コラム更新日:2025.07.28

従来のグループウェアから Google Workspace へシステムを変更する際に、「今までのデータはどのように移行すればよいのか」と頭を抱える担当者もいるのではないでしょうか。Google Workspace には公式のデータ移行ツールがありますが、要件を満たしているか確認した上で、自社に合ったツールを選ぶのが望ましいです。

本記事では、Google Workspace Migrate の概要、移行できるデータ、利用時の注意点、よくある質問などを解説します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

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Google Workspace Migrate とは

Google Workspace Migrate とは、Google が提供する公式のデータ移行ツールです。1,000 ユーザーを超える大規模で複雑な移行を想定したツールで、自社で管理しているオンプレミスのメールサーバーやファイルサーバー、他のクラウドサービスから Google Workspace へ、重要なデータを移行できるように設計されています。

また、データ移行に関して、事前チェックや進捗管理ができるのも特徴です。移行を始める前に現在のシステムを素早く調査でき、どの程度のデータがあるか、どのような問題が起こりそうかなどを把握できるため、綿密な移行計画を立てられます。また、移行作業がどのくらい進んでいるか、問題が起きていないかなどを、詳細な記録(ログ)で確認できます。

Google Workspace のデータ移行に関して、特にドメイン変更について詳しく知りたい方、ファイルサーバーから Google ドライブへの移行を検討している方は、こちらの記事もチェック!

参考:【情シス向け】ファイルサーバーから Google Workspace への移行戦略!技術的課題をクリアする権限設計とセキュリティ要件ガイド

Google Workspace で対応しているエディション

Google Workspace Migrate に対応している Google Workspace のエディションは以下の通りです。

  • Business Standard
  • Business Plus
  • Enterprise Standard
  • Enterprise Plus
  • Education Standard
  • Education Plus

上記以外のエディションでは利用できないため、注意しましょう。

移行できるデータソース

データの読み込み元には以下のデータソースが該当します。

  • Microsoft Exchange 2010、2013、2016、2019
  • Exchange Online(Microsoft 365)
  • Microsoft SharePoint 2010、2013、2016
  • Enterprise Plus
  • Microsoft SharePoint Online
  • Microsoft OneDrive for Businesss
  • BOX
  • Google Workspace
  • ファイル共有システム

その他の移行元から組織のデータを移行する方法については、お問い合わせください。

移行できるデータの種類

Google Workspace Migrate で移行できるデータには、メール、カレンダー、ファイル、ユーザーなどが挙げられます。企業が日常業務で利用する多岐にわたるデータを移行できますが、部分的に移行できない項目もあるため、データ移行を実施する前に必ず確認・検討しましょう。

Google Workspace Migrate 利用前の確認点

Google Workspace Migrate を利用する前に確認しておきたいポイントは、主に「組織に適しているかどうか」と「要件を満たしているか」の2点です。それぞれについて解説します。

組織に適しているかどうか

Google Workspace Migrate は、大規模なデータ移行を想定しており、小規模な組織のデータ移行には適さない場合があります。比較的小規模なデータ移行の場合、Google Workspace Migrate を利用すると、手動での移行や他の簡易的な方法と比べてツールの導入・設定にかかる時間や労力、金銭的なコストが膨らみます。そのため、移行対象のデータ量やユーザー数を十分に考慮しましょう。

要件を満たしているか

Google Workspace Migrate を利用するには、特定のシステム要件を満たす必要があります。移行を実行するサーバーの OS やハードウェア要件、ネットワーク要件などの条件を満たしているか、事前に Google が提示するシステム要件を確認し、自社の環境が適合するかどうかを確認しましょう。

Google Workspace Migrate 利用時の注意点

ここからは、Google Workspace Migrate を利用する際に押さえておきたい注意点をご紹介します。

事前計画を徹底する

データ移行は、単にツールを導入して実行するだけでは完了しません。移行対象となるデータの選定、詳細なスケジュール策定はもちろん、従業員への十分な周知と新しいツールの利用方法に関する事前トレーニングも不可欠です。移行による業務への影響を最小限に抑えるためにも、綿密な事前計画を立てましょう。

ネットワーク帯域を確保する

大量のデータを移行する場合、安定した高速なネットワーク環境が必須です。十分なネットワーク帯域が確保されていないと、移行に想定以上の時間がかかったり、途中で中断したりするリスクが高まります。事前にネットワーク環境を確認し、必要に応じて増強を検討しましょう。

アクセス権限を管理する

データ移行では、移行元と移行先の両方で適切なアクセス権限の設定が求められます。特に、共有ファイルや機密性の高い情報に関しては、移行後も正しいアクセス権限が維持されているか、厳重に確認しましょう。

データの整合性を確認する

データ移行が完了したら、データが正確に移行されているか確認します。たとえばファイルの移行では、ファイル数、容量、フォルダ構造、バージョン履歴などが移行前と一致しているかチェックしましょう。

専門知識を身につける

Google Workspace Migrate は、環境の準備やツールの設定、トラブルシューティングに専門的な IT 知識が求められます。自社内に専門知識を持つ人材がいない場合や大規模な移行で不安がある場合は、Google Workspace の導入支援を行う専門ベンダーへの相談も検討しましょう。

Google Workspace Migrate に関するよくある質問

Google Workspace へのデータ移行を検討する際に、多くの企業が抱える共通の疑問や不安があります。ここでは、「よくある質問」とその解決策を解説します。

Q. 大量のデータ移行で業務が止まってしまうのが心配。ダウンタイムは最小限に抑えられる?

Google Workspace Migrate は、段階的な移行や増分同期の機能をサポートしているため、最初の大量移行後も、業務を継続しながら変更されたデータのみを同期し続けることが可能です。結果として、業務への影響を最小限に抑えることができます。

Q. 移行中に情報漏洩やデータ破損が起きないか不安。セキュリティは確保される?

Google Workspace Migrate は、移行中のデータを暗号化して転送します。また、移行元と移行先のアクセス権限を細かく管理でき、移行後もデータの整合性を保つことが可能です。Google の高いセキュリティ基準に基づいているため、安心して移行を進めることができます。

Q. 既存のファイルサーバーや他社のクラウドサービスのデータを、そのまま Google Workspace に移行できる?

Google Workspace Migrate は前述の通り、多様な移行元に対応していますが、移行先の Google Workspace の要件を満たす必要があります。たとえば、Google ドライブのファイル数の制限やデータ容量の制限などに合わせて、移行前にデータの調整が必要となる場合があります。

Q. 移行後に従業員が新しいシステムに慣れるか不安。サポートはある?

ツール自体に従業員トレーニング機能はありません。Google Workspace の導入プロジェクトとして、データ移行プロセスの完了前に従業員に対し、新しいツールである Google Workspace の事前トレーニングを実施することをおすすめします。データ移行を行うシステム部門とトレーニングを計画・実行する部門が協力して導入プロジェクトを推進する体制が望ましいです。必要に応じて、導入支援を行う専門ベンダーに相談することでサポートを依頼することもできます。

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Q. 移行のプロセスが複雑そう。自社だけで対応できる?

Google Workspace Migrate は、大規模な移行を効率的にサポートするツールですが、専門知識が求められます。移行計画の策定、ツールの設定、トラブルシューティングなど、不安な点があれば Google Workspace の導入支援を行う専門ベンダーへの相談がおすすめです。

Google Workspace の導入・活用はTSクラウドにご相談ください

Google Workpace Migrate は、Google Workspace への大規模なデータ移行を支援するためのツールです。利用には要件を満たす必要があります。

中小規模なデータ移行には、別のツールが適切な場合があり、自社の状況を踏まえて適したツールを導入・運用することが重要です。

Google Workspace へのデータ移行や、移行に際しての従業員トレーニングに関するお悩みをお持ちの方は、Google プレミアパートナーの株式会社TSクラウドへお気軽にご相談ください。

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