コラム更新日:2026.08.18

「社内のIT業務をひとりで背負い、トラブル対応や問い合わせ対応に追われている」といった「ひとり情シス」の過酷な現状は、多くの企業で慢性化しています。業務の属人化やセキュリティリスクの増大、担当者の離職など、放置すれば経営上の大きな懸念となりかねません。

本記事では、ひとり情シスが直面している5つの深刻な課題を整理し、現状を打開するための4つの解決アプローチを解説します。また、管理の一元化やセキュリティ強化、ナレッジ共有を実現する「Google Workspace」の活用方法を詳しく紹介。IT環境を改善し、持続可能な体制を築くための第一歩としてぜひお役立てください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

※名称変更に関するお知らせ: NotebookLMは、2026年7月に「Gemini Notebook」に名称が変わりました。メディア内では旧名称が利用されていることがあります。その場合は、Gemini Notebookに読み替えてご確認ください。

目次

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ひとり情シスとは?増加している背景と原因

「ひとり情シス」とは、企業内の情報システム業務を一人で担当、または担当者が著しく不足している状態です。機器調達からネットワーク構築、セキュリティ、ヘルプデスク、IT戦略まで多岐にわたる業務を一人で担っています。

また、担当者が一人も存在せず、他部署の社員が兼務している「ゼロ情シス」という状態も存在します。近年、多くの中小企業を中心にひとり情シスやゼロ情シスを抱える企業が急増しており、社会的にも大きなテーマとなっています。なぜこれほどまでに多くの企業でひとり情シスが生まれているのでしょうか。その主な原因について詳しく見ていきましょう。

慢性的なIT人材不足と経営層の理解不足

ひとり情シスが発生する根本的な要因として、まず挙げられるのが国内での慢性的なIT人材の不足です。高度なスキルや専門知識を備えた人材の獲得競争は日々激しさを増しており、優れたリソースや知名度を持つ大手企業に人材が集まりやすい傾向があります。その結果、多くの企業や中小組織において、専任のIT管理者を配置・確保することが非常に困難な状況となっています。

さらに、経営陣におけるIT部門や情シス業務への認識不足も影響しています。IT運用部門は、収益に直結する営業などの部署とは異なり、費用が発生するコスト管理部署と位置づけられがちです。これにより、「売上に直接結びつかない業務は最低限の体制で問題ない」「PCの操作に慣れているスタッフが一人いれば十分カバーできる」といった認識が生じやすく、適切な人員配置や十分な予算措置がなされないケースが多発しています。

クラウド浸透とDX推進による業務の複雑化

クラウドサービスの急速な拡大も、ひとり情シスが増加する大きな要因のひとつです。かつては社内にサーバーを設置して運用・保守(オンプレミス運用)する必要がありましたが、クラウドの活用によりインフラ構築の手間が軽減された結果、「情シスの負担が減ったため減員できる」と捉える企業が増えてしまいました。

しかし、実際にはクラウドサービスやSaaSツールの導入が進んだことで、ID・アカウントの管理、アクセス権限の設定、高度化するセキュリティ対策、サービス相互の連携など、管理対象は急激に複雑化・多様化しています。さらに、DXの推進やテレワークの浸透に伴い、安全なリモートアクセス環境の整備や新規デジタルツールの導入支援といった対応も求められ、情シスが担う役割と業務量は増加しているのが現状です。

ひとり情シスが直面する5つの深刻な課題

ひとり情シスの体制を放置し続けると、担当者個人の問題に留まらず、企業全体の事業継続を揺るがす深刻な課題が発生します。ここでは、ひとり情シスが直面している5つの主要な課題について具体的に解説します。


多岐にわたる業務と過度な業務負担

ひとり情シスの担当業務は多岐にわたり、非常に広範囲に及びます。PCのキッティングやパスワードリセット、ネットワーク障害への対処、社内からの操作に関する問い合わせ対応といった日々の「ノンコア業務」から、中長期的なIT戦略の立案、セキュリティガイドラインの見直し、基幹システムの導入といった「コア業務」に至るまで、あらゆるタスクを単独でこなさなければなりません。

また突発的なトラブルが生じた際には、進行中の計画がすべて中断され、予定していたスケジュールの遅れに直結します。日中は社員からの問い合わせ対応に終始し、本来進めるべきメイン業務やシステムの更新作業は夜間や休日に対応せざるを得ない状況が常態化しがちです。

専門知識の不足によるセキュリティの不安

サイバー攻撃の手口は、IT技術の発展に伴い年々高度化・巧妙化を続けています。ランサムウェアなどの悪質なウイルス、さらにはフィッシング詐欺などの脅威から社内の情報資産を守り抜くには、絶えず最新の情報を把握し、タイムリーなセキュリティ対策を講じなければなりません。

しかし、膨大な業務に追われるひとり情シスにとって、日々進化するセキュリティ技術をキャッチアップし、実務へタイムリーに反映させる時間を確保するのは非常に困難です。加えて、セキュリティ対策にはネットワークやOS、クラウド、端末管理に至るまで広範な専門知識が求められますが、それら全ての領域で高い専門性を一人で維持し続けるのは現実的ではありません。その結果、設定ミスやパッチ適用の遅れなどが生じ、自社がサイバー攻撃の標的となるリスクが跳ね上がってしまいます。

孤立化とノウハウを共有できる相手の不在

ITに関する専門的な知見を持つ上司や同僚が社内にいない環境下では、ひとり情シスは常に強い孤立感を抱いています。技術的な難題に直面してもアドバイスを求められる相手はおらず、技術書やWeb検索を駆使し、手探りで対応を重ねるほかありません。

さらに、システムの刷新やセキュリティツールの選定といった経営に関わる重要なIT投資の判断を行う場面でも、自身の決断に自信を持てず、重いプレッシャーを一人で背負い込むことになります。こうした「相談できる相手が周囲に存在しない孤立した状況」は、精神的な疲弊を深め、担当者のモチベーション低下や自信喪失を招く重大な要因となっています。

業務の属人化と引き継ぎの困難さ

ひとり情シスが抱える重大なリスクの筆頭が「業務の属人化」です。ITインフラの構成、各種システムの仕様、トラブル対処の手順、各種アカウントの管理パスワードなどの重要情報が担当者の頭の中にしか存在せず、完全にブラックボックス化してしまうケースが後を絶ちません。

日常業務に追われてドキュメント化やマニュアルの標準化を進める余裕がないため、担当者以外の誰もシステムを運用・管理できない状況に陥りがちです。その結果、担当者の突然の傷病による長期休業や退職が発生した際、ITシステム全般の維持が困難となり、最悪の場合には全社業務が完全に停止しかねない危機的状況と背中合わせの運用を余儀なくされます。

障害対応の遅れと突発的な離職リスク

ひとり情シス体制では、システム障害やトラブルの同時発生時に物理的な対応が追いつかず、優先度の低い問い合わせや障害への対処が後回しになりがちです。その結果、放置された現場の不満が高まる要因となります。

こうした過重な業務負担に加え、周囲の理解不足や孤立感、不十分な評価に対する不満が蓄積することで、担当者が限界に達して突然離職するリスクが高まります。さらに、退職後の引き継ぎや採用が難航し、管理者が不在となる「ゼロ情シス」へと悪化するケースも少なくありません。

ひとり情シスの課題を根本解決する4つのアプローチ

ひとり情シスを取り巻く厳しい環境から脱却し、安定したIT運用体制へとシフトするには、単に増員を図るだけでなく、業務の構造そのものを根本から見直すことが不可欠です。

ここでは、ひとり情シスの負担を軽減し、持続可能な管理体制を打ち立てるための4つの本質的な解決アプローチを紹介します。


1. アカウント・管理基盤の「一元化」

バラバラに運用されているSaaSや社内システムのアカウント管理は、ひとり情シスの業務負担を重くする大きな要因です。入社・退職・異動が発生するたび、各システムへ個別にログインしてアカウントの作成・削除や権限変更を手作業で行う運用は、著しく効率を低下させるだけでなく、削除漏れに伴うセキュリティリスクも引き起こします。

こうした状況を改善するには、シングルサインオン(SSO)やID管理(IDaaS)を導入し、ID・アカウントの管理基盤を一元化することが非常に有効です。ID・パスワード・アクセス権限を一括管理できる環境を整備すれば、アカウントの発行・削除作業が数クリックで完結するようになり、管理工数を大幅に削減できます。

2. セキュリティ運用・更新の「自動化」

従来の手動によるセキュリティ管理から抜け出し、クラウド対応の管理ツールや自動更新機能を活用した「運用の自動化」へ切り替えることが非常に効果的です。

具体的には、MDM(モバイルデバイス管理)などを活用し、OSのアップデート、ウイルス対策ソフトの定期更新、セキュリティパッチの適用をクラウド上から一括して自動配信できる体制を構築します。これにより、端末を1台ずつ手作業でチェック・更新する膨大な手間が解消され、設定漏れや適用忘れといった人的ミスを排除しながら、社内全体の高いセキュリティ基準を自動的に保つことができます。

3. 業務の棚卸しと「ナレッジの共有」

業務の属人化を防ぎ、トラブル発生時の被害や影響を最小限にとどめるには、定期的な業務の棚卸しを行い、設定情報や手順書をドキュメント化して可視化することが極めて重要です。

日常のルーティンワークをはじめ、障害時の初期対応マニュアル、利用ツールの管理アカウント一覧などを社内Wikiやクラウド上の共有ドキュメントへ集約し、組織のナレッジ(知識・ノウハウ)として蓄積・共有します。このようにマニュアルやFAQを可視化・整理しておくことで、情シス担当者の不在時にも他部門の社員が最低限の一次対応を行えるようになり、業務のブラックボックス化を防ぐとともに、スムーズな引き継ぎ体制の構築を実現できます。

4. 社内問い合わせの「ヘルプデスクの効率化」

情シスの業務時間を圧迫する大きな原因は、社内からの問い合わせ対応(ヘルプデスク業務)です。寄せられる質問の多くは、パスワード忘れやWi-Fi接続、印刷手順など、繰り返し回答してきた基本的な内容が占めています。

この負荷を減らすには、社内FAQやAIチャットボットを導入し、社員が自力で解決できる環境を整えることが効果的です。直接届く問い合わせを抑えることで、企業成長に資する企画・戦略的なコア業務に注力する時間を確保できます。

ひとり情シスの課題解決になぜGoogle Workspaceが有効なのか

前章でご紹介した4つの解決アプローチ(一元化、自動化、ナレッジ共有、ヘルプデスク効率化)を、低コストかつスピーディに実現するツールとして特にお勧めなのが、Google が提供するグループウェア「Google Workspace」です。

Google Workspace は、Gmail や Google カレンダー、Google ドライブ、Google ドキュメントなどのビジネスに必要なツールが統合されたクラウド型ワークスペースです。単なる業務効率化ツールにとどまらず、管理者の運用負荷を劇的に軽減する堅牢な管理機能を備えており、ひとり情シスの最強の味方となります。


1.【管理一元化】Google 管理コンソールで一括管理

Google Workspace の最大の強みの一つが、すべてのユーザー・デバイス・アプリ・セキュリティ設定を一つのブラウザ画面から直感的に操作できる「Google 管理コンソール」です。

従来のシステム管理のようにサーバーへ直接アクセスしたり、個別のツールごとに管理画面を開いたりする必要はありません。社員の入退社に伴うアカウントの追加・停止、組織単位でのアクセス権限の設定、グループアドレスの作成などを、数ステップの簡単な操作で即座に反映できます。一つの統合されたダッシュボードで社内環境を監視・制御できるため、アカウント管理にかかる時間を大幅に削減できます。

2.【運用自動化】セキュリティ設定で情報漏洩を防御

Google Workspace には、世界最高峰のセキュリティインフラと先進的な自動保護機能が標準で組み込まれています。ひとり情シスが個別に高度なセキュリティ対策を構築しなくても、管理コンソール上で適切なポリシーを設定するだけで自社の情報資産を強固に保護できます。

たとえば、2 段階認証プロセスの全社強制適用や、社外への不正なファイル共有を制限する DLP(データ損失防止)機能、怪しいログイン試行の自動検知・ブロックなどが可能です。また、世界中の脅威データを分析する AI が、スパムメールやフィッシング詐欺メールの 99.9% 以上を自動で検知・排除してくれるため、セキュリティ運用の自動化と確実な防衛を両立できます。

3.【ナレッジ共有】ドキュメント類で手順書を可視化

業務の属人化を防ぐナレッジ共有も、Google Workspace を活用すれば簡単に仕組み化できます。Google ドキュメントや Google スプレッドシート は、複数人がリアルタイムで同時に閲覧・編集できるため、マニュアルや手順書の作成・更新が極めてスムーズに行えます。

また、ノーコードで社内ポータルサイトを簡単に作成できる「Google サイト」を活用すれば、情シスのマニュアルや社内規定、Q&A集をまとめた「社内ポータル(Wiki)」を短時間で構築できます。バージョン管理も自動で行われるため、「どれが最新版のファイルかわからない」といった混乱も防ぐことが可能です。

4.【ヘルプデスク効率化】AI 活用で問い合わせを削減

Google Workspace に搭載された生成 AI 機能「Gemini 」や「Gemini Notebook」を活用することで、社内ヘルプデスク業務の工数を劇的に減らすことができます。

Gemini Notebook にマニュアルやよくある質問に関するドキュメントを読み込ませておくことで、社員が知りたい情報を自分で検索して自己解決できる環境を整えることができます。これにより情シスへの電話やチャットでの直接的な問い合わせは大幅に削減されるでしょう。

Google Workspace 導入の不安はプロの伴走サポートで解消

Google Workspace は、その多機能性によりひとり情シスが抱える課題を解決する最適なツールです。しかし、導入や移行のフェーズでは「リソース問題」が発生する場合があります。特に大規模なデータ移行や、複雑なセキュリティ設定は、時間と専門知識を要するため、担当者の負担が大きくなります。

こうしたリソース不足や導入時の不安を解消するために、TSクラウドでは初期設定における専門的な作業を丸ごと任せられる「Google Workspace 導入支援サービス 」や、スムーズな社内定着と利活用を促す「Google Workspace 導入研修」をご用意。情シス担当者様の負担を最小限に抑え、安全かつ迅速な立ち上げをサポートします。

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Google Workspaceはひとり情シスの最強ツール

「ひとり情シス」の課題は、人材不足や業務の複雑化に対して管理体制が追いついていない構造的な問題です。これを放置すると、業務の停滞やセキュリティインシデント、担当者の突然の退職といった深刻なリスクを引き起こす恐れがあります。

Google Workspaceはメールやファイル共有、セキュリティ機能を1つに統合し、管理工数の削減や業務のブラックボックス化解消を実現。最新のセキュリティ基盤と円滑なノウハウ共有により孤立感や負担を軽減できるため、課題解決の手段として導入の検討がおすすめです。

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