Gemini アプリと NotebookLM の違いと使い分けのポイント
コラム更新日：2025.09.05
「Gemini」と「NotebookLM」は、いずれも Google が提供する AI サービスですが、機能が似ているため、どちらを使うべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Gemini アプリと NotebookLM の違いを解説し、それぞれのツールがどのような場面で最大限の力を発揮するのかを、具体的な活用例を交えてご紹介します。注意すべきリスクと解決方法も紹介しますので、安全に使用して生産性を向上させるヒントとしてお役立てください。
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執筆・監修：TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Gemini アプリと NotebookLM の違い
Gemini アプリと NotebookLM は、どちらも Google が開発した強力な AI ツールですが、それぞれの目的や得意分野が異なります。ツールを最大限に活用するために、これらの違いを知っておきましょう。
➤新しいアイデアや幅広い情報が必要なときは「Gemini アプリ」
Gemini アプリは、Googleの大規模言語モデル（LLM）を搭載した対話型 AI です。一般的なインターネット検索と異なり、テキストだけでなく、画像や動画、コードといった多様な情報を理解して処理する「マルチモーダル」機能<により、ユーザーの多岐にわたる質問に応えます。
ユーザーとの対話を通じて、創造的で新しい視点を提供してくれるため、特に発想を広げたい時や、多様な情報源からヒントを得たいときに力を発揮するのが Gemini です。具体的には、アイデア出し、コラムやメール文章の作成、外国語翻訳、長文の要約など、幅広いタスクをこなすことが可能です。
➤正確な情報を引き出し、分析・整理したいときは「NotebookLM」
NotebookLM は、インターネット上にある情報を参照する Gemini と異なり、ユーザーがアップロードした Google ドキュメントやスライド、PDF、特定の Web サイトの URL などを情報源として、回答を生成します。
外部の情報を参照しないため、AI が誤った回答を生成する「ハルシネーション」が発生しにくく、特定の資料から正確な情報を抽出・分析する作業に優れています。たとえば、議事録の作成・要約、インタビュー記事の草稿、社内用 FAQ 構築、長い技術マニュアルの要約など、事実に基づいた情報検索や、複数の資料を横断して情報を関連付ける作業に適しています。
回答の根拠となったソースを引用として表示するため、ファクトチェックが容易なのも NotebookLM の特長です。
Gemini と NotebookLM｜使い分けのポイント
Gemini と NotebookLM は、それぞれ得意分野が異なるため、「どのようなタスクを解決したいのか」によって使い分けることが重要です。業務の目的を明確にして AI を選ぶことで、効率性と創造性を同時に高めることができます。
➤Gemini アプリが向いているタスク
Gemini アプリは、既存資料を活かしつつ、新しいアイデアや表現を抽出するのに適しています。具体的なタスクを見ていきましょう。
ゼロベースでのアイデア出し
Gemini は、広範な情報を基に多様な視点からのアイデアを提供してくれます。企画書やコラム記事のテーマ、キャッチコピーなど、新しい発想が必要なシーンで役立ちます。
一般的な情報検索と要約
Web 検索のように広範な情報を集めたり、要点を素早くまとめたりする作業に適しています。特定のトピックについてざっくりと調べたいときや、ニュース記事や長文の要約を依頼したいときに便利です。
クリエイティブなコンテンツ作成の支援
メールやドキュメントの下書き、広告のキャッチコピーなど、クリエイティブな作業を幅広くサポートします。Gemini が短時間で草稿を作成してくれるので、ユーザーはより洗練されたコンテンツをつくりやすくなります。
➤NotebookLM が向いているタスク
NotebookLM は、手元の資料から正確な情報を引き出し、再活用するのに向いています。
複雑な資料の分析と整理
議事録、技術マニュアル、関連資料など、複数のドキュメントから必要な情報を正確に抽出・整理する作業に最適です。情報の範囲が限定されており、AI が出典元を明確に示してくれるため、情報の信頼性を確保できます。
調査・研究の効率化
論文や市場調査データなど、特定の情報源に限定して深い分析や質問応答を行うことが可能です。アップロードした資料を「知識ベース」として活用することで、関連する情報を効率的に見つけ出すことができます。
社内コンテンツの作成
複数の社内資料から情報を集約し、FAQ や研修マニュアルなどを作成する際に便利です。散在している情報を一つの NotebookLM にまとめることで、社内ナレッジベースのような共有しやすいコンテンツを効率的に作り出せます。
ビジネス活用なら Google Workspace 導入がおすすめ！
無料の個人アカウントは手軽に Gemini を使用できますが、利用回数に制限があり、業務で継続的に使用するには限界があります。NotebookLM の無料版も、アップロードできるソース数や1日あたりのチャット数などに制約があり、大規模なデータ分析やチームでの共有には不向きです。
また、個人アカウントを組織で管理するのは難しく、下記のようなリスクを伴います。
➤無料の個人アカウントで注意したいリスク
個人アカウントのセキュリティは、ユーザーのパスワード管理に依存するため、企業によるデータ管理やアクセス制御が困難です。
具体的に考えられるのは、
- 従業員の退職時にデータの引き継ぎがスムーズに行えない
- 退職後も自社の情報にアクセスできてしまう恐れ
- トラブルが発生した場合に、個人アカウントでは操作ログを追跡できず、原因究明と対処が遅れる など
これらにより、情報漏洩のリスクが高まります。
➤Google Workspace が解決する課題
ビジネス利用に特化した Google Workspace を導入することで、無料版のような利用回数やデータ容量の制限が緩和・撤廃されるため、Gemini を業務で頻繁に利用したり、NotebookLM で大量の資料を一度に分析したりすることが可能となります。
また、Google Workspace の強固なセキュリティが Gemini・NotebookLM にも適用されます。内容が AI の学習に使われる心配はありません。
企業がアカウントをまとめて管理可能で、「管理コンソール」からユーザーやデバイスを一元管理できるため、情報漏洩のリスクを大幅に軽減します。入社や退職に伴うアカウント追加・変更も容易です。加えて、販売代理店によってはサポートサービスがあり、トラブル発生時も日本語によるサポートを受けられることがあります。
ビジネスを安全に、そして効率的に進めるには、ビジネス利用に特化した Google Workspace の導入が不可欠です。
Gemini と NotebookLM は目的に合わせた最適な使い分けを
Gemini と NotebookLM は、それぞれ異なる強みを持つ強力なツールです。Gemini は「幅広い情報を基に新しいものを生み出す」役割に、NotebookLM は「特定の情報を深く掘り下げて分析・整理する」役割に適しています。
タスクに合わせてこれらのツールを効果的に使い分けることで、業務のさらなる効率化を図り、自社の生産性向上につなげていきましょう。
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