コラム更新日:2025.08.02

Google ドライブは、個人からビジネスまで、多くのユーザーが利用している便利なクラウドストレージサービスです。特にファイルの共有機能は、共同作業を効率化するうえで欠かせないものとなっています。しかし、中には「Google ドライブの共有機能ってもしかして危険?」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、Google ドライブの共有機能が持つ潜在的な危険性とその対策について詳しく解説します。情報漏えいやデータ改ざんといったリスクから身を守り、Google ドライブを安全に使いこなすための具体的な方法を把握しましょう。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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Google ドライブ の共有機能とは

Google ドライブの共有機能とは、保存されているファイルやフォルダを他のユーザーと共有し、閲覧や編集、コメントなどのアクセス権限を付与できる機能のことです。これにより、複数人で同時に作業を進めたり、大容量のファイルを簡単に共有したりすることが可能になります。

共有方法にはいくつか種類があり、特定の Google アカウントを持つユーザーに限定して共有する方法や、共有リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる公開共有などがあります。これらの共有オプションを適切に設定することで、共同作業の効率を大きく向上させることができます。

関連記事:Googleドライブの使い方。基本操作から活用テクニックや整理術まで徹底解説

無料版 Google ドライブ共有機能の落とし穴

無料版の Google ドライブは非常に便利ですが、その共有機能には潜在的な「落とし穴」が存在します。特にビジネスで機密性の高い情報を扱う場合、これらのリスクを十分に理解しておく必要があります。ここでは、具体的にどのような危険性があるのかを見ていきましょう。

関連記事:Google ドライブのセキュリティは万全?企業が知るべきリスクと対策

情報漏えい

Google ドライブの共有設定を誤ると、意図しない形で情報が外部に漏えいするリスクがあります。特に、共有リンクを知っている誰もがアクセス可能な「リンクを知っている全員」設定にしてしまうと、そのリンクが流出すれば、誰でもファイルの内容を閲覧できるようになってしまいます。

たとえば、誤って社外秘の資料を「リンクを知っている全員が閲覧可」で共有し、そのリンクが SNS などで拡散された場合、機密情報が瞬く間に広まってしまう可能性があります。また、共有相手の Google アカウントが乗っ取られた場合も、そこから情報が漏えいするリスクも考えられます。

データ改ざん

共有設定によっては、ファイルやフォルダの内容が意図せず改ざんされる危険性もあります。特に「編集者」権限を付与した場合、共有相手はそのファイルを自由に編集できるようになります。悪意のある第三者や、誤操作によって重要なデータが失われるリスクが常に伴います。

たとえば、プロジェクトの最終報告書を複数人で編集している際に、必要な情報を削除してしまったりするケースが考えられます。また、共有リンクが悪意のある第三者の手に渡り、「編集者」権限でアクセスされた場合、データの破壊工作が行われる可能性もゼロではありません。Google ドライブの共有機能は便利である反面、適切な権限管理ができていないと、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

マルウェア感染

Google ドライブを通じてマルウェア感染が発生する可能性もあります。共有されたファイルがマルウェアに感染している場合、それをダウンロードしたり開いたりすることで、自身のデバイスがマルウェアに感染することも。特に見知らぬ相手からの共有ファイルや、不審なリンクには注意が必要です。

またフィッシング詐欺の一種として、あたかも Google ドライブの共有通知を装い、悪意のあるファイルを共有してくるケースもあります。これを安易に開いてしまうと、ランサムウェアに感染してデータが暗号化されたり、情報が抜き取られたりする被害に遭う可能性もあります。共有されたファイルであっても、常にセキュリティ意識を持って対応することが重要です。

今すぐできる! Google ドライブ 共有時の対策

Google ドライブの共有機能は便利ですが、リスクを回避するためには適切な対策を講じることが不可欠です。ここでは、今日から実践できる具体的な対策を4つご紹介します。

共有設定の確認を徹底する

最も基本的な対策は、共有設定を徹底的に確認することです。ファイルを共有する際には、誰に、どのような権限で共有するのかを常に意識し、必要最低限の範囲に留めるようにしましょう。

具体的には、以下の点を確認します。

       
  • 共有相手
    特定の個人またはグループに限定し、不特定多数に公開する設定は避けます。
  •    
  • アクセス権限
    「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」の中から、共有相手に与えるべき最低限の権限を選択します。たとえば、単に内容を確認してもらいたいだけであれば「閲覧者」権限で十分でしょう。
  •    
  • リンク共有の制限
    「リンクを知っている全員」での共有は、機密性の高いファイルには絶対に使用しないようにしましょう。共有は、必要がある人のアカウントを追加し、リンク共有の制限を設けましょう。

共有設定は、一度設定すれば終わりではありません。定期的に見直し、不要になった共有は解除する習慣をつけましょう。

適切なアクセス権限を付与する

共有設定の中でも特に重要なのが「アクセス権限」の付与です。必要以上に強い権限を与えてしまうと、情報漏えいやデータ改ざんのリスクが高まります。

閲覧者 ファイルの閲覧のみが可能で、編集や削除はできない
閲覧者
(コメント可)
ファイルの閲覧とコメントの追加が可能
編集者 ファイルの閲覧、コメントの追加、編集、他のユーザーの追加やアクセス権限の変更が可能


たとえば、社内資料を共有する場合でも、単に内容を確認してほしいだけの部署には「閲覧者」権限を付与し、実際に内容を修正する担当者には「編集者」権限を付与するといったように、役割に応じた適切な権限を付与することが重要です。

アクセス権限を細かく設定することで、万が一共有リンクが流出してしまっても、閲覧以外の被害を最小限に抑えることができます。

不審なファイルや URL には触れない

マルウェア感染のリスクを避けるためには、不審なファイルや URL には決して触れないことが重要です。Google ドライブに限らず、インターネットを利用するうえで基本的なセキュリティ対策と言えるでしょう。

具体的には、以下の点に注意してください。

       
  • 見知らぬ送信元からの共有ファイル
    心当たりのないユーザーからの共有ファイルは開かないようにしましょう。
  •    
  • 不審なファイル名や拡張子
    見慣れないファイル名や、「.exe」「.zip」など、実行ファイルや圧縮ファイルの拡張子を持つファイルには特に注意が必要です。
  •    
  • メールやチャットで送られてきた共有リンク
    信頼できる相手からのものであっても、URL が不審な場合はクリックしないようにしましょう。可能であれば、送信元に直接確認を取るのが最も安全です。
  •  
  • Google ドライブの UI に偽装したフィッシングサイト
    ログイン情報を盗み取ることを目的とした偽サイトに誘導されることもあります。 URL が Google ドライブの正規のドメインであることを必ず確認してください。

Google アカウントのセキュリティを強化する

Google ドライブは、Google アカウントに紐付いているため、Google アカウント自体のセキュリティを強化することも非常に重要ですS。アカウントが乗っ取られてしまうと、Google ドライブに保存されているすべてのデータが危険にさらされることになります。

以下の対策を必ず行いましょう。

       
  • 強力なパスワードを設定する
    他のサービスで使い回していない、長く複雑なパスワードを設定します。記号や数字、大文字小文字を組み合わせることが推奨されます。
  •    
  • 2段階認証プロセスを有効にする
    パスワードだけでなく、スマートフォンに送られるコードなど、もう一つの認証要素を求めることで、不正アクセスを強力に防ぐことができます。
  •    
  • 不審なログインを常にチェックする
    Google アカウントのアクティビティ履歴を確認し、身に覚えのないログインがないか常にチェックする習慣をつけましょう。

これらの対策を徹底することで、Google ドライブだけでなく、Gmail などの Google アカウントに関連するすべてのサービスをより安全に利用できます。

ビジネス利用は要注意!無料版 Google ドライブの限界

無料版の Google ドライブは個人利用においては非常に便利なツールですが、ビジネスで利用する際には多くの限界とリスクが存在します。特に、機密性の高い情報や顧客データなどを扱う企業にとっては、無料版の利用はおすすめできません。

ビジネス利用における無料版 Google ドライブの主な課題は以下の通りです。

       
  • セキュリティ機能の不足
    無料版では、詳細なアクセスログの確認や、データ損失防止(DLP)機能などが利用できません。セキュリティ機能の不足により、情報漏えいやマルウェア感染のリスクが大幅に高まります。
  •    
  • 管理機能の限界
    無料版 Google アカウントでは、ユーザーごとの詳細な権限管理や、共有設定の一元的な制御が困難です。従業員が個々にファイルを共有することで、管理者の目が届きにくくなり、シャドー IT の問題が発生する可能性もあります。
  •    
  • ストレージ容量の制限
    無料版の Google ドライブは15GBのストレージ容量に制限されています。ビジネスで大量のデータを扱う場合、すぐに容量が不足し、追加費用が発生するか、複数のアカウントを管理する手間が生じます。
  •    
  • サポート体制の不在
    無料版では、問題が発生した際に専用のサポートを受けることができません。トラブルシューティングに時間がかかったり、解決が困難になったりする可能性があります。
  •    
  • コンプライアンス要件への非対応
    多くの企業は、情報セキュリティに関する特定のコンプライアンス要件(ISMAP、GDPR、HIPAAなど)を満たす必要があります。無料版の Google ドライブでは、これらの要件を満たすことが難しい場合があります。

関連記事:Google Workspace 有料版・無料版の違いを比較。有料版を選ぶ理由とプランの選び方

より安全なビジネス運用を! Google Workspace という選択肢

ビジネスで Google ドライブを安全に活用したいと考えるのであれば、Google Workspace の導入を検討することをおすすめします。Google Workspace は、ビジネス向けに強化された Google ドライブをはじめ、Gmail や、Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google Meet など各種 Google サービスを統合したソリューションです。

Google Workspace を導入することで、さまざまなアプリケーションに加え、DLP やセキュリティセンターなど高度なセキュリティ機能、包括的な管理機能や大容量のストレージを兼ね備えた安心・安全な作業環境を構築できます。⇒ Google Workspace 導入に関する資料をダウンロードする。

すでに Google Workspace をお使いの方へ:さらなるセキュリティ対策を

すでに Google Workspace を導入している企業でも、さらなるセキュリティ対策を講じることで、より強固なセキュリティ環境で仕事に取り組めるようになります。Google Workspace が提供する豊富な機能を最大限に活用し、組織のセキュリティレベルをさらに高めましょう。

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Google ドライブを安全に使うために

無料版 Google ドライブは、誤った使い方をすると情報漏えいやマルウェア感染といったさまざまなリスクにつながる恐れがあります。Google ドライブ を安全に使用するためにも共有設定やアクセス権限の確認、不審なファイルへの注意、アカウントのセキュリティ強化を徹底しましょう。なお、ビジネスで利用したい場合は、 Google Workspace への移行を強くおすすめいたします。

Google Workspace 導入済みの場合も、安全に Google ドライブ を利用できるよう、定期的に設定を見直し、セキュリティ対策を継続していきましょう。徹底したセキュリティ対策を行いながら Google ドライブの共有機能を活用していけるといいですね。

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