Geminiで生成した文章や画像の商用利用は可能?Google のポリシーや利用時の注意点

コラム更新日:2025.08.08

Gemini は、文章作成や画像生成など多岐にわたるタスクで活用されており、ビジネスでの利用を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、「Gemini で生成した文章や画像は商用利用できるのか?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。この記事では、Google のポリシー、生成 AI の商用利用に関するリスクと注意点、組織で生成 AI を活用する際のポイントについて解説します。

※この記事は、2025 年 8 月時点での情報に基づいていますので、最新の情報は Google の公式サイトにてご確認ください。

業務効率化の鍵は Gemini にあり!Gemini の基本から活用のヒントまでをまとめたお役立ち資料で、生産性向上への一歩を踏み出しませんか? ⇒ 無料でダウンロードする

       
TSクラウドロゴ

執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

Google Workspaceを進化させる!生成AI「Gemini」のご案内

Geminiの生成物の商用利用は、利用規約で禁止されていない

Gemini で生成された文章や画像の商用利用について、Google の利用規約では明確に禁止されていません。現時点での関連ポリシーとして「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」がありますが、これは禁止事項について定めたものであり、商用利用そのものを禁じるものではありません。ただ、商用利用に関する明確なポリシーは出ていない状況ですが、Google が公式に許可しているとも言い切れません。そのため、生成物の利用に関しては、ユーザー自身が判断する必要があると考えられます。

参考:Google『生成 AI の使用禁止に関するポリシー

Gemini など 生成 AI の商用利用に関する論点

では、生成 AI の商用利用について、何を基に判断すればよいのでしょうか。Gemini に限らず、生成 AI の商用利用を検討する際には、いくつかのリスクを事前に理解しておく必要があります。ここでは、商用利用を判断するうえで踏まえておくべき主なリスクとして、以下の 3 つが挙げられます。

著作権侵害のリスク

生成 AI は、インターネット上の膨大なデータを学習してコンテンツを生成します。この学習データに著作物が含まれている場合、生成された文章や画像が既存の著作物と類似してしまうことで、著作権侵害となる可能性があります。

特に、著作権者の利益を不当に害するような利用は、著作権侵害と判断される可能性が高まります。生成されたコンテンツが既存の著作物に酷似していないか、十分に確認することが重要です。

肖像権・商標権侵害のリスク

生成 AI を用いてリアルな人物画像を生成した場合、実在する人物に酷似した画像が生成されてしまうと、肖像権侵害となる可能性があります。また、企業ロゴやブランドマークなどに似た画像を生成してしまった場合は、商標権侵害となることも考えられます。

これらの権利侵害を避けるためには、生成された画像が特定の個人や企業の権利を侵害していないかを慎重に確認する必要があります。

ハルシネーションのリスク

生成 AIは、大量のデータから確率的にもっともらしい回答を生成する特性があります。そのため、一見するともっともらしいが事実と異なる、「ハルシネーション」と呼ばれる誤った情報を生成するリスクがあります。

誤った情報を公開してしまうと、自身の信頼性や企業イメージに不利益が生じる可能性があるため、生成された情報を鵜呑みにせず、必ずソースや事実確認を行うことが不可欠です。

利用規約違反のリスク

AI サービスごとに利用規約は異なり、商用利用の条件も多岐にわたります。無料プランでは商用利用が禁止されているケースや、有料プランであっても特定の条件が設けられている場合があります。利用する AI サービスの規約を事前にしっかりと確認し、違反しないように注意することが重要です。

Gemini では、以下の行為を助長するようなコンテンツの生成・配布を禁止しています。

  1. 危険な行為や違法な行為など、適用される法律や規制に違反する行為
  2. Google または Google 以外のサービスのセキュリティ侵害につながる行為
  3. 性的に露骨な行為、暴力的な行為、差別的な行為、有害な行為
  4. 誤った情報、不実表示、誤解を招く行為

(参考:Google『生成 AI の使用禁止に関するポリシー』より抜粋)

具体的な制限事項は、Google 公式サイトにてご確認ください。

業務で Gemini を利用する場合の注意点

上記で述べたリスクを踏まえた上で、業務で Gemini を利用する際には、以下の点にも注意が必要です。

生成 AIの特徴を踏まえて利用する

生成 AI は万能ではなく、得意な業務と向いていない業務があります。自社のどの業務で利用するか、どの工程を効率化できるのか、じっくり検討してみましょう。

  • AI が得意な業務:
    アイデア出し、コード作成、デザイン案作成、翻訳、情報収集と分析、レポート作成、ナレッジ集約、データ入力、議事録作成、定型的な問い合わせへの対応など
  • AI には向いていない業務:
    一般公開されていない情報に基づく業務、高度な判断や意思決定(特に倫理観が求められるもの)、医療・法律・金融など高い正確性が求められる業務、機密情報や個人情報を含んでおりセキュリティ上の配慮が必要な業務

入力した情報がモデルの学習に使用されることがある

生成 AI サービスによっては、利用者が入力した情報が AI モデルの学習に使用されることがあります。意図しない情報漏洩につながるリスクがあるほか、アップロードした情報に著作物が含まれると、自身が生成 AI で出力した情報が著作権違反となる可能性も考えられます。情報を入力する際は、そのリスクを十分に理解し、情報管理に細心の注意を払う必要があります。

組織で 生成 AI を活用するポイント

組織で生成 AI を活用する際には、これまでに述べた点を踏まえ、以下のポイントを考慮することが重要です。

まず、社内で生成 AI の利用ポリシーを定めることが不可欠です。どのようなツールを、どのような業務で、どのように利用するのかを明確にし、アカウント管理や共有設定についてもルールを設ける必要があります。これにより、情報漏洩や誤情報の拡散といったリスクを低減できます。

また、著作権や肖像権などの権利問題に関して、社員のリテラシーを高めるための教育も重要です。生成 AIが生成するコンテンツの特性を理解し、権利侵害のリスクを避けるための知識を共有することで、安全かつ効果的な AI 活用を推進できます。

生成 AI はポリシーをさだめ、責任ある組織活用を

組織で生成 AI を活用する際には、これまでに述べた点を踏まえ、以下のポイントを考慮することが重要です。

まず、社内で生成 AI の利用ポリシーを定めることが不可欠です。どのようなツールを、どのような業務で、どのように利用するのかを明確にし、アカウント管理や共有設定についてもルールを設ける必要があります。これにより、情報漏洩や誤情報の拡散といったリスクを低減できます。

また、著作権や肖像権などの権利問題に関して、社員のリテラシーを高めるための教育も重要です。生成 AIが生成するコンテンツの特性を理解し、権利侵害のリスクを避けるための知識を共有することで、安全かつ効果的な AI 活用を推進できます。

Google Workspaceを進化させる!生成AI「Gemini」のご案内

もっと読む