コラム更新日:2025.09.04

顧客からの問い合わせ対応や、社内の情報共有を効率化するために不可欠な FAQ。しかし、 FAQ をゼロから作成したり、常に最新の状態に保つためには、多くの時間と労力が必要です。「もっと簡単に FAQ を作成できれば…」「作成した FAQ がうまく活用されない…」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで注目されているのが、AI を活用した FAQ 作成です。AI をうまく活用すれば、 FAQ作成の工数を大幅に削減し、より質の高い FAQをスピーディーに作成できます。本記事では、AI を活用して FAQ を作成するメリットや、具体的なツールの活用方法を Google の生成 AI サービス Gemini と NotebookLM を例に解説します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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従来の FAQ 作成における課題

FAQ ( Frequently Asked Questions)とは、頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたものです。顧客からの問い合わせ対応や、社内での情報共有を効率化するうえで非常に重要なツールですが、多くの企業が従来の FAQ 作成において、以下のような課題に直面しています。

  • 作成者の負担大と更新の手間
    問い合わせ内容の収集、分類、回答作成には、多大な時間と労力がかかります。また、製品やサービス、社内ルールが変更されるたびに、FAQ の内容を更新する必要があり、この作業が滞ると、古い情報が掲載されたままになってしまいます。
  • 属人化と品質の維持の難しさ
    FAQ は、想定されるすべての質問を網羅する必要があり、その回答は分かりやすく、かつ正確でなければなりません。しかし、FAQ の作成は、担当者の知識や経験に依存するため、属人化しやすい傾向があります。
  • 利便性と利用率の低さ
    FAQ を作成しても、検索のしにくさから必要な情報にたどり着けず、その利便性の悪さから FAQ の利用率が低くなるケースもあります。利用率の低さにより情報更新の優先度が下がり、古い情報のままになることも。

これらの課題は、FAQ を効果的に機能させる上で大きな障壁となります。それぞれを解決する手段として、AI を活用した FAQ 作成のメリットについて見ていきましょう。

AI を活用して FAQ を作成するメリット

FAQ の作成に AI を活用することで、従来の作成方法で起こりがちな課題を解決し、以下のようなメリットを享受できます。

  • 効率的な FAQ 作成と更新
    AI は、大量のデータから問い合わせの傾向を分析し、よくある質問を自動で抽出するため、回答の草案をすばやく生成できます。これにより、 FAQ 作成にかかる時間は大幅に短縮。また、製品やサービスに関する最新の情報を学習させることで、自動的に FAQ を更新することも可能です。
  • 網羅性の向上と品質の均一化
    AI を活用することで、人間では気づきにくい潜在的な質問や、関連性の高い情報を網羅的に収集できます。また、 AI が生成する回答は、特定の担当者の知識に依存せず、常に一定の品質を保てます。
  • ユーザー体験の向上
    AI を用いて作成された FAQ システムは、ユーザーが直感的に検索できるため、キーワードが分からなくても、求める情報にたどり着きやすくなります。これにより、ユーザーはスムーズに問題を解決でき、顧客満足度や従業員の生産性向上にもつながります。

FAQ 作成のような定型的な業務に AI を導入することは、業務効率化の第一歩として非常に有効です。

ただし、 生成 AI で FAQ を作成する際は、回答が事実と異なるハルシネーションに注意が必要です。AI の回答を鵜呑みにせず、必ず内容に間違いがないか事実確認を行いましょう。これにより信頼性の高い FAQ を作成できます。

Google の生成 AI を活用した FAQ 作成の2つのアプローチ

AI や FAQ システムは、すでにさまざまなサービスが提供されています。数あるサービスの中でも、Google が提供している 生成 AI サービスGeminiNotebookLMを活用した FAQ 作成がおすすめです。Google アカウントがあれば、容易に利用可能で、簡単に AI を活用した FAQ 作成に取り組むことができます。 Gemini と NotebookLM は、それぞれ異なる特徴を持っており、 FAQ 作成においても異なるアプローチで活用できます

【Gemini】自由な発想と幅広い知識を活かして FAQ を作成

Google が開発した高性能な対話型 AIGemini は、幅広い知識を活かして FAQ を作成するのに適しています。以下は Gemini を用いた FAQ 作成の活用方法です。

  • 幅広い知識と柔軟な対話
    Gemini は、一般的な質問から専門的な質問まで、幅広いトピックに対応できます。FAQ のテーマやターゲットを伝えると、複数の質問と回答の候補を提示してくれるので、 効率的にたたき台を作成できます。たとえば、「あなたはカフェの店長です。FAQ の作成に当たり、想定される質問と回答案を提示してください」と指示するだけで、カフェの営業におけるよくある質問と回答案が生成されます。
  • 多様な表現の提案
    Gemini は、ユーザーの属性や利用シーンに合わせて FAQ の回答のトーンや表現を多様化・最適化できます。これにより内容は同じでも、異なる表現の質問や回答を提示することで、より多くのユーザーに理解されやすくなります。また、SEO を意識したキーワード選定など、より効果的な FAQ 作成もサポートしてくれます。
  • 効率的な情報収集と整理
    Gemini は、公開されている情報源や与えられた情報から関連性の高いものを抽出し、FAQ の質問と回答のペアとして整理するのを助けます。これにより、手作業で情報を集約する手間が大幅に削減されます。

Gemini は、FAQ の作成において、非常に強力なツールとなります。特に、まだ FAQ が全く存在しない状態からゼロベースで構築する場合や、既存の FAQ に新たな視点や情報を加えてより充実させたい場合に力を発揮します。

【NotebookLM】特定の資料をもとに信頼性の高い FAQ を作成

NotebookLM は、特定のドキュメントや資料をアップロードして、その内容を要約したり、質問に回答したりできる生成 AI サービス です。以下は NotebookLM を用いた FAQ 作成の活用方法です。

  • 特定のソースに基づく信頼性の高い回答
    NotebookLM は、アップロードされたドキュメントや 指定の Web ページの内容だけを基に回答を生成します。これにより、製品マニュアルや社内規定など、信頼性の高い情報源に基づいた FAQ を作成できます。
  • 情報源を自動で表示
    NotebookLM が生成した回答には、参照元となったドキュメントのページ番号やURLが自動で表示されます。これにより、情報の根拠を容易に確認でき、回答の信頼性が高まります。
  • 複数のドキュメントを横断して情報を抽出
    複数のドキュメントをアップロードしておけば、それらを横断して関連する情報を探し出し、一つの質問に対する回答をまとめることができます。

NotebookLM は、既存の製品マニュアルや社内規定に基づいた FAQ を構築する場合や、情報の正確性を重視したい場合に非常に強力なツールです。情報の更新や変更があった場合にも柔軟に対応できる設計になっており、特定の情報に基づいた FAQ を提供し続けることができます。

NotebookLM を用いた FAQ 作成の活用事例

NotebookLM は、既存のドキュメントを活かした FAQ を作成可能。NotebookLM で作成した FAQ は、チャットボットのように利用でき、以下のようなシーンで活躍します。

関連記事:NotebookLM で社内チャットボットを構築。解決できる課題と活用法

社内問い合わせ対応の効率化

新入社員向けのオンボーディング資料、各部署の業務マニュアル、IT ヘルプデスクのトラブルシューティング資料など、企業にあるドキュメントは膨大な数となっています。これらを NotebookLM にアップロードすることで、社内 FAQ が作成可能に。従業員は「〇〇の業務を行うにはどうすればよいですか?」と質問することで、関連するドキュメントから導き出された最適な回答を得ることができます。 従業員が自分で情報を探し出すことができるようになるので、バックオフィス部門への問い合わせも大幅に削減 できます。

顧客サポートの負担軽減

顧客をサポートする部門には、日々、製品に関する問い合わせが寄せられます。製品マニュアルをはじめ、過去の問い合わせ履歴、仕様書、説明書、よくある質問リストなどを NotebookLM にまとめてアップロードすれば、顧客サポート用の FAQ を作成できます。「〇〇という不具合が発生したのですが、どうすればいいですか?」といった質問を入力すれば、アップロードされた情報に基づいた回答が生成されます。参照元となったドキュメントのページ番号やURLが自動で表示されるので、サポート担当者はより迅速かつ正確な回答を顧客に提供することが可能に なります。

FAQ を作成するなら Google Workspace がおすすめ

AI を用いて FAQ を作成するなら Google Workspace がおすすめです。Google Workspace に入力された情報は、原則として AI の学習に利用されないため、機密情報を安心して扱うことができます。無料アカウントでの FAQ 作成に懸念されるセキュリティ面も、Google Workspace なら解決可能です。また Google Workspace をすでに利用している企業であれば、新たなツールの導入コストを抑え、社内のノウハウや情報に基づいたFAQを効率的に作成できます。

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AI を活用して FAQ を効率的に作成しよう

AI を活用した FAQ 作成のメリットや、Google の生成 AI サービス Gemini と NotebookLM の活用方法について解説しました。Gemini は幅広い知識を活かして FAQ のアイデア出しやたたき台の作成に、NotebookLM は特定の情報を基に正確で信頼性の高い FAQ 作成に役立ちます。従来の FAQ 作成に課題を感じている場合は、これらのツールを試すことで業務効率化や顧客満足度向上といった具体的な成果を実感できるでしょう。AI を活用して効率的に FAQ を作成してみてくださいね。

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