コラム更新日:2025.11.25

「Google Workspace Flows」は、「だれでも、自動化の仕組みを簡単に作れたら」という願望を叶えてくれるような画期的なソリューションです。その Google Workspace Flows が、ついに日本でも段階的に利用可能となり、注目を集めています。

この記事では、Google Workspace Flows の最新アップデート情報を押さえつつ、使い方や活用例を紹介します。

※ このコラムは、2025年11月14日時点の情報に基づいて執筆しています。Google Workspace Flows の機能は変更になることがございますので、ご了承ください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

目次

TSクラウドのGoogle Workspace導入ガイド3点セット

Google Workspace Flows とは

2025年4月、Google Cloud Next’25 で発表され、業界の注目を集めた「Google Workspace Flows」。 Gmail、Google Chat などの Google アプリやGem、さらに外部アプリをも連携させ、日常業務の自動化を実現できるノーコードソリューションです。

2025年10月27日付けの Google Workspace アドオン リリースノートでは、Gemini Alpha プログラムの一環として、Google Workspace Flows を拡張するアドオンを作成できる機能が追加されました。企業が自社専用のフローや自動化アクションを手軽に追加できる環境が整いつつあり、今後さらに多くの業務で活用されることが期待されています。

Google Workspace Flows の特長3つ

Google Workspace Flows の主な特長3つを紹介します。

特長①ノーコードで自動化のフローを組める

これまで、業務の自動化には「 Google Apps Script 」などの、ある程度のプログラミング知識が必要でした。しかし、Google Workspace Flows は AI ボットとの対話を通じてフローを組み立てることができます。チャットのようにやりたいことを伝えるだけで、下書きとなるフローを自動生成し、必要に応じて画面上で編集が可能です。

システム担当者がいない企業でも、自分たちで業務の自動化に取り組めるようになるでしょう。

特長②「Gemini」「Gem」との連携

Google Workspace Flows のカギとなるのは、Google の AI「Gemini」です。Gemini は、リサーチ、分析、コンテンツ生成のためのエージェントとして業務をサポートします。

さらに、カスタム AI エージェント「Gem」とも連携が可能。例えば、一般的な問い合わせへの初期対応や文章のトーンやスタイルの調整など、特定の専門的なタスクを自動で処理できるようになります。

Google Workspace Flows は、Gemini や Gem と直接連携することで、高度な分析コンテンツ生成といった AI 活用タスクを、一定の文脈理解をもって実行できるようになっています。

特長③外部アプリとの連携

Google Workspace Flows は、Google Workspace 内のアプリとの連携を主軸としていますが、CRM などの外部の業務アプリとも連携できます。例えば、現段階では以下のようなアプリと連携し、より包括的なワークフローを自動で行えます。

  • 【Asana】
    プロジェクト・セクション・タスクの作成、タスクへのコメント追加 など
  • 【Salesforce】
    リード・取引先責任者・取引先・商談・ケースの作成、タスクの作成 など

これらの連携により、「Google フォームで受け付けた問い合わせを、プロジェクト管理ツールにタスクを作成し、担当者にGoogle Chat で通知」といった業務の自動化プロセスを、ノーコードで実現できるようになります。

Google Workspace Flows の始め方と基本操作

Google Workspace Flows を使うには、管理者が管理コンソールで Gemini Alpha を有効にしておく必要があります。使用前に、組織の情報システム部などに確認しておきましょう。

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    <基本的な操作の流れ>

  1. Google Workspace Flows のダッシュボード にアクセスします。
  2. 「+」ボタンをクリックして新しいワークフローを作成します。
  3. ワークフローに名前を付けます。
  4. ワークフローの開始方法(トリガー)を選択します。
  5. ワークフローのステップを1つ1つ設定します。
  6. 連携できるアプリには、Google Workspace のアプリの他、Gemini や Gem が選択できます。
  7. フローを保存し、有効にします。

一からワークフローを自作する場合は、上記の手順で行います。ほかに、テンプレートを利用する方法、チャットでワークフローの大まかな流れを説明して、骨子を生成してもらう方法もあります。

ワークフローを動かすトリガーである「スターター」として設定できるものには、以下のようなものがあります。

<スターターの例>

  • 指定日時
  • メール受信
  • Google スプレッドシートの変更
  • Google フォームでの回答の送信
  • Google カレンダーの予定 など

このような項目を活用して、例えば「毎日午前8時、定期的に実行」「指定した条件のメールを受信したら実行」などといったワークフローを作成できます。

Google Workspace Flows の使い方は?

ここからは、実際の操作画面を交えながら、Google Workspace Flows の使い方をご紹介します。

今回は簡単な方法として、チャットでやりたいことの流れを説明し、骨子を生成してもらう使い方を紹介します。「請求に関するメールを受け取ったら→タスクを立てる」というワークフローを作成してみましょう。

  1. Gemini に話しかけてワークフローの骨子を作成

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    ワークフローのダッシュボードにあるプロンプト入力欄に、自然言語で指示します。入力したら、「作成する」をクリックすると Gemini が自動でワークフローの骨子を生成します。

  2. 生成されたステップを詳細に設定・調整する

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    今回、Gemini が生成した骨子には、以下のようなステップが含まれていました。
    • ステップ1: メールを受け取ったとき(トリガー)
    • ステップ2: 決める(条件が真か偽か)
    • ステップ3:条件分岐(どの条件のメールを次のステップに進めるか)
    • ステップ4: ジェミニに聞く(本文に基づいてタスクのタイトルを生成)
    • ステップ5: ジェミニに聞く(本文に基づいてタスクのタイトルを生成)
    • ステップ6: タスクを作成する

  3. 各ステップを順にクリックして、詳細な動作を定義する

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    各ステップをクリックし、内容を確認、編集します。不要なステップは削除したり、反対にステップを追加したりすることも可能です。

  4. テスト実行と結果の確認をする

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    各ステップの確認が済んだら、「試運転」をクリックして作業がうまく実行されるかテストしてみましょう。
    今回のテストの結果、Google ToDo リストには、以下のようにタスクが作成されていました。

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Google Workspace Flows には、さまざまな自動化を実現するワークフローのテンプレートが用意されています。実際に試しながら、社内でどのような使い方ができるかイメージしてみてはいかがでしょうか。

▼いち早く Google Workspace Flows を活用し、業務自動化を試してみたい方へ

現段階では、Google Workspace Flows は、法人向けである Google Workspace のBusiness Standard 以上のプランで提供されています。(Business Starterや個人向けアカウントではご利用になれません)

現在、Google Workspace Flows をお試しになれない方は、プランのアップグレード手続きや、最適なプランのご提案について、お気軽にご相談ください。

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【活用例】Google Workspace Flows の業務での使いどころ

Google Workspace Flowsを、業務のどのような場面で役立てると、効率が上がるだろうか、とイメージしている方も多いかもしれません。

例えばカスタマーサポート部門なら「お客様からの問い合わせへの対応」を、下準備まで自動化するのはどうでしょうか。

<問い合わせ対応のワークフロー例>

問い合わせフォームを受け取る
→内容から問題を把握する
→返信用の下書きを作成する
→担当者に Google Chat で通知する

カスタマーサポートチームの担当者は、AI が用意した内容を確認してメールを送信するだけで対応でき、一次対応の負荷が大きく削減されます。

また、営業部門の活用アイデアとして、「商談直前に資料をまとめて通知」といった使い方もよいのではないでしょうか。例えば、Google カレンダーの商談予定をトリガーに、開始30分前に自動で関連資料をまとめて通知。移動中でも資料へすばやくアクセスでき、直前準備のムダが減ります。

TSクラウドの社内でも「例えばこんな使い方はどう?」などと、以下のようなアイデアが飛び交っています。

  • Web フォームで受け取った情報を、自動で CRM に登録
  • 受信したメールの内容を判断して、担当者にタスクとして自動で割り振り

現在 Google Workspace Flows はアルファ版として提供されているため、利用できる機能が変わる場合があります。検証中のワークフローも多数あるので、随時更新していく予定です。

Google Workspace Flows の本格リリースはいつ?対象プランや料金

Google Workspace Flows は現在、一般公開前のアルファ版として提供されており、一般リリース日は発表されていません。

アルファ版の利用は、Google Workspace Business または Enterprise プランをご利用中で、管理コンソールで Gemini の アルファ機能の利用を許可している企業を対象に段階的にリリースされているようです。

Google Workspaceの各プランの機能や料金はこちらに掲載しています。 ⇛ 料金プランを見る

これから Google Workspace のご利用を検討される方へ

TSクラウド は、Google Workspace の販売代理店として、最高レベルとされる Google Cloud プレミアパートナーに認定されています。民間企業や地方自治体など、これまで 3,500 社以上の組織への導入を支援してきました。

これらの知見を活かし、お客様それぞれの環境と AI 活用の可能性を考えながら、最適なプランを無料でご提案させていただきます。

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Google Workspace Flows に関する注意点

Google Workspace Flows の利用を検討する際、多くの担当者が最も懸念するのは、やはりセキュリティ面、特にデータの取り扱いではないでしょうか。Google Workspace 内でGemini(Google Workspace Flows を含む)を利用する際のデータの取り扱いなどは、Google の厳格なプライバシーとセキュリティ ポリシーに準拠しています。Gemini がアクセスしたデータは、組織外の一般的な AI モデルの学習には使用されません

ただし、注意点として、Google Workspace Flows を外部サービスと連携させてエージェントを作成することも可能です。外部サービスの情報の取り扱いは、各サービスのポリシーに準拠するため、メール内容などを外部に送る設計をする場合は、連携先として信頼できるサービスを選ぶ必要があるでしょう。

Google Workspace Flows で AI 活用をさらに飛躍させよう

Google Workspace Flows は、Gemini との連携により、プログラミングなどの専門知識なしで業務を自動化できる革新的なソリューションです。ノーコードで直感的に操作できるため、IT 人材の確保が難しい企業にとっても、業務効率化の大きな一歩となるでしょう。

顧客からのフィードバック管理や、社内の情報共有など、その活用範囲は多岐にわたります。今後のアップデートにも注目し、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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