Gemini Enterprise のプランと料金を徹底解説!機能の違いや選び方
コラム更新日:2026.03.04
企業が AI を導入するステージは、「文書作成の補助」から「業務プロセスの自動化」へと進化しています。その中核を担うのが、Google Cloud が提供する「Gemini Enterprise」です。Gemini Enterprise は、社内データと連携した高度な AI エージェント構築を可能にするプラットフォームとして注目されています。
Gemini Enterprise が自社に合っているか、導入すべきか、検討している人もいるのではないでしょうか。本記事では、Gemini Enterprise プランの詳細を解説するとともに、Google Workspace ユーザーがどのように AI 活用をステップアップさせるべきか、選定の指針を詳しく紹介します。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。
※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
目次
Gemini Enterprise の概要
Gemini Enterprise は、Google Cloud 上で提供されるビジネス特化型の生成 AI サービスです。自然言語を使ってノーコードで「AI エージェント」を構築したり、社内の膨大なデータソースと AI を安全に連携させたりすることができます。
現在は「Gemini Enterprise Business」と「Gemini Enterprise Standard / Plus」という主要プランに分かれています。それぞれデータ連携の深度や、適用されるセキュリティ統制のレベルが異なります。自社が「AI をどのような基盤で、どの範囲まで動かしたいか」を明確にすることが、最適なプラン選びの第一歩となります。
Gemini Enterprise プランの機能比較
Gemini Enterprise の主要プランである「Gemini Enterprise Business」と「Gemini Enterprise Standard / Plus」それぞれの機能を見ていきましょう。
Gemini Enterprise プランの機能比較表(一部抜粋)
| 比較項目 | Gemini Enterprise Business | Gemini Enterprise Standard / Plus |
|---|---|---|
| 主な用途 | 特定部門での AI 試作・活用 | 全社展開・高度なデータ統合 |
| 管理基盤 | Google Cloud プロジェクト単位 | Google Cloud 組織単位(マルチプロジェクト) |
| セキュリティ | 標準的なデータ保護 | VPC-SC、CMEK、高度な DLP 連携 |
| 外部データ連携 | 主要な SaaS との接続 | 社内データベース・複雑な外部システム連携 |
| ストレージ(1 ユーザーあたり) | 25 GiB | Standard は 30 GiB、Plus は 75 GiB |
| ライセンス数 | 最大 300 まで | 制限なし |
Gemini Enterprise Business プランの特徴と向いている企業
Gemini Enterprise Business は、Google Cloud 上での AI エージェント構築の基本機能を網羅しています。開発環境の構築が容易であり、特定の業務課題に絞った活用が可能です。AI エージェントの強力な機能を、特定のプロジェクトや小規模な部門で迅速に試したい企業に最適です。スモールスタートが可能な点が大きな特徴といえるでしょう。
また、利用できるデータソースには一定の制限がありますが、主要な SaaS とのコネクタは標準装備されています。公開されているサードパーティ性コネクタには、Box、Dropbox、Microsoft Outlook(メール・カレンダー)、Microsoft OneDrive などがあります。導入初日から既存ツールと連携した AI 活用を開始できるのがメリットです。
Gemini Enterprise Standard / Plus プランの特徴と向いている企業
Gemini Enterprise Standard / Plus は、全社規模で AI を業務の核に据える大企業や、厳格なセキュリティ要件を持つ組織に適しています。組織固有の複雑なビジネス課題を解決するために、より深いデータ階層へのアクセスや、複数の社内システムをまたいだ高度な自動化を実現できます。
特に「CMEK(顧客管理暗号鍵)」や、アクセス制御機能「VPC Service Controls(VPC-SC)」との連携など、金融・医療・官公庁レベルのコンプライアンス要件を満たすガバナンス機能を利用できます。
さらに、現場で働く従業員向けにコストを抑えた「Gemini Enterprise Frontline」をアドオンとして追加できるため、オフィスから現場まで一貫した AI 環境を構築したい企業におすすめです。
Gemini Enterprise プランの料金比較
導入コストは、Google Cloud の料金体系に基づきます。2026 年時点の参考価格は以下の通りです。
| Gemini Enterprise Business | Gemini Enterprise Standard / Plus | |
|---|---|---|
| 料金(1 ユーザーあたり) | 月額 21 ドル | 月額 30 ドル〜 ※契約規模により変動 |
Google Workspace を導入している場合、注意すべきは、これらがGoogle Workspace のライセンス料とは「別」に発生する点です。Google Workspace の管理画面から購入するアドオンとは異なり、Google Cloud のコンソール上での予算管理やプロジェクト単位の請求設定が必要となります。そのため、管理部門は Google Workspace と Google Cloud の両方のコスト構造を把握しておく必要があります。
一方、上位プランになるほどストレージ容量が追加されるだけでなく、AI の処理能力が優先的に割り当てられます。大量のデータを頻繁に解析する企業にとっては、待ち時間が大幅に短縮されることで作業効率が向上し、増額分以上のコストメリットを享受できる仕組みとされています。
Gemini Enterprise プラン導入を検討する際のポイント
高度な機能を備える Gemini Enterprise ですが、すべての企業に最初から必要とは限りません。企業規模や業務内容によっては、Google Workspace の生成 AI 「Gemini for Google Workspace」で十分課題を解決できるケースもあります。
まずは、「自社の AI 活用がどのフェーズにあるか」を客観的に判断することが重要です。無理に高度なプラットフォームを導入するよりも、Gemini for Google Workspace など身近なツールでの成功体験を積み重ねることが、結果として全社的な AI 定着につながります。
Gemini Enterprise プラン選定チェックリスト
どのプランが最適か判断するための 5 つのチェックポイントです。
[ ]社内データベースや基幹システムとの高度な連携が必要か?
[ ]多言語のリアルタイム音声翻訳や自動議事録を、全社的な標準機能として利用したいか?
[ ]CMEK(顧客管理暗号鍵)や VPC-SC(アクセス制御機能)などの最高水準の統制が必要か?
[ ]組織全体(マルチプロジェクト)で一貫した AI ガバナンスを管理したいか?
[ ]利用制限を気にせず、全従業員が常に「優先的な処理能力」を享受すべき環境か?
チェックが 0〜2 個の場合、まずは Gemini Enterprise Business で特定の業務課題から対応を開始し、費用対効果を検証するのがおすすめです。チェックが 3 個以上の場合、全社展開を見据えた Gemini Enterprise Standard または Plus の検討を推奨します。
一方、「ドキュメントの下書きを AI に任せたい」「Gmail の返信案を自動化したい」「スプレッドシートのデータを整理したい」といった日常業務の効率化が主目的であれば、Google Workspace の AI 機能で実現できます。
今ある環境でどこまで AI を活用できるか検証する
もし自社ですでに Google Workspace を利用しているのであれば、Google Workspace 上で Gemini 活用を進めることは、データの整理やセキュリティポリシーの再確認にもつながります。既存環境での活用プロセスを通じて、社内のデータクレンジングの必要性や、セキュリティ上の懸念点が見えてくることも少なくありません。
これらを解決しながら段階的に適用範囲を広げていき、必要に応じて「Gemini Enterprise」にステップアップするという戦略も有効です。
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Gemini Enterprise の高度なビジネス活用法
ここからは、Gemini Enterprise プランの高度な機能を活用すべきビジネスシーンを紹介します。
①独自データベースを参照する自律型エージェント
自社の BigQuery に蓄積された販売データや CRM の顧客履歴を AI に直接参照させ、高度な分析や将来予測を行う活用法です。AI が「意思決定」のためのデータ基盤として機能します。
<例>
- 顧客の履歴や注文の詳細、商品の仕様、関連するポリシーなどを即座に確認する。
- 過去のやり取りを迅速に要約し、フィードバックを分析して、顧客のニーズをより深く理解する。
②リアルタイム音声翻訳と会議支援
グローバル展開する組織において、Google Meet でのリアルタイム音声翻訳は必須機能といえます。単に通訳コストを削減するだけでなく、言語の壁による情報格差を解消し、多国籍なチームが共通の理解を持って業務を推進できる環境整備につながります。
Gemini Enterprise に関するよくある質問
Gemini Enterprise に関するよくある質問から、2 つピックアップして紹介します。
Gemini Enterprise プランを利用する方法は?
Gemini Enterprise の利用には、有効な Google Cloud 請求先アカウントが必要です。Google Cloud コンソールの「Gemini Enterprise」ページからサブスクリプションを作成し、ライセンスを購入します。
購入時には「Cloud プロジェクト」の選択が必要です。Business エディションはオンラインで 30 日間の無料トライアルが可能ですが、Gemini Enterprise Standard / Plus や Gemini Enterprise Frontline の契約については、Google Cloud の営業担当者または認定パートナーへの問い合わせが必要となります。
Gemini Enterprise と Gemini アプリの違いは?
「Gemini アプリ」はブラウザ上で AI と対話するチャットサービスです。一方、「Gemini Enterprise」はそれらを内包しつつ、「社内システムと AI をつなぐ基盤(プラットフォーム)」である点が異なります。
具体的には、Gemini Enterprise を使うことで、自社の BigQuery にある売上データや、Salesforce にある顧客情報を参照して回答する「自社専用 AI」を構築できます。単なる「相談相手」ではなく、社内の実データに基づいて「実行」まで行うのが Gemini Enterprise です。
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Gemini Enterprise は、Google Cloud の堅牢なインフラを背景に、企業の生産性を次のフェーズへ引き上げるための強力な基盤となります。しかし、大切なのは「どのツールを導入するか」ではなく、「自社の課題にどう AI を適用するか」です。
大規模なデータ連携が必要なら Gemini Enterprise プランを、まずは身近な業務効率化に取り組むなら Google Workspace の AI 機能を。自社の現在地を見極め、適切なプランを選択することが AI 活用の鍵となります。自社に最適なプランを選んで AI 活用を本格化しましょう。
