など安心のセキュリティ
個人向け Gemini アプリは、入力情報が Gemini モデルの学習に使用される場合があります。学習に使用しないような設定も可能ですが、社内や顧客情報を取集合う際には、十分な注意が必要です。
一方、ビジネス向けとして展開されている Google Workspace の Gemini では、Google のプライバシーポリシーのもと、入力したデータやプロンプトの内容、生成されたデータは AI モデル の学習には使用されないと名言されています。情報漏洩やシステム障害等のリスク対策が必要な企業での利用には、高度なセキュリティを備える Google Workspace の Gemini の利用をおすすめします。
➤業務データをそのまま使えるから、AI 導入の壁がない
Google Workspace の Gemini は、上述した Google Workspace アプリに接続する機能で Google ドライブのデータを利用できるため、生成 AI に使うデータの作成や整理の必要がなく、すぐに AI の導入が可能です。また、Google ドライブの権限ルールに基づき、アクセスできないファイルに関する質問は回答しないといった機密情報の取り扱いなど、安心してお使いいただけます。
Gemini を最大限に活かすなら、ビジネス向けプランの導入を
Gemini アプリについて、提供されている種類ごとの機能比較や使い方、できることについて紹介しました。マルチモーダルである特徴を活かし、さまざまな場面で利用できる Gemini アプリは、働き方を新しく変えていくでしょう。
ビジネスで利用するなら、無料版では得られない Google Workspace アプリとの連携機能や入力データの学習には利用されないといってセキュリティが備えられている Google Workspace で Gemini を利用することをおすすめします。 Gemini のポテンシャルを 100 %引き出し、生産性を次のレベルへと高めたい方は、ぜひビジネス向けプランの導入をご検討ください。
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