Google Workspace「一部導入」の賢い戦略|コストを抑え、効果を最大化する方法

コラム更新日:2025.08.12

「Google Workspace を導入したいけれど、全社一斉の移行はコストやリスクが心配」「まずは特定の部署や機能から試してみたい」といった考えの企業担当者も多いのではないでしょうか。Google Workspace の「一部導入」は、このような課題を抱える企業に最適な方法です。本記事では、一部導入ならではのメリットや具体的な導入パターン、成功のための導入ステップについて詳しく解説します。

一部導入のプロジェクトを成功させるには、既存システムとの共存なども含めた計画的なステップが不可欠です。本記事と合わせて、プロジェクトの全体像を掴み、失敗しないための「導入実践ガイド」や「成功事例」をまとめた3点セットもご活用ください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

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Google Workspace の「一部導入」とは?

Google Workspace の「一部導入」とは、全社的な導入ではなく、特定の部署やプロジェクトに限定して利用を開始するアプローチ のことです。Google Workspace は最初から全従業員に導入する必要がなく、人数を絞って部分的に導入できます。

段階的に展開することで、組織全体へ導入する前にあらかじめサービスに慣れた従業員を輩出でき、早期に問題点を明らかにするなど、完全移行に向けた準備が可能です。メリットの多い部分導入を利用し徐々にアカウントを追加していくことで、Google Workspace が持つ機能の利便性をしっかりと体験できます。

一部導入は、 大規模なシステム変更に伴うリスクやコストを抑えながら、Google Workspace の利便性を享受できる ため、多くの企業で注目されています。

全体導入では得られない「一部導入」の 3 つのメリット

なぜ「一部導入」が賢い選択肢なのでしょうか。このアプローチには、全社導入とは異なる独自のメリットがあります。ここでは、特に重要な 3 つのポイントについて解説します。

コストとリスクの最小化

一部導入は、全社導入に比べて初期投資を抑えられるため、コスト面での負担を大きく軽減できます。 また、導入範囲が限定的なため、万が一期待通りの効果が得られなかった場合でも、ビジネス全体に与える影響は最小限に抑えられます。 効果を検証しながら段階的に進められるため、安心して新たなツールを試せるのがメリットです。

既存システムとの柔軟な共存

長年使い慣れた基幹システムや既存のメールシステムを変えることに、不安を感じる人もいるでしょう。一部導入では、 Google Workspace の最新機能を既存システムに加えて活用し、連携・共存させることができます 。たとえば、顧客情報はオンプレミスのシステムで管理し、社内のコミュニケーションは Google チャットで行うといった、双方の強みを活かしたハイブリッドな運用も可能です。

また、Google Workspace を導入して Gmail を使いながらも、一部のユーザーが既存のメールサーバーの使用を望んでいる場合、二重配信という選択肢があります。 二重配信とは、Google Workspace と既存のメールサーバーを併用するための設定で、新旧のメールシステムを共存させることができます。

二重配信については、下記でも詳しくご紹介しています。

参考: Google Workspace と既存のメールサーバーの併用(二重配信)

スムーズな移行と高い定着率

新しいツールの導入は、従業員にとって少なからず負担となります。一部導入であれば、 特定の部署や小規模なチームから始めるため、従業員の学習負担を軽減できるのもメリット といえます。成功体験を積み重ねることで、社内全体への展開もスムーズに進めやすくなるでしょう。また、 小さな成功が社内に広がることで、他の従業員も自発的に新しいツールに関心を持つようになり、高い定着率につながります。

こんな企業は「一部導入」がおすすめ!

「一部導入」は、すべての企業に最適なわけではありません。しかし、特定の課題や状況を抱える企業にとっては、最も効果的で現実的な選択肢です。本章では、どのような企業に一部導入がおすすめなのかを見ていきましょう。

「DX 推進の一歩を踏み出したいが、何から手をつけてよいかわからない」企業

「デジタル化を進めたいが、何から手をつけてよいかわからない」「予算やリソースに限りがある」といった企業には、一部導入がおすすめです。 特定の課題に絞って Google Workspace を導入することで、早期に具体的な成果を実感できます。 この小さな成功が社内の DX 機運を高め、次のステップへとつながる大きな一歩となるでしょう。

「既存のシステムと Google Workspace を併用したい」企業

既に利用しているシステムがあり、それを継続利用したい企業にも有効です。 既存の資産を最大限に活かしつつ、Google Workspace の利便性を取り入れることで、ハイブリッドな運用を実現できます。たとえば、基幹システムはそのままに、情報共有やコラボレーションの分野だけを Google Workspace に任せることで、両者のメリットを享受できます。

「特定の部門やプロジェクトで業務効率を改善したい」企業

全社的な改革よりも、まずは「営業部の情報共有を効率化したい」「新プロジェクトのチームコラボレーションを強化したい」といった、部門やプロジェクト単位での課題解決を目指す企業にも適しています。 課題が明確な範囲で導入することで、具体的な効果測定がしやすく、成功事例を社内に展開しやすいというメリットがあります。

【目的別】Google Workspace「一部導入」の具体例

「一部導入」と一口に言っても、その戦略は企業の目的によってさまざまです。ここでは、具体的なビジネス課題を解決するための導入パターンを 3 つご紹介します。

ファイル共有・共同編集に特化したい場合

ファイルの所在が不明、バージョン管理が煩雑といった課題には、Google ドライブを中心とした導入がおすすめです。リアルタイム共同編集機能は、チームでの資料作成を格段に効率化 させます。また、ファイルの一元管理によって検索性が向上し、必要な情報にすぐにアクセスできるようになります。

Web 会議・コミュニケーションに注力したい場合

リモートワークや拠点間の連携を強化したい企業は、Google Meet と Google チャットの導入がおすすめです。ワンクリックで Web 会議を開始できる手軽さや、チャットによる迅速な情報共有は、 会議設定の手間や情報伝達のタイムラグをなくし、コミュニケーションの質を向上 させます。

特定の部署やプロジェクトに限定して導入したい場合

特定の部署が抱える課題に特化して導入するパターンでは、営業部門向けに顧客情報を Google ドライブで管理したり、共有カレンダーを導入し、情報共有とスケジュール調整を効率化したりする方法があります。このような取り組みによって、 部門ごとの具体的な課題をピンポイントで解決し、生産性の向上を図ることが可能 です。

「一部導入」をスムーズに進めるための 5 ステップ

「一部導入」を成功させるには、しっかりとした計画が欠かせません。本章では、導入前の準備から運用後の効果測定まで、スムーズにプロジェクトを進めるための 5 つのステップを解説します。

ステップ(1)課題と目標の明確化

どの部署で、どの Google Workspace の機能を使い、どのような課題を解決したいのか、導入の目的を具体的に設定 します。たとえば、「営業部のファイル共有にかかる時間を 30 %削減する」といった、数値で測れる具体的な目標を立てることが重要です。

ステップ(2)導入範囲と対象者の選定

一部導入はスモールスタートが基本です。 課題が明確な部署や、新しいツールに積極的に取り組んでくれる IT リテラシーの高いメンバーから始める ことを検討しましょう。この段階で導入範囲を限定することで、リスクを最小限に抑えつつ、スムーズな導入を試みることができます。

ステップ(3)既存システムとの連携検討

次に、既存のメールやファイルサーバーなどとの連携が必要か、どのように共存させるかを事前に計画 します。データ移行が必要な場合は、その方法やスケジュールも明確にしておきましょう。これにより、導入後の混乱を回避できます。

ステップ(4)導入計画とトレーニング

続いて、導入スケジュールを立て、実際に利用する従業員へのトレーニングや説明会を実施し、使い方をサポートします。 マニュアルの作成や、疑問点をすぐに解決できるサポート体制を整えることも重要です。

ステップ(5)効果測定とフィードバック

導入後は設定した目標に対する効果を測定し、課題があれば改善策を検討 します。成功事例は積極的に社内に共有しましょう。このフィードバックを次のステップに活かし、段階的に導入範囲を広げていくことが成功の鍵となります。

「一部導入」する際の料金と導入方法

Google Workspaceの「一部導入」を検討する際、料金や導入方法の詳細は気になるところです。 Google Workspace には、ビジネスの規模やニーズに合わせた複数の料金プランが用意されています。一部導入の場合でも、利用する機能やユーザー数に応じて最適なプランを選択できます。無駄なコストをかけずに必要な機能だけを利用できるため、費用対効果を高めやすいのが特徴です。

Google Workspace の申し込み方法から実際の始め方(初期設定の手順)までを詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事:Google Workspace 導入はこれで完璧!申し込み手順を詳しく解説

Google Workspace の一部導入で、ビジネスを成長させよう

Google Workspace の「一部導入」は、現代のビジネス環境において、コストとリスクを抑えながらデジタル変革を推進するための非常に有効な戦略です。 一部導入ならではのメリットには、「コストとリスクの最小化」「既存システムとの柔軟な共存」「スムーズな移行と高い定着率」が挙げられます。 全社的な導入が難しいと感じている企業や、特定の課題解決に焦点を当てたい企業にとって、最適な選択肢となるでしょう。本記事で解説した一部導入がおすすめのケースや具体的な導入方法なども参考に、自社に最適な Google Workspace の一部導入を進め、業務効率化と生産性向上を実現しましょう。

「自社の場合、どの部署から始めるのが効果的だろうか?」「既存システムとの連携は具体的にどうすれば?」など、導入に関する疑問やお悩みは、TSクラウドの専門スタッフにご相談ください。お客様の状況をヒアリングし、最適な導入プランをご提案します。

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