Google Workspace Frontline とは?価格、使用できるツール、適した職種の事例
コラム更新日:2024.08.28
現場で働く従業員の生産性向上や現場とのスムーズな情報共有を実現したいが、コストが課題となり、 「現場への Google Workspace 導入を躊躇している」「企業内でも一部のみ利用となっている」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
Google Workspace Frontline とは、現場で働く従業員(デスクレスワーカー)向けの Google Workspace のプランです。 2021年4月1日にリリースされ、2023年に「Frontline Starter」「Frontline Standard」の2つのエディションに分かれました。 Frontline エディションにより、コストを抑えながら Google Workspace の活用ができ、企業全体での働き方改革推進が可能になります。
今回は、Google Workspace Frontline エディションの特徴や機能、価格、Business・Enterprise プランとの違い、導入のポイントをまとめています。 本記事を参考に、コスト削減や現場を含めた企業全体の業務効率化を検討してみてはいかがでしょうか。
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Google Workspace Frontline 要点まとめ
- ノンデスクワーカー(現場従業員)向けのプラン、対象外の方は利用できない。
- Business Starter より安価。
- Business もしくは Enterprise エディションとの併用が必須。
- 基本的なツールは使用可能。
- ドライブやメールなどの保存容量が 5GB と少ない(Business Starter は 30GB)。
- 「Frontline Starter」と「Frontline Standard」の違いはセキュリティレベル。
これまでの Google Workspace の課題
これまでの Google Workspace には、デスクワーカー向けのプラン(Google Workspace Business、Enterprise)しか存在せず、 デスクにいることの少ない現場従業員向けのプランはありませんでした。
現場で働くことの多い従業員にも Google Workspace を導入しようとすると、 デスクワーカー向けの Business(もしくは Enterprise)を使用することを余儀なくされていました。 そうなると、必要十分すぎる機能が含まれていることから、利用料は割高になってしまいます。
この課題をクリアするプランが、「Google Workspace Frontline」です。これにより、 デスクワーカーと現場従業員のスムーズなコミュニケーションが低コストで実現できるようになるでしょう。
▼Google Workspace についてはこちら
Google Workspaceの使い方。主な機能と出来ること、料金プランを解説
Google Workspace Frontline の特徴
➤Google Workspace Frontline とは
Google Workspace Frontline とは、現場で働く従業員(デスクレスワーカー)向けの Google Workspace のプランで、 「Frontline Starter」と「Frontline Standard」2つのエディションがあり、セキュリティや管理機能に違いがあります。
Google Workspace Frontline は、従業員が所有する各自のデバイスからでも、安全なコミュニケーションが実現可能。 Google Workspace の代表的なツールである、Gmail、チャット、Meet、ドキュメント、 ドライブなどのコミュニケーションとコラボレーションのアプリケーションが含まれるだけでなく、 高度なエンドポイント管理のような企業データを守る機能が含まれています。
➤想定されるユーザーの働き方
Google Workspace Frontline を利用するユーザーは、以下が想定できます。
- デスクレスな働き方をしている
- 仕事中に異なる場所を行き来することが多い
- モバイル端末を多用している
- 他のワーカーと仕事用端末を共有している
➤適した職種の事例
Google Workspace Frontline の利用が適している職種の例は、以下の通りです。
- 製造業の従事者
- レストラン、ホテル、小売業の従業員
- 農業、漁業、林業従事者
- 建設作業員
- フィールドワーカー
- カスタマーサービスセンター
- 交通機関のオペレーター、など
以下の記事にて、小売業を主としている企業が、現場スタッフに Frontline エディションを導入。
コストを抑えながら、メールサーバーの運用負荷、ファイル管理の煩雑化などの課題を解決した事例がご覧いただけます。
Frontline ライセンスを現場従業員へ導入!組織から生産者まで、幅広い情報共有が実現
➤Frontline と Business Starter との比較表
Google Workspace Business Starter と比較して、主な機能は同様ですが、 一部の機能が制限されており、それに伴い価格も低く抑えられています。
Frontline Starter | Frontline Standard | Business Starter | |
---|---|---|---|
年契約(月額) | ¥520/ユーザー | ¥1,360/ユーザー | ¥800/ユーザー |
Gemini | ✕ | ✕ | ◯ (機能制限あり) |
ストレージ容量 | 5GB/ユーザー | 5GB/ユーザー | 30GB/ユーザー |
ドキュメントファイルの作成 (共有ドライブ) |
✕ | ✕ | ◯ (機能制限あり) |
ドキュメントファイルの作成 (マイドライブ) |
◯ | ◯ | ◯ |
利用可能人数 | 無制限 | 無制限 | 300人 |
エンドポイント管理 | 高度 | 高度 | 標準 |
高度なセキュリティおよび管理機能 | ✕ | ◯ | ✕ |
99.9%の稼働率保証 | ◯ | ◯ | ◯ |
24時間365日の電話サポート | ◯ | ◯ | ◯ |
2段階認証プロセス | ◯ | ◯ | ◯ |
Meet ビデオ会議への最大参加社数 | 100人 | 100人 | 100人 |
➤【注意点】Business、Enterprise と Frontline の併用が必須
これまでの Google Workspace では、1つのドメインで複数のプランを選択することはできませんでした。(例:Business Standard と Business Plusを共存) しかし、今回の Frontline は、アカウント数などの諸条件はあるものの Frontline と Business、Frontline と Enterprise のように、1つのドメインで他のプランと併用することが利用の必須条件となります。
Google Workspace Frontline の価格
Frontline は、Business もしくは Enterprise エディションとの併用が必須となりますので、単体での導入をすることはできません。 ご要望をヒアリングさせていただいた後に、プラン混在の最適なご提案をさせていただきます。
価格の詳細については、お気軽にお問い合わせください。 ⇒ まずは相談
Google Workspace Frontline で使えるツールの詳細
現場従業員向けであることから、Business Starter と使用できるツールはほぼ同じですが、機能に一部制限がされています。申し込み前にご確認ください。
▼Frontline で使用できる主なツール
以下では、それぞれのツールの詳細を見ていきます。
➤Gmail
利用の可否 | |
---|---|
固有のドメインを使ったメール送受信 | ◯ |
ユーザー単位で付与できる追加のアドレス ([部署名]@[会社名].com) |
◯ |
管理者が管理するメーリングリスト | ◯ |
ユーザーが管理するメーリングリスト | ◯ |
迷惑メールフィルタとウイルスブロック | ◯ |
Gmailでの広告の無効化 | ◯ |
フィルタ機能やコンテンツポリシーのカスタマイズ | ◯ |
➤Google Meet
各種デバイスからビデオ会議を実施することができます。
参考記事:Google Workspace の Meet とは?無料版との違いや使い方を解説
利用の可否 | |
---|---|
100名までの Web 会議 | ◯ |
外部の参加者 | ◯ |
プレゼンテーションと画面共有 | ◯ |
Android版とiOS版のアプリの使用 | ◯ |
➤Google カレンダー
Google Workspace の他のプランと同様に、他の従業員と共有されたカレンダーを使って、会議やイベントの予定を簡単に立てることができます。
利用の可否 | |
---|---|
チームカレンダーの設定 | ◯ |
会議室や設備などのリソース予約 | ◯ |
予定にビデオ会議(Meet)を追加する | ◯ |
カレンダーを Microsoft Exchange と同期する | ◯ |
➤Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド
Frontlineは、マイドライブ内でのファイル作成はできますが、共有ドライブ内でのファイル作成はできません。共有ドライブ内のファイルの閲覧はデフォルトで可能、編集権限のある他アカウントからの権限付与されれば編集もすることができます。
Google Workspace Frontline |
Google Workspace Business Plus |
Google Workspace Enterprise |
|
---|---|---|---|
ファイルの作成 (マイドライブ) |
◯ | ◯ | ◯ |
ファイルの作成 (共有ドライブ) |
✕ | ◯ | ◯ |
共有ドライブ内の ファイル閲覧 |
◯ | ◯ | ◯ |
共有ドライブ内の ファイル編集 |
△(権限が必要) | ◯ | ◯ |
利用の可否 | |
---|---|
1ユーザーあたり5GBのクラウドストレージの利用 | ◯ |
ドライブの監査ログ | ◯ |
Google以外のアカウントとの共有(ビジターとの共有) | ◯ |
外部リンクの共有 | ◯ |
➤共有ドライブ
組織内の共有ドライブでは「閲覧者」または「コメント投稿者」以上のアクセスレベルを設定することができないため、ファイル・フォルダの新規作成およびアップロードができません。ただし、ファイルやフォルダごと個別に権限を付与することで、編集は可能です。なお、マイドライブでのファイル・フォルダの新規作成・アップロードは自由に可能です。
関連記事:Google Workspaceの共有ドライブとは。容量制限や権限管理など。
➤Google Chat
Google Workspace Business、Enterprise と同様に Google Chat を利用して、グループまたは1対1でのチャットコミュニケーションと取ることができます。
➤Google アシスタント
以下の動画のように、音声で様々な操作ができます。Google アシスタントに仕事のカレンダーの次の予定を Google に尋ねたり、メッセージを送信したりできます。タイピングができない状況では特に重宝される機能となるでしょう。
➤高度なエンドポイント管理
Frontline は、オフィス外で利用するシーンが多く想定されているため、端末のセキュリティを Business Starter よりも高いセキュリティレベルを上げることができます。より安全なパスワードの必須化、デバイスのリモートワイプ、iOS アプリの管理、Android での仕事用プロファイルの使用などが可能です。
➤ドライブの監査ログ
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイトでのユーザーのアクティビティを確認できます。
➤データ保護に関する分析レポート
組織内の機密データを含むドライブ ファイルに関するレポートを確認できます。
Frontline Starter と Frontline Standard の機能の違い
Frontline には2つのエディション「Frontline Starter」「Frontline Standard」がありますが、セキュリティと管理機能が違います。 より高度なセキュリティレベルをお求めの方には、「Frontline Standard」がおすすめです。
Frontline Starter |
Frontline Standard |
||
---|---|---|---|
高度なエンドポイント管理 | 組織のデータをより細かく管理。より安全なパスワードを必須にできるほか、デバイスのリモートワイプ、Android での仕事用プロファイルの使用、iOS アプリの管理なども可能。 | ◯ | ◯ |
ドライブのログイベントデータ | Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイトでのユーザー アクティビティを確認できる。 | ◯ | ◯ |
データ保護に関する分析情報レポート | 機密データが含まれる組織内のドライブ ファイルに関する情報を確認できる。 | ◯ | ◯ |
エンタープライズ エンドポイント管理 | 会社所有デバイスを管理するための管理機能。 ・iOS データ保護、モバイル デバイスの証明書、コンテキストアウェア アクセスなどのセキュリティ設定。 ・デバイス管理(モバイル デバイスと iOS デバイスの会社所有インベントリ、管理ルール、BeyondCorp パートナーとの統合など) ・限定公開の iOS アプリ管理 ・デバイスのログイベント データや、使われていない会社所有デバイスのレポートなどの、デバイスの詳細データ。 |
✕ | ◯ |
データ損失防止(DLP) | ルールを作成して適用することで、ユーザーが組織外の相手と共有できるファイルのコンテンツを管理できる。 | ✕ | ◯ |
コンテキストアウェアアクセス | ユーザーID、デバイスのセキュリティ対策、IP アドレス、位置情報などの属性に基づいて、Google Workspace および SAML アプリケーションに対する詳細なアクセス制御ポリシーを作成できる。 | ✕ | ◯ |
Google Vault | 電子情報開示とデータ保持の次世代型ソリューション。 | ✕ | ◯ |
Cloud Identity Premium | 企業向けセキュリティ、アプリケーション管理、自動デバイス管理を行える。 | ✕ | ◯ |
Google Voice | アドオンサブスクリプションとして利用可能。高性能で使いやすいクラウド プライベート電話ネットワークで、ユーザーは電話番号、自動応答、着信グループを利用できる。 | ✕ | ◯ |
Google Workspace Frontline 導入のポイント
Google Workspace Frontline を導入する際のポイントを3つご紹介します。
➤アップグレードが可能
どのプランを選ぶか迷われている方もいるかもしれません。 まず Frontline Starter を選び、活用していく中で、必要な機能が出てきた際は、 後からグレードアップをすることができるので、安心してお申し込みいただけます。
➤アドオンによる機能追加が可能
有料の追加機能として、以下の2つをご案内します。
セキュリティや訴訟対策を講じたい方におすすめさせていただいております。
関連記事:Google Vault とは。使い方や価格、その機能を解説。
Google Vault | 電子情報開示とデータ保持の次世代型ソリューション |
Cloud Identity Premium | 企業向けセキュリティ、アプリケーション管理、自動化されたデバイス管理サービス |
➤利用資格がない従業員は使用できない
利用資格のない従業員(デスクワーカー)が、Google Workspace Frontline のアカウントを取得していると Google が判断した場合、Frontline のエディションへのアクセスを制限される場合がありますので、ご承知おきください。Frontline が対象にする職種かどうか迷われる場合は、TSクラウドまでお問い合わせください。
Google Workspace Frontline のお問い合わせはTSクラウドまで
Google Workspace は、これまで現場の従業員向けのベストなプランを用意することができていませんでしたが、 Frontline の活用により、デスクワーカーと現場従業員のスムーズなコミュニケーションが実現できるようになるでしょう。
Google Workspace Frontline のサービス内容について更に詳しく知りたい方は、 TSクラウドに在籍する Google Workspace の専門スタッフにお問い合わせ下さい。
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