【最新】Gemini でデータ分析は実際にできる?ファイル読み込み、グラフ作成など

コラム更新日:2025.09.10

Google の生成 AI である Gemini は、画像や PDF、Excel ファイルなど、多様な形式のデータを理解し、その活用範囲を日々広げています。この機能を活用し、データ分析に AI を導入できないかと検討されている方もいるのではないでしょうか。

今回は、最新の Gemini を使ったデータ分析の具体的な方法を、実際の操作画面も交えながらわかりやすく紹介します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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Gemini データ分析の主なアプローチ方法

Gemini を使ってデータ分析を行う際の主なアプローチには、大きく分けて2つの方法があります。

  • ファイルを直接アップロードして分析する方法
  • Google Workspace と連携して分析する方法

1つ目は、分析したい Excel などのファイルを、通常の Gemini のチャット画面に毎回アップロードし、対話形式で分析を進める方法です。

2つ目は、Google スプレッドシートのサイドパネルに表示されるGeminiを活用し、シート上のデータ分析を行う方法です。この方法は、一部のプランでのみ利用可能です。2つのアプローチについて、順に見ていきましょう。

Gemini へファイルをアップロードして分析する方法

分析したいデータが記載されたファイルを、Gemini へアップロードして分析する方法を紹介します。具体例として、総務省の消費者物価指数(2025年7月分)の資料を使用して、データ分析をしていきます。

なお、ここではGemini アプリの「2.5 Pro」のモデルを使用しています(Google Workspace の Enterprise エディションを契約)。

分析したいファイルを Gemini にアップロードする

Gemini のチャット入力欄にある「+」のアイコンをクリックします。お使いのパソコン内に保管されたファイルなどから、ファイルを選択します。

ファイルを選択すると、チャット欄にファイルが添付された状態になります。これで、データ分析の準備は完了です。

データ分析をプロンプトで入力する

分析したいファイルをアップロードしたら、チャットにプロンプトを入力します。例えば、以下のようなものです。

<プロンプトの例>

あなたは、経済アナリストです。以下の条件に沿って、添付したデータを分析してください。

  • 目的:
    近年の物価上昇の規模を把握して、今後の動向を予想したい
  • 手順:
    1. 目的に適した分析方法を検討
    2. 1で選択した分析方法のうち、添付のデータで使えるものを2つ選択
    3. 分析結果を表形式で記載。
    4. 考察

一言で「データ分析」といっても内容の幅が広いため、上記のように 目的や手順を指定 しておくのも一案です。他にも、例えば 「インサイトの抽出」「重要な相関関係の分析」 など、データ分析をさらに細かくした言い方で指定するのもよいでしょう。

データ分析の結果を確認する

プロンプトを入力すると、分析結果が表示されます。

データファイルが複数ページある場合、Gemini が参照した数値が添付ファイルのどのページにあるかを明示することで、確認作業がよりスムーズになります。記載されていない場合は、「参考情報の出典元も記載して」などとプロンプトで指示するとよいでしょう。

Gemini の Canvas を使えば文書やレポートの出力も簡単

Gemini の一機能である Canvas は、文章やコードの編集にも活用でき、無料版でも利用できます。 Canvas は、プロンプトを入力する欄の下にある「Canvas」をクリックしてオンにしておくだけで使えます。

目次が整理されていて、文書やレポート作成のたたき台としても活用できます。

グラフ作成も、大きく表示された画面を見ながら、変更したい点をプロンプトで再入力することで簡単に改善できます。

Google Workspace のアプリと連携して分析する方法

次に、Google Workspace のGoogle スプレッドシート上で、Gemini を使ってデータ分析する方法を解説します。

この方法は、データが記載されたGoogle スプレッドシートで、Geminiのサイドパネルにプロンプトを入力します。

サイドパネルを使うメリットとして、データ編集画面で直接 Gemini の力を借りられる点が挙げられます。データ分析の際に必要となる データの整理、分類なども、関数を用いずにプロンプトで指示すれば簡単 でしょう。

Gemini でデータ分析を行うメリットや注意点

Gemini はデータ分析を強力にサポートするツールである一方、万能ではありません。メリットと注意点の両方を理解しておくことが重要です。

メリット|分析と資料作成のスピードアップ。思考の壁打ち相手としても活用

Gemini をデータ分析に活用する最大のメリットは、作業スピードの劇的な向上です。これまで時間がかかっていたデータの集計やグラフ作成を、わずか数分で完了させることも可能でしょう。

また、分析の切り口に悩んだ際に、 「このデータから他にどんなことがわかる?」「検討すべき重要なポイントを10個挙げて」 といったように Gemini に問いかけることで、自分では思いつかなかった新たな視点や、仮説を得られることもあります。思考の壁打ち相手として活用することで、分析の質を高める効果も期待できるでしょう。

注意点|人の目によるファクトチェックが必要

便利な Gemini ですが、注意点もあります。最も重要なのは、AI が生成した情報が常に正しいとは限らないということです。ときには、事実に基づかない情報(ハルシネーション)を生成することもあります。そのため、 Gemini が提示した分析結果は鵜呑みにせず、必ず元のデータと照らし合わせてファクトチェックを行う必要があります。

Gemini はあくまでも優秀なアシスタントであり、分析の主体は人間であるという認識を持つことが不可欠です。データを正しく解釈し、活用する能力、すなわちデータリテラシーが、使用者にこれまで以上に求められるでしょう。

データ分析に使える Gemini のプランと選び方

Gemini は、無料プランでも基本的な機能は利用できますが、より高度な分析やビジネスでの利用を考える場合は、有料プランの検討が必要です。自社の目的やセキュリティ要件に合わせて、最適なプランを選択しましょう。

Gemini に関するサービスの料金体系

Gemini は、大きく分けて「個人向け」と「ビジネス向け」があります。

  • 個人向け
    個人向けとして提供されている Gemini アプリは、無料版のほか、有料版として「Google AI Pro」「Google AI Ultra」があります。無料版の場合、ユーザーデータがサービス改善に利用される可能性に注意が必要です。

  • ビジネス向け
    ビジネスシーンでの利用に特化した Gemini アプリは、ビジネス向けグループウェア「Google Workspace」を契約している場合に利用できます。Google Workspaceの各プランに標準搭載されており、基本的に追加料金はかかりません。

業務活用なら各種ツールと連携できる Google Workspace

データ分析の結果を、迅速に戦略へと活かしていくには、社内のデータを一括で管理できる環境が必要です。そこでおすすめなのが Google Workspace の活用です。

Gemini が標準搭載された Google Workspace を利用すれば、Google スプレッドシートやドキュメント、Gmail といった日々の業務で使うツール上で、直接 Gemini を呼び出すことができます。データをエクスポートしたり、アプリケーションを切り替えたりする手間なく、シームレスに AI のサポートを受けられるのです。

主に法人向けとして提供されている Google Workspaceでは、Gemini に入力したデータがAIの学習に使われることはありません。ツールの連携性と高いセキュリティを両立 した Google Workspace は、 グループウェアと最先端の AI 機能をまとめて導入したい企業にとって最適な選択肢 といえるでしょう。

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自社にあったデータ分析における Gemini 活用方法を考えてみよう

データ分析のアプローチ方法は多岐にわたり、目的によって最適な活用法が異なります。この記事では、その一例としてデータ分析の具体的な活用方法をご紹介しました。Gemini を業務に導入する際は、そのメリットだけでなく、AIならではの注意点も考慮することが重要です。貴社における Gemini の活用の可能性について、具体的に検討してみてはいかがでしょうか。

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