NotebookLM で営業を効率化!商談準備から事後管理までの活用術
コラム更新日:2026.02.26
Google が提供する「NotebookLM 」は、ユーザーがアップロードした資料のみを根拠に回答を生成する AI ツールです。企業の営業職においては、NotebookLM の活用によって作業効率化や営業情報の共有などが実現し、商談の質を向上する効果が期待できます。
この記事では、NotebookLM の活用シーン、実装するためのステップ、利用の注意点などを解説します。商談の成約率を引き上げるためにお役立てください。
▼「AI を導入したが、職場で使われていない」そんなお悩みはありませんか?
TSクラウド では、環境構築から運用支援まで、職場の Gemini 活用をサポートしています。お気軽にお問い合わせください。
執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。
※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
目次
「営業チームの頭脳」となる NotebookLM とは?
NotebookLM は、アップロードされた情報のみを根拠(ソース)に回答を生成する、ノート型の生成 AI です。「広く公開していない情報」「社内にしかない重要機密」を読み込ませて、より精度の高い分析や要約を可能にしてくれます。
営業現場においては、 NotebookLM に「過去の成功事例」「製品マニュアル」「顧客との商談履歴」など、これまでに蓄積した情報を読み込ませることで、自社や顧客の状況を深く理解した「営業専用の頭脳」として利用できます。
たとえば、「膨大な議事録の中から、今ここで必要な情報を瞬時に抽出する」「特定の顧客に合わせた提案のヒントを得る」などです。また、NotebookLM はソースのどこを引用したかを明示するため、情報の裏付けも簡単で、担当者が確信を持って顧客提案を進める味方となります。汎用的な効率化は Gemini 、ナレッジの構築・利用は NotebookLM と、使い分けるのもよいでしょう。
【シーン別】営業力を底上げするNotebookLM の活用法
NotebookLM は、商談の準備から終了後のフォローまで、さまざまな場面で担当者の生産性を高めます。ここでは、現場ですぐに取り入れやすい具体的な活用シーンを紹介します。
商談準備:議事録と公開情報の掛け合わせ
商談を成功させるためには、深い顧客理解に基づいた仮説構築が欠かせません。NotebookLM を活用すれば、過去の打ち合わせ議事録という「内部情報」と、顧客の公式WEBサイトなど「外部情報」を同時に読み込ませ、統合的な分析が行えます。これにより、顧客が現在直面している課題や隠れたニーズなどを短時間で導き出します。
たとえば、「過去の商談で出た課題と、最新の中期経営計画の関連性は?」といった問いを NotebookLM に投げかけることで、人の目では見落としがちな情報のつながりを発見できます。これまでリサーチに費やしていた時間を削減しながら、より深い読みに基づいたアプローチが可能になるため、商談の冒頭で顧客の信頼を勝ち取るための「質の高い仮説」を持って臨めるようになります。
提案書作成:顧客課題に刺さるたたき台の生成
NotebookLM で、提案書のたたき台を作成することも可能です。製品資料、過去の成功事例、顧客のヒアリングメモをソースとして、「顧客の課題を解決する提案書を考えてください」などと指示するだけで、根拠に基づく論理的な骨子が作成されます。営業担当者は、ゼロから提案書を考える負担から解放され、顧客に合わせた細かなブラッシュアップに注力できるようになります。
また、 NotebookLM の優れた点は、複数のドキュメントを横断して要約できる点にあります。複雑な製品仕様書と顧客の要望を突き合わせ、その顧客にとっての具体的な導入メリットを出力させるといった活用です。AI がまとめた高精度の下書きをベースにすることで、資料作成のスピードだけでなく質も向上し、より説得力のある提案書作成につながります。
商談直前:想定質問の洗い出しとロールプレイング
商談の前には、 NotebookLM を仮想の顧客に見立てたロールプレイングも有効です。作成した提案書や過去の失注理由などをソースとして読み込ませて、「この提案に対して、顧客が抱きそうな懸念や、ネガティブな質問を挙げてください」と指示します。AI が、読み込んだ情報と文脈で判断し、担当者だけでは気づけなかった視点や顧客の立場から、鋭い質問をリストアップするでしょう。
さらに、それらの質問に対する「切り返しトーク」の案も NotebookLM とのチャットを通じてシミュレーションできます。AI を相手にやりとりを繰り返すことで、現場での突発的な質問にも動じない自信がつき、結果として成約率の向上に寄与します。
事後管理:文字起こしを活用した事務負担の軽減
商談直後で記憶が鮮明なうちに、NotebookLM で内容を整理することで、正確な議事録を効率的に作成できます。具体的には、Google Meet などの録画から文字起こししたテキストデータや、録音した音声ファイルを読み込ませると、要約を表示します。
また、チャット欄で「この商談の決定事項と、次にとるべきアクションを抽出して」と入力するだけで、瞬時に情報を引き出すことが可能です。担当者は、文書作成にかける時間を短縮することで、顧客へのアプローチといった、より生産性の高い業務に時間を使えるようになるでしょう。
▼「AI を導入したが、職場で使われていない」そんなお悩みはありませんか?
TSクラウド では、環境構築から運用支援まで、職場の Gemini 活用をサポートしています。お気軽にお問い合わせください。
組織の武器として NotebookLM を実装する3ステップ
NotebookLM は個人で使うだけでも便利ですが、チーム全体の営業ナレッジを底上げする強力なツールにもなります。実装を成功させるための 3 つのステップを解説します。
①共有すべきデータの検討・集約
まずは、 NotebookLM に何を「ソース」として登録すべきかを選定します。どの情報を共有のソースとするかの基準を設け、チーム全員がアクセスできる環境を構築しましょう。
このとき、単に社内の共有フォルダに資料を詰め込むのではなく、組織として「これを使えば受注できる」「絶対に必要」と思うデータを選ぶことが重要です。たとえば以下のような情報があります。
- 自社製品の仕様書、カタログ、製品 Q&A 集
- 過去の類似案件の提案書
- 失注・受注案件のヒアリングシート
- 顧客とのやりとりを記録したドキュメント、メモ
- ターゲット企業の IR 情報、市場動向レポート
- 競合他社の製品ページ URL など
これらのデータを NotebookLM に読み込ませることで、新人や経験の浅いメンバーでもベテランのノウハウが詰まった情報をすぐに引き出せる環境が整い、チームのナレッジへと変換できます。
②チーム内でプロンプト(指示文)を標準化
AI の出力品質は「プロンプト(指示文)」の書き方によって変わります。チーム全体で NotebookLM の恩恵を最大化するために、効果的なプロンプトを標準化しましょう。たとえば、「議事録から顧客の懸念点を 3 つ抽出し、それぞれの対策案を自社製品マニュアルを元に作成して」といった、実務に直結する具体的な指示文をテンプレートにして共有します。
プロンプトを標準化することで、AI の知識や経験に差があるメンバーでも、一定水準以上の回答を得られるようになります。また、現場で「この指示の仕方がうまくいった」という成功事例をこまめに共有し、テンプレートをアップデートし続けることも大切です。チームでプロンプトを洗練させていくプロセスそのものが、組織全体の営業力の底上げにつながります。
③商談後の継続的なナレッジ更新
NotebookLM のソースは自動更新されないため、利用するユーザーの手で、情報を最新の状態に保つ必要があります。商談で得られた新しい知見、顧客からの最新のフィードバック、競合他社の動向などを、その都度ソースとして追加する運用フローを確立しましょう。古い情報に基づいた誤った提案を防ぐためにも、週に一度「各担当者が得たナレッジを NotebookLM に反映させる時間を設ける」など、情報の鮮度を保つ仕組みをチームのルーチンに組み込むことが、 NotebookLM 実装を成功させる鍵となります。
▼生成 AI 活用の環境構築から運用支援まで。TSクラウドは組織の生成 AI 活用をサポートしています。
Google Workspace の生成 AI Gemini 活用を進めたいとお考えでしたら、まずはご相談ください。
NotebookLM を営業で活用する際の注意点
さまざまなメリットがある NotebookLM ですが、活用にあたっては AI 特有の性質やリスクを正しく理解しておく必要があります。
「人の目」による最終確認
NotebookLM はアップロードされた資料に基づき高精度な回答を生成しますが、100 %の正確性を保証するものではありません。生成結果を利用する際は、必ず「人の目」で内容を確認・修正してください。
AI は情報の処理や整理は得意ですが、顧客との信頼関係の構築や、資料には書かれていない空気感を理解するなどは、人間にしか判断できない要素です。担当者自身の経験や専門知識も必要なため、AI を主役にするのではなく、あくまで「人間の判断を支援する道具」として使う姿勢が重要です。
更新情報の再取得
上述のとおり、ソースに追加した元の情報が編集されても、NotebookLM が自動で反映することはありません。追加したファイルや PDF、WEB サイトなどが変更された場合は、手動で同期・更新を行います。
通常のインターネット検索と異なり、NotebookLM が追加したソースを読み込むのは一度きりです。たとえば、顧客企業の「決算情報」「キャンペーン」「商品価格」などの URL をソースに追加した場合、NotebookLM はその「登録した瞬間の内容」のみを参照します。その後、元の情報に変更があっても、NotebookLM 内のデータは古いままとなるため、ユーザーがソース(URL)を更新する必要があります。
変化の激しい業界の分析や、直近のプレスリリースに基づいた提案書を作成するなど、特定の URL をソースにする場合は、古いソース(URL)を一度削除し、改めて URL を読み込ませる作業をルーチンに組み込みましょう。NotebookLM は「ソースにないことは答えない」という特性があるからこそ、情報の信頼性が保たれています。この NotebookLM ならではの長所を活かすためには、ソース自体の鮮度を人間が担保することが欠かせません。
機密情報・個人情報の取り扱いルールを徹底
NotebookLM にアップロードされたデータは、AI の学習に利用されることはありません。しかし、企業として機密情報を扱う以上、情報漏洩のリスク管理は最優先事項です。顧客の個人情報や、秘密保持契約(NDA)で厳格に管理されている情報など、重要機密を使う際は、社内のセキュリティポリシーに違反しないか、必ず事前に確認してください。
また、顧客企業名や個人名を伏せた形でアップロードする、あるいは情報の重要度に応じて利用範囲を制限するといった運用の工夫も検討すべきです。便利なツールだからこそ、正しく安全に使いこなすためのガイドラインを組織内で共有・徹底することが、持続的な AI 活用を支える基盤となります。
NotebookLM の可能性を最大化する Google Workspace の活用
NotebookLM は、Google ドライブ や Google ドキュメント などとの連携がスムーズで、 Google Workspace を導入している企業にとって非常に相性のよいツールです。蓄積された膨大なドキュメント資産をそのまま NotebookLM のソースとして活用できるため、組織の DX を加速します。
▼生成 AI 活用の環境構築から運用支援まで。TSクラウドは組織の生成 AI 活用をサポートしています。
Google Workspace の生成 AI Gemini 活用を進めたいとお考えでしたら、まずはご相談ください。
NotebookLM を活用して、さらに強い営業チームへ!
NotebookLM は、営業の商談準備から事後管理までの各プロセスで活用できます。AI の強力なサポートによって、担当者は資料作成などのルーチンワークから解放され、顧客対応に時間を充てることが可能となります。また、属人化しがちな営業情報をチームで共有することで、人事異動や担当者の退職などがあっても、スムーズな引き継ぎが見込めます。
まずは身近な議事録の要約や、過去の提案資料の読み込みから始めてみてください。 NotebookLM をパートナーとして使いこなすことで、個人のパフォーマンスが向上し、ひいてはチーム全体の受注率向上へとつながるでしょう。
