Google Workspace Enterprise Standard とは?高度なセキュリティ機能や向いている企業を解説
コラム更新日:2025.11.14
企業の情報共有やコミュニケーションは喫緊の課題であり、特に規模の大きな組織では、セキュリティや管理の複雑さも増しています。既存のツールでは対応しきれないケースに危機感を感じている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、高度なセキュリティや管理機能が利用できる Google Workspace Enterprise Standard に焦点を当て、その概要や主要機能、料金などについて紹介します。また、当プランが企業の課題をいかに解決し、どのような企業に最適なのかも解説します。
「Enterprise Standard について詳しく知りたい」「自社に最適なプランを検討したい」という方は、まずはお気軽にご相談ください。事前に疑問を解消し、安心して導入計画を進められます。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
目次
- 高度なセキュリティ・管理機能を備えた Enterprise Standard とは?
- Enterprise Standard で利用できる主要機能と料金
- Google Workspace Enterprise Standard で解決できる課題例
- Google Workspace Enterprise Standard はこんな企業におすすめ
- 自社のビジネスに最適なプランは?Google Workspace プラン比較
- Google Workspace Enterprise Standard から上位プランへ:アップグレード検討のサイン
- Google Workspace Enterprise Standard を導入する方法
- Google Workspace Enterprise Standard の安心安全なセキュリティでビジネスをさらに成長させよう!
高度なセキュリティ・管理機能を備えた Enterprise Standard とは?
Enterprise Standard は、Google の生成 AI Gemini を含めた標準機能に加え、堅牢なセキュリティ・管理機能、大容量のストレージ、拡張されたビデオ会議機能を備えたプランです。高度なアクセス制御、データ損失防止、監査ログなどの機能により、機密データを保護し、コンプライアンスを遵守します。ユーザーあたり 5TB のストレージで、大容量のファイルを安心して保存・共有できます。セキュリティとコンプライアンスを最優先に考え、大容量のファイルを共有・管理する必要がある組織におすすめのプランです。
Google Workspace には、中小企業向けの「Business プラン」や、さらに上位の「Enterprise Plus」など、さまざまなプランがあります。Enterprise Standard は、これらのプランの中で、 セキュリティと管理のバランスが非常に優れているのが特徴 です。Business プランではカバーしきれない高度なニーズに応えつつ、Enterprise Plus のような最高峰の機能までは必要としない企業にとって、最適な選択肢となるでしょう。
機能については次の章で詳しく解説します。
Enterprise Standard で利用できる主要機能と料金
ここでは、Enterprise Standard で使える主要機能と料金についてそれぞれ解説します。
➤Google Workspace Enterprise Standard の主要機能
Google Workspace Enterprise Standard には、企業の生産性とセキュリティを向上するための強力な機能が多数搭載されています。ここでは、その中でも特に注目すべきアプリケーションや機能をご紹介します。
| アプリケーション・機能 | 概要 |
|---|---|
| 大容量のストレージ | ユーザーあたり 5TB のストレージが提供され、必要に応じて追加できます。これにより、プロジェクトの資料、デザインデータ、動画ファイルなど大容量のデータを扱う企業でも、ストレージ容量を気にすることなく、すべてのファイルをクラウド上で一元管理できます。 |
| 高度なセキュリティと管理機能 データ保護とコンプライアンス強化 (データ損失防止<DLP>・コンテキストアウェアアクセス) |
データ損失防止(DLP)により機密情報が誤って外部に共有されることを防ぎます。 コンテキストアウェアアクセスによって IP アドレスや端末ごとに使用できる機能を制限できます。 |
| Google Meet | 最大 500 人の参加者での大規模なオンライン会議やウェビナーに対応可能。会議の録画をGoogle ドライブに保存できるため、議事録作成の効率化や欠席者への情報共有が容易になります。ライブストリーミング機能も利用できます。 |
| Google Chat | ビジネス向けのチャットツールです。個別チャット、グループチャット、スペースでの共同作業が可能。ファイル共有やビデオ通話などにも対応しています。 |
| Google Cloud Search | 企業内の Google Workspaceデータ(Gmail、ドライブ、ドキュメント、スプレッドシートなど)を横断的に検索できる機能です。必要な情報がどこにあるか分からなくても、キーワード一つで素早く探し出すことができ、情報探索にかかる時間を大幅に削減します。 |
| Gemini | Google Workspace の生成 AI「Gemini」が、日々の業務を強力にサポートします。ドキュメント作成時の文章生成、スプレッドシートでのデータ分析支援、プレゼンテーション資料の自動作成など、多岐にわたる場面で Gemini が業務効率化に貢献します。 |
➤Google Workspace Enterprise Standard の料金
Google Workspace Enterprise Standard の料金は、 1 ユーザーあたり月額¥3,060(税別・1 年契約の場合) となっています。
Google Workspace Enterprise Standard で解決できる課題例
Google Workspace Enterprise Standard は、企業が日々直面するさまざまな業務課題を、クラウドツールの力で効率的に解決します。
➤情報検索と共有をスムーズにしたい
Google ドライブでファイルを一元管理し、共有ドライブや Google Chat でリアルタイムに情報共有することで、部門間の連携がスムーズになります。たとえば、経費精算プロセスも共有ドキュメントとチャットで承認状況が見える化され、迅速に対応可能です。さらに、Google Cloud Search を活用すると、キーワードで社内情報を瞬時に検索でき、情報探索時間を大幅に短縮できます。
➤ペーパーレス化を推進したい
Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライドを活用することで、あらゆる書類をデジタル化できます。AppSheet Core を使えば、これまで紙で行っていた申請業務やアンケートも簡単に Web アプリ化でき、印刷コストや管理の手間を大幅に削減できます。
➤議事録作成などの手間を省きたい
Google Meet の録画機能は議事録作成の効率化に貢献し、さらに Gemini が議事録の要約や資料のドラフト作成を支援します。従来、数時間かかっていた作業が数十分で完了するなど、大幅な時間短縮と生産性向上が見込めます。
➤高度なセキュリティとコンプライアンス要件を満たしたい
データ損失防止(DLP)、コンテキストアウェアアクセスなど、高いレベルのセキュリティ機能を搭載しています。これにより、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑え、ISO や SOC2 などの厳しいコンプライアンス要件にも対応しやすくなります。
➤大容量のストレージを確保したい
ユーザーあたり 5TB のストレージが提供され、必要に応じて追加可能なため、大量のデータやファイルを扱う企業でも容量不足の心配なく安心して利用できます。高解像度の画像や動画データ、過去のプロジェクト資料などもすべて一元管理が可能です。
Google Workspace Enterprise Standard はこんな企業におすすめ
Google Workspace Enterprise Standard は、特に以下のような特徴を持つ企業に最適なプランです。
➤従業員が 300 人以上である
中小企業向けの「Business プラン」が最大 300 ユーザーであるのに対し、Enterprise Standard はそれ以上の大規模な組織での利用を想定しています。従業員が増えるにつれて複雑化する管理ニーズやセキュリティ要件に対応できます。
➤訴訟に備えデータ保持と電子情報開示を行う Google Vault を利用したい
コンプライアンス要件が厳しい企業や、将来的な訴訟リスクに備えたい企業にとって、Google Vault によるデータ保持と電子情報開示機能は必須です。メールやチャットのアーカイブ、保持ポリシーの設定ができます。
➤BigQuery データコネクタであるコネクテッドシートを活用したい
BigQuery データコネクタであるコネクテッドシートを使用して、数十億行のデータにスプレッドシートからアクセスし、分析、可視化、共有できます。大規模なデータ分析を行いたい企業に最適です。ビジネスインテリジェンスの強化に貢献します。
➤データ損失防止(DLP)機能を利用したい
データ損失防止(DLP)機能は、機密情報(顧客データ、知的財産、個人情報など)の不正な持ち出しや共有をシステムで自動的に防ぐ機能です。Gmail や Google ドライブなどでのデータ移動を監視し、ポリシー違反の操作をブロックすることで、情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。
➤コンテキストアウェアアクセス機能を利用したい
コンテキストアウェアアクセスは、従業員が「どこから」「どのデバイスで」「どのようなセキュリティ状態で」アクセスしているかに応じて、アクセス権を細かく制御できる機能です。たとえば、「社内ネットワークからのアクセス」や「会社支給のデバイス」など、セキュリティ要件を満たした場合のみ、機密性の高いデータへのアクセスを許可できます。
自社のビジネスに最適なプランは?Google Workspace プラン比較
Google Workspace には複数のプランがあり、自社のビジネスニーズに最適なプランを選ぶことが重要です。ここでは、特に Enterprise Standard が他のプランとどのように異なるのかを比較します。
➤Business プランとの違い
Google Workspace の Business プラン(Business Starter、Business Standard、Business Plus)は、主に中小企業向けのプランです。ここでは、Enterprise Standard と Business Plus の違いについて見てみましょう。
| Business Plus | Enterprise Standard | |
|---|---|---|
| 料金 | ¥2,500 | ¥3,060 |
| ユーザー数 | 最大 300 ユーザー | 無制限 |
| ストレージ容量 | 5TB / ユーザー | 5TB / ユーザー ※ Google へ追加リクエストが可能 |
| Meet 参加人数 | 最大 500 人 | 最大 500 人 |
| Meet 録画 | 利用可能 | 利用可能 |
| 高度な管理機能 | Google Vault、セキュア LDAP、高度なエンドポイント管理 | 左記に加え、コンテキストアウェアアクセス、データ損失防止(DLP)、セキュリティダッシュボード、BigQuery での Gmail ログ検索 |
| AppSheet Core | 利用可能 | 利用可能 |
| Google Cloud Search | 利用可能 ※ Google サービスのみ対象 |
利用可能 ※ Google サービスのみ対象 |
| Google Vault | 利用可能 | 利用可能 |
| Gemini | 利用可能 | 利用可能 |
Enterprise Standard と Business Plus の主な違いは、ユーザー数の上限、ストレージ容量、高度なセキュリティ・管理機能です。300 人以上の組織や高度なセキュリティ、大容量ストレージが必要な場合は、Enterprise Standard をご検討ください。
➤Enterprise Essentials / Enterprise Plus との比較
Enterprise Standard 以外にも、Google Workspace には「Enterprise Essentials」と「Enterprise Plus」という Enterprise 向けプランが存在します。それぞれの主な違いを簡潔にまとめると以下の通りです。
| Enterprise Essentials | Enterprise Standard | Enterprise Plus | |
|---|---|---|---|
| 料金 | ¥1,130 | ¥3,060 | ¥3,980 |
| Gmail (メール) |
なし | あり | あり |
| ストレージ容量 | 1TB / ユーザー | 5TB / ユーザー ※ Google へ追加リクエストが可能 |
5TB / ユーザー ※ Google へ追加リクエストが可能 |
| Meet 参加人数 | 最大 150 人 | 最大 500 人 | 最大 1,000 人 |
| 高度な管理機能 | あり | あり | より高度な機能 |
| Google Vault | なし | あり | あり |
| Google Cloud Search | なし | あり ※ Google サービスのみ |
あり ※ Google サービス、サードパーティ サービスとも |
| Gemini | あり | あり | あり ※ドライブ AI 分類機能が追加 |
Enterprise Standard は、Gmail を含む Google Workspace の全機能を提供し、Enterprise Essentials(Gmailを含まない)の上位、Enterprise Plus(高度なセキュリティ・管理機能を含む最上位プラン)の下位に位置します。
Enterprise Standard は、コラボレーション、セキュリティ、管理、大容量ストレージというエンタープライズ要件を高いレベルで満たす、バランスの取れたプランです。
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専門スタッフに相談する各プランについてさらに比較検討したい場合は、プランごとの特長や機能の違いについて、下記の記事でも詳しく紹介しています。
Google Workspace Enterprise Standard, Plus の料金や機能を比較
Google Workspace の Enterprise Standard、Enterprise Plus の機能や向いている企業について比較しています。ポイントを押さえて最適なプランを選択しましょう。
Google Workspace Enterprise Standard から上位プランへ:アップグレード検討のサイン
現在 Google Workspace Enterprise Standard をご利用のお客様で、ビジネスの拡大に伴い Enterprise Plus へのアップグレードをご検討いただくべきタイミングがあります。
- AI 活用のさらなる推進をしたい
- 最高レベルのセキュリティとコンプライアンス要件への対応が必要になった
- 専用のプレミアムサポートが必要になった
- 大規模なデータ分析を行いたい
- 参加者 500 人以上の大規模なオンライン会議を開催する必要がある
これらのサインは、貴社のビジネスが新たな成長フェーズに入り、Enterprise Standard の提供範囲を超えるニーズが発生していることを示唆しています。Enterprise Plus へのアップグレードは、より高度なツールと手厚いサポートを得て、ビジネスの成長をさらに推し進めるための賢明な選択となるでしょう。
Google Workspace Enterprise Standard を導入する方法
Google Workspace Enterprise Standard は、次の手順で導入できます。まず利用人数や移行計画など導入の体制を決定します。次に独自ドメインや会社のクレジットカードなど契約に必要なものを用意。そして Google もしくは、代理店経由で Google Workspace の契約を申し込みます。契約後、初期設定を行い、利用開始となります。さらに詳しい導入手順については下記の記事をご覧ください。
Google Workspace 導入はこれで完璧!申し込み手順を詳しく解説
Google Workspace の導入方法を、申し込み手順から始め方(初期設定)まで徹底解説。申し込み前に準備しておくことや、必要な準備物についてもご紹介します。
Google Workspace Enterprise Standard の安心安全なセキュリティでビジネスをさらに成長させよう!
Google Workspace Enterprise Standard は、大規模な組織が抱える情報共有、業務効率化、セキュリティとコンプライアンスに関するあらゆる課題に対応する強力なソリューションです。大容量のストレージ、高度なセキュリティ機能、強化されたコミュニケーションツール、生成 AI を活用した生産性向上機能は、貴社のビジネスを次のレベルへと引き上げるでしょう。
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