共有ドライブとは?マイドライブとの違いや注意点、プランの選び方など

コラム更新日:2025.11.28

情報共有やファイル管理で、「マイドライブと比べて共有ドライブは何が違うの?」「チームでの共同作業や情報管理に課題がある」とお悩みの方もいるかと思います。

共有ドライブとは、チームでファイルを共有・管理する、Google Workspace の機能です。 マイドライブとは違い、ファイルの所有者が個人ではなくチームとなることで情報管理の一元化や円滑な共同作業が実現できます

本記事では、Google Workspace の共有ドライブについて、マイドライブとの違いや、企業の利用メリット、気をつけるべき制限とその回避方法を解説します。貴社に適したプランの選び方もご紹介しますので、共有ドライブ利用の検討材料としてお役立てください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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目次

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組織で情報を管理する、Google Workspace の共有ドライブとは

共有ドライブとは、組織でファイルを共有する Google Workspace のクラウドストレージ機能です。共有ドライブ上で、チームで使うファイルの保存、検索、および、ファイルへのアクセスが可能です。

共有ドライブ内のファイルは、個人ではなく組織が「オーナー」となって所有します。この仕組みで、個々がファイルを所有するという状況を作らず、メンバーの異動や退職によって発生するファイルの引継ぎ工数を大幅に削減し、同時に大事な情報が失われるといったリスクにも備えます

Google Workspace をすでに導入し、共有ドライブを作成する方法にお困りの方は、以下を参考にしてください。共有ドライブの作り方について詳しく解説しています。

共有ドライブでできること

プロジェクトやチーム用の共有ドライブを作成すると、情報を共有し、連携して作業することができます。以下の表では、共有ドライブの主な機能についてまとめました。

機能 説明
ファイルの保管 ファイルの所有権は個人ではなくチームや組織に紐づきます。従業員が離職してアカウントが削除されても、ファイルは共有ドライブ内に残ります。
ファイルの共有 チームへの共有は共有ドライブにアップロードするだけ。情報が一箇所にまとめておけるので、「あのファイルどこだっけ?」と検索する手間が省けます。
随時更新と共同編集 Google ドライブにアップロードされたファイルは、更新内容が随時反映されます。また、チームメンバーと同じファイルを同時に開いて、同時に編集できます。
外部ユーザーとのファイル共有 協力企業やパートナーなど、外部のユーザーを共有ドライブに追加できます。ファイル送付の手間を解消し、必要な情報だけを安全に共有することが可能です。
パソコン上でのコンテンツ同期 連携ツール「パソコン版 Google ドライブ」を使うことで、共有ドライブ内のファイルを、ブラウザを介さずに直接パソコン上で開く・編集・保存できます。一部のファイルは、インターネット接続がない環境でも操作可能です。


Google Workspace はプランによって利用できる機能が異なり、Business Starter では機能に一部制限があります。自社に適したプランの選び方は、記事の後半で詳しく解説しています。

5 つの権限でセキュリティを担保

共有ドライブでは、①管理者、②コンテンツ管理者、③投稿者、④コメント投稿者、⑤閲覧者の 5 つのアクセス権限(アクセスレベル)を設定できます。

組織の管理者が、ユーザーの権限を適切に制御し運用することで、セキュリティを確保しつつ、チームの生産性を最大化することが可能です。

権限 可能な操作
①管理者 共有ドライブへのメンバー追加・削除、メンバーのアクセス権限の変更、共有ドライブの名前の変更・削除 など
②コンテンツ管理者 ファイルやフォルダの作成・編集・アップロード、ファイルやフォルダの移動、共有ドライブ内のフォルダへのグループやユーザーの追加・削除 など
③投稿者 ファイルやフォルダの作成・編集・アップロード など
④コメント投稿者 ファイルやフォルダの閲覧、ファイルへのコメント追加
⑤閲覧者 ファイルやフォルダの閲覧

共有ドライブとマイドライブの主な違い

共有ドライブは、チームで共同で使うことを目的としたストレージで、企業や組織など情報共有したい場合に適しています。一方、マイドライブは、個人管理のストレージであり、共有はできるものの個人での使用を主としています。

共有ドライブとマイドライブの主な違いを表にまとめました。

共有ドライブ マイドライブ
追加できるファイル形式 すべてのファイル形式 すべてのファイル形式
ファイルとフォルダのオーナー 組織 ファイルまたはフォルダを作成したユーザー
ファイルやフォルダのドライブへの移動 ユーザー:ファイルのみ
管理者:ファイルとフォルダ
可能
ドライブ内でのファイルやフォルダの移動 管理者・コンテンツ管理者:アクセスの権限があれば可

注:ファイルやフォルダを共有ドライブ間で移動できるのは管理者のみ
可能
パソコンとのファイル同期 ドライブファイルストリーム:可能
バックアップと同期処理の使用:不可
可能
共有の仕組み チームメンバー全員に同じファイルやフォルダが表示 個々のファイルへのアクセス権限に応じて、フォルダに表示されるファイルはユーザーごとに異なることがある
ゴミ箱内のファイルの保持期間
  • 各共有ドライブに、それぞれゴミ箱がある
  • ゴミ箱内にあるファイルとフォルダは30日後に完全に削除される
  • メンバーはそれ以前に特定のファイルを削除可
ゴミ箱内にあるファイルとフォルダは30日後に完全に削除される
ゴミ箱からのファイルの復元 投稿者アクセス以上の権限で復元可 該当ファイルの作成者であれば復元可

【ケース紹介】共有ドライブを導入すべきタイミングは?

個人所有のマイドライブや会社所有のパソコン(ローカル)にファイルを保管してる状態では、さまざまな非効率やリスクを招く可能性があります。以下のケースに 1 つでも当てはまるなら、共有ドライブの利用を推奨します。

  • 特定のプロジェクトやイベントなど、メンバーが同じファイルを必要としている
    プロジェクトにかかわるファイルがマイドライブに入っていると、他のメンバーがファイルにアクセスできません。必要な情報が見られないだけでなく、進捗が不透明に。
  • 従業員の異動や入退社などでファイルの引き継ぎが発生
    退職や異動などの際に、マイドライブにファイルが残ったままだと、組織の大事な情報資産を失ってしまうリスクがあります。
  • セキュリティ強化のために柔軟な権限管理が必要
    ファイルの管理を個人任せにすると、組織の管理が行き届かず、情報漏洩のリスクが高まります。

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共有ドライブのメリット

共有ドライブを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット① ドライブへのアクセス権限管理が容易

共有ドライブ単位でユーザー登録や権限設定が行うことができるため、マイドライブに比べてアクセス権限の管理が容易となります。全ファイルの一つひとつに対して権限を付与する必要もなくなるため、効率的なファイル管理を行うことができるでしょう。

メリット② 退職者が出た場合の権限移譲の手間を省略できる

退職するメンバーが出た場合、マイドライブではファイルのオーナーはその離職者になっているため、退職前にファイルの権限委譲の手間が発生していました。しかし共有ドライブの場合はファイルのオーナーは個人ではなく組織になるので、メンバーが退職(あるいは異動)した場合でも、ファイルの移管は不要です。

メリット③ セキュリティの強化につながる

共有ドライブを複数作成して、用途や機密性によって、アクセスできるメンバーを分けることも可能です。ドライブごとに共有範囲やアクセス権限をまとめて設定しやすく、意図しない共有など情報漏洩を予防します。たとえば人事評価や顧客情報のような重要機密は、ドライブで完全にメンバーを分けることで、他部門の従業員が誤って参照・編集するリスクを削減します。

特に、企業で個人アカウントを利用している場合は、組織の管理が行き届かないため情報漏洩やデータ消失のリスクが高く、共有ドライブの導入は不可欠です。

▼共有ドライブの疑問を解消したうえで、安心して導入を検討しませんか?

自社のセキュリティやドライブの使い方などのお悩みは、一度、TSクラウドにご相談ください。⇒無料で相談する

自社に最適な Google Workspace プランの選び方

すべての Google Workspace プランで共有ドライブは利用可能ですが、求める機能や企業規模などで、最適なプランは異なります。自社では Google Workspace をどう使うのか、共有ドライブ以外の機能やツールも含めて、具体的にイメージして検討しましょう。主な判断基準として、以下が挙げられます。

  • 利用したい機能(導入の目的)
    Google Workspace は、同じアプリでもプランによって利用できる機能が異なります。たとえばビデオ会議の Google Meet では、録画機能や自動メモ作成などの高度な機能は、上位プランのみで利用可能です。
  • ストレージ容量
    ユーザーごとのストレージの上限は、プランによって異なります。保存するファイルが多い場合は Business Standard(2 TB)や Business Plus(5 TB)を検討してみましょう。
  • セキュリティとコンプライアンス
    「機密情報を取り扱う」「ログ監視が必要」などの場合は、高度なセキュリティ機能「Google Vault」を搭載しているプランが適しています。

実際のプラン選びは、各企業の課題やニーズを総合して判断します。「スモールスタートで Business Starter から始めて、必要に応じて Business Standard にアップグレードする」、「オンライン会議やデータのやりとりが多い管理職と、現場で働く一般社員で、別のプランを契約する」などの方法もあります。

「選び方についてさらに詳しく知りたい」「自社の課題を解決してくれるプランは?」などの疑問点は、以下の記事が参考になります。

共有ドライブの気をつけるべき制限

共有ドライブをうまく活用すればより効率的なファイル運用が可能になりますが、その反面いくつかの制限が存在します。共有ドライブを導入する場合の気をつけるべき制限についてご紹介します。

制限① 保存できるアイテム数の上限は50万個

共有ドライブには、アイテム数、メンバー数、1日のアップロード数に制限があります。共有ドライブに保存できるアイテム数の上限は50万個となっています。

制限② 1日のアップロード容量は1日750GBまで

個々のユーザーがマイドライブおよびすべての共有ドライブにアップロードできるのは、1日あたり750GBまでです。合計アップロードサイズが750GBに達した場合、または750GBを超えるサイズのファイルをアップロードした場合は、同じ日にそれ以上ファイルをアップロードできなくなります。アップロードまたは同期できる個々のファイルの最大サイズは5TBです。

制限③ ファイル共有できるグループ数は100まで

共有ドライブ内の1つのファイルを直接共有できるのは、最大100グループまでとなっています。

制限④ フォルダの階層数は100まで

共有ドライブ内のフォルダは、最大 100 レベルまで階層化できます。 プロジェクトやチームごと、または日付やファイルの種類ごとなど、目的に応じたフォルダの階層が設定できます。ただし、階層が深すぎると目的のファイルにたどり着くまでに時間や手間がかかるため、できる限り浅い階層設計がおすすめです。事前にフォルダ構造を設計しておくことで、関連するファイルを一元的に管理し、探すときの手間を最小限に抑えられます。

制限⑤ メンバーに関する制限

Google グループのユーザーやグループを共有ドライブに追加できます。1 つの共有ドライブあたり、メンバー数の上限は 600 人、グループ数は 100 個までです。共有ドライブのメンバーとして追加されたユーザーは、複数のグループに属していても1人のメンバーとしてカウントされます。

共有ドライブの制限を回避するためにできること

共有ドライブを導入する場合さまざまな制限がありますが、これを回避するためにできることをまとめたのでご紹介します。

メンバーシップに Google グループを使用する

大規模な組織では、ユーザーを個別に追加する代わりに、「Googleグループ」を使用してメンバーシップを管理することをおすすめします。メーリングリストのように、複数のメンバーをまとめて 1 つの「グループ」にすることで、情報共有とコミュニケーションを効率化できます。

共有ドライブのゴミ箱を空にする

共有ドライブのアイテム数は、ゴミ箱にあるアイテムもカウントされます。この制限は、容量ではなくアイテム数に基づくため、ゴミ箱を空にすることでアイテム数の上限に達することを遅らせます。

プロジェクト単位で利用する

共有ドライブをチームやプロジェクト単位で利用することで共有メンバーや管理ファイルを絞り込むことができます。プロジェクトごとに分けることで、一つの共有ドライブへの負荷を分散させ、アイテム数の上限やメンバー数の制限に達するリスクを低減します。

Google Workspace の共有ドライブで効率的なファイル運用を

共有ドライブはファイルを組織が所有する機能で、Google Workspace の全プランで利用できます。個人ではなく企業側がファイルを管理することで、情報を共有しやすくなる、データ引き継ぎの手間を解消する、情報漏洩リスクを低減するなど、貴社の生産性向上とセキュリティ強化を同時に実現するでしょう。

共有ドライブに関する疑問点や最適なプラン選び、導入後の運用に関するお悩みは、TSクラウドへお気軽にご相談ください。

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