【事例あり】生成AI活用を定着させるリスキリング。成果を出すポイントを解説
コラム更新日:2026.02.19
新たな業務で必要なスキルを習得するリスキリング(Reskilling)。個人のスキル向上や企業戦略の柱として取り入れる企業が増えています。特に昨今では DX(デジタルトランスフォーメーション)や AI 技術の急速な発展に伴い、リスキリングによるデジタル人材育成を検討している企業が急増しています。
今回は、生成 AI 活用のためのリスキリングについて、成果を出すための 5 つのポイント、企業の成功事例、実務に定着させる秘訣を紹介します。貴社のリスキリング計画にお役立てください。
▼Google 社のプレミアパートナーである TSクラウドは、Google Workspace の生成 AI Gemini の導入を支援しています。
執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
目次
生成 AI 活用の停滞を防ぐリスキリングの役割
生成 AI を導入しても、「思うように成果を出せていない」という企業は少なくありません。利用が定着しない背景には、以下のような要因がみられます。
- 活用が個人任せ:具体的な活用イメージが共有されないまま、社員個人の裁量に任せてしまうことで、利用する社員としない社員の二極化が進む。
- リテラシー不足とリスク管理:セキュリティ意識が不十分なまま利用し、「シャドー AI(未許可の AI 利用)による機密情報の漏洩」といった重大なインシデントを招く懸念がある。
- 心理的ハードル:AI に仕事を奪われるのではないかという不安や、期待通りの回答が得られないことにより「使えない」と早期に断念する。
こうした課題を解決し、生成 AI を組織の「戦略的ツール」として活用していくためには、一部のスペシャリストだけでなく、全社員が正しい知識と実務スキルを身につけることが不可欠です。その手段となるのが、全社的な「リスキリング」です。
リスキリングで成果を出すための 5 つのポイント
社員が生成 AI を習得し、実務での活用を定着させるために押さえるべき 5 つのポイントを紹介します。
現状の把握と目標設定
リスキリングの第一歩は、それぞれのレベルに合わせたカリキュラムを設計するために、社員の生成 AI リテラシーを把握することです。全社員へのアンケートやスキル評価を行い、「未経験層」「基礎習得層」「高度活用層」などを可視化します。一律で教育を実施するのではなく、各レベルごとに「次に何を学ぶべきか」を設定することで、学習効果の最大化を図ります。
全社共通のリテラシー向上
職種にかかわらず、全社員の基礎的なリテラシー向上が不可欠です。AI が得意・不得意とする作業への理解、リスク管理(著作権・セキュリティ)、基本的なプロンプト技術を全員が習得し、組織全体の共通認識を形成します。
階層・職種別に最適化されたスキルの習得
全員に同じ教育をするのではなく、役割に応じた「再習得」を計画・実施します。
【経営層・管理職】「組織全体のガバナンス設計」「AI を活用したビジネスモデルの再設計」といった、管理・構想能力が求められる。AI に何ができるかを把握し、どの業務にリソースを配分すべきかを判断する、大局的な視点が必要。
【実務層】営業職なら顧客分析、マーケティングならデータ分析による施策など、職種特有の課題と結びついた高度なプロンプト技術や自動化スキルを強化。
組織レベルで仕組み化した「ナレッジ共有」
現場で生まれた成功事例や、便利なプロンプトを、社内ポータルなどでリアルタイムに共有します。小さな成功を組織全体に循環させることが、モチベーション維持につながり、全体の学習速度を上げる効果が期待できます。
AI を前提とした業務プロセスの再設計
従来のやり方に AI を付け足すのではなく、AI 利用を前提に業務プロセスそのものを再設計(最適化)します。
たとえば、企画立案からプレゼン資料作成までの工程で、「最初に人間が考え、AI に清書させる」のではなく、「AI に複数のドラフトを出させ、人間がそれを選別・清書する」といった逆転の発想で、人と AI の役割分担をゼロから設計し直します。
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無料で問い合わせる生成 AI に関するリスキリングの成功事例
リスキリング計画を立てるヒントとなるように、生成 AI のリスキリングに取り組み、具体的な成果を上げている企業の事例を紹介します。
【事例 1】環境整備と複数回の教育で AI 利用を定着
中期経営計画の中で、DX 人材育成を促進したのがイオングループです。同グループ内のさまざまな企業に対して、ホールディングスが生成 AI を展開。ツールの提供だけでなく、受講者のレベルを 3 段階に分けて、それぞれのレベルに応じた研修を実施しました。研修は複数回実施されており、レベル別の継続的な研修が、全社的な AI リテラシーの向上と利用の定着につながっているようです。
【事例 2】研修で二極化を解消して全社的な活用を実現
株式会社ヘルシーパスは、医療機関用サプリメントのメーカーです。同社は生成 AI の利用について、一部の活用層と未利用層の「二極化」が課題でした。これを解消するため、TSクラウドの生成 AI 組織活用のための支援サービスを利用。生成 AI の基礎知識から高度なプロンプトのテクニックまで、体系的に学びました。
結果として、それまで AI を使用していなかったスタッフの利用回数が大幅に増加。Gemini でメールのドラフトをつくる、Google Meet のメモ機能で会議内容を振り返るなどの業務効率化を実現しました。加えて、Gemini で GAS(Google Apps Script)のコードを生成して作業を自動化する、評価や教育指導に NotebookLM を使うなど、さまざまな場面で活用が進んでいるそうです。
現場発信の DX 推進を目指して。生成 AI 活用の「二極化」から脱却
AI の「一部の活用層」と「未利用層」の二極化を解消した例。研修受講で活用が増え、GAS による自動化など、現場の業務効率化を実現しています
一過性の研修で終わらせず、実務に定着させるための秘訣
研修を受けた直後は意欲が高まっていても、日常業務に戻ると元のやり方に戻ってしまうケースは少なくありません。実務に定着させるためには、継続的な「アップデート」と「伴走支援」が必要です。
具体的には、単発の研修ではなく、定期的に最新のトレンドや応用テクニックを学ぶ機会を設ける「継続学習」の仕組みを作ります。また、現場で困ったときに相談できる窓口を設置することも効果的です。生成 AI は機能の変化が速いため、自社だけで対応するのが難しい場合は、外部の専門サービスを活用することも検討しましょう。
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無料で問い合わせるリスキリングで全員が生成 AI を使える組織づくりを
生成 AI のリスキリングは、個人のスキルアップを超えた、企業の未来を創るための投資です。市場での優位性を確保し続けるためには、一部のスペシャリストだけでなく、全社員が AI を「当たり前の道具」として使いこなす組織文化を構築することが重要です。この記事で紹介したポイントを軸に、貴社ならではのリスキリングを実施して、次世代の強い組織を目指しましょう。
