Business Starter の共有ドライブの機能制限は?他エディションと比較
コラム更新日:2025.01.27
2024年9月から、Google Workspace の Business Starter で共有ドライブが機能制限付きで利用可能になりました。
これに伴い、「Business Starter で共有ドライブが使えるなら、コスト面からそちらを選びたいけどなにか問題はある?」「Business Starter の機能制限って具体的に何が使えないの?」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
Business Starter で制限されている機能は、共有ドライブの管理機能です。この機能は、セキュリティ面でも重要な機能であり、機能が利用できないことによるデメリットも存在しているため、エディションは慎重に選択する必要があります。この記事では、Business Starter で制限のある機能の詳細や、共有ドライブを安全かつ効率的に使うためのエディションの選択のポイントについてご紹介しています。共有ドライブの利用を考えた Google Workspace のエディションで悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
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Google Workspace Business Starter で共有ドライブが利用可能に!
共有ドライブとは、チームでファイルを共有・管理できる Google Workspace の機能です。組織で利用するファイルを一箇所に集め、データの一元管理を可能にします。また、組織の管理者がメンバーへのアクセス権を細かく設定できるため、高いセキュリティでのファイルやフォルダの共有に適しています。
関連記事:共有ドライブとは?マイドライブとの違いやメリット、制限を解説
共有ドライブは、以前は Google Workspace の Business Standard エディション以上で利用できる機能でしたが、Business Starter でも利用可能となりました。ただし、管理者レベルの設定およびセキュリティ設定といった管理機能に一部制限があります。
参考:「Google Workspace Updates「Business Starter にストレージ プールと共有ドライブを導入」
Business Starter には制限あり!共有ドライブの管理機能を比較
共有ドライブの管理機能について、Business Starter と他エディションを比較しました。
Business Starter | Business Standard 以上の上位エディション |
|
---|---|---|
メンバー追加・削除 | ◯ | ◯ |
メンバーのアクセスレベルの変更 | ◯ | ◯ |
共有ドライブのデフォルトの共有権限の設定 | ✕ | ◯ |
共有ドライブの共有設定を変更 | ✕ | ◯ |
外部の共有ドライブにコンテンツを移動できるユーザーの制限 | ◯ | ◯ |
ユーザーのアクション確認 | ◯ | ◯ |
無効になった共有ドライブの再審査請求 | ◯ | ◯ |
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Business Starter で制限されている機能は?
Business Starter では、共有ドライブの管理機能として、「共有ドライブのデフォルトの共有権限の設定」「共有ドライブの共有設定を変更」が利用できません。
以下で、Business Starter では利用できない機能の詳細について、解説していきます。
➤共有ドライブのデフォルトの共有権限の設定
共有ドライブのデフォルトの共有権限の設定とは、新しく作成される共有ドライブに対して、最初から付与されるアクセス権をあらかじめ決めておける機能を指します。
デフォルトの共有権限には、以下の5項目があります。デフォルトでは、すべて「オン」になっています。
- 管理者権限を持つユーザーが、以下の設定をオーバーライドできるようになります
- オン:管理者は個々の共有ドライブの共有設定を自由に変更可能
- オフ:管理者は個々の共有ドライブの共有設定の変更が不可
- [組織]外のユーザーが、共有ドライブにあるファイルにアクセスできるようになります
- オン:招待した外部ユーザーはファイルにアクセス可能
- オフ:組織外のユーザーとのファイル共有を許可していても、外部ユーザーはファイルへのアクセスが不可
- 共有ドライブのメンバー以外のユーザーをファイルに追加できるようにする
- オン:共有ドライブのメンバーは、自由に外部の人とファイルを共有可能
- オフ:外部とのファイル共有が不可
- コンテンツ管理者にフォルダの共有を許可する
- オン:コンテンツ管理者もフォルダの共有が可能
- オフ:フォルダの共有は管理者のみ
- 閲覧者およびコメント可の閲覧者にファイルのダウンロード、印刷、コピーを許可する
- オン:ファイルのダウンロードや印刷が可能
- オフ:ファイルのダウンロードや印刷は不可
Google Workspace の管理者は、共有ドライブに対するデフォルトの共有設定を、共有ドライブが割り当てられている組織部門ごとに行えます。また、管理者権限を持つユーザーがこの設定を変更できないように設定することも可能です。
このような細かい設定によって高いセキュリティを保つことができ、情報漏洩などのリスクが軽減します。さらに、ファイルやフォルダごとにアクセスできるユーザーの制限で、柔軟なコラボレーション環境の構築も実現できるでしょう。
しかし、Business Starter では、このデフォルトの共有権限の設定が、「オン」の状態から変更できません。そのため、「組織外のユーザーが誤って機密情報にアクセスしてしまう」「各ファイルやフォルダの共有設定を個別に管理する必要がある」などのデメリットが挙げられます。
➤共有ドライブの共有設定を変更
共有ドライブの共有設定とは、管理者が共有ドライブ内のファイルの共有を制限できる機能です。個々の共有ドライブごとに、「管理者が共有ドライブの設定を変更できるかどうか」「アクセスできる範囲」「各ロールの権限」が設定できます。
例えば、営業部の共有ドライブで顧客リストを管理している場合、営業部の社員のみにアクセスできるように設定します。これにより、営業部以外の社員や外部からのファイルへのアクセスを不可とし、セキュリティを強化できます。
共有ドライブの共有設定の変更も Business Starter では利用できず、意図しない情報共有が発生し、セキュリティリスクが高まる恐れがあります。また、チームでの連携を円滑に進めるためには、より柔軟な設定が求められるでしょう。
安全かつ効率的な共有ドライブの運用は Business Standard 以上がおすすめ
Business Starter でも共有ドライブが利用可能になり、選択できるエディションの幅が広がりました。しかし、管理機能に一部制限がつくことで、細かな権限設定ができず、Google Workspace の強みである「管理者機能」を十分に活用することができません。
「部門ごとに異なるセキュリティレベルを設定したい」「情報漏洩などのリスクをできる限り減らしたい」「外部とのやり取りが多い」といった場合は、Business Standard 以上のエディションをおすすめします。
Business Standard 以上の場合、共有ドライブの機能制限以外にもメリットがあります。
➤大容量のストレージ容量
Google ドライブのストレージ容量は、エディションによって異なります。Business Starter では、30GB(プール)ですが、Business Standard 以上で大幅に増加します。共有ドライブを活用してチーム全体のファイルを共有・管理する場合、30GB では容量が足りないケースもあります。企業のデータ量によって、エディションを選択するとよいでしょう。
無料 アカウント |
Business | Enterprise | |||
---|---|---|---|---|---|
Starter | Standard | Plus | |||
価格 ユーザー1人あたりの月額 (年間契約の場合) |
¥0 | ¥800 | ¥1,600 | ¥2,500 |
お問い 合わせ |
ストレージ容量 ユーザー1人あたり |
15GB | 30GB(プール) | 2TB(プール) | 5TB*(プール) | 5TB~*(プール) |
*必要に応じて拡張可能。詳しくは お問い合わせ ください。
➤共有ドライブ以外にも使える機能が多い
共有ドライブ以外にも、Business Standard 以上で使える、ビジネスにおすすめな機能が多くあります。ここでは、以下の2つをご紹介します。
Google Meet の録画機能
Google Workspace で使える Web会議ツール「Google Meet」の録画機能は、会議内容をあとから確認できたり、研修やマニュアルとして利用したり、ビジネスでは、非常に便利な機能です。録画機能が利用できるエディションは、以下の表の通りで、Business Starter では利用できません。
無料 アカウント |
Business | Enterprise Essentials | Enterprise | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Starter | Standard | Plus | Essentials | Plus | Standard | Plus | |||
録画機能 | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
年間契約 (月額) |
¥0 | ¥800 | ¥1,600 | ¥2,500 | お問い合わせ |
関連記事:Google Meet の録画方法。保存先や録画できない場合の対処法を解説
Google Vault
Google Vault とは、情報ガバナンスや eDiscovery、規制に関する監査に備えて、Google Workspace のGmail で送信したメールやチャット記録のアーカイブ、データ管理、保全を行うサービスです。
何らかの不祥事で裁判が起こった場合、Google ドライブ内にある過去のログを掘り出し、裁判所へ電子情報開示が可能になります。Google Workspace に含まれるアプリであり、別途コストがかからず、訴訟リスクに備えることができ、ビジネスには重要なツールです。
Google Vault が使えるエディションは、以下になります。
Business | Enterprise Essentials | Enterprise | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Starter | Standard | Plus | Essentials | Plus | Standard | Plus | ||
Google Vault | ✕ | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
年間契約 (月額) |
¥800 | ¥1,600 | ¥2,500 | お問い合わせ |
関連記事:Google Vaultとは。使い方や価格、その機能を解説。
共有ドライブを最大限に活用したいならTSクラウドにおまかせ
Business Starter でも、共有ドライブが利用可能となりましたが、機能に制限があります。制限されている機能は、共有ドライブの管理機能の一部であり、情報漏洩のリスクなど、セキュリティ面で注意が必要です。高いセキュリティ対策が必要なビジネスでの利用は、共有ドライブの全機能が使える Business Standard 以上のエディションを選択することをおすすめします。Business Standard 以上では、Business Starter で利用できない「Google Meet の録画機能」「Google Vault」といった機能も利用可能なため、エディション選択で迷われている方は、共有ドライブ以外の機能の利用可否も参考にしてください。最適なエディションを選択し、ビジネスの可能性を広げましょう。
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