NotebookLM とは?機能・使い方から活用事例まで徹底解説
コラム更新日:2025.08.22
Google が提供する NotebookLM は、複数のドキュメントをアップロードするだけで、AI が情報を自動で整理・要約し、まるでアシスタントのように思考をサポートしてくれる AI ノートツールです。
この記事では、NotebookLM について基本的な機能や使い方、そしてビジネスシーンでの具体的な活用事例まで、分かりやすく解説します。
ぜひ、日々の業務効率を飛躍的に向上させるヒントとして活用ください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
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NotebookLM とは?
➤NotebookLM は、Google 提供する AI ノートツール
NotebookLM は、Google が開発した AI 搭載のノートツールです。ユーザーがアップロードした PDF や Google ドキュメント、スライドなどの資料を情報源(ソース)として、AI がその内容について、要約、分析、質問への回答等、多岐にわたるサポートを提供します。
➤従来のノートツールとの違い
従来のノートツールは、ユーザ自身で情報を入力し、整理、管理するツールであったのに対し、NotebookLM は「AI が情報源に基づいて思考を支援する」という点が決定的に異なります。
たとえば、会議の議事録や複数の市場調査レポートをアップロードすると、AI が自動的に論点を抽出したり、レポート間の関連性を分析したりします。これにより、情報を単に保存するだけでなく、情報から新たな洞察やアイデアを引き出すことが可能になります。
NotebookLM は何ができる?
NotebookLM の主な機能は、大きく分けて3つのカテゴリーに分類できます。
ここでは、それぞれの機能が具体的にどのようなタスクをサポートするのかを見ていきましょう。
➤情報の理解と深い分析
NotebookLM は、アップロードされた情報源をただ要約するだけでなく、内容を深く理解し、分析する機能に優れています。長文の資料であっても、要点を把握し、多角的な視点から情報を引き出すことができます。
情報源に基づいた要約・分析
複数のPDF資料やウェブサイトの情報をアップロードすれば、AI がそれらを比較・分析し、要約を自動で作成してくれます。
たとえば、複数の競合企業の決算資料をアップロードするだけで、それぞれの強みや戦略を比較したレポートを瞬時に作成できます。
また、アップロードされた情報源に基づいて回答を生成するため、AI が事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション」の発生を抑制し、信頼性の高い情報提供が期待できます。
質疑応答と深い洞察
アップロードした資料について、知りたいことを自然な言葉で質問すると、AI が資料全体から最適な回答を探してくれます。
たとえば、マーケティング資料を読み込ませた後、「20代女性向けのキャンペーン戦略で最も効果的だった施策は?」と尋ねると、該当する箇所を引用しながら具体的な回答を提示してくれます。さらに、AI が資料を深く読み解くことで、人間が見落としがちな関連性や洞察を提示してくれることもあります。
関連性の高い情報の自動抽出と整理
複数の資料から、特定のキーワードやテーマに関連する情報を自動で抽出し、整理する機能も備わっています。
たとえば、複数のプロジェクト計画書をアップロードして、「予算に関する記述」を抽出するように指示すれば、各資料から関連するセクションだけを抜き出してリスト化してくれます。これにより、必要な情報がどこに記載されているかを探す手間が大幅に削減されます。
➤創造的思考とコンテンツ作成の支援
NotebookLM は、情報源から得た知識を土台に、アイデア出しやコンテンツ作成もサポートします。
アイデア生成とコンテンツ作成
アップロードした資料を元に、新しい企画のアイデアをブレインストーミングしたり、企画書や提案書のドラフトを作成したりすることができます。
たとえば、顧客のニーズに関する資料をアップロードし、「この情報を元に新しいサービス案を5つ提案して」と指示することで、ゼロからのアイデア出しを助けてくれます。
また、ブログ記事やプレゼンテーションの構成案作成などのサポートも得意なため、創造的な思考を後押しします。
マインドマップ生成
資料の情報を視覚的に整理し、全体像を把握したい場合にも役立ちます。
NotebookLM の「マインドマップ」ボタンを押下すれば、主要なトピックとサブトピックを階層的にまとめたマインドマップを生成してくれます。これにより、複雑な情報構造を直感的に把握しやすくなります。
➤情報のアウトプット
NotebookLM は、多様な形式での情報アウトプットを可能にします。
音声概要(Audio Overviews)
長文の資料を音声で聞きたいときには、「音声概要」機能が便利です。AI が資料の内容を、まるで人間が議論しているかのような自然な会話形式で要約してくれるため、移動中や作業中でも耳で情報をインプットし、内容を把握できます。
NotebookLM と Gemini の違い
ここからは、Google が提供する生成 AI Gemini と NotebookLM の違いについて解説します。
➤NotebookLM は「情報に基づいた思考支援」に特化
NotebookLM は、ユーザーが提供した特定の情報源に特化して、その内容を深く理解・分析する「情報に基づいた思考支援ツール」です。回答の出典をユーザーが明示的に制御できるため、業務利用において高い信頼性が確保されます。
一方、Gemini は、インターネット上の知識や最新情報を参照し、広範な学習データに基づき、様々な質問に答えたり、ゼロからコンテンツを生成したりする「対話型 生成 AI」です。
➤Gemini との主な使い分けポイント
| 使い分けポイント | |
|---|---|
| NotebookLM | 特定のドキュメントや資料の内容を深く理解・分析したいとき |
| 手持ちの資料に基づいた正確な要約や回答を得たいとき | |
| 複数の資料を比較・整理して新たな洞察を見つけたいとき | |
| Gemini | 一般的な知識や最新トレンドについて知りたいとき |
| ゼロからアイデアや文章を生成したいとき | |
| 幅広いテーマで創造的な対話を楽しみたいとき |
Gemini は汎用的な AI アシスタント、NotebookLM は「資料、情報源(ソース)」に特化した思考パートナーと考えると、それぞれの使い分けが明確になります。
NotebookLM を活用する上での注意点
NotebookLM を効果的に使うためには、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
【リアルタイム情報への限界】
NotebookLM は、アップロードされた情報源に基づいて動作するため、インターネット上の最新ニュースやリアルタイムの市場動向など、常に変動する情報へのアクセスは苦手です。最新情報を必要とする場合は、別途情報収集を行う必要があります。
【データのプライバシーとセキュリティへの配慮】
NotebookLM にアップロードされたデータは Google のサーバーに保存されます。Google のプライバシーポリシーでは、ユーザーデータが AI 学習には使用されないと明記されていますが、極めて機密性の高い情報や個人情報を取り扱う際には、慎重な判断が必要です。
企業での利用を検討する場合は、有料の Google Workspace での NotebookLM 利用をおすすめします。
【著作権法の遵守】
NotebookLM を利用してコンテンツを生成する際には、著作権法を遵守することが重要です。アップロードする情報源が著作権で保護されている場合、その内容を無断で利用したり、生成されたコンテンツを商用利用したりすることは、著作権侵害にあたる可能性があります。利用規約や著作権に関するガイドラインを事前に確認し、適切な範囲で利用しましょう。
関連記事:NotebookLM のセキュリティ対策は万全?機密情報を保護し、情報漏洩リスクを減らす方法を解説
NotebookLM の基本的な使い方
ここからは、NotebookLM を実際に使い始めるための基本的なステップを解説します。アクセス方法から情報源の取り込み方、料金プランまでをまとめました
➤NotebookLM へのアクセス方法
NotebookLM は、Googleアカウントを持っていれば誰でも利用可能です。
以下の URL よりアクセスするか、Google 検索で「NotebookLM」と検索し公式サイトにアクセスしてログインするだけで使い始めることができます。
https://notebooklm.google.com/
以下のような開始画面が出てきます。


➤情報源の取り込み方
次の手順で NotebookLM に情報源を取り込みます。
- ノートブックを作成。
- ソースを追加する。
- Googleドキュメント、PDF、テキストファイル、ウェブサイトのURLなどから資料をアップロードします。
情報源(ソース)をアップロードすると、AIが内容を学習し分析を開始します。
以下の画面上で作業を進め、音声解説機能なども活用することができます。


➤NotebookLM の料金プラン(無料版と有料版の違い)
NotebookLM は、Google アカウントを持っていれば、利用できる機能や情報源のアップロード数に制限はありますが、ほとんどの機能を無料で試すことが可能です。
NotebookLM in Pro は、無料版より更に機能が充実しているプレミアム機能です。Google Workspace の主に Business Standard 以上のプランに組み込まれています。無料版との主な違いは、ノートブック数やソース数、1日のクエリ数、音声生成数などの上限数などです。
| NotebookLM | NotebookLM in Pro | |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 有料もしくは、GoogleWorkspace の対象プランで利用可能 |
| 機能 | 基本アクセス権 | 音声解説、ノートブック、ノートブックあたりのクエリとソースの上限が約5倍増加 |
| プレミアム機能 | ー | チャットのカスタマイズ、高度な共有、ノートブックの分析 |
関連記事:NotebookLM の共有機能を使いこなそう。使い方から活用方法まで徹底解説
NotebookLM のビジネスシーンにおける活用事例
NotebookLM は、さまざまなビジネスシーンで活用されています。ここでは、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
➤市場調査と競合分析
複数の市場調査レポートや競合他社のウェブサイトの情報をアップロードし、たとえば「主要な競合3社の強みと弱みを比較した表を作成して」と依頼すると、AIが自動で分析し、まとまった情報を生成してくれます。これにより、市場の全体像を素早く把握し、自社の戦略立案に役立てることができます。
➤企画書・提案書作成の効率化
過去の成功事例、顧客のフィードバック、市場調査結果など、企画に必要な資料を一元管理できます。たとえば「これらの資料から、新しいサービス企画のアイデアを3つ提案して」と指示すれば、情報源に基づいた具体的なアイデアが手に入ります。企画書作成の初期段階における思考整理やアイデア出しの時間を大幅に短縮できます。
➤社内ナレッジの体系化と FAQ ボット作成
社内のマニュアルやよくある問い合わせ、会議の議事録、プロジェクト報告書などをアップロードすれば、NotebookLM がそれらを学習し、社内専用のナレッジベースとして機能します。社員が何か知りたいことがあれば、NotebookLM に質問するだけで、AIが該当する資料から回答を生成してくれます。これにより、情報検索にかかる時間を削減し、FAQボットのような使い方も可能になります。
➤法務・契約書のレビュー支援
複雑な契約書や利用規約をアップロードし、「この契約書の重要事項を5つに要約して」と依頼することで、重要なポイントを抽出してくれます。また、「この条項に法的リスクはないか?」といった質問を投げかけることで、潜在的な問題点を発見する手助けも期待できます。
Google Workspace との連携がビジネス活用を後押しする
NotebookLM は、特に Google Workspace との連携によって、ビジネスでの活用をさらに広げます。
Google ドキュメントや Google スライド、PDF など、Google Workspaceで利用されるファイルを NotebookLM の情報源として簡単に取り込むことができます。 Googleドキュメントやスライドの要約・分析や Google ドライブ上の社内資料を活用した FAQ 作成などにも活用可能です。Google Workspace を活用している企業にとって、既存のワークフローを大きく変えることなく導入できる点は大きな強みです。
NotebookLM の使い方を知って最大限に活用しよう
この記事では、NotebookLM について、その多岐にわたる機能とビジネスシーンでの活用事例について解説しました。NotebookLM は、単なるメモツールではなく、あなたの資料を深く理解し、思考を支援する強力なパートナーです。日々の情報整理やコンテンツ作成の効率を向上させたいと考えている方は、ぜひ NotebookLM を試してみてはいかがでしょうか。


