Gemini 3 とは?従来モデルとの違いとビジネスに活用する方法
コラム更新日:2026.02.09
Google の AI モデル「Gemini 3」は、単なる性能の向上ではなく、AI が自ら思考して実行する「自律型 AI」へ進化しました。人間のように熟考する「思考モード」、ユーザーの意図を反映した出力「生成インターフェース」などの、新しい機能を備えています。
この記事では、Gemini 3 の機能、競合モデル「GPT-5」シリーズとの比較、料金プラン、安全なビジネス活用法などを解説します。生成 AI 導入を検討中の企業や、さらなる業務効率化を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
※コンテンツの記載内容は、2026年2月6日時点で発表されている情報を元に作成しています。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
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目次
Gemini 3 の概要
Gemini 3 は、マルチモーダル理解と推論能力において最も高性能なモデル。Gemini 2.5 Pro からの単なる機能の向上ではなく、AI の性質を刷新するような、最新 AI モデルへと進化しました。これまでの Gemini は、ユーザーの指示を忠実に実行していましたが、Gemini 3 は「指示の背景にある文脈や意図をより深く読み解く」能力を備え、より高度な推論ができる ようになっています。
「Flash」「Pro」「Deep Think」の 3 モードが選べる
Gemini 3 には 3 つのモデルが存在します。
- Gemini 3 Flash : Gemini のデフォルトはこちらで、無料版も含めすべての Gemini で利用できます。Google 検索の「AI モード」に使われるモデルでもあります。Gemini 3 Pro と比較すると、低遅延、高効率であり、コスト面でも優れています。
- Gemini 3 Pro : じっくり回答を考えるため、Gemini 3 Flash よりも回答に時間がかかります。回答(生成物)の精度が高い反面、使い方によっては使用量の上限に達しやすいと考えられます。無料版では利用に制限があります。
- Deep Think:複数の仮説を検討しながら回答を導き出す、推論に特化したモデルです。Google AI Ultra または Google AI for Business で使用できます。
モードの使い分け
Gemini アプリの画面で、以下のようにモードを切り替えて使用できます。回答の速さや質、使用量の上限なども考慮して、用途にあわせて選ぶとよいでしょう。
高速モード(Gemini 3 Flash)
応答スピードが速い軽量モデル「Gemini 3 Flash」が使われており、長文の要約、情報検索、文書作成など、日常使いに適しています。
Pro(Gemini 3 Pro)(高度な数学とコードについて、さらに深く思考)
Gemini 3 Pro をベースにした、高度な推論に優れた最上位モデル。複雑な数学の問題やコーディング、長文の執筆など、負荷のかかる作業に向いています。膨大なデータを一度に処理できる反面、回答に時間を要することがあります。
思考モード(Gemini 3 Deep Think)
直感的に即答せず、AI が内部で熟考するモデル。深い推論を挟むため、高速モードよりは回答に時間がかかります。複数案の比較検討、長期計画の策定、条件が多い文書の解釈など、複雑な問題に向いています。
思考モードあるいは Pro モードの上限に達した場合は、高速モードに切り替えて同じチャットを続けることが可能です。また、上限がリセットされると、再び思考モードまたは Pro モードを選択できます。
何がすごい?Gemini 3 で進化した主な機能
Gemini 3 は、従来の AI モデルのような「情報の検索や整理」から進化を遂げ、AI が自分で考え、複雑な工程を自律的に実行する能力 を備えています。
特に、論理的な思考と、テキスト、画像、動画、音声、コードといった異なる種類の情報(モダリティ)を同時に処理する「マルチモーダル」が強化され、より複雑なタスクに対応できるようになりました。特筆すべき点を、詳しくみていきましょう。
人間のように「空気を読む」推論能力
Gemini 3 の大きな特徴が、内部で論理を組み立て、自己修正を繰り返しながら答えを導き出せる点です。Gemini 3 は、ユーザーの入力したプロンプトの背景にある意図を、これまでのモデルよりもより適切に把握して、回答を生成します。
人間のように論理的思考により回答を導き出すため、複雑なコード作成、専門的な推論、戦略的な計画立案などの回答精度がさらに向上し、実務への応用範囲がさらに広がると見られています。
AI が自ら形式を考えて出力する「生成インターフェース」
前世代から進化して、「生成インターフェース(Generative Interfaces)」機能を搭載しています。従来の AI は、ユーザーが指示しない限りテキストで回答していましたが、Gemini 3 はこの生成インターフェース機能によって、自らの判断で最適な形式で回答します。
たとえばユーザーがファッションのアドバイスを求めると、プロンプトの意図や背景を反映して、まるでファッション雑誌のような、没入感のある生成物を出力することもあります。
画像と文字の生成を極めた「Nano Banana Pro」
Gemini 3 Pro をベースにした画像生成機能が「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」です。Nano Banana(高速モード)の上位版で、「思考モード」「Pro」で複雑なプロンプトによる画像や、テキストのある画像を生成できます。
従来の AI 画像生成では難しかった「画像内のテキスト(日本語含む)」を生成することが可能で、バナーやグラフなどの描画に役立ちます。チャット形式で対話しながら細部の修正が可能で、Google 検索と連動して最新の情報を画像に盛り込むこともできます。
競合モデル「GPT-5」シリーズとの比較
「Gemini 3」の競合となる AI に、2025 年 12 月に OpenAI がリリースした「GPT-5.2」があります。どちらも「思考能力」と「自律性」を高めたメジャーアップデートモデルで、導入を迷っている企業もあるでしょう。
Gemini 3 は「空気を読む(Reading the room)」AI へと進化し、ユーザーの意図や文脈を深く理解することに重点を置いています。
一方、GPT-5.2 は、専門的な業務や長時間稼働に特化したモデルで、実務的な知識業務を測る GDPval 指標において、初めて「人間の専門家レベル」の性能と評価されたことを発表しています。AI で業務効率化を図るには、自社の業務内容に合うものを選ぶことが重要なため、以下の点で比較検討してみましょう。
計算能力と文章構成力
両モデルとも、複雑な問題を時間をかけて解く「思考プロセス」があり、計算能力と構成力が向上しています。
Gemini 3 Pro は難関の数学ベンチマーク「MathArena Apex」で、前世代や競合モデルを引き離す 23.4% を記録しました。これは、Gemini 3 が回答を知っていたのではなく、その場で考えて解いていることを意味し、高い論理的推論能力であると評価できます。また、「生成インターフェース」機能により、推論能力とコーディング能力を組み合わせて、静的なテキスト回答ではなく、動的な回答を生成することも可能です。
一方GPT-5.2 の「GPT-5.2 Thinking」モデルは、数学コンテスト「HMMT」で 99.4 %を記録するなど、GPT-5.1 からスコアを伸ばしています。科学分野の質問「GPQA Diamond」でも 92.4 %という高スコアを出し、専門家レベルの推論を実現しました。長文の理解力が向上しており、研究論文やコーディングのような長文の要約、複雑な数学やロジックを段階的に説明する作業など、長い文書の中に分散している情報を統合して理解する能力にも長けています。
内部・外部ツールとの連携
Gemini 3 は、Google ドキュメントや Google スプレッドシートなど日頃から利用しているビジネスツールに AI が統合されていることに加えて、API を通じた外部システムとも連携できるのが強みです。
たとえば外部の在庫管理システムを導入している場合、ユーザーは「在庫を確認し、不足があれば発注書を作成して、上司に承認を依頼する」というワークフローを実施する場合では、Gemini が自律的に在庫データ(外部)を確認して、Google ドキュメントで書類を作成し、Gmail や Google チャット(内部)で上司に通知するといった一連のフローを、ツールをまたいで完結させることが可能です。
特に Google Workspace は、その利便性は圧倒的です。メールや共有フォルダなどのツールに Gemini が組み込まれているため、わざわざ AI サービスを導入する手間なしに、安全に社内データを活用できます。
一方で、特定の専門ツールや、独自のデータベースを組み合わせてカスタマイズしたい企業にとっては、GPT-5.2 も魅力的でしょう。GPT シリーズは、数多くのサードパーティと連携できる、広範な API 連携を強みとしています。既存の業務システムを AI に操作させることが可能で、機能拡張や自動化を実現できます。
Gemini 3 は無料で使える?料金プラン
Gemini 3 は、個人向けから法人の本格導入まで、複数のプランから選んで利用することができます。
Gemini 3 が利用できるプラン例
代表的なプランで比較しました。
| 無料版 (個人利用) |
Google AI Plus (個人利用) |
Google Workspace (法人利用) |
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|---|---|---|---|
| 料金 | 0円 | 月額 1,200 円 | 月額 800 円/1 ユーザー〜 |
| 利用できる主な機能など |
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無料プランを業務利用すると思わぬリスクも
無料プランでも Gemini 3 を体験できますが、1 日あたりの利用回数に制限があり、業務の途中で AI が使えなくなることも考えられます。また、無料版に入力したデータは、 AI モデルの改善(学習)に再利用される可能性があり、情報漏洩リスクが高まります 。企業が安全に、そして安定的に AI を運用するには、データが学習に使われないことが保証された Google Workspace 版の導入が必須です。
【事例あり】Google Workspace とは?使い方やできること、料金プランを解説
Google Workspace 導入のメリットや具体的なプラン比較をよりわかりやすく解説しています。
ビジネスで Gemini 3 を最大限に活用するポイント
Gemini 3 を活用して生産性を向上するには、「整備されたデータ」「安全な環境」が必要です。
AI が社内データにアクセスできる環境の整備
Gemini 3 の真価は、インターネット上の一般的な知識だけでなく、社内の情報を踏まえた回答ができる点にあります。具体的には、過去の提案書、議事録、マニュアルなどが Google ドライブ 内で整理されていることで、 AI は正確に社内の状況を把握し、精度の高い成果物を作成できます。社内の情報をデジタル化し、 AI がアクセスしやすい形に整えることが、AI 導入成功の鍵となります。
「AI が迷わない環境」をつくるための情報集約
情報が散在していたり、古いマニュアルが残っていたりすると、 AI はどちらに従うべきか判断を誤り、誤答(ハルシネーション)を引き起こす恐れがあります。 Google Workspace を活用して「常に最新の情報を一箇所に集約する」という情報ガバナンスを徹底することで、 AI は迷うことなく正確に業務を遂行できるようになります。
企業の情報を守るためのセキュアな実装
最新 AI の恩恵を受ける一方で、企業にとってデータの安全性確保は必要不可欠です。Google Workspace では、データは Google ではなく企業側が保持するため、機密情報が AI の学習に利用されることはありません。管理者が「管理コンソール」から、組織全体あるいは特定のチームについて、Gemini が参照できるデータに制限をかけたり、利用そのものを制限したりすることも可能です。
Google Workspace は安全!知っておくべきセキュリティ対策と機能
Google Workspace の具体的なセキュリティ機能と、安全に業務効率化を実現できる理由を解説します。
進化し続ける Gemini 3 で競争力を高めよう
Gemini 3 の登場により、 AI は単なる「便利な検索ツール」から「自律的に働くパートナー」へと進化しました。思考モードによる深い洞察や、Nano Banana Pro による高度な画像生成などは、上手に使いこなせば企業の生産性をより高めてくれるでしょう。ただし、最新 AI を使いこなして企業が成長していくためには、AI 本体の性能以外に、それを動かす環境も重要です。データ漏洩が起こらないセキュアな環境での利用や、AI が社内データと連携しやすい仕組みの構築などにもぜひ目線を投じてみましょう。

