現場発信の DX 推進を目指して。生成 AI 活用の「二極化」から脱却

概要

株式会社ヘルシーパス は、医療機関専用のサプリメントの開発・販売を手がけています。同社では、社内における生成 AI の活用が二極化しているという課題を抱えていました。課題解消のため「Gemini 活用支援パック」を導入。講座の導入効果とその後の社内での生成 AI 活用について、企画・開発部の 荒河勇貴 様とコミュニケーション・プロデュース部の 小川康太 様にお話をお伺いしました。

株式会社ヘルシーパス

業種 医療機関専用サプリメントの開発・販売
規模 50 名以下
利用サービス Google Workspace Business Standard、Gemini 活用支援パック

課題

  • 生成 AI 活用の二極化
  • 生成 AI に対する認知・意識の壁
  • Google Workspace の活用不足

決め手

  • Google Workspace との連携の容易さ
  • 生成 AI を活用した業務改善への期待
  • 生成 AI について体系的に学べる講座内容と学習スタイル

導入効果

  • スタッフの Gemini 使用回数の増加
  • 社内での AI に関する会話の増加と情報共有の活性化
  • NotebookLM など周辺プロダクトを含めた活用と業務効率向上

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生成 AI 活用の二極化が課題:Gemini 活用支援パック導入の背景と決め手


(小川康太 様)

――Gemini 活用支援パック導入の背景と、抱えていた具体的な課題についてお聞かせください。

小川様:背景としては、ChatGPT の普及により、昨年(2024 年)から「いよいよ AI が身近に使えるレベルになってきた」と感じたことがあります。しかし、職場を見ると実際に使っている人はほとんどいないという状況でした。今年(2025 年)に入ってから Gemini の普及やさまざまな AI が登場していく中で、「生成 AI は業務でも使えるし、むしろ使っていかないとまずいのかな」と思い、改めて社内の AI 活用状況を見てみると、「一部のヘビーユーザー」と「大勢のライトユーザー/未利用ユーザー」に二極化していました。 ヘビーユーザーなスタッフは、どんどん活用していくのに対し、他のスタッフは生成 AI について「使い方がわからない」「何が便利なの?」「別に使わなくてもいいのでは」という感覚があったように思います。このような認知の部分に根本的な課題があると感じ、外部の教育やワークショップを導入する必要性を感じました。

― Gemini 活用支援パック導入の決め手はありましたか?

小川様:生成 AI への課題感だけでなく、「Google Workspace 自体をもう少し活用してほしい」という思いもありました。Google ドキュメントや Google スプレッドシートとの連携が取りやすい Gemini をうまく活用できれば便利になるのではないか。たとえば、Gmail の返信文やドキュメントの推敲、スプレッドシートの関数の検討といった、日常業務の改善が期待できると思いました。また Gemini 活用支援パックの講座なら、生成 AI の基礎から丁寧に解説してもらえ、社内のレベルに合わせて学べる点も、決め手の一つです。

利用回数の急増:講座で変わった生成 AI への意識


(荒河勇貴 様)

―― Gemini 活用講座について、率直なご意見や印象をお聞かせください。

荒河様:生成 AI の基礎に加え、CoT や ToT などプロンプトのテクニックについて、体系的に知ることができました。普段なんとなくで行っていた作成方法を具体例や実践を通して学べたのは大変よかったです。また Gemini アプリだけでなく、DeepResearch や Canvas、NotebookLM といった周辺プロダクトについても「こんな便利な機能があるんだ」と驚きをもって受け止めているスタッフもいました。

小川様:時間が合わず当日参加できなかった人は録画での受講になりましたが、基本的に同じ時間にみんなで集まって学ぶスタイルのワークショップは、よかったと思います。

―― 講座受講後の効果や成果、受講前との変化について教えてください。

荒河様:講座受講後の変化として、スタッフの Gemini 使用回数が格段に増えました。受講前の段階では使用回数 0 回だったスタッフが、講座受講後には1か月の間に約 300 回近く Gemini を使用するほど活用できるようになっていました。Gemini アプリだけでなくその周辺のプロダクトの活用方法も学び、社内へ広めるための下準備を整えられたと感じています。

小川様:講座をきっかけに、社内で「この機能、便利だよ」といった日常会話の中で AI に関する話題が増えたことはよかったです。Gemini だけでなくさまざまな生成 AI にも積極的に触れ、「この生成 AI ではこういうことができる」といった情報共有が個人レベルで増えてきました。

また、生成 AI ではありませんが、講座やサポートを通して、TSクラウドの Google Workspace の使い方も参考になりました。たとえば、ドキュメントのタブの活用や、Google Chat のスレッドでの返信など、実務で役立つ機能ばかりです。

GAS 生成から NotebookLM まで:業務効率を向上させた活用事例

―― 現在、Gemini は社内でどのように活用されていますか?

荒河様:さまざまな場面で活用しています。たとえば、メール作成時に推敲機能を使い、フォーマルなメール文を素早く作成できるようになりました。Google Meet での Gemini によるメモ機能も便利ですよね。このメモ機能により、会議について大雑把な内容をあとで振り返ることも簡単になりました。

また、Google Apps Script(GAS)を用いた業務の自動化にも取り組んでいます。たとえば、当社では研修会を行っているのですが、研修会の感想を格納するフォルダを、毎回各個人用に一つひとつ手動で作成していました。「この作業、効率化できないか?」と思い、Gemini に聞いてみると、GAS で解決できることが判明。そこで、ボタンひとつで個人用ファイルが自動で生成される GAS を作成しました。Gemini に GAS のコード生成を依頼することで、少し面倒に感じていた作業を自動化できたのです。

小川様:NotebookLM の活用シーンでいうと、さまざまな話題が出たミーティングの議事録を NotebookLM に読み込ませ、決定事項に基づいた LP(ランディングページ)の作成を依頼しました。もちろん、出力されたものに手を加えるのですが、ゼロからイチを作る作業の負担が減ったことは、大きな成果だと感じています。

ほかのスタッフの活用事例としては、評価や教育指導のヒントを得るためにNotebookLM を使っている人もいます。目標設定や振り返りの資料、日報のコメントなどを読み込ませて、「〇〇さん、この半期はどうでしたか?」といった質問をして分析。対象者となるスタッフの半期の動向・改善点、今後飛躍のポイントなどを考える際のヒントにしているそうです。

今後の展望:現場発信の DX を目指して

―― 今後の展望として、どのような組織を目指していますか?

小川様:現場発信で DX を進めていける組織を目指しています。コーディングまではしなくても、現場のスタッフが AI を用いてちょっとした業務改善をすることが以前よりもだいぶ楽にできるようになりました。そういう意味でもそれぞれのスタッフが 生成 AI や Google Workspace の使い方を学ぶことが重要だと考えています。

また将来的に基幹システムの刷新という大きな課題もあります。従来はベンダーにお任せするケースが多かったですが、今後は業務を一番理解している現場の人間が AI やツールを活用してプロトタイプを作成し、ベンダーはセキュリティ関連を担当するという形で進められないかと検討しています。

自社でのプロトタイプ作成を視野に入れ、引き続きスタッフには講座等を活用して AI に関する学びをさらに深めてもらい、現場発信で DX 化ができるよう進めているところです。

Gemini 活用支援パックのすすめ:生成 AI をゼロから体系的に学びたい企業へ

―― Gemini 活用支援パックは、どのような企業におすすめしたいですか?

小川様:まだ全然 AI を使っていない、活用していない企業は多いと思います。Gemini 活用支援パックの講座は、最初のステップを同じ時間にみんなで集まって学ぶスタイルでした。同じタイミングで一斉に学べるのはとてもよかったと思っています。生成 AI についてゼロから学びたいと考えている企業には向いているのではないでしょうか。

荒河様:プロンプトのテクニックなどを体系的に学ぶ機会は貴重だと思います。生成 AI について独学で学ぶと、意外と情報が断片的になりがちです。順序立てて学びたい企業におすすめします。また Gemini アプリだけを使っている企業もあるかと思います。今回社内でも NotebookLM や DeepResearch について知らなかったという声があり、周辺のプロダクトについて知ることができるよい機会にもなると思います。

法人紹介

法人名 株式会社ヘルシーパス
事業内容 医療機関専用サプリメントの開発・販売
従業員数 50 名以下(2025 年 12 月現在)
概要 医療機関専用のサプリメントメーカー。医師・歯科医師の「患者さんに自信を持って勧められるサプリメントを提供してほしい」という願いから設立。患者の根本的な治療のために活用できる、高品質かつ高含有量のサプリメントを開発・提供している。モットーは「患者さんに喜びを ドクターに達成感を」


※記事の内容は取材当時のものです。