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コラム更新日:2024.07.05

注目を集めている AIサービス。「期待していた回答が得られない」「効果的に活用するコツが知りたい」といったお悩みがある方もいるのではないでしょうか?

本記事では、Gemini をビジネスで使いこなすためのプロンプト設計テクニックをご紹介します。適切なプロンプトには「回答精度の向上」「創造性の発揮」といった効果があり、生成AI を有効的に活用するためには欠かせません。

今回は、Gemini のプロンプト設計のコツとビジネスシーンでのプロンプト設計、生成AI を活用する注意点について解説します。 Gemini で適切なプロンプトを使えるようになり、ビジネスの新たな可能性を探求したい方は、ぜひ参考にしてください。

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Gemini とは?

Gemini とは、Google が開発したマルチモーダル生成AIシステムです。誰でも利用可能なチャット型 AI サービス「Gemini ウェブアプリ」のほか、 Google Workspace 上で使える「Gemini for Google Workspace」など、Gemini モデルを使用したサービスが複数提供されています。 Google の 生成AI の特徴は、 Google の各種サービスと連携して使えることであり、ビジネスでの生成AI としても注目されています。

生成AI を導入する際は、使用目的に合わせた機能やできることを検討していくとよいでしょう。ビジネスにおすすめな AI サービス Gemini for Google Workspace については、以下の記事でご紹介しています。

参考記事:Gemini for Google Workspace とは?無料版 Gemini との違い

Gemini を使いこなすならプロンプト設計が重要

Gemini を効果的に活用するためには、適切なプロンプト設計が必要です。的確なプロンプトを与えることで、より正確で有益な結果を得ることができるでしょう。

プロンプト設計とは?

プロンプトとは、AI システムに対する指示文のことで、適切な指示や質問を与える技術をプロンプト設計といいます。 プロンプト設計は、単に指示を与えるだけでなく、AI システムとユーザー間のコミュニケーションを円滑にするための重要な役割です。 明確な説明や実行タスク、背景情報、具体例などの要素を組み合わせたプロンプト設計により「回答精度の向上」「創造性の発揮」など、より効果的な AI の活用を可能にします。

プロンプトの書き方のコツ

明確な表現を使う

プロンプト設計では、「何をしたいのか、何を伝えたいのか」を明確にする必要があります。曖昧な指示文だと、AI システム が意図を把握できずに期待外れの回答が生成されてしまう可能性があります。 例えば、文章の要約をお願いしたいときは以下のようにプロンプトを設計するとよいでしょう。

✕ 「ナスの食べ方を教えて」 →レシピが知りたいのに下処理についての回答が出力
◯ 「ナスのレシピを教えてください。調理時間が30分以内でできるものがいいです」


適切なコンテキスト情報を提供する

コンテキスト情報とは、指示する内容に対する追加情報や背景を指します。例えば、トピックに関連したキーワードやフレーズを使うことで Gemini が詳細まで理解し、より有益で正確な情報を提供してくれます。 他にも、関連する出来事や日付・場所、ユーザーの属性や目的などもコンテキスト情報にあたります。 適切なコンテキスト情報は「表現が曖昧でも意図を把握した回答の生成」「関連度の高い検索結果の表示」が期待できます。

✕ 「おすすめの観光地を教えて」
◯ 「◯月に△△県に旅行に行きます。自然を楽しめる観光スポットを教えてください。」


専門・技術用語は使わない

専門用語や技術用語など、複雑な表現は AI システムの理解が難しい場合があります。 AI システムが意図を誤解したり、特定の分野に偏った結果となったり、期待している内容と異なる生成結果になる可能性があるため、一般的な用語を使うようにしましょう。

✕ 「このプログラムをデバッグしてください」
◯ 「このプログラムでエラーが発生しています。エラー内容を修正してください」


回答例を挙げる

プロンプト設計で、例の提示は非常に重要です。言葉だけでは伝わりにくいニュアンスを具体例を出すことで意図が明確化し、AI システムが誤解なく理解できるようになります。特に、抽象的な概念やタスクでは重要です。 また、得たい結果を具体的な例を用いることで、理想に近いアプトプットの作成が可能になります。例示によってAI システムの創造性が発揮でき、新しいアイデアを生み出すことにもつながるでしょう。

✕ 「〇〇について教えてください」
◯ 「〇〇について教えてください。回答例は次の通りです。回答例:〇〇とは△△のことです」


複数回やり取りする

AI システムの曖昧さや誤解を解消するために、複数回やり取りをすることで、よりユーザーの意図にあった回答となります。 「意図しない回答の改善が必要」「もっと多くのアイデアがほしい」といった場合など、出力された回答に再質問したり、同じプロンプトで指示を何回か試してみるとより効果的な回答を得ることができます。


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ビジネスでの使い方。プロンプトの例

ビジネスでは、Gemini のサービスを使うことで業務効率化につながります。複数ある Gemini サービスのなかでも、Gemini for Google Workspace は、 一般的な生成AIサービスに加えて Google Workspace とシームレスに連携できる特長があり、ビジネスでの利用はこちらをおすすめします。

Gemini for Google Workspace の使用方法やビジネスへの具体的な活用例は、以下の記事で紹介しています。併せてご覧いただき、より効果的な AI の利用を検討していただきたいです。

参考記事:Gemini for Google Workspace の使い方。AI でビジネスの働き方を変える

魅力的なキャッチコピーを作成

キャッチコピー作成のためのプロンプト設計に取り入れるとよい内容の例が以下になります。

  • ターゲット:顧客層の詳細、その顧客層が課題としていること
  • 商品の特徴:商品の特徴を箇条書きなどで整理(商品の強みや差別化ポイント、魅力)
  • キャッチコピーの目的:ブランディング目的なのか、購買意欲の促進なのかなど
  • 関連キーワード:商品に関連するキーワードをできるだけ多く書き出す
  • 具体的な指示
  • 制約条件の提示
  • 参考例の提示
  • 自由記述欄の設置

<プロンプトの例>

新型洗濯機のキャッチコピーを考えてください。

#商品名:新型洗濯機
#ターゲット:20代~30代のひとり暮らし
#商品の特徴:タイマー機能、小型でスペースをとらない
#キャッチコピーの目的:購買意欲促進
#具体的な指示:商品の特徴を活かした目に留まるようなキャッチコピーにしてほしい
#制約条件:20字以内で商品名を含める

<生成結果>

Gemini キャッチコピー生成のプロンプト例

Google ドキュメントで 生成AI を使う方法は以下の記事で解説しています。

参考記事:Google ドキュメントの文章を 生成AI で自動作成。Gemini for Google Workspace を活用しよう!

生成AI で Web会議の背景画像を生成

背景画像を作成する際のプロンプトでは、以下を考慮した設計をしていくとよいでしょう。注意点として、現時点(2024年7月5日)では、画像生成は日本語対応していないため、作成したプロンプトを翻訳して入力するようにしましょう。

  • 明確なイメージ
  • イメージがあればイラストや画像を添付
  • 構図やアングルを指定する
  • 使用シーンやターゲット
  • 制限事項を設ける:著作権や人物生成には注意が必要

<プロンプトの例>

Web会議の背景画像を作成してほしいです。

#イメージ:5~6人程度が入る広さの会議室、白い壁でシンプルかつ清涼感のある部屋。観葉植物が置かれている。
#雰囲気は真面目
#取引先とのWeb会議に使用
#業種はコンサルティング

<生成結果>

Gemini 背景画像生成のプロンプト例

Gemini for Google Workspace で画像の自動生成をする方法は、以下の記事で詳細を解説しています。

参考記事:Google Meet で AI を使う!背景の作成や翻訳機能で会議の質を上げよう

提出資料の文章校正

資料を提出する前に、文章の校正を AI に依頼し、漢字の間違いや不適切な言い回しを指摘してもらえます。その他、文章のスタイルなどに合わせた文章への変更もプロンプト次第で可能です。 方法としては、作成した資料などの文章をコピーし、Gemini に貼り付けて校正を依頼します。

<プロンプトの例>

新商品に関する提出資料の文章の校正をお願いします。訂正箇所を指摘し、文章をフォーマルにしてください。

#本文
新商品のご紹介です。このスマートフォンは20244年に発売予定です。従来品と異なり、カメラ性能の工場に注目してほしいです。みんなみてね!

<生成結果>

Gemini 提出資料の文章校正

生成AI を活用する注意点

著作権侵害

AI は日々進化しているといえど、完璧ではありません。意図せず著作権を侵害してしまうリスクもあります。事前に生成したいものの著作権について調べておく必要があります。

生成された回答の真偽の確認

生成AI の回答には誤った情報が含まれていることもあります。そのため、生成された回答は絶対ではなく、参考程度に留め、回答の真偽や情報元の確認を必ず行うようにしてください。

個人情報や機密情報の入力

生成AI は、学習したデータに基づき、回答を生成します。そのため、個人情報や機密情報は入力しないよう注意しましょう。Gemini は個人情報や機密情報を保護するように設計されていますが、情報漏洩のリスクはゼロではありません。万が一、漏洩してしまうと情報が悪用されてしまう可能性があります。

Gemini for Google Workspace は、Google のプライバシーポリシーのもと、入力した内容や回答データを学習しない・使用しないことが名言されています。情報漏洩などのリスク対策を徹底したい場合での 生成AI 導入は、セキュリティ面からも Gemini for Google Workspace を選ぶとよいでしょう。

Gemini for Google Workspace のお問い合わせはTSクラウドまで

Google が開発したマルチモーダル生成AI システムである Gemini。ビジネスで効果的に活用するためには、プロンプト設計が重要となります。 プロンプト設計とは、適切な指示や質問を与える技術を指し、適切なプロンプトは「回答精度の向上」「創造性の発揮」といった効果が得られます。 本記事では、プロンプト設計のコツを5つご紹介しました。また、ビジネスシーンで役立つプロンプトの例や 生成AI を活用する注意点も解説しています。Gemini を導入して、創造性と生産性の向上を実現させましょう!

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