Google Workspace Frontline とは?価格、使用できるツール、条件に合う職種の事例

コラム更新日:2025.10.15

現場で働く従業員の生産性向上や現場とのスムーズな情報共有を実現したいが、コストが課題となり、「現場への Google Workspace 導入を躊躇している」「企業内でも一部のみ利用となっている」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

Google Workspace Frontlineとは、 現場で働く従業員(デスクレスワーカー)向けの Google Workspace のプラン です。2021 年 4 月 1 日にリリースされ、2025 年 10 月現在は「Frontline Starter」「Frontline Standard」「Frontline Plus」の 3 つのエディションが提供されています。Frontline エディションにより、 コストを抑えながら Google Workspace の活用ができ、企業全体での働き方改革推進が可能になります。

今回は、Google Workspace Frontline エディションの特徴や機能、価格、Business・Enterprise プランとの違い、導入のポイントをまとめています。 本記事を参考に、コスト削減や現場を含めた企業全体の業務効率化を検討してみてはいかがでしょうか。

▼その課題、「Frontline プラン」で解決できるかも?
「現場への導入コストを抑えたい」「自社のケースで相談したい」とお考えの方は、ぜひ一度お話お聞かせください。 >>Frontline プランを含むプラン選択について問い合わせる

       
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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

目次

Google Workspace Frontline 要点まとめ

  • ノンデスクワーカー(現場従業員)向けのプラン、対象外の方は利用できない。
  • コストを削減しつつ Google Workspace を使える。
  • Business もしくは Enterprise エディションとの併用が必須。
  • 基本的なツールは使用可能。
  • ドライブやメールなどの保存容量が 5GB と少ない(Business Starter は 30GB)。
  • 「Frontline Starter」と「Frontline Standard」の違いはセキュリティレベル。
  • 「Frontline Plus」はより高度なセキュリティレベルと、Gmail、Google Chat、Google Meet で Google Workspace の生成 AI Gemini を利用できる。

これまでの Google Workspace の課題

これまでの Google Workspace には、デスクワーカー向けのプラン(Google Workspace Business、Enterprise)しか存在せず、 デスクにいることの少ない現場従業員向けのプランはありませんでした。

現場で働くことの多い従業員にも Google Workspace を導入しようとすると、 デスクワーカー向けの Business(もしくは Enterprise)を使用することを余儀なくされていました。 そうなると、 必要十分すぎる機能が含まれていることから、利用料は割高になってしまいます。

この課題をクリアするプランが、「Google Workspace Frontline」です。「既存プランのコストが高すぎると感じている」「ライセンス費用がネックで全社導入が進まない」といったコストと運用のジレンマが解決できます。

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Google Workspace Frontline の特徴

まずは、Google Workspace Frontline の特徴として、プランの概要や想定ユーザー、職種についてご紹介します。

Google Workspace Frontline とは

Google Workspace Frontlineとは、現場で働く従業員(デスクレスワーカー)向けの Google Workspace のプラン で、「Frontline Starter」「Frontline Standard」「Frontline Plus」の 3 つのエディションがあり、セキュリティや管理機能、生成 AI 機能に違いがあります。

Google Workspace Frontline は、従業員が所有する各自のデバイスからでも、安全なコミュニケーションが実現可能。Google Workspace の代表的なツールである、Gmail、Google Chat、Google Meet、Google ドキュメント、Google ドライブなどのアプリケーションだけでなく、 高度なエンドポイント管理などの企業データを守る機能が含まれています。

想定されるユーザーの働き方

Google Workspace Frontline を利用するユーザーは、以下が想定できます。

  • デスクレスな働き方をしている
  • 仕事中に異なる場所を行き来することが多い
  • モバイル端末を多用している
  • 他のワーカーと仕事用端末を共有している

Google が定義している職種の事例

Google Workspace Frontline を利用できる現場スタッフとして、Google が定義している職種の例は、以下の通りです。

  • 製造業の従事者
  • レストラン、ホテル、小売業の従業員
  • 農業、漁業、林業従事者
  • 建設作業員
  • フィールドワーカー
  • カスタマーサービスセンター
  • 交通機関のオペレーター など

Frontline の料金は? Business Starter との比較表

Google Workspace Business Starter と比較して、主な機能は同様ですが、 一部の機能が制限されており、それに伴い価格も低く抑えられています。

  Frontline Starter Frontline Standard Frontline Plus Business Starter
年契約(月額) ¥520/ユーザー ¥1,360/ユーザー ¥1,800/ユーザー ¥800/ユーザー
Gemini × ×
(機能制限あり)

(機能制限あり)
ストレージ容量 5GB/ユーザー 5GB/ユーザー 5GB/ユーザー 30GB/ユーザー
ドキュメントファイルの作成
(共有ドライブ)
× × ×
(機能制限あり)
ドキュメントファイルの作成
(マイドライブ)
利用可能人数 無制限 無制限 無制限 300人
エンドポイント管理 高度 エンタープライズ エンタープライズ 標準
高度なセキュリティおよび管理機能 × ×
99.9%の稼働率保証
24時間365日の電話サポート
2段階認証プロセス
Meet ビデオ会議への最大参加社数 100人 100人 100人 100人

Google Workspace には、上記の他にも複数のプランが提供されています。「結局どのプランがいいの?」「導入した場合の料金は?」といった疑問を解決するなら、専門家に相談が近道です。

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他のプランとじっくり比較したい方には、こちらの記事もおすすめです。

【注意点】Frontline 導入は Business、Enterprise との併用が必須

これまでの Google Workspace では、1 つのドメインで複数のプランを選択できませんでした。(例:Business Standard と Business Plus を共存)しかし、今回の Frontline は、アカウント数などの諸条件はあるものの「Frontline と Business」「Frontline と Enterprise」のように、 1 つのドメインで他のプランと併用することが利用の必須条件 となります。

ご要望をヒアリングさせていただいた後に、プラン混在の最適なご提案をさせていただきます。プラン混在のご提案・お見積りについては、お気軽にお問い合わせください。

Google Workspace Frontline で使えるツールの詳細

現場従業員向けであることから、Business Starter と使用できるツールはほぼ同じですが、 機能が一部制限されています。 申し込み前にご確認ください。

▼Frontline で使用できる主なツール

以下では、それぞれのツールの詳細を見ていきます。

Gmail

  利用の可否
固有のドメインを使ったメール送受信
ユーザー単位で付与できる追加のアドレス
([部署名]@[会社名].com)
管理者が管理するメーリングリスト
ユーザーが管理するメーリングリスト
迷惑メールフィルタとウイルスブロック
Gmail での広告の無効化
フィルタ機能やコンテンツポリシーのカスタマイズ
Gmail のデータ損失防止(DLP)※

※Frontline Plus のみ

Google Meet

各種デバイスからビデオ会議を実施できます。

  利用の可否
100 名までの Web 会議
外部の参加者
プレゼンテーションと画面共有
Android 版と iOS 版のアプリの使用
Gemini in Google Meet(生成 AI)※

※Frontline Plus のみ

Google カレンダー

Google Workspace の他のプランと同様に、他の従業員と共有されたカレンダーを使って、会議やイベントの予定を簡単に立てることができます。

利用の可否
チームカレンダーの設定
会議室や設備などのリソース予約
予定にビデオ会議(Google Meet)を追加する
カレンダーを Microsoft Exchange と同期する

Google ドライブ

Frontline は、マイドライブ内でのファイル作成はできますが、組織内の共有ドライブでは「閲覧者」または「コメント投稿者」以上のアクセスレベルを設定できないため、ファイル・フォルダの新規作成およびアップロードができません。ただし、ファイルごとに権限を付与することで、編集は可能です。

利用の可否
ファイルの作成
(マイドライブ)
ファイルの作成
(共有ドライブ)
×
共有ドライブ内の
ファイル閲覧
共有ドライブ内の
ファイル編集

(権限付与が必要)
1 ユーザーあたり 5 GB のクラウドストレージの利用
ドライブの監査ログ
Google 以外のアカウントとの共有(ビジターとの共有)
外部リンクの共有

Google Chat

Google Workspace Business、Enterprise と同様に Google Chat を利用して、グループまたは 1 対 1 でのチャットコミュニケーションを取ることができます。

利用の可否
Google Chat のデータ損失防止(DLP)※1
Gemini in Google Chat(生成 AI)※2

※1 Frontline Standard、Frontline Plus のみ
※2 Frontline Plus のみ

Gemini 機能

Frontline エディションでは、エンタープライズレベルのセキュリティとプライバシーを備えた Gemini アプリをはじめ、AI 搭載のリサーチ アシスタントの NotebookLM を利用できます。また、Frontline Plus のみ、Gmail、Google Chat、Google Meet で次のような Gemini 機能を利用可能です。

Frontline Plus のみで利用できる Gemini 機能

Gmail
  • 文書作成サポート
  • サイドパネル
  • コンテキストに応じたスマートリプライ(適切な返信文の提案)
Google Chat
  • サイドパネル
  • 会話の要約
  • 自動翻訳
Google Meet
  • 自動メモ生成
  • スタジオサウンド、スタジオビデオ、スタジオライト
  • 透かし
  • 字幕の翻訳
  • 背景の生成
  • アダプティブ オーディオ

Google アシスタント

以下の動画のように、音声で様々な操作ができます。Google アシスタントに仕事のカレンダーの次の予定を Google に尋ねたり、メッセージを送信したりできます。タイピングができない状況では特に重宝される機能となるでしょう。

Googleアシスタント

高度なエンドポイント管理

Frontline は、オフィス外で利用するシーンが多く想定されているため、端末のセキュリティを Business Starter よりも高いセキュリティレベルに上げることができます。より安全なパスワードの必須化、デバイスのリモートワイプ、iOS アプリの管理、Android での仕事用プロファイルの使用などが可能です。さらに、 Frontline Standard と Frontline Plus ではエンタープライズ エンドポイント管理が適応されます。

ドライブの監査ログ

Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド、Google フォーム、Google サイトでのユーザーのアクティビティを確認できます。

データ保護に関する分析レポート

組織内の機密データを含むドライブ ファイルに関するレポートを確認できます。

Frontline エディションごとの機能の違い

Frontline には 3 つのエディション「Frontline Starter」「Frontline Standard」「Frontline Plus」がありますが、 セキュリティと管理機能、生成 AI 機能が違います。エンタープライズレベルのセキュリティをお求めの方は「Frontline Standard」以上、生成 AI 機能を利用する場合は「Frontline Plus」がおすすめです。

機能 できること Frontline
Starter
Frontline
Standard
Frontline
Plus
高度なエンドポイント管理 組織のデータをより細かく管理。より安全なパスワードを必須にできるほか、デバイスのリモートワイプ、Android での仕事用プロファイルの使用、iOS アプリの管理なども可能。
ドライブのログイベントデータ Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイトでのユーザー アクティビティを確認できる。
データ保護に関する分析情報レポート 機密データが含まれる組織内のドライブ ファイルに関する情報を確認できる。
エンタープライズ エンドポイント管理 会社所有デバイスを管理するための管理機能。
・iOS データ保護、モバイル デバイスの証明書、コンテキストアウェア アクセスなどのセキュリティ設定。
・デバイス管理(モバイル デバイスと iOS デバイスの会社所有インベントリ、管理ルール、BeyondCorp パートナーとの統合など)
・限定公開の iOS アプリ管理
・デバイスのログイベント データや、使われていない会社所有デバイスのレポートなどの、デバイスの詳細データ。
×
データ損失防止(DLP) ルールを作成して適用することで、ユーザーが組織外の相手と共有できるファイルのコンテンツを管理できる。 ×
コンテキストアウェアアクセス ユーザーID、デバイスのセキュリティ対策、IP アドレス、位置情報などの属性に基づいて、Google Workspace および SAML アプリケーションに対する詳細なアクセス制御ポリシーを作成できる。 ×
Google Vault 電子情報開示とデータ保持の次世代型ソリューション。 ×
Cloud Identity Premium 企業向けセキュリティ、アプリケーション管理、自動デバイス管理を行える。 ×
Google Voice アドオンサブスクリプションとして利用可能。高性能で使いやすいクラウド プライベート電話ネットワークで、ユーザーは電話番号、自動応答、着信グループを利用できる。 ×
Gemini アプリ エンタープライズレベルのデータ保護を装備。
AppSheet Core コーディング経験がなくても、モバイルアプリやウェブ アプリケーションを構築できる。
NotebookLM エンタープライズレベルのセキュリティとプライバシー。PDF、ウェブサイト、YouTube 動画、音声ファイル、Google ドキュメント、Google スライドを簡単にアップロードでき、新しいソースの入手も可能。
Google Workspace with Gemini(AI 機能) Gmail では文書作成サポートやサイドパネル、Google Chat ではサイドパネルや自動翻訳など、Google Meet では自動メモ生成や背景の生成などの機能が利用できる。 × ×
Google Vids AI Gemini を活用した動画制作機能。 視聴のみ 視聴のみ 視聴のみ

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Google Workspace Frontline 導入のポイント

Google Workspace Frontline を導入する際のポイントを 3 つご紹介します。

アップグレードが可能

どのプランを選ぶか迷われている方もいるかもしれません。まず Frontline Starter を選び、活用していく中で必要な機能が出てきた際は、 後からグレードアップができるので、安心してお申し込みいただけます。

アドオンによる機能追加が可能

有料の追加機能として、以下の 2 つをご案内します。 セキュリティや訴訟対策を講じたい方におすすめです。

Google Vault 電子情報開示とデータ保持の次世代型ソリューション
Cloud Identity Premium 企業向けセキュリティ、アプリケーション管理、自動化されたデバイス管理サービス

利用資格がない従業員は使用できない

利用資格のない従業員(デスクワーカー)が、Google Workspace Frontline のアカウントを取得していると Google が判断した場合、 Frontline のエディションへのアクセスを制限される場合があります。

「自社が Frontline プランの対象か迷う」といった利用資格に関する疑問のほか、最適なプラン選定のお悩みも解決のお手伝いをします。お気軽にお声がけください。

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Google Workspace は、現場の従業員向けのベストなプランとして Frontline エディションを用意しています。Frontline の活用により、デスクワーカーと現場従業員のスムーズなコミュニケーションが実現できます。

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