コラム更新日:2025.08.07

AIを活用した情報整理ツールとして注目を集める Google の「NotebookLM」。NotebookLM では、情報を「個人で整理する」だけでなく「他者と共有する」ことも可能です。チームでの共同作業やクライアントへのプレゼン準備など、NotebookLM の共有機能はビジネスや学習を大きく効率化させるでしょう。

この記事では、NotebookLM の共有機能の基本から具体的な使い方、ビジネスでの活用術などを解説します。この機能を活用することで情報の力を最大限に引き出し、業務効率の向上を実現できるはずです。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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NotebookLM 共有機能の概要:誰と何を共有できる?

NotebookLM の共有機能とは、作成したノートブックや、その中に取り込んだ情報源(ドキュメント、PDF、ウェブページなど)を、他のユーザーと簡単に共有できる機能のことです。まるで Google ドキュメントを共有するように、NotebookLM でまとめた情報を他の人が閲覧したり、編集したりできます。

共有できる範囲は、利用している NotebookLM のエディションによって異なります。


  • ノートブック全体
    これは無料版・アップグレード版(NotebookLM in Pro)共通の、一般的な共有方法です。特定のノートブックとその中にあるすべての情報(ソースとメモ、AI による要約やチャット履歴など)を共有します。
  • チャットのみ(特定のソースの会話部分に特化)
    この共有オプションは、アップグレード版である NotebookLM in Pro(旧 NotebookLM Plus) のみ利用可能です。
    ノートブック全体を共有するのではなく、AI チャットの履歴や要約など、会話部分に限定して共有できます。元の情報源(ソース)への直接アクセスはできないため、情報開示の範囲をより細かくコントロールしたい場合に便利です。

また、共有相手には「閲覧者」「編集者」の2種類のアクセス権を付与できます。誰にどの権限を与えるかによって、情報の管理と共同作業の範囲を細かくコントロールできます。

NotebookLM で共有機能を活用するメリット

NotebookLM の共有機能を活用することで、情報管理とチームの生産性は大きく向上するでしょう。ここでは、その主要なメリットをご紹介します。

シームレスな情報共有と共同編集

NotebookLM の共有機能によって、すべての関連情報を一つのノートブックに集約し、必要なメンバーとリアルタイムで共有できます。

複数人が同じノートブックで同時に作業できるため、共同編集がスムーズに進みます。具体的には、企画書作成、議事録の要約、リサーチ結果のまとめなど、チームでのさまざまな共同作業において、全員が常に最新の情報にアクセスし、効率的にプロジェクトを進められます。離れた場所にいるメンバーとも協力して作業を進められるでしょう。

知識の集約と継承

個人のデバイスや散らばったファイルに閉じ込められがちな情報を、NotebookLM で一元管理できることもメリットです。チームや組織全体で共有することで、貴重な知識を資産として蓄積できます。

新しくチームに加わったメンバーも、共有されたノートブックにアクセスすることで、これまでの経緯や蓄積された知識を素早くキャッチアップできます。これにより、知識の属人化を防ぎ、組織全体の知見を最大限に活用し、継承していくことが可能になります。

NotebookLM のノートを共有する具体的な方法

NotebookLM でノートブックを共有する手順はとてもシンプルです。ここでは NotebookLM Pro の画面で、具体的な操作方法を解説します。

ステップ1:共有したいノートブックを開く

まず、NotebookLM のダッシュボードにアクセスし、共有したい特定のノートブックを選択して開きます。

ステップ2:ノートブックの右上にある共有ボタンを選択する

ノートブックを開くと、画面の右上付近に共有アイコンがあります。このアイコンをクリックすると、共有設定を行うためのポップアップウィンドウが表示されます。

共有方法1:特定の人と共有する

特定の Google アカウントを持つユーザーとノートブックを共有する場合に選択します。

  1. 共有設定のポップアップで、共有したい相手の Google アカウントのメールアドレスを入力(複数人を追加することも可能)
  2. 入力したメールアドレスの横にある権限設定で、ユーザーを「閲覧者」または「編集者」に設定
  3. 必要に応じて、共有相手への「歓迎メッセージ」を入力
  4. 送信」をクリックすると、指定したユーザーに共有の招待メールが送信される

閲覧者と編集者の違い

閲覧者:ノートブックの内容を閲覧して、チャットで要約を生成するなどが可能です。ソースの変更や編集はできないため、情報の共有や閲覧のみを許可したい場合に適しています。


編集者:ノートブックの内容を閲覧および編集が可能で、共同で作業を進めたい場合に選択します。

共有方法2:リンクを知っている全員と共有する

この共有方法は、無料版(個人アカウント)のみ有効です。リンクを知っている Google アカウントのユーザーは、誰でもノートブックにアクセスできるようになります。

  1. 右上の「共有」をクリック
  2. アクセスを「リンクを知っている人全員」に設定
  3. 「リンクをコピー」をクリック
  4. リンクをメール、チャット、SNS などで共有したい相手に送信

共有解除と権限変更の方法

一度共有したノートブックの共有設定は、いつでも変更したり、共有を停止したりできます。

共有済みユーザーの権限を変更する

  1. 共有したいノートブックを開き、右上の共有アイコンをクリック
  2. 共有設定のポップアップウィンドウが表示
  3. 「特定の人と共有」のセクションで、共有済みのユーザーの一覧が表示
  4. 権限を変更したいユーザーの名前の横にあるプルダウンメニューをクリックし、「閲覧者」または「編集者」を選択し直す。

これにより、そのユーザーのアクセス権限が更新されます。

共有を停止する

共有を停止する方法は、共有設定に応じて異なります。

  • 特定のユーザーとの共有を停止する場合:
    1. 共有設定のポップアップで、共有を停止したいユーザーの名前の横にある権限設定プルダウンメニューをクリック
    2. アクセスを削除」を選択すると、そのユーザーはすぐにノートブックにアクセスできなくなる

  • 「リンクを知っている全員」との共有を停止する場合:
    1. 共有設定のポップアップで「リンクを知っている全員」のセクションにあるプルダウンメニューをクリック
    2. アクセスを「制限付き」に変更すると、リンクを知っている誰でもアクセスできる状態を解除できる

アップグレード版「NotebookLM in Pro」でできること

「NotebookLM in Pro」は、NotebookLM のアップグレード版です。Google Workspace では Business Standard 以上のエディションに含まれる機能となっています。

NotebookLM in Pro で使える機能

NotebookLM in Pro にアップグレードすると、無料版では利用できない高度な機能が使えるようになります。特に共有と管理の面で、ビジネスユースを意識した強化がされています。

より詳細な共有設定

NotebookLM in Proでは、単に「閲覧者」や「編集者」といった基本的な権限設定だけでなく、「チャットのみの共有」など、ノートブック全体ではなく特定の要素に絞った共有が可能です。情報開示の範囲をより細かくコントロールし、セキュリティを確保しやすくなります。

使用状況の分析

NotebookLM in Pro では「アナリティクス」で作成したノートブックの使用状況を分析できます。過去 7 日間の、一日の閲覧数とクエリ(質問)の実行回数データが提供されます。

アナリティクスを取得できるのは、該当のノートブックが 4 人以上に共有され、かつ 7 日以内にチャットでのアクティビティがある場合です。また、アナリティクスは約 24 時間ごとに更新されます。

チーム内のコラボレーション状況を可視化することで、改善に役立てることが可能になります。

ビジネスで NotebookLM を最大限に活用するなら Google Workspace がおすすめ

NotebookLM の共有機能はチームの生産性を高めます。これをビジネスで最大限活かすには、Google Workspace が最適です。Google Workspace なら、より強固なセキュリティ、高度な共有設定、そして全社的な管理機能で情報資産を安全に一元管理できます。 Business Standard 以上のエディションでは NotebookLM in Pro の機能も付帯するため、ビジネスコラボレーションを次のレベルへ引き上げてくれるでしょう。

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NotebookLM 共有機能の活用術

NotebookLM の共有機能は、多様なビジネスシーンや学習シーンで生産性を大きく向上させます。具体的な活用術を見ていきましょう。

企画・ブレインストーミングでの活用

新しいプロジェクトの企画やアイデア出しにおいて、NotebookLM は強力なツールです。メンバー全員が同じノートブックにアクセスし、各自のアイデアやリサーチ結果をリアルタイムで追加・編集できます。

AI の質問応答機能でアイデアを深掘りしたり、要約機能で議論のポイントを整理したりしながら、全員で共同で企画書を作成していくことが可能です。これにより、ブレインストーミングの質を高め、企画の具現化を加速させることができます。

研究・学習グループでの情報共有

学生の研究グループや学習サークルにとって、NotebookLM は理想的な情報共有ハブとなります。論文の資料、講義ノート、共同レポートのドラフトなどを一つのノートブックにまとめ、メンバー間で共有できます。

各自が調査した内容を追記したり、AI に疑問点を質問したりすることで、効率的に知識を深め、共同作業を円滑に進めることが可能です。

組織全体で使用するガイドやヘルプセンターを作成

NotebookLM を社内向けのナレッジベースやヘルプセンターとして活用することもできます。各部署からの FAQ、業務マニュアル、IT ガイドなどをノートブックとして作成し、関連部署や全社員に共有します。

新入社員のオンボーディング資料としても活用でき、AI による検索や要約機能を使えば、必要な情報に素早くアクセスできるようになります。これにより、情報検索の手間を削減し、組織全体の生産性向上に貢献します。

NotebookLM で共有できない時のチェックリスト

NotebookLM でノートブックを共有しようとした際にうまくいかない場合は、以下の内容を確認してみてください。

インターネット接続の確認 安定したインターネット接続があるかを確認してください。不安定な接続では共有が開始できない場合があります。
Google アカウントの状態 共有したい相手の Google アカウントが有効であるか、または相手が Google アカウントにログインしているかを確認してください。特定のユーザーと共有する場合、相手は Google アカウントを持っている必要があります。
NotebookLM の最新バージョン NotebookLM のウェブサイトまたはアプリが最新の状態であるかを確認してください。古いバージョンでは、最新の共有機能が利用できない場合があります。
Google サービスの障害情報 ごく稀に Google サービス全体で一時的な障害が発生している場合があります。Google のステータスダッシュボードなどで障害情報を確認してみましょう。
共有相手のアクセス権限 共有された側がアクセスできない場合、設定したアクセス権限(閲覧者か編集者か)が正しいかを確認してもらいましょう。
組織のポリシー(ビジネス/教育アカウントの場合) Google Workspace Enterprise や Education アカウントを使用している場合、組織の管理者によって外部共有が制限されている可能性があります。この場合は、組織の IT 管理者にご確認ください。

NotebookLM の共有機能を最大限に活かそう

この記事では、NotebookLM の共有機能の基本から、ビジネスでの活用方法、そしてアップグレード版のメリットなどを解説しました。NotebookLM の共有機能は、単なるファイル共有を超え、チームや個人の情報管理、共同作業のあり方を大きく変える可能性を秘めています。

情報を一元化し、シームレスに共有し、迅速なフィードバックを得て、知識を資産として蓄積する。これらのメリットを最大限に享受することで、プロジェクトや学習、そしてビジネスはさらに加速するでしょう。

この記事で得た知識を活かし、今日から NotebookLM の共有機能を使いこなし、情報の力を最大限に引き出してください。

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