Google Workspace の始め方|初期設定・独自ドメイン・MX レコードの手順も解説
コラム更新日:2025.09.17
Google Workspace を使い始めるために必要な初期設定。なんだか専門的で、少し身構えてしまっていませんか?
「専門の IT担当者 がいないから難しくてできなそう…」「独自ドメインでメールを使いたいけど、設定が複雑そう…」など、いざ設定するとなると、やるべきことの全体像が見えず、漠然とした不安を感じてしまっている方も多いかと思います。また、技術的な不安から、導入に踏み切れない企業も少なくありません。
この記事では、そうした不安を抱える方のために、Google Workspace を始めるために必要な事前準備から初期設定、メールサーバーの切り替え(MX レコードの設定)の手順を解説しています。ぜひ、参考にしてください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Google Workspace を使い始めるために必要なこと
Google Workspace を使い始めるための全体の流れを把握することで、今どの段階に取り組んでいるのか、何が必要なのかが分かり、安心して作業を進められます。
Google Workspace の利用開始までには、大きく分けて以下の 3 つが必要です。
- 事前準備:独自ドメインの情報やユーザーリストなど、設定に必要なものの準備
- 初期設定:Google Workspace にログインし、ドメイン所有権の証明やユーザーアカウントの作成
- メールサーバーの切り替え:独自ドメインでメールを送受信できるよう切り替え(Google Workspace でメール機能 Gmail を利用する場合にのみ必要)
事前準備:スムーズに進めるためのチェックリスト
設定作業をスムーズに進めるためには、事前準備が大切です。特にドメイン関連の設定は、情報が反映されるまでに時間がかかる場合もあり、途中での中断は予期せぬトラブルの原因になりかねません。「設定の途中で、分からない情報があって作業が中断してしまう」といった事態を防ぎ、スムーズに完了させるためにも重要な工程です。
➤現行メールアドレスの棚卸し

- 移行対象となる全メールアドレスを一覧にまとめる
- 現行サーバーにある全データのバックアップを取る
まず、現在使用しているメール環境を把握し、移行の進め方を考えます。移行対象となる全ユーザーのメールアドレスとデータ量をリストアップし、「誰が」「いつ」「何を行うか」というスケジュールを立てます。
移行スケジュールや、新しいメール環境の利用マニュアルを準備し、事前に社内に共有しておきましょう。万が一の事態に備え、既存サーバーにある全データのバックアップを取得しておくことが大事です。
なお、Google Workspace への移行では、現行メールアドレスのパスワードを把握する必要はありません。「パスワードは本人しか知らない」という状態が、セキュリティの基本原則です。
➤社内への事前共有とマニュアル作成
事前に社内に知らせておくことや、移行後の操作マニュアルを用意しておくことで、混乱や知識不足によるトラブル回避につながります。必ず共有しておきたい情報は次の3つです。
- 移行作業を行う日時
- 移行に関する注意点(切り替え後、数時間はメールが遅延する可能性があるなど)
- 移行後の新しいログイン方法と初期パスワード
従業員の理解度も考慮しつつ、移行後の業務に支障が出ないよう、資料やマニュアルを用意しておきましょう。
Google Workspace の初期設定 3 ステップ
準備が整ったら、Google Workspace の初期設定に取り掛かります。ここでは、3つのステップに分けて、Google Workspace の初期設定方法を解説します。
➤ステップ 1:管理者アカウントでのログインと利用規約への同意
Google Workspace を申し込み後、設定した管理者アカウント宛に開設のお知らせメールが届きます。メールが届いたら、管理者は Google の利用規約に同意してください。利用規約に同意することで、アカウントがアクティブになります。
- Google Workspace 管理コンソール にアクセス
- ログインする
- 最初に表示される、Google Workspace のサービス利用規約に同意
これで、Google Workspace を管理するためのアプリ「管理者コンソール」に入れるようになります。今後、ユーザーの追加やセキュリティ設定など、あらゆる管理作業をこの画面から行います。
関連記事:Google Workspace のログイン方法|ユーザー・管理者向けガイド
➤ステップ 2:独自ドメインの所有権を証明
Google Workspace の利用には、ドメインの所有権を証明する必要があります。理由としては、第三者が無断でそのドメインを Google サービスに利用(メール送信など)するのを防ぐためです。
ドメインの所有権の証明が完了すると、Google Workspace サービスの設定を開始できます。以下の手順に沿って、ドメイン所有権の証明を行いましょう。
- Google Workspace の管理コンソールにログインし、HOME 画面上部に表示されるドメイン所有権の証明を促すメッセージをクリック(表示されない場合は、Google Workspace 設定ツールにアクセス)
- 「始める」をクリックし、ドメインホスト(ドメインを購入した先:ドメインの DNS 情報を管理しているサービス)を選択
- 「ドメインの確認」手順に進み、表示された TXT レコード(文字列)をコピー
- レンタルサーバーの DNS 設定画面 を開き、コピーした TXT レコードを追加・保存
- Google の管理コンソールに戻り、画面の案内に従って操作




➤ステップ 3:ユーザーアカウントの作成
ドメインの所有権が証明できたら、従業員が利用するアカウントを作成します。事前準備で作成したユーザーリストがここで役立ちます。アカウントの作成方法は「一人ずつ手動で追加」「CSV ファイルで一括で追加」の 2 つがあります。
- 一人ずつ手動で追加する方法
管理コンソールの「ユーザー」から、氏名やメールアドレスなどを入力する - CSV ファイルでユーザーを一括で追加する方法
以下の方法で、各ユーザーの初期パスワードが設定され、全アカウントを一括作成できます。
- Google 指定のフォーマットをダウンロードし、CSV ファイルを作成(ユーザーの一括更新>空のテンプレートをダウンロード)
- 管理コンソールの「ユーザー」セクションから、「ユーザーを一括で追加」を選択し、作成した CSV ファイル をアップロード

メールサーバーの切り替えで独自ドメインを有効にする方法(MX レコードの設定)
独自ドメインのメールアドレスでメールを送受信するには、メールサーバーを現在利用しているものから Google Workspace へ切り替える「MX レコードの切り替え」が必要になります。なお、この設定は Google Workspace でメール機能(Gmail)を利用する場合にのみ必要です。
➤MX レコードとは?
MX レコード(Mail eXchanger record)とは、あるドメイン宛のメールを、どのメールサーバーに配送すればよいかを指定するための情報です。インターネット上の DNS サーバーに登録されており、「メールの宛先住所録」のような役割を担っています。
➤MX レコードを切り替える前の注意点
MX レコードの切り替え作業は、メールの送受信に直接影響を与えるため、いくつか注意点があります。事前に注意点を確認したうえで作業に取り掛かるといいでしょう。
- 必ず全ユーザーのアカウント作成が完了し、移行準備が整ってから行います。中途半端な状態で行うと、一部のユーザーだけメールが届かないといった事態が発生します。
- MX レコードを変更してから、完全に変更が反映されるまでの 48 時間は、古い環境でのメールチェックが必要です。
➤Google Workspace の MX レコード設定手順
Google Workspace の Gmail を使用するために、ドメインのメールの受信先を、これまでのメールサーバーから Google サーバーに変更していきます。
- 管理コンソールにアクセスし、HOME 画面上部に表示される MXレコード の設定を促すメッセージをクリック。 (表示されない場合は、Google Workspace 設定ツールにアクセス)
- 上から 3 つ目の【(ドメイン名)における Gmail の有効化】の欄の「有効化」をクリック。
- 表示されるメッセージを確認し、Google Workspace 側でメールを受信する準備が完了しているかを確認。すべてにチェックをしたら、「続行」をクリック。
- 表示される案内メッセージに従い、ドメインホストでの設定を行う。Google にてドメインホストを自動的に特定できる場合には、詳細な手順が表示される。手順について不明な点がある場合には、必ずドメインホストのサポートに確認のうえ、設定を進める。
- ドメインホストでの設定が完了したら、管理コンソールの設定画面に戻り、画面最下部に表示される「GMAIL を有効にする」をクリック。ドメインホストでの設定がインターネットに浸透するまでには最大 72 時間程度かかることがあるので、エラーが発生する場合はしばらく経ってから試す。





メールサーバーの切り替え設定を間違えると、独自ドメイン宛のメールが届かなくなる可能性があります。値の入力ミスなどがないよう、細心の注意を払って作業してください。上記の通りにいかない場合や、ご不安がある場合、お気軽にお問い合わせください。TSクラウドでは、IT に不慣れな企業や、導入をお急ぎの場合に最適な「Google Workspace 導入支援サービス」もご用意しています。
➤メールサーバー移行後に起きやすいトラブルと対処法
万全の準備をしても、予期せぬトラブルが発生することがあります。起こりやすいトラブルは以下です。
| トラブル | 原因 |
|---|---|
| メールが届かない ・送信できない |
MX レコードの設定ミス、SP Fレコードの設定漏れ、DNS 設定の反映に時間がかかっているなど |
| 過去のメールが 見られない |
データ移行のエラーなど |
| 文字化けする | 移行元と移行先の文字コードの違いなど |
「メールが届かない、送信できない」というケースは、多くの場合、DNS 設定に起因します。最も確認すべきは MX レコードの設定ミスです。Google
管理コンソールのチェックツールで設定を確認し、誤りがあれば速やかに修正しましょう。
また、なりすましメールと判定されるのを防ぐ SPF レコードの設定漏れも原因となり得ます。Google 用の SPF レコードが正しく設定されているか確認してください。設定が正しいのに不安定な場合は、DNS 設定の反映に時間がかかっているだけの可能性もあります。
「過去のメールが見られない」というトラブルは、データ移行自体に問題があるケースです。管理コンソールでデータ移行サービスのステータスを確認し、一部のユーザーでエラーが出ていないか、プロセスが完了しているかを確認しましょう。エラーがあれば、再度移行を実行します。
「文字化け」については、移行元と移行先の文字コードの違いが原因であることが多く、Web 版の Gmail で表示を確認したり、PC のメールソフト側のエンコード設定を「UTF-8」に変更したりすることで解決する場合があります。
関連記事:はじめての Google Workspace データ移行。知っておくべき基本と注意点
Google Workspace を使い始める際によくある質問
Google Workspace の開始に伴う設定でよくある質問をまとめました。
➤ドメインの所有権が確認できません。
ドメイン所有権の証明でエラーメッセージが表示される場合、検証タイミングや確認レコードの設定ミスなどの可能性があります。以下2点お試しください。
- ドメインの確認には最長で48時間かかることがあるため、時間を置いて確認する
- 確認レコードを再設定し、入力をし直す
➤MXレコード を設定したのに、メールが届きません。
原因が MXレコード の入力間違いであると考えられる場合、以下3点お試しください
- MXレコード が反映されるまでに最大72時間かかることがあるため、時間を置いて MXレコード が機能するか確認する
- MXレコード が正しく入力されているか確認する
- ドメインホストのヘルプサイトを参考に、@記号について確認し、追加または削除する
➤これまで使っていたサーバーの過去のメールはどうなりますか?
この記事の設定だけでは、過去のメールは Google Workspace に移動せず、元のメールサーバーに残ったままです。過去のメールを Google Workspace で読めるようにするには、別途「データ移行」という専門的な作業が必要です。
ただし、データ移行は難易度も高く、データがなくなるというリスクもあるため、本当に必要があるかよく検討し、実施する場合は慎重に行う必要があります。
➤Google Workspace に移行したら、今までのメールサーバーでメールを受信することはできませんか?
新しいメールサーバーへの移行のステップとして、既存のメールサーバーと Google Workspace のメールサーバーの両方でメールを受信できる「二重配信」の期間を設けることが可能です。
二重配信を利用すれば、ユーザーはこれまで利用していたサーバーと、Google Workspace のメールサーバーの両方で、同時にメールの受信が可能です。二重配信期間をサーバー移行のための準備期間として上手に活用することで、「やりとりの途中でサーバーが切り替わり、現場が混乱するのではないか」などの懸念にも対応。メールサーバーの段階的な移行が可能となり、メールサーバー移行のハードルが下がります。
TSクラウドでは、メールサーバーの移行に懸念をお持ちのお客様が、スムーズに Google Workspace に移行していただけるよう、移行サポートを行っています。既存サーバーから Google Workspace への移行をご検討中でしたら、まずはお問い合わせください。⇒ メールサーバーの移行について相談する
Google Workspace 初期設定の「時間がない・リスクが怖い」を解決します
この記事では、Google Workspace を使い始めるための、初期設定やメールサーバーの切り替えについて解説しました。手順やポイントが理解できても、「重要な設定を自社で行うには知識のあるスタッフがいない・不安が強い」「業務が忙しく時間を割けず導入計画がたてられない」などのお悩みを抱えている方もいるかもしれません。
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