コラム更新日:2026.03.06

近年、ソフトウェア開発の現場において AI ツールの活用は不可欠なものとなっています。その中でも Google が提供する Antigravity は、高度なコード生成能力で注目を集めています。しかし、利便性の裏側で多くの CTO やエンジニアが抱くのが、「自社のソースコードや機密情報が AI の学習に利用されてしまうのではないか」という不安です。企業の競争優位性を守るためには、ツールを導入するだけでなく、適切なセキュリティ設定を行うことが求められます。


本記事では、Google Antigravity の具体的なオプトアウトの設定手順から、見落としがちな利用規約の注意点まで、情シス担当者が知っておくべき情報を整理しました。組織として安全に Antigravity を活用するための最適なプラン選びについても解説していきます。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

目次

AI の学習機能とセキュリティリスク

Google Antigravity をはじめとする生成 AI ツールの多くは、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(LLM)をベースとしています。ユーザーが入力したプロンプトやソースコードを分析して最適な回答を生成する仕組みですが、個人向けアカウントなどの標準的な設定では、入力データがモデルの精度向上や再学習に活用される学習利用(二次利用)のリスクを伴います。

これは、企業が機密情報を扱う上での最大の懸念点となっています。一般的に、企業が AI を導入・活用する際に懸念すべきセキュリティリスクは、主に以下の3点に集約されます。

  • 機密情報やソースコードの流出
    自社独自のアルゴリズムや未公開のロジックが学習データに取り込まれると、意図せず他ユーザーへの回答にその断片が含まれてしまうリスクがあります。
  • プライバシーおよび個人情報の漏洩
    プロンプトの中に顧客情報、あるいは個人を特定できる情報が含まれていた場合、それらがモデル側に蓄積・記憶される可能性があります。
  • シャドー AI によるガバナンスの欠如
    組織の管理が及ばない場所で従業員が個別に AI ツールを導入し、設定が不透明な状態で機密データを入力してしまうことで、情報管理の統制が取れなくなる問題です。

これらのリスクを最小限に抑え、企業の知的財産を守るためには、入力データを学習に利用させないオプトアウト設定の徹底や、エンタープライズレベルの保護が保証されたプランの選択が不可欠となります。

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AI 利用において保護すべき「データ」の定義と分類

Google Antigravity など AI ツールを安全に使いこなすためには、データの種類と定義を理解しておくことが大切 です。具体的なオプトアウト設定の手順へ進む前に、データについて整理しておきましょう。一般的に、 AI 利用において注意すべきデータは、主に次の3つのカテゴリーに分けられます。

データ分類 定義と具体例
入力データ(インプット) ユーザーが入力したプロンプト、アップロードしたソースコード、指示テキストなど。
出力データ(アウトプット) AI が生成したコード断片、文章、回答、提案内容など。
フィードバックおよびメタデータ 回答に対する「いいね / よくない」の評価、利用日時、頻度、エラーログなど。

企業としては、特に「入力データ」がモデル学習に利用されないことを担保する必要があります。 なお、これらのデータを Google では、「インタラクション」としています。

Google Antigravity でオプトアウト設定を行う方法

Google Antigravity の学習を停止させる(オプトアウトする)方法を解説していきます。以下の手順で「データ学習をさせない設定」への変更が可能です。

  1. クイック設定を開く

    画面右上のアカウントアイコンをクリックし、「Quick Settings Panel」を選択します。

  2. 詳細設定(Advanced Settings)へ移動

    表示されたパネルの右下にある「 Advanced Settings 」をクリックすると、設定専用のウィンドウが開きます。

  3. アカウント設定を確認

    左側メニューの「 Account 」を選択します。

  4. テレメトリ(Telemetry)設定のオフ

    画面に表示される「 Enable Telemetry 」の項目を確認します。

”Enable Telemetry

When toggled on, Antigravity collects usage data to help Google enhance performance and features.”

テレメトリを有効にする

オンにすると、AntigravityはGoogleがパフォーマンスや機能を向上させるために役立つ使用状況データを収集します。

ここで注意すべきは、「Enable Telemetry」の内容です。この項目がオン(有効)になっている場合、 Antigravity は、ユーザーの操作内容(インタラクション)を収集し、モデルの評価・開発・改善のために利用します。自社の情報を学習させないためには、必ずオフの状態にしてください。

Google Antigravity の利用規約を確認する

規約を正しく理解することは、企業のコンプライアンス遵守において非常に重要 です。Google Antigravity の規約には、アカウントの種類によってデータの扱いが明確に区別されています。

個人利用に関する規約

個人アカウント( gmail.com など)で Antigravity を利用する場合、規約上、入力データやインタラクションがサービスの改善に利用されることが明記されています。

”3.When you use the Service, we record and store your user data, interaction data pertaining to your usage of the Service, related metadata connected to the Service, and any feedback you provide (“Interactions”). Such data may be aggregated over multiple users, and will be collected only when you have the Service running.”

”お客様が本サービスをご利用になる際、Google は、お客様のユーザーデータ、お客様の本サービスの利用状況に関するインタラクションデータ、本サービスに関連するメタデータ、およびお客様から提供されたフィードバック(以下「インタラクション」)を記録し、保存します。これらのデータは複数のユーザーから集約される場合があり、お客様が本サービスを実行している場合にのみ収集されます。”

”5.We use Interactions to evaluate, develop, and improve Google and Alphabet research, products, services and machine learning technologies. Interactions are collected and used in accordance with this Agreement and the Privacy Policy. Google employees and contractors may access, view, review and use Interactions.”

”インタラクションは、GoogleおよびAlphabetの研究、製品、サービス、機械学習技術の評価、開発、改善に使用されます。インタラクションは、本契約およびプライバシーポリシーにしたがって収集および使用されます。Googleの従業員および請負業者は、インタラクションにアクセスし、閲覧、確認、および使用することができます。”

これらの規約が示す通り、「収集されたデータがモデルの改善(再学習)に活用されること」が基本原則となっています。ただし、削除や学習させない設定についても記載されています。

“3. … If you would like to request that your Interactions be deleted, you can email antigravity-support@google.com. Note that such Interactions will be used in accordance with the terms of this Agreement unless and until you request deletion in accordance with the previous sentence.”

”(前略)お客様は、インタラクションを削除することもできます。インタラクションの削除をリクエストする場合は、antigravity-support@ google .com までメールでお問い合わせください。前文にしたがってお客様が削除をリクエストしない限り、これらのインタラクションは本契約の条項にしたがって使用されることにご注意ください。”

“5. …If you don’t want your Interactions used in this way, navigate to settings to change your preference on how such data is used.”

”(前略)インタラクションがこのように使用されることを望まない場合は、設定に移動して、データの使用方法に関する設定を変更してください。”

Google Workspace 利用の規約

一方で、 Google Workspace 経由でサービスを利用する場合、規約には除外条項が適用されます。

“3. …Notwithstanding the foregoing, if you are accessing the Service via Google Workspace or the Google Cloud Platform, we will not collect your prompts, content, or model responses.”

”(前略)上記にかかわらず、お客様が Google Workspace または Google Cloud Platform 経由で本サービスにアクセスしている場合、Google はお客様のプロンプト、コンテンツ、またはモデル応答を収集しません。”

Google Workspace ユーザーが入力したデータやプロンプトが Google 側で収集・学習されるリスクは、 この 記述により明確に否定されています。組織のソースコードや知的財産を保護しつつ AI のメリットを享受するためには、 個人アカウントではなく、組織管理下の Google Workspace アカウントを利用することが極めて重要 といえるでしょう 。

安定した開発環境を構築する「AI Ultra Access」のメリット

Google Antigravity は、 Google Workspace ユーザーなら規約上、データが学習に利用されないことが明記されています。しかし、企業が Antigravity をビジネス戦略の核として本格導入し、圧倒的な競争優位性を築くのであれば、追加アドオンである「 AI Ultra Access 」の導入をおすすめします。 AI Ultra Access の主なメリットは以下の2点です。

  • 使用量上限の最大化と優先トラフィックの提供
    AI Ultra Access を導入することで、 AI の使用量上限が最大まで引き上げられます。さらに、混雑時でも安定した高速レスポンスを維持できる「優先トラフィック」が提供されるため、開発チームの生産性を止めることなくスムーズな業務遂行が可能です。
  • 最新モデルへの先行アクセス権利
    Google が開発する最新の生成 AI モデルや新機能に対して、一般公開に先駆けてアクセスできる権利が付与されます。これにより、最先端の技術をいち早く自社のワークフローに組み込み、競合他社に先んじたイノベーションの創出が可能になります。

個々の開発者に委ねるのではなく、組織として最適なインフラを整える AI Ultra Access こそが、企業における最適解となるでしょう。


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適切な設定とプラン選びで安定した開発環境を構築しよう

Google Antigravity の導入においては、「設定」と「プラン」の選択が きわめて 重要です。特にセキュリティリスクを回避するため、個人アカウントでの業務利用は避け、データが学習に使用されないよう オプトアウト設定を徹底 する必要があります。

組織としてガバナンスと競争優位性を確立するためには、Google Workspace に加え AI Ultra Access の導入をおすすめします 。 適切なプラン選定と設定を行うことで、安定した開発環境を構築しましょう。

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