Gemini に学習させない設定。法人利用での確実な設定方法と注意点を解説
コラム更新日:2026.02.03
Google が提供する生成 AI「Gemini」は、ビジネスの生産性を劇的に向上させるツールですが、利用する際のプロンプトやデータが AI の学習に利用され、他ユーザーの回答として情報が流出するリスクは、企業が AI を利用する上での大きな障壁となります。
この記事では、Gemini に会話や入力データを学習させないための設定と、安全に運用するための注意点を解説します。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
目次
リスクはある? Gemini による入力データの学習
Gemini における「学習」とは、ユーザーが入力したプロンプトやアップロードしたファイルの内容が、Google の AI モデルの精度向上や改善に利用されることを指します。知らずに利用を継続すると、機密情報や個人情報などが Google のサーバーに蓄積され、将来的に他のユーザーに対する回答のベースとして活用されるリスクが存在します。一度学習されたデータを取り消すことは困難なため、企業がビジネスで活用する際には、あらかじめ「学習させない設定」を確実に適用することが求められます。
【無料版・有料版】学習のデフォルト設定の違い
Gemini はアカウントの種類によって、学習機能のデフォルト設定が異なります。個人向け無料プランの場合は、原則としてユーザーの対話内容は Google のモデル改善に利用される仕様です。入力データや会話履歴が学習に使用される可能性があるため、自身で設定を確認・変更する必要があります。
一方で、Google Workspace などの法人向け有料版では、入力したデータが学習されないと明言されています。また、人の目による確認も行われません。したがって企業がビジネスで Gemini を利用する場合は、デフォルトで学習が遮断されている有料版の導入がおすすめです。
有料版は一括で管理できる
企業がより安全に Gemini を活用するためには、管理者が設定をコントロールできる環境を整えておくのがおすすめです。従業員(ユーザー)自身が設定を行う運用は、ヒューマンエラーによる情報漏洩リスクが残るためです。
Google Workspace では、管理コンソール機能を利用して、管理者が Gemini 利用の設定を組織全体に適用することや、利用状況を監視することが可能です。この仕組みにより、個人のリテラシーに依存せず、企業全体で組織の情報を守りながら AI を利用できます。
【個人向け】Gemini の学習設定をオフにする
個人向けの Gemini は、無料版・有料版のいずれも、デフォルトでは入力データが学習される設定になっています。学習させない設定にするには、ユーザー自身で設定を変更する必要があります。具体的な手順は以下のとおりです。
- 画面左下の「設定とヘルプ」をクリックして、「アクティビティ」を選択

- アクティビティの保存で「オフにする」または「オフにしてアクティビティを削除」を選択(「オフにする」を選択した場合、これからの会話は保存されなくなりますが、過去の履歴は削除しない限り残ります。)

※学習設定をオフにしても、回答の生成や評価の分析のために、データは最長 72 時間アカウントに保存されます。
学習させない設定にするデメリット
学習設定をオフにすることで、設定後の会話やデータは、AI の学習に使われなくなります。しかし、以下のようなデメリットもあるため、注意が必要です。
- 履歴が残らないので、毎回、最初からデータを入力しなおす必要がある
- 長期的な会話や文脈に依存した回答が難しく、その場限りの回答になる
- AI の性能向上につながらないので、回答が的外れになる
- オフに変更する前のデータはすでに学習されている可能性がある
業務効率、回答の精度、セキュリティ上の懸念からも、企業が個人向けの Gemini を利用するのはおすすめしません。
【管理者向け】Google Workspace で学習を無効化する方法
Google Workspace の Gemini では、デフォルトで学習が無効となっています。企業のプライバシーが保護される契約のため、個人向け Gemini のように従業員が個別に学習機能をオフにする必要がなく、企業は安全に AI を活用することが可能です。入力データは Google ではなく企業が保持し、入力したプロンプトや出力された回答、参照したファイルの内容などが、AI の学習に使用されることはありません。加えて、人間による確認や、Google の広告に利用されることもありません。
なお、管理者は管理コンソールで、Gemini との会話やデータを Google アカウントに自動で保存する「アクティビティの設定」を一括で管理できます。アクティビティが「オン」であっても、その内容が AI の学習に利用されないことが契約上保証されています。
設定だけでは防げない?シャドー AI と運用のリスク
従業員が無断で AI を利用する「シャドー AI(Shadow AI)」は、企業側で設定を確認できず、入力データが AI に学習される懸念があります。情報漏洩リスクを完全に排除するために、システム設定(ハード)とともに、教育(ソフト)もセットで導入することが重要です。
社員が個人の無料アカウントで業務をしてしまうリスク
企業が正式に AI サービスを導入していない場合、従業員が利便性を求めて個人の無料版アカウントを業務で利用する「シャドー AI」のリスクが発生します。個人アカウントでの入力はデフォルトで学習対象となり、管理者の目が届かない場所で重大な情報漏洩が引き起こされる恐れがあります。
重要なのはシステム設定と「利用ルール」の周知
利便性を損なわず安全に AI を利用するためには、企業が許可した有料版(法人向け)の利用を徹底させ、個人アカウントでの業務利用を禁止する明確な姿勢が必要です。技術的な防御策に加えて、従業員一人ひとりがリスクを正しく理解するための教育と、ガイドラインを策定しましょう。「どのような情報を入力してよいか」「機密情報の定義は何か」を具体的に示し、社内に周知徹底することで、初めて安全な運用が成立します。
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Gemini 活用について問い合わせるデータを学習させない設定で Gemini を安全に活用しよう
企業が Gemini を安全に活用するためには、AI が学習する仕組みを正しく把握し、個人向け AI のリスクを排除した「企業向けプラン」の導入が不可欠です。管理コンソールでの適切な権限設定と、社内ルールの周知を徹底することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えた AI 活用を実現できるでしょう。設定やセキュリティポリシーの策定などに不安がある場合は、代理店による支援の活用も検討して、Gemini の安全な活用を検討してはいかがでしょうか。


