コラム更新日:2026.02.19

NotebookLM は、膨大な資料を瞬時に分析し、業務効率を大きく向上させる強力な AI ツールです。しかし、業務で使用する場合、「入力した機密情報が AI の学習に使われ、外部に漏洩しないか」という点を懸念する人もいるでしょう。本記事では、NotebookLM の安全性の実態や、組織で安全に運用するための具体的なルール、個人版とビジネス版 Google Workspace の違いについて、わかりやすく解説します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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目次

NotebookLM のデータ利用とプライバシーの仕組み

NotebookLM を業務に導入する際、まず理解すべきは「データがどのように扱われるか」というプライバシーの根拠です。NotebookLM のデータ利用とプライバシーの仕組みについて確認しましょう。

【Google 公式情報】アップロードした資料は AI モデル学習に使われない

NotebookLM において、ユーザーが提供したソース資料や AI との対話内容は、Google の基本モデル(Gemini など)のトレーニングに使用されることはありません。 これは、Google が公式に明言している重要な仕様です。


“Google Workspace または Google Workspace for Education をご利用の場合、NotebookLM でのアップロード、クエリ、モデルの回答は、人間のレビュアーが確認することも、AI モデルのトレーニングに使用されることもありません。”


企業の知的財産や未公開の企画書、社内マニュアルなどを読み込ませても、それが他社の回答に反映されるリスクを回避できるため、社外秘情報を取り扱う業務でも、情報漏洩を過度に恐れることなく活用を進められます。

データの秘匿性とアクセス制限

前述の通り、ユーザーがアップロードしたソース資料は、アップロードした本人、および本人が明示的に「共有」設定を行った相手以外には公開されません。Google のシステム内部においても、ユーザーの許可なくスタッフが内容を閲覧することは技術的に制限されています。

特に法人向けの Google Workspace 環境で利用する場合、データは組織の境界(ドメイン)内に厳格に隔離 され、組織外のユーザーにデータが漏れるリスクを最小限に抑えることが可能です。また、共有設定を適切に管理すれば、社内の特定のプロジェクトチーム内だけで安全に情報を活用できます。

学習させない画像

共有ボタンをクリックして個別に権限を設定しない限り、データはプライベートな状態が維持されます。アクセス制御機能により、部署をまたいだ情報共有の際も、閲覧・編集権限をきめ細かくコントロールできます。

個人版とビジネス版「Google Workspace」の違い

NotebookLM は個人の Google アカウント(無料版)でも利用できますが、企業が導入を検討する際はビジネス版の Google Workspace との違いを把握することが不可欠です。両者の仕様の差を表にまとめました。


個人版とビジネス版「Google Workspace」の違い

比較項目 個人アカウント(無料版) Google Workspace(ビジネス版)
AI モデルの学習 利用されない 利用されない(より厳格な規約適用)
管理者による一括制御 不可(個人設定に依存) 可能(管理コンソールで制御)
利用者からのフィードバック内容 Google スタッフが確認する場合がある 人によるレビュー・モデルトレーニングに利用されない
組織の境界内隔離 なし(個人単位) あり(ドメイン単位で保護)
商用利用の権利 規約に依存する ビジネス向けの権利が担保される

個人アカウント(無料版)では一部学習される可能性がある

個人版でも基本的には学習に使用されませんが、例外として「フィードバックの送信」が挙げられます。 不具合報告や回答の改善要望などのフィードバックをユーザーが手動で送信した場合、その内容は Google のスタッフが確認する可能性があります。

このプロセスはサービスの品質向上を目的としたものですが、送信内容に機密情報が含まれていた場合、事実上その情報が Google 側に提供されることになります。個人の裁量で利用している場合、こうしたリスクを組織として防ぐことは非常に困難です。

一方、ビジネス版 Google Workspace は、管理者によるガバナンスを効かせることが可能です。機密性の高いデータを扱うのでれば、個人のアカウントではなく、組織的な管理権限が強い Google Workspace での NotebookLM 利用を推奨します。

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NotebookLM に学習させないための「3 つの運用ルール」

ツールの仕様がどれほど安全でも、ユーザーの操作ミスや管理不足があれば、情報の安全性を完全に担保することはできません。組織全体で安全に NotebookLM を活用するためには、システム上の設定に加え、現場が守るべきガイドラインの策定が必要です。押さえておきたい 3 つの運用ルールを紹介します。

①Google Workspace 環境で利用する

企業の安全を守るための大原則は、 企業が認可した Google Workspace 環境以外での利用を禁止すること です。個人のスマートフォンや私的アカウントでの利用は、管理者が利用状況を把握できず、万が一の際に対応が困難となります。

管理コンソールを活用すれば、特定の組織部門やグループに対してのみ NotebookLM の利用を許可するといった、柔軟なアクセス制御が可能です。以下の手順で設定できます。

  1. Google Workspace 管理コンソールに管理者権限でログイン
  2. メニューの「アプリ」>「Google Workspace」を選択
  3. アプリ一覧から「NotebookLM」を探し、アクセス権限を設定

組織部門ごとに「オン」「オフ」を切り替えることで、開発部門のみに先行導入したり、全社一律で利用制限をかけたりといった運用が可能になります。

②入力データの機密ランクを定義する

すべてのデータを一律に扱うのではなく、情報の重要度に応じた利用基準を定めます。 これを社内ガイドラインとして周知することで、従業員が「何を入力してよいか」を迷わずに判断できるようになります。

<レベル 1:公開情報>
プレスリリース、公開済みの外部向けマニュアルなどは利用可とし、制限なく活用します。

<レベル 2:社内情報>
社内会議の議事録、非公開の企画書、開発ドキュメントなどはビジネス版 Google Workspace なら利用可とし、ビジネスアカウントの保護下で活用します。

<レベル 3:極秘情報>
マイナンバー、クレジットカード番号などは原則入力不可とします。顧客名や住所などの個人情報は「顧客 A」のように匿名化するといった変更を加えることで、万が一のリスクに備えられます。たとえ学習されない仕様でも、AI ツールへの入力は控える運用にしましょう。


上記のようにランク分けを明確にすることで、AI 活用の利便性とセキュリティを両立できます。


③ノートブックは定期的に整理する

ノートブックの共有権限は、必要なメンバーにのみ付与することを徹底します。共有する際は「閲覧者」か「編集者」かを厳選し、プロジェクトが終了した後は速やかに共有を解除するか、ノートブック自体を削除する運用をルール化しましょう。

長期間放置されたデータは、将来的な誤操作や不正アクセスの標的となるリスクを高めます。定期的なデータ整理の時間を設けることが大切です。また、重要なノートブックには適切な名前を付け、中身を判別しやすくしておくことも、管理ミスの防止に役立ちます。

NotebookLM 導入を「成果」に変えるためのポイント

ビジネス版 Google Workspace での「安全な環境」に「正しい活用スキル」を掛け合わせることで、NotebookLM 活用による成果が生まれます。成果につながる主な施策は次の 3 つです。


①「成功体験」の横展開
NotebookLM 活用の成功体験を組織で共有することが有効です。
・複雑な社内規定を読み込ませた Q&A チャットの作成
・会議の議事録を読み込ませて ToDo を整理
・過去の提案書を分析した新しい企画案の骨子作成 など

②プロンプトスキルの向上
AI からより精度の高い回答を引き出すためのコツを社内で共有します。

③外部の活用支援の利用
自社だけで教育を完結させるのが難しい場合は、外部の活用研修サービスや伴走支援を利用するのも一つの方法です。専門家の視点を入れることで、活用範囲が大きく広がります。


▼TSクラウドでは、生成 AI ツールの導入から独自研修プログラムによる社員教育まで一気通貫で伴走支援します。まずは、Gemini 活用についてお悩みをお聞かせください。

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安全基準を満たしたビジネス版で NotebookLM を活用しよう

NotebookLM は、デフォルトでユーザーの入力データを学習に使用しない、企業にとって導入しやすい AI ツールです。しかし、その安全性を過信せず、ビジネス版 Google Workspace による管理体制と、適切な社内運用のルールづくりを並行して進めることが重要です。本記事で紹介した「3 つの運用ルール」を参考に、スモールスタートからでも活用を始めてみてはいかがでしょうか。

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