コラム更新日:2025.12.10

Google Workspace には複数のプランがあり、それぞれ利用できる機能やストレージ容量、セキュリティレベルが異なります。コストを抑えつつ業務効率を最大化するためには、自社の規模や課題にマッチしたプランを選ぶことが重要。この記事では、 Google Workspace の主要プランの違いを比較し、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。組織の規模に合った最適なプラン選びの参考にしてください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

目次

TSクラウドのGoogle Workspace導入ガイド3点セット

Google Workspace とは

Google Workspace は、 Google が提供するクラウド型のグループウェアです。 Gmail 、 Google カレンダー 、 Google ドライブ 、 Google Meet など、ビジネスに必要なアプリケーションが一つにパッケージ化されています。

最大の特徴は、すべてのツールがクラウド上で完結している点です。インターネット環境さえあれば、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、場所やデバイスを問わずに業務を行えます。また、リアルタイムでの共同編集機能に優れており、 Google ドキュメントや Google スプレッドシートを使ってチーム全員で同時に作業を進めることができます。これにより、ファイルの送受信の手間を省き、コミュニケーションコストを大幅に削減できます。

無料の Gmail アカウントとの大きな違いは、ビジネス利用に特化した管理機能と信頼性です。無料アカウントでは「 @gmail.com 」のアドレスしか使えませんが、 Google Workspace では企業独自のドメイン(例:@tscloud.co.jp)を利用できます。さらに、管理者によるセキュリティ設定やユーザー管理、データ保全機能が備わっており、組織として安全に運用できる点が決定的に異なります。

Google Workspace 主要プラン比較

Google Workspace のプランは、大きく分けて Business プランと Enterprise プランの2つに分類されます。さらに現場職向けの Frontline や、メール機能を持たない Essentials などの特別なプランも存在します。

ここでは、多くの企業が検討する Business プランと Enterprise プランの概要を比較してみましょう。

Business Enterprise
Starter Standard Plus Standard Plus
価格
ユーザー1人あたりの月額
(年間契約の場合)
¥800 ¥1,600 ¥2,500 ¥3,060 ¥3,980
利用可能人数 ~300人 無制限
ストレージ容量
ユーザー1人あたり
30GB
(プール)
2TB
(プール)
5TB
(プール)
5TB~
(プール)
5TB~
(プール)
生成AI 機能
(機能制限あり)


表の通り、Business プランは最大利用人数が300名となっており、300名を超えて利用する場合は、Enterprise プランの利用が必須となります。プランを選ぶ際はまずユーザー数から検討することもおすすめです。

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中小企業向け Business プランの特徴

ユーザー数が300名以下の企業に最適なのが Business プランです。コストパフォーマンスに優れており、一般的なオフィス業務に必要な機能が網羅されています。

低コストで始めたい:Business Starter

Business Starter は、独自ドメインの Gmail や Web会議 など基本的なグループウェア機能を網羅した、最も安価なエントリープランです。予算が限られているスタートアップや小規模オフィスに最適であり、業務に必要なツールを一通り低コストで利用できるのが最大のメリットです。

一方で、ストレージ容量が 1 ユーザーあたり 30 GB と少なく、長期間の運用で容量不足になるリスクがあります。また、組織でのファイル管理に便利な共有ドライブや 生成AI 機能に制限があり、 Google Meet の録画機能が利用できない点には注意が必要です。

基本のプランで業務効率化したい:Business Standard

Business Standard は、 Business プランの中で最も人気のある標準的なプランです。1 ユーザーあたり 2 TB という大容量ストレージが提供されるため、高画質の画像や動画データを頻繁に扱わない限り、容量不足に悩むことはほぼありません。ファイルを個人ではなく組織として管理したい企業や、将来的なデータ増加に備えたい企業に最適です。

また、チームやプロジェクトごとにフォルダを作成・管理できる共有ドライブ機能が制限なく利用可能になり、退職者のデータ管理や引き継ぎがスムーズになります。さらに Google Meet には録画機能が追加され、会議を録画して Google ドライブ に保存することで、欠席者への共有や議事録代わりの活用が可能になるなど、業務効率化を促進する機能が充実しています。

より高度なセキュリティ管理を行いたい:Business Plus

Business Plus は Business の最上位プランで、 Standard の機能に加え、高度なセキュリティ機能とコンプライアンス対応機能が強化されています。特筆すべきは Google Vault 機能で、メールやチャットのデータを保存・検索・書き出しできるため、万が一の訴訟や監査の際にも証拠データの保全が可能に。法的リスクへの備えを重視する企業にとって強力なツールとなります。

さらに、会社支給のスマートフォンや PC に対し、詳細なセキュリティポリシーを適用できる高度なエンドポイント管理機能も備えており、紛失時のデータワイプなどが可能です。ストレージ容量も 1 ユーザーあたり 5 TB まで拡張されており、P マークや ISMS などの認証取得を目指している企業や、300名以下でも大企業並みのセキュリティ基準を必要とする組織に推奨されます。

大規模・セキュリティ重視向け Enterprise プランの特徴

従業員数が300名を超える場合、または Business Plus 以上のセキュリティ要件がある場合は Enterprise プランを選択する必要があります。このプランにはユーザー数の制限がありません。

大規模な組織運用の基盤作りに:Enterprise Standard

Enterprise Standard は大規模組織向けの標準プランで、 Business プランにはない高度なデータ損失防止(DLP)機能が利用できる点が大きな特徴です。この機能により、顧客データや個人情報など機密情報が含まれるメールやファイルを検知し、外部への送信を自動的にブロックすることが可能になるため、情報漏洩対策をシステム的に自動化したい企業に最適です。また、300名以上の組織でも問題なく利用できる無制限のユーザー数に対応しており、大規模な運用基盤を支えます。

セキュリティの最高峰を実現:Enterprise Plus

Enterprise Plus は、Google Workspace の全機能と最高峰のセキュリティ・管理機能を備えた最上位プランです。高度なアクセス制御、データ損失防止、監査・調査ツールなどにより、機密データの保護と厳格なコンプライアンス遵守を可能にします。ユーザーあたり 5 TB のストレージを提供し、大容量データの保存・共有に対応。さらに、S/MIME による高度な暗号化や、組織の利用状況を可視化するワークインサイトも利用できます。高度な AI 活用やデータ分析を経営戦略に取り入れたい企業、金融機関など高いセキュリティレベルが求められる組織にとって、最適かつ最も強力な選択肢となります。

なお、Google 認定プレミアパートナーであるTSクラウドでは、いずれのプランでも安心して Google Workspace を導入できる「導入支援サービス」をご提供しています。

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特別な用途に対応するその他のプラン

一般的なオフィスワーク以外にも、特定の業務形態に特化したプランが用意されています。

既存のメールシステムを維持したい:Essentials プラン

Essentials プランは、「会社のメールは既存のシステムを使い続けながら、 Google ドライブ や Google Meet を導入したい」というニーズに応えるためのプランで、 Gmail が含まれていないのが最大の特徴です。カレンダーやメール機能は既存のものを利用しつつ、ファイル共有や Web会議 には Google の強力なコラボレーションツールを活用したい企業に適しています。

現場職向けにコストを抑えたい:Frontline プラン

Frontline プランは、PC を常時使用しない店舗スタッフ、工場作業員、配送ドライバーなどの「現場(フロントライン)で働く従業員」向けに設計されたプランです。Gmail や Google Chat、Google Meet、Google ドキュメント、Google ドライブなど Google Workspace の代表的なアプリケーションだけでなく、 プランによっては高度なエンドポイント管理などの企業データを守る機能も含まれています。なお、利用には「現場労働者」であるという利用条件を満たす必要があります。

Google Workspace のプランは「混在」できるのか?

「役員だけ容量無制限の Enterprise にして、一般社員は Business Starter にしたい」といったように同一組織内で異なるプランを混ぜて契約したいと考える企業もあることでしょう。しかしながら、結論から言うと、原則としてプランの混在はできません。Google Workspace は、全ユーザーが同じプランを契約する必要があります。

ただし、Frontline の利用を検討している場合、申請と認定を受ければプランを混在できる可能性があります。詳しくは、正規代理店に相談することをおすすめします。

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知っておきたいプラン選びの重要ポイント

プラン選びで失敗しないために、料金以外でチェックすべき4つの重要ポイントを解説します。

ポイント1:1人あたりのストレージ容量

まずはじめに検討したいのがストレージ容量です。 Business Starter の 30 GB は、メールの送受信履歴やスマートフォンで撮影した写真のバックアップなども含みます。数年使うとメールだけで 数GB から 10GB を消費することも珍しくありません。事務職で文書作成がメインであれば 30 GB でも工夫次第で運用可能ですが、営業資料や画像を多く扱う場合は 2 TB の容量がある Business Standard 以上が必須と言えるでしょう。容量不足になるとメールの受信すらできなくなるため、余裕を持ったプラン選びが重要です

ポイント2:Google Meet の録画機能と参加人数

リモートワークが定着している企業では、 Google Meet の機能差が業務効率に直結します。特に録画機能は、会議に出席できなかったメンバーへの情報共有や商談の振り返りに非常に便利であり、録画機能が必要な場合、 Business Standard 以上が有力な選択肢となります。また、全社集会などで 100 名を超える同時接続がある場合も、上位プランの選定が必要です。参加人数の上限や録画の可否は日々のコミュニケーションコストに影響するため、慎重に検討しましょう。

ポイント3:セキュリティと管理機能

情報システム部門がない小規模企業の場合、Business Standard までのセキュリティ機能で十分といえるでしょう。ただし、退職者のメールデータを監査目的で数年間保存する Vault 機能や、社外秘情報の送信をシステムでブロックする DLP 機能が必要な場合は、Business Plus 以上のプランが必要です

また、会社支給のスマートフォンに特定のアプリを強制的にインストールしたり、紛失時に遠隔でロックしたりといった、より詳細なエンドポイント管理を行いたい場合も、Business Plus または Enterprise プランの導入を検討する必要があります

ポイント4:生成AI の機能

最近では、 Google の 生成AI である Gemini の活用も視野に入れる企業が増えています。Gemini を用いれば、文章の作成や要約、翻訳、データ分析、議事録作成など、さまざまな業務効率化が可能になります。チャット型の AI サービス である Gemini アプリをはじめ、ノートブック形式の AI ツール NotebookLM など、さまざまなサービスが展開されています。

Business Starter でも一部機能制限付きで利用できる場合がありますが、生成AI をフル活用して業務変革を目指すのであれば、 Business Standard 以上のプランをおすすめします

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自社に合った最適なプランでコストパフォーマンス最大化しよう

Google Workspace のプラン選びは、単なる費用の問題ではなく、「従業員の生産性向上」と「企業の情報資産保護」という経営戦略そのものです。コストを最優先するなら Business Starter、共有ドライブや録画機能で業務効率化を目指すなら Business Standard、そして高度なセキュリティや監査への対応が必要であれば Business Plus または Enterprise を選ぶのが適切です。自社の目的や状況に合った最適なプランを選び、快適かつ安全なクラウドオフィス環境の構築を目指しましょう。

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