導入支援で Google Workspace がスムーズに定着。情報伝達の効率化を実現
概要
2026 年に創業 100 年となる 合資会社親湯温泉。長野県内に「創業大正十五年 蓼科 親湯温泉」「上諏訪温泉しんゆ」「萃 sui – 諏訪湖」という 3 つの温泉旅館を経営し、旅館のある諏訪の地域史を普及する活動にも取り組んでいます。同社では、施設ごとに異なる情報共有ツールの全社統一を目的に、Google Workspace を導入しました。今回は、合資会社親湯温泉 の宿泊サブマネージャー、冨田徹夫 様に Google Workspace 導入前の課題をはじめ、Google Workspace 導入支援サービスの利用によって得られた効果、今後の展望などについて伺いました。
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課題 |
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決め手 |
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導入効果 |
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ツールが統一されておらず、情報伝達の非効率が課題
➤― Google Workspace の導入を決めた背景をお聞かせください。
冨田 様:当社は 3 つの温泉旅館を経営していますが、施設や部署ごとに異なるツールを用いて、スタッフ間の連絡や情報共有を行っていました。そのため、他施設や他部署へ連絡する際に「どのツールで連絡するのがよいか」と迷うこともあり、非効率に感じていました。「全社で連絡可能なツールを導入したい」という社長の意向もあり、数年前から Google Workspace の導入を検討していたのです。
➤― Google Workspace 導入時に何か懸念点はありましたか。
冨田 様:システム導入の専任者を置けないことと、導入時のスタッフへの教育について懸念していました。当社で IT 領域に詳しい者は、私を含めて 2 名です。私は宿泊サブマネージャーとして現場でのオペレーション業務と兼務する形で、システムの導入・運用・保守に携わっています。もう一名も同様に兼務している状態のため、Google Workspace 導入に関する社内周知や浸透が課題でした。
導入支援サービスの利用で、IT 担当業務の負担を大幅軽減
➤― TSクラウドを選んだ理由をお聞かせください。
冨田 様:TSクラウドは当社と同じ長野県内の企業で、Google Workspace の導入支援サービスを展開していると知り、さっそく問い合わせました。商談時の対応が非常に丁寧で、何より印象的だったのが、質問に対するレスポンスの速さです。疑問や不明点をその場で解消できたので、商談後の社内への展開も迅速に進められました。費用面でも合致し、導入計画から導入支援まで安心してお任せできると確信できたのも、TSクラウドを選んだ理由です。
➤― TSクラウドの Google Workspace 導入支援サービスで、特に魅力を感じた部分とは。
冨田 様:Google Workspace の新規開設やアカウントの用意といった「初期設定代行」と、Google Workspace の全社的な活用を目指す「一般ユーザー向けトレーニング」に魅力を感じました。管理者向けのトレーニングも大変役立ちましたが、「一般ユーザー向けトレーニング」ではスタッフへの教育をお任せでき、大幅な負担軽減につながりました。
自社のみでスタッフ教育を行う場合、トレーニング用の資料作成や講座の準備などが必要です。現場のオペレーション業務と並行して取り組むのは、相当大変だったに違いありません。導入支援サービスで共有いただいたトレーニング用の資料や動画は、中途採用などの新人スタッフ用の教材として現在も活用しています。
事前説明会を開催し、社内周知から浸透までを円滑に推進
➤― 導入支援サービスを利用して良かった点をお聞かせください。
冨田 様:Google Workspace 導入支援の一環として、Google Workspace に関する全社向けの説明会を開き、社内周知を図りました。新しいシステム導入に対するスタッフの疑問や不安をすくい上げる良い機会になったと感じています。「一般ユーザー向けトレーニング」では、講座時に活発な質疑応答ができ、安心してサービス利用を開始できました。
新システムの導入初期は詳しい人に質問が集中する傾向にありますが、今回はトレーニングを実施したことで、スタッフ同士で相談したり、教え合ったりする様子が見られました。外部の導入支援を受け、全社一斉で Google Workspace の利用を始められたからこそ、社内周知から浸透までをスムーズに行えたと実感しています。
➤― 管理者向け・一般ユーザー向けのトレーニングに参加された方の反応はいかがでしたか。
冨田 様:私自身が「管理者向けトレーニング」に参加した感想として、手元のデバイスと講座の投影画面を見比べながら使い方を学べて、大変わかりやすかったです。実践的な内容だったので、これまでなんとなく使っていた機能についても理解が深まりました。一緒に管理者向けトレーニングを受けたメンバーからは、「Google Workspace の活用や定着に向けてどのようにハンドリングしていくか」に関する提案もありました。
一方、「一般ユーザー向けトレーニング」を受けたメンバーからは、「講座内容がわかりやすかった」「思ったより簡単に使えそう」といった声が聞かれました。新しい取り組みを始める時は、苦手意識のある人が消極的になってしまうこともありますが、仲間同士の横のつながりでサポートし合える体制がつくれたのは、期待以上の効果です。Google Workspace の組織への定着にも良い影響を与えると考えています。

コミュニケーションツールを Google Chat に統一。情報伝達の効率化を実現
➤― 現在、Google Workspace をどのように活用していますか。
冨田 様:社内の主なコミュニケーションツールとして Google Chat を活用しています。Google Chat に「全従業員向け」「各施設」「各部署」「プロジェクト別」などのスペースを作成して、連絡や情報を共有。Google Chat から Google Meet をつないで通話することもあります。
全従業員向けのスペースでは、インフルエンザの予防接種のお知らせなどを一斉送信できるようになり、大変役立っています。チャットの良いところは、受け取った人がリアクションできること。「内容を確認した人はリアクションする」とルールを決めることで、確認状況が一目でわかるようになりました。リマインドの要否も判断しやすいです。
宿泊業は不規則な勤務もあり、一同に会してコミュニケーションを取る機会が多くはありません。そのため、Google Chat で発信して反応があると一体感が生まれ、つながりを確認し合える点もメリットです。
➤― コミュニケーションツールを Google Chat に統一したことで、どのような効果を得られましたか。
冨田 様:施設・部署を超えた連絡がスムーズになり、情報伝達の効率化を実現しました。当社は 2026 年に創業 100 年となるため、各施設から志願者を募ってさまざまなプロジェクトを進行しています。Google Chat や Google ドライブなど、Google Workspace を活用しながら企画を進めている姿を頼もしく感じています。
また、Google Chat を活用して、各施設の関連部署同士が連携し合う動きも見られます。例として、清掃部門スタッフ用のチャットスペースがあり、清掃の事例やノウハウ、清掃に役立つアイテムなどを共有しているようです。施設を超えた現場レベルでの情報共有など、社内コミュニケーションの活性化にもつながっています。
➤― Gmail はどのように活用していますか。
冨田 様:Gmail は現状、事務作業を担当するスタッフが主に使用しています。これまで紙書類で返却していた健康診断やストレスチェックの回答など、会社から個人への伝達にはメールを活用していく予定です。同様に、年末調整は紙書類での実施からオンラインに切り替え始めています。Google Workspace を導入したことで、ユーザーごとに Gmail アドレスを取得でき、運用しやすくなりました。
Google Workspace というベースがあり、やり取りの手段は Google Chat と Gmail を使い分けることが可能です。セキュリティ面も考慮して、紙を使った事務処理のデジタル化を進めていきます。
会議スケジュールも設備予約も Google カレンダーで管理
➤― 他に活用しているアプリはありますか。
冨田 様:Google カレンダーで月 2 回実施している全体会議や社内研修などのスケジュール管理をしています。オンライン会議ツールが統一されていなかった以前と比較すると、Google カレンダーの予定から Google Meet ですぐにつながるのは、非常に効率的です。
また、会議室や社用車などの設備予約も Google カレンダーで行います。共通のカレンダーで利用状況を確認できるため、利用希望がバッティングしてしまうという状況を回避できるようになりました。
他には、社内研修の運用において、教材などの配付は Google Classroom を活用しています。
➤― 宿泊業ならではの Google Workspace の活用方法を教えてください。
冨田 様:宿泊予約は既存の管理システムを使用していますが、稟議書や備品管理などに Google スプレッドシートを利用しています。会社からタブレットが一人一台ずつ支給されているので、各々が Google スプレッドシートの管理表にアクセスして必要項目を入力しています。一つのファイルを同時編集できる点も、Google Workspace ならではの使い勝手の良さと言えるでしょう。
Google Workspace 活用による業務効率化は、おもてなしやサービスの質向上につながる
➤― 今後、Google Workspace を活用して取り組みたいことや展望をお聞かせください。
冨田 様:稟議書や管理表などの運用にも関連しますが、社内の Google ドライブの運用を促進しています。データストレージサービス(ドライブ)の移行なども優先事項です。クラウド化を進めることは、セキュリティの向上にもつながると考えます。
今回、Google Workspace の導入支援サービスを利用して、大きな不安なくサービスの利用を開始できました。「一般ユーザー向けトレーニング」の一斉開催により、社内周知や浸透、Google Workspace の活用・定着にもつながっていると実感しています。
Google Workspace の活用で業務効率化を図り、本来注力したい宿泊業務に携わる時間をつくることができれば、お客様への接客やその準備などの改善に時間を使えます。Google Workspace をより活用していくことで、おもてなしやサービスの質向上にもつなげていきたいです。
法人紹介
| 法人名 | 合資会社親湯温泉 |
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| 事業内容 | 宿泊業 |
| 従業員数 | 約 150 名 |
| 概要 | 長野県内に「創業大正十五年 蓼科 親湯温泉」「上諏訪温泉しんゆ」「萃 sui – 諏訪湖」という 3 つの温泉旅館を経営。2026 年に創業 100 年を迎える。「想い出創りの演出業」をコンセプトに、歴史や風情あふれる空間とおもてなしで、ゲストに特別な時間を提供。諏訪の伝説、昔話の書籍化など、地域史の普及活動にも取り組んでいる。 |
※記事の内容は取材当時のものです。