Microsoft 365 から Google Workspace へ移行する手順とコツ
コラム更新日:2025.10.07
Microsoft 365 を利用している企業は多いですが、従業員数の増加に伴うライセンス費用の高騰や、リモートワークにおける共同作業の非効率性などに課題を感じて、Google Workspace への移行を検討している方もいるでしょう。
この記事では、Microsoft 365 から Google Workspace に移行するメリットや具体的な手順、スムーズな移行を実現するコツなどを解説します。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Microsoft 365 から Google Workspace へ移行するメリット
Microsoft 365 から Google Workspace への移行は、多くの企業にとってコスト削減と業務効率化を同時に実現できる、魅力的な選択肢です。
Google Workspace を利用する主なメリットとして、以下が挙げられます。
- リアルタイムでの共同作業
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのツールは、複数人が同時にリアルタイムで編集可能です。メール添付によるファイル送受信やバージョン管理の手間がなくなり、チームでの共同作業が劇的に効率化されます。 - 直感的な UI と操作性
Google Workspace のユーザーインターフェースは、シンプルで直感的に設計されており、IT に不慣れな従業員でも短期間で操作を習得できます。特に無料版の Gmail を使っている従業員は、同様の操作感でストレスなく使えるでしょう。これにより、導入後の教育コストを抑え、スムーズな社内浸透を促します。 - アプリ間のスムーズな連携
各アプリの連携がスムーズなことも、Google Workspace の利用メリットの1つ。「Gmail から カレンダーに予定を入力する」「カレンダーから Web 会議に参加する」「Meet の会議を録画してドライブに格納する」など、さまざまなシーンで業務効率を向上できます。 - 強力な検索機能
Google 検索の技術が組み込まれているため、Gmail や Google ドライブに保存された大量のデータの中から、必要な情報を容易に見つけ出すことが可能です。情報探索にかかる時間を短縮することで、従業員はより生産性の高い業務に集中できるようになります。
これらの特長から、特にコスト削減とコラボレーション強化を重視する企業にとって、Google Workspace が最適であると考えられます。
Microsoft 365 と Google Workspace の機能・料金比較
Microsoft 365 と Google Workspace について、機能と料金、それぞれの特長を知っておきましょう。ここでは中小企業で多く導入されるプランで比較します。
| 機能/項目 | Microsoft 365 Business Standard |
Google Workspace Business Standard |
|---|---|---|
| 料金 | 1,874円/ユーザー (年間契約の場合の月相当) |
1,600円/ユーザー (年間契約の場合の月相当) |
| ストレージ | 1TB/ユーザー | 2TB/ユーザー |
| 主要アプリ |
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| コラボレーション | Teams を軸とした連携が中心 | リアルタイム共同編集に優れている |
| UI/操作性 | 機能が豊富で慣れるまで時間を要する傾向がある | 直感的でシンプル |
| デバイス対応 | デスクトップアプリが基本で、モバイルアプリも提供 | Web ブラウザ利用が中心で、デバイスを選ばない |
| 特筆事項 |
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どちらも優れたグループウェアで機能には大きな差はありませんが、使用感が異なります。本格的に移行する前に、トライアルで使用感を確認してみるとよいでしょう。
TS クラウドでは、Google Workspace の無料トライアルを提供しています。Google 公式からのお申込みでは 14 日間のところ、代理店である当社からでは 30 日間のトライアルが可能です。期間中に利用できる機能やサポート体制など、お気軽にお問い合わせください。
関連記事:Google Workspace と Microsoft 365 を比較。選び方のポイントは?
Google Workspace への移行方法と必要な準備
Microsoft 365 から Google Workspace への移行は、計画的な準備と段階的な実行により、スムーズに進行できます。ここでは移行方法を 4 つのステップで解説します。
➤ステップ 1:移行計画の策定と事前の整備
移行をスムーズに進めるためには、移行計画と事前準備が重要です。移行の目的を明確にしたうえで、移行するデータの種類と量を正確に把握し、移行範囲および移行ツールを決定します。
Google Workspace の準備も必要です。ドメイン認証、ユーザーアカウント作成、移行先となる共有フォルダの作成を完了させておく必要があります。従業員の協力も不可欠のため、社内全体で移行の目的と手順を共有し、協力体制を構築しておくことも大切です。現場の繁忙期を避けるなど、実施のタイミングにも配慮しましょう。
➤ステップ 2:テスト移行の実施
本番移行の前に、必ず少人数のユーザーグループでテスト移行を実施して、移行ツールの動作確認、データ移行の正確性、そして予期せぬ問題が発生しないかを検証します。メール、カレンダー、連絡先、ドライブなどの主要なデータの移行が正しく行われるかを確認し、移行後の操作性や問題点を洗い出すことが目的です。
テスト移行で得られた知見は、本番移行の計画をより精緻なものにし、リスクを最小限に抑えるうえで非常に重要です。
➤ステップ 3:データ移行本番の実施
テスト移行で問題が解決した後に、いよいよ全社的なデータ移行を実施します。移行対象となるデータの量が多い場合、一斉に移行するのではなく、部署ごとやグループごとに段階的に進めることで、業務への影響を最小限に抑えます。
移行中も、データの進捗状況をリアルタイムで監視し、問題が発生した場合は迅速に対応できる体制を整えます。移行完了後も、データがすべて正しく移行されているかを二重に確認することが大切です。
➤ステップ 4:Google Workspace への切り替え
データ移行が完了したら、メールドメインの DNS(Domain Name System)設定を Google Workspace に切り替えます。この設定変更により、すべてのメールが Microsoft 365 ではなく Google Workspace に届くようになります。
DNSの変更は、インターネット全体に反映されるまでに時間がかかることがあるため、切り替え後も一定期間、注意深く監視し、メールの送受信に問題がないかを確認します。
移行を成功させるための4つのコツ
ここでは Google Workspace へスムーズに移行するための 4 つのコツを紹介します。
➤移行できるもの・できないものを知っておく
移行を始める前に、Microsoft 365 から Google Workspace へ移行できるデータとできないデータを正確に把握しておくことが非常に重要です。たとえば、メールの本文、カレンダーの予定、連絡先リストの多くは移行可能ですが、共有設定や添付ファイルなどは移行できない場合があります。
移行できないデータについては、手動での再設定や別の方法での管理を事前に計画しておくことで、移行後の混乱を防ぎます。移行できるものも、万が一に備えてバックアップをとっておくことも大切です。
➤段階的に移行する
すべてのユーザーを一斉に移行すると、予期せぬトラブルを引き起こすリスクがあります。そこで推奨されるのが、部署ごとや業務内容ごとにグループ分けをして、段階的に移行を進める方法です。
まず、少人数のパイロットグループで移行を試み、そこで得られた知見や課題をフィードバックとして活用します。その後、部門単位で順次移行を進めていくことで、トラブルを未然に防ぎ、従業員の混乱を最小限に抑えます。
➤一定期間の併用を設ける
移行期間中は、業務を止めないことが最も大切です。Microsoft 365 と Google Workspace を一定期間併用することで、従業員が新しい環境に徐々に慣れる時間を確保できます。また、万が一移行に問題が発生した場合でも、旧環境にアクセスできるため、業務の継続性を確保できます。すべてのデータが完全に移行され、新システムが安定稼働していることを確認できるまでは、Microsoft 365 のライセンスを保持していることが望ましいです。ただし、併用期間があまりに長いと移行した意味が薄れるため、Microsoft 365 の解約日も計画に盛り込んでおきましょう。
➤移行後のサポートを行う
移行で新しいツールに変更することは、従業員の働き方を変えることでもあるため、移行後のサポートが必要です。従業員からの問い合わせに対応するヘルプデスクの設置や、ツールの使い方を解説するマニュアルの作成、トレーニングの実施なども移行計画に盛り込んでおきましょう。特に、新しいツールへの戸惑いや抵抗を払拭するためには、丁寧で継続的なサポートが非常に重要です。
自社で移行するか、外部業者に依頼するか
Microsoft 365 から Google Workspace への移行は、企業規模や IT 担当者の有無などによって、自社で進めるか、外部の専門業者に依頼するかを判断する必要があります。
➤自社移行のメリットとリスク
自社で移行作業を行う最大のメリットは、コストを抑えられることです。また、自社の業務プロセスや組織構造を深く理解しているため、柔軟な対応が可能です。しかし、リスクも伴います。移行作業には、専門的な知識と時間、そして手間がかかります。
特に、大規模なデータ移行や複雑なシステム連携を伴う場合、移行に失敗するリスクや、移行期間中に業務が停滞するリスクが高まります。また、移行後のトラブル対応やユーザーサポートまで、すべてを自社でまかなう必要があります。
➤外部業者に依頼する 3 つのメリット
外部の専門業者に依頼することには、以下のようなメリットがあります。
-
専門家による確実なデータ移行が期待できる
多くの実績を持つ業者は、さまざまなケースに対応するノウハウを蓄積しており、予期せぬトラブルにも迅速に対応できます。 -
移行作業にかかる時間と IT 担当者の負担を大幅に削減
通常業務と並行して進めるため、外部に依頼すれば従業員は移行作業に時間を割く必要がなく、本来の業務に集中できます。 -
手厚いサポートを受けられる
トレーニングやヘルプデスクの提供により、従業員が新しい環境にスムーズに適応できるよう支援を受けられます。
これらのメリットから、スムーズに移行を進めることが可能となります。
➤最適な移行パートナーを見つけるためのポイント
最適な移行パートナーを見つけるためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
- Google Workspace の移行実績がある(特に Microsoft 365 からの移行経験)
- 提供されるサービスに導入後のトレーニングや運用サポートが含まれている
- 料金体系が明確 など
これらのポイントを総合的に評価し、自社のニーズに最も合ったパートナーを選定することが、移行成功への近道となります。Google Workspace の代理店には、ライセンス販売のみでサポートを提供していない場合もありますので、費用のみで比較せず、各代理店のサービスを確認してご検討ください。
Google Workspace の導入支援サービスなら TSクラウド
TS クラウドでは、Google Workspace の導入支援サービスを提供しています。Google 代理店最高位のプレミアパートナーである当社が、「何から始めたらよいのか分からない」「プランが決まっていない」というご相談から承ります。
移行完了後もサポートサービスをご利用可能で、請求書払いにも対応しておりますので、Google Workspace への移行はぜひ TS クラウドへご相談ください。
Microsoft 365 からGoogle Workspace へ移行を成功させよう
Microsoft 365 から Google Workspace への移行は、コスト削減と生産性向上を実現するチャンスです。スムーズな移行のためには入念な計画と準備が重要で、従業員の協力も必要です。自社での移行が難しい場合や、どこから手をつけたらよいか迷う場合などは、専門の導入支援サービスを利用してはいかがでしょうか。適切な準備とサポート体制を整えれば、安心して移行を進めることができるでしょう。



