コラム更新日:2026.02.26

会議のたびに発生する議事録作成。文字起こしの要約やタスク抽出にかかる時間を削減したい人は多いのではないでしょうか。Google が提供する NotebookLM は、手元の資料をソースとして活用できる画期的な AI ツールです。一般的な AI とは異なり、自分がアップロードした情報のみを根拠にするため、情報の正確性が高いのが特徴です。

本記事では、NotebookLM を議事録作成に活用する手順やメリット、実務で使えるプロンプト例、安定的な運用方法について紹介します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

目次

議事録作成を効率化できる NotebookLM とは?

NotebookLM は、Google が開発した AI 搭載型のリサーチ・アシスタントです。ユーザーがアップロードした資料のみを情報源として回答を生成するのが特徴です。一般的な生成 AI はインターネット上の膨大なデータを学習していますが、NotebookLM は「提供されたデータ」だけを根拠にします。そのため、社内会議の議事録や特定のプロジェクト資料に基づいた、正確な回答を得ることができます。

情報の出典が明確であるため、ビジネスシーンでの信頼性が非常に高いツールといえます。

議事録の要約やタスク抽出が得意な理由

NotebookLM は、コンテキスト(文脈)理解力に優れています。1 ソースあたり最大 50 万語、合計 50 個までのソースを 1 つの「ノートブック」で管理できるため、長時間の会議や数か月にわたる連続した定例会の記録を、一気通貫で分析できます。

過去の経緯を網羅したうえで、「結局、何が決まったのか」「誰が何をいつまでに行うのか」を正確に抽出可能です。点在する情報を線でつなぎ、文脈を読み解く能力が、議事録作成において大きな強みとなります。

NotebookLM で議事録を作成する 3 つのメリット

NotebookLM を導入することで、従来の議事録作成プロセスは大きく変化します。情報の正確性を保ちながら、作成時間を大幅に短縮できる 3 つのメリットを紹介します。

情報の正確性と透明性

AI による議事録作成で最も懸念されるのが、事実と異なる情報を生成するハルシネーションです。NotebookLM は、AI の回答がソース内の「どの発言」に基づいているかを即座に確認できます。回答内の引用タグをクリックすれば、該当する原文が表示される仕組みです。

この透明性により、ハルシネーションを効果的に抑制し、正確な議事録を作成できます。事実確認の工数が削減されるため、作成者の心理的負担も大幅に軽減されるでしょう。

複数会議の横断分析

NotebookLM は、単発の会議だけでなく、シリーズ化された会議の分析に強みを発揮します。過去数回分の議事録を一つのノートブックに集約することで、プロジェクトの変遷を把握できるのがメリットです。

「前回の課題が今回どう解決されたか」「決定事項が途中でどう変わったか」といった経緯を自動で抽出できるため、担当者が変わった際の情報の引き継ぎや、進捗管理がスムーズになります。

ナレッジの即時共有

作成したノートブックは、権限を持つチームメンバー間で共有できるのも大きなメリットです。会議の決定事項を NotebookLM 上で「メモ」として保存すれば、全員が同じ情報を参照できます。認識の相違による手戻りを防ぎ、プロジェクトの透明性を高めることにつながります。

また、各自がチャット機能を使って、自分の気になるポイントを AI に質問することも可能です。議事録が単なる「静的な記録」から、チームで活用できる「動的なナレッジ」へと進化することが期待できます。

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NotebookLM で議事録を作成する手順

実際に NotebookLM を使って議事録を作成する流れを解説します。

①ノートブックの作成とソースの追加

まずは新しいノートブックを作成し、元となる情報をアップロードします。Google ドライブ上のファイル、PDF、テキストに加え、Web サイトの URL も指定可能です。さらに、録音データなどの「音声ファイル」の直接アップロードにも対応しています。

②ノートブックガイドの活用

ソースをアップロードすると、画面上に「ノートブックガイド」が表示され、AI が自動生成した「要約」や「目次」が掲載されます。まずはこの要約を確認することで、会議の全体像をすばやく把握できます。

③チャット機能での深掘り

議事録の細部を仕上げるために、チャット機能を活用します。たとえば「今回の会議で未解決のまま終わった課題は?」といった質問を投げかけます。AI はソースを分析し、具体的な発言を根拠として未解決事項をリストアップしてくれます。

他にも「各担当者が次回の会議までに準備すべきことは?」など、対話形式で情報を深掘りしましょう。AI とのやり取りを繰り返すことで、人間が見落としがちな重要なディテールを漏れなく拾い上げることができます。

使い方次第で大きな差に。精度を高めるプロンプト例

AI の回答品質は、プロンプトの質に左右されます。議事録作成ですぐに使える具体的なテンプレートを紹介します。

議事録を一括で生成したい場合

出力形式を具体的に指定するのがポイントです。下記のように構造を指定することで、情報の整理漏れがなくなります。

<プロンプト例>

この会議の文字起こしを元に、以下の項目で議事録を作成してください。

  1. 決定事項(箇条書きで簡潔に)
  2. 各担当者の ToDo(期限と担当者名を明記)
  3. 次回会議での検討事項(保留になった点を含む)
  4. 議論が紛糾したポイントと、その結論に至った経緯

特定の視点から抽出したい場合

プロジェクトの役割に応じた視点で分析させることも有効です。AI に特定の役割を演じさせることで、単なる要約以上の潜在ニーズを得られます。会議の性質に合わせて、プロンプトを使い分けるとよいでしょう。

<プロンプト例>

プロジェクトリーダーの視点で、今後のスケジュールに影響を与えそうなリスク発言をすべて抽出してください。それぞれの発言に対して、考えられる対策案も提示してください。

議事録を「資産」に変える +α のビジネス活用術

ここからは、NotebookLM に蓄積された議事録を資産に変換するための活用法を紹介します。

プロジェクト横断の傾向分析

過去数か月分の議事録を一つのノートブックに読み込ませ、全体を俯瞰した分析を行います。「この 3 か月間で繰り返し課題として挙がっている項目は何か?」といった質問が有効です。

プロジェクト横断の傾向分析は、現場が直面している本質的なボトルネックの特定に役立ちます。単一の会議では見えてこない、組織的な課題やプロジェクトの停滞要因の可視化が期待できるでしょう。

FAQ・マニュアルへの転換

会議中に行われた質疑応答は、そのまま社内のナレッジになります。NotebookLM に「会議での Q&A を元に、新入社員向けの FAQ を作成してください」と指示してみましょう。議論の背景を含んだ、実践的なヘルプデスク資料や社内マニュアルが自動生成されます。

ドキュメント作成の工数を削減しつつ、現場の生きた情報を社内 Wiki などに即座に反映できます。このようなナレッジマネジメントは、情報の属人化防止にもつながります。

音声解説の活用

「音声解説」は、NotebookLM のユニークな機能です。アップロードした資料の内容を、2 人の AI ホストによる対話形式の音声でサマリー化されるため、長時間の会議内容をわずか数分のポッドキャストのような形式でキャッチアップできます。

テキストを読む時間が取れない場合でも、耳から情報を入れることで効率的に進捗を把握できるため、多忙な役員への報告や外出中のメンバーへの共有に活用できるでしょう。

NotebookLM を業務で安定運用するための対策

AI をビジネスに導入する際は、品質と安全性の両立が不可欠です。安定した運用を実現するための具体的な対策を見ていきましょう。

高精度な文字起こしデータを準備する

質の高いデータを準備することが、精度の高い議事録作成への最短ルートです。文字起こしの精度が低いと、AI が文脈を見誤り、要約の質も低下してしまいます。まずは録音環境を整え、Google Meet などの高精度な文字起こし機能を利用しましょう。

また、発言者が区別された(話者分離済み)データは AI が「誰の意見か」を正確に判別しやすいため、非常に有効です。

関連資料の同時アップロードで情報を補完する

NotebookLM はソース内の情報のみを参照するため、会議外の背景知識を考慮できません。これを補うために、会議録だけでなく、企画書や予算資料、前回の議事録といった関連資料を同じノートブックにアップロードしましょう。

AI に「社内独自の文脈」をあらかじめ与えておくことで、情報不足による誤認を防ぎ、より実務に即した正確な回答が得られるようになります。

情報の最終確認は人間が行う

AI によるハルシネーションが発生する可能性を踏まえて、最終確認は必ず人間が行う運用ルールを徹底しましょう。回答文に付与される引用タグを積極的にクリックし、原文との整合性を確認します。

NotebookLM を「完成品をつくるツール」ではなく、「高品質な下書きをつくるアシスタント」と定義することが重要です。人間のチェックをフローに組み込むことで、組織としての情報の信頼性を担保できます。

権限管理を適切に行う

機密情報を扱う場合、共有範囲の設定がガバナンスの要となります。ノートブックを作成する際は、閲覧や編集が可能なユーザーを適切に制限しましょう。

Google Workspace の管理機能と連携し、機密情報を扱ううえでの社内ルールを策定することを推奨します。誰がどのノートブックにアクセスできるかを可視化し、不必要な情報流出を防ぎましょう。

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NotebookLM を議事録作成に役立てて、社内ナレッジを有効活用しよう

NotebookLM を活用すれば、議事録作成は単なる事務作業から、価値ある知的資産を生み出すプロセスへと変わります。作成時間を短縮できるだけでなく、蓄積されたデータから新たな潜在ニーズを導き出せるようになります。

NotebookLM のポテンシャルを最大化するためには、「高品質なソースの準備」「精度を高めるプロンプトの活用」「適切な権限管理」などの運用ルールが欠かせません。本記事で紹介したプロンプト例や +α のビジネス活用術、業務で安定運用するための対策を参考にして、NotebookLM 活用を始めてみてはいかがでしょうか。

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