コラム更新日:2025.12.01

「社内ファイルのダウンロード監視」や「スマホからの情報漏洩への対策」など、やりたいことはあるのにどの機能やプランなら実現できるのか、公式サイトを見ても複雑でわからないとお困りではありませんか?

この記事では、「自社の要件に合うセキュリティ機能」と「それに対応したプランはどれか」の 2 つを明確にしていただくために、Google Workspace の主要プランが持つセキュリティ機能を比較しています。セキュリティに関するご要望がある方は、ぜひ参考にしてください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

目次

Google Workspaceプラン選択ガイド

【一覧】セキュリティ機能で Google Workspace のプランを比較

Google Workspace は、 Business Starter から Enterprise Plus まで、それぞれに異なるレベルのセキュリティ機能が備わっています。各プランの主な機能をまとめました。

Business Starter Business Standard Business Plus Enterprise Standard Enterprise Plus
監査ログ
(基本)
Vault
エンドポイント管理 基本 基本 高度 エンタープライズ エンタープライズ
データ損失防止
(DLP)
コンテキストアウェアアクセス
(CAA)


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▼どの機能を使うのが適切なのか「確信がもてない」という方へ

「この場合は、どの機能を使えばよいか」など、自社の要件と活用すべき機能にお悩みではありませんか。さまざまな業種への導入支援の経験を活かし、貴社のご要件に最も適したムダのない対策やプラン選びをサポートします。まずは情報収集として、お気軽に下記からご相談ください。

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【基本】Google Workspace セキュリティの 3 本柱

Google Workspace のセキュリティ機能は非常に多く、「わかりにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは Google Workspace の主なセキュリティ機能を、「目的別」に 3 つに分類して解説します。

項目 概要 できること
監査 操作履歴を「後から確認」する仕組み
  • 操作ログの監視
  • 不審行動の検知
  • ファイル共有履歴の追跡 など
データ保護 情報を「持ち出させない・コピーさせない」ための対策
  • データ損失防止
  • ダウンロード通知
  • アーカイブ管理 など
アクセス制御 「どこから・どの端末からアクセスできるか」を制限する予防策
  • IP制限
  • 退職者のアクセス防止
  • 外部共有のブロック など


例えば、トラブルがあった際に「誰がいつファイルを操作したか、後から確認して原因を追求したい」なら「監査」。そもそも想定外のトラブルを回避するため「会社が認めていないスマホなどからは、アクセスできないようにしたい」という場合は、入口を制限する「アクセス制御」というように、 目的に応じて見るべき機能も変わります。

Google Workspace では、これらの異なる特性をもつセキュリティ機能を組み合わせることで、多層的なセキュリティ対策を実現できます。

ただし、やみくもに機能を追加すればよいわけではありません。「何を守りたいのか」「どんなリスクを防ぎたいのか」を整理し、目的に合った機能を選ぶことが重要です。以下で、それぞれ詳しく解説します。

監査・監視

「監査・監視」の機能は、インシデント発生時の原因究明、不正アクセスによる情報漏洩の早期発見、さらには法規制対応の証拠保全のためにも不可欠な機能です。ここからは、要件ごとに、対応する機能やプラン選定のポイントを紹介します。

なお、この記事でご紹介するセキュリティ対策は一例です。実際には利用する企業の環境規模など、さまざまな条件を加味して、最も適したセキュリティ機能と方法を考える必要があります。

ファイルやデータの操作履歴に関するログを追跡したい

<この機能で課題解決!>

監査ログは、Google ドライブ、Gmail、ログインなど各サービスの操作履歴を取得・検索できます。管理者は社員アカウントの操作状況を確認でき、必要に応じてトラブル対応が可能です。セキュリティダッシュボードは、セキュリティ関連の統計やアラートを可視化し、問題の早期発見を支援します。

<対応プラン>

基本的なログを確認する機能は、主要なすべてのプランに含まれていますが、プランによって、保持期間や粒度が異なります。Enterprise プランでは、より高度なログ分析やエクスポートが可能です。

不審な動きを検知したい

<この機能で課題解決!>

  • アラートセンター
  • セキュリティ調査ツール

アラートセンターは、セキュリティ上の脅威やインシデントを管理者に通知する窓口です。セキュリティ調査ツールは、検知した不審な動きを詳細に分析し、影響範囲や原因を特定できます。

<対応プラン>

主要なすべてのプランでアラートセンターが利用可能ですが、セキュリティ調査ツールの高度な機能は Enterprise Standard/Enterprise Plus のみ対応しています。

データ保護・情報漏洩の防止

意図しないファイル共有や、モバイルデバイスからの情報漏洩は、企業の信用に直結します。Google Workspace は、ファイル暗号化などの基本機能に加え、高度な漏洩防止機能を提供することで、企業の機密情報を保護します。

スマホからの情報漏洩を防ぎたい

<この機能で課題解決!>

モバイルデバイス管理(MDM)を有効にすると、社用スマホやノートPCの紛失時にリモートでロックやデータ削除が可能になります。また、エンドポイント管理では、端末のOSやセキュリティ状態を監視し、基準を満たさないデバイスをブロックすることも可能です。

DLP(データ損失防止)と組み合わせることで、ファイルの共有や送信ルールを細かく制御し、情報漏洩リスクを低減できます。

<対応プラン>

高度な端末管理(端末の詳細ポリシー設定、自動ワイプなど)の機能は Business Plus 以上のプランで提供されています。(主要プラン以外では、現場スタッフ向けの Frontline Starter プランでも対応) DLP との連携やより詳細な管理には Enterprise Standard/Enterprise Plus が推奨されます。

データ紛失を防ぎたい

<この機能で課題解決!>

DLP は、Gmail や Google ドライブ内でクレジットカード番号や個人情報などを検知し、外部共有や転送を制御できます。Vault は法務対応や監査目的で、メールやドキュメントを削除後も一定期間保持できるアーカイブ機能です。これにより、誤削除や内部不正、訴訟対応などにも柔軟に対応可能です。

<対応プラン>

Vault は、Business Plus、Enterprise Standard/Enterprise Plus で対応。
DLP は、Enterprise Standard/Enterprise Plus で利用可能です。

アクセス・権限制御

クラウド環境では、データが外部に存在するからこそ、アクセス制御を厳格化することが情報漏洩を防ぐ上での基本となります。特に、私物のスマホの業務利用や退職者への対応といった、企業の管理が及ばない部分をどう制御するかが、重要なポイントです。

私物の端末からのアクセスをブロックしたい/IP制限をかけたい

<この機能で課題解決!>

CAA を利用すると、企業のセキュリティポリシーに合わない端末や IP アドレスからのアクセスをブロック可能です。たとえID とパスワードが合っていても、許可されていない環境からはログインさせないようにできます。

<対応プラン>

CAA は、Enterprise Standard/Enterprise Plus で利用可能です。

退職者がデータにアクセスできないようにしたい

<この機能で課題解決!>

  • ユーザーアカウントの一時停止
  • データ引き継ぎ(Data transfer tool)

退職者のアカウントを停止し、所有ファイルを管理者に移管可能です。これにより、退職後のデータ漏洩リスクを低減できます。

<対応プラン>

退職者アカウントを停止して所有ファイルを移管する機能は、Business Starter 以上で可能ですが、法務目的/コンプライアンス目的でデータを長期保存したい場合は Vault(Business Plus または Enterprise)を検討する必要があります。

セキュリティ機能に特化した最適なプランの判断基準は?

セキュリティ機能で、Google Workspace のプランを選ぶ際のポイントを紹介します。

Business Standard|必要な基本機能を装備

<プランに対応したセキュリティ機能>

  • 2 段階認証
  • エンドポイント管理:基本
  • Gmail のセキュリティサンドボックス(有害な添付ファイルがないかスキャンする機能)

セキュリティ監査の必要性が低い、基本的な管理で十分という場合は、Business Standard を選ぶとよいでしょう。強力な認証やデータ暗号化といった、基本的な防御機能は確保されており、監査ログによるユーザーアクティビティの追跡も可能です。

Business Plus| Vault・高度な端末管理で監査に対応

<プランに対応したセキュリティ機能>

  • 2 段階認証
  • エンドポイント管理:高度
  • Gmail のセキュリティサンドボックス
  • Vault(情報ガバナンス)

Business Plus は、ユーザー数 300 名までの中小規模の企業で、Business Standard の機能に加え、Vault を利用したい場合や、社用スマホなどのセキュリティ管理を高めたい場合におすすめです。

Enterprise|DLP や CAA で全方位からの脅威に対応

<プランに対応したセキュリティ機能>

  • 2 段階認証
  • エンドポイント管理:エンタープライズ
  • Gmail のセキュリティサンドボックス
  • Vault
  • DLP(データ損失防止)
  • コンテキストアウェア アクセス
  • セキュリティ調査ツール

ファイルの中身を検知して共有を阻止するといった水際対策、アクセスする環境の厳格な制限を行うなら、Enterprise が最適です。またユーザー数 300 名を超える場合も、Enterprise が有力な選択肢となります。

▼高セキュリティを実現したいが「どの機能が最適か判断に迷う」という方へ

DLP や Vault などの機能で、貴社のセキュリティ要件は満たせそうでしょうか?「Enterprise ほどの、高度な機能が必要か確信が持てない」などと、迷っている方もいらっしゃるかもしれません。

TSクラウドでは、貴社のご状況環境にあわせて、各セキュリティの課題に対する最適な対策方法をアドバイスいたします。具体的なプランが決まっていない場合も、お気軽にお問い合わせください。

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プランの比較検討をしたい方は、以下の記事で各プランを詳しくご紹介しています。

実際に Google Workspace を導入するには?

Google Workspace を導入する場合、どのように進めるとよいでしょうか。

Google Workspace 導入の流れ

Google Workspace を導入する場合の、一般的なステップは以下の通りです。

  1. 導入計画
    目標とおおまかなロードマップを設定します。
  2. 事前準備
    メールシステムや各種ツールなど、利用しているものとその用途を確認します。
  3. 主要な機能の検証、効果測定
    テスト環境を構築し、目的の機能が問題なく使えるかどうか、業務効率の変化などを検証します。
  4. 初期セットアップ
    Google Workspace の利用契約をし、ドメイン所有権の証明やユーザーの登録などを行います。
  5. 全社展開
    必要なものは、Google Workspace へデータ移行します。マニュアルを用意し、社員への定着化を進めます。

セキュリティに関する要件は、あらかじめ洗い出しておき、その条件を前提にプランを選ぶのがおすすめです。全社展開の際は、従業員への研修などを行い、セキュリティに関する意識を向上しましょう。

導入ステップのさらに具体的な解説は、以下の記事で紹介しています。

社内に情報システム部門がない場合

セキュリティレベルを高めたいが、「人手が不足している」「システム担当者がいない」という場合は、手間をかけられない分、システムでの自動防御をどのように活用するか、という点について検討しておきましょう。

高度なセキュリティ機能の設定には、専門知識が必要です。社内に情報システム部門がないなど、お困りの企業さまに対して、TSクラウドでは各種設定使い方のアドバイス、サポートサービスなどを提供しています。貴社が実現したいことと、機能とのミスマッチを防ぐためにも、ぜひ計画段階からお気軽にご相談ください。

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Google Workspace で高セキュリティを実現し、リスクに備えよう

今回の記事では、各プランで使える代表的なセキュリティ機能と使い方をご紹介しました。「この機能が自社に合っていそう」というヒントが見つかった方や、反対に「ますますどれがよいか迷う」という方もいるのではないでしょうか。

これまで 3,500 社以上の Google Workspace 導入に携わってきたTSクラウドでは、企業さまのご状況や課題を伺いながら、プラン選びお見積りセキュリティに関する各種設定など、さまざまなサポートを行っております。セキュリティリスクに備え、Google Workspace の導入効果を最大化したい企業さまは、ぜひご相談ください。

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