【事例付き】Google Workspace が複数拠点活用に最適な理由とは?
コラム更新日:2025.11.04
支社や店舗が多い企業や在宅勤務の従業員が多い組織は、情報共有や業務連携の遅れが課題になりがちです。こうした複数拠点の課題を解決する手段の一つが、Google Workspace に代表されるクラウド型ツールです。複数拠点の業務とシステムをクラウド上で一元管理できるため、場所にかかわらず効率的な情報共有とチーム連携を進められます。
今回は、複数拠点に特有の課題と解決に役立つ主な機能、実際の導入事例、Google Workspace 導入パートナーを選ぶポイントを解説します。
▼「情報共有や連携の壁」「データ統合の壁」など、複数拠点ゆえの非効率さにお悩みですか?Google Workspace で実現できる課題解決について、複数拠点の導入実績豊富な専門スタッフがお答えしますので、お気軽にご相談ください。>>フォーム入力は簡単 1 分!
執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Google Workspace が複数拠点の課題を解決する 5 つの理由
複数の拠点を持つ多くの企業では、組織が大きくなるにつれて、以下のようなさまざまな IT・業務運営の課題に直面します。
- 拠点ごとの、システムやデータの分断
- ファイル共有や承認フローのタイムラグ
- 拠点間のコミュニケーションコストの増大
- セキュリティポリシーやアクセス管理の非統一
- 管理コストやライセンス費用の増大
拠点が分散した組織以外にも、組織成長によって全体の見通しが悪くなり、部署やセクション単位の独自ルールやシステムが原因で、情報がサイロ化してしまう、見えないところでセキュリティリスクが増大している、という企業も少なくないでしょう。
Google Workspace はこれらの課題を解決できるクラウド型のビジネス用グループウェアです。Google Workspace が複数拠点を持つ企業に選ばれる理由を解説します。
➤1.拠点を超えて同じツールで業務を標準化できる
Google Workspace は全拠点で共通のプラットフォームを提供します。ユーザーは Gmailアカウントを使って、組織の Google Workspace にログイン。業務に必要な情報は、すべて Google Workspace の中にまとまっています。業務プロセスやファイル管理、コミュニケーションの方法を統一でき、拠点ごとの業務の違いを減らし、異動やヘルプデスク対応もスムーズになります。
➤2.クラウド上で全拠点のデータを一元管理できる
Google Workspace では、 Google ドライブ を利用してすべてのデータ(ファイルなど)をクラウド上で管理します。ユーザーは物理的な距離に関わらず、常に必要な情報にアクセス可能に。データが一元化されることで情報共有が効率的に行えるだけでなく、情報資産の紛失防止や管理の効率化につながります。
➤3.コミュニケーションコストを削減できる
Google ドキュメント、スプレッドシートは、複数の拠点のメンバーが Google ドライブ上で同じファイルにアクセスし、同時に閲覧・編集が可能。メールでのファイルのやりとりが不要になり、作業の進捗がリアルタイムで共有され、業務効率が向上します。
Google カレンダーがあれば、点在するメンバーの予定や空き時間が一目瞭然に。Google Meet でオンライン会議を開催すれば、拠点間の移動にかかるコストや時間をゼロにすることもできます。
➤4.Google のセキュリティ基準で安全に運用できる
Google Workspace は、高度なセキュリティ機能と管理コンソールを備えており、全拠点でのセキュリティポリシーやアクセス管理を一元的に設定・統制できます。誰が、いつ、どこから、どのデバイスでアクセスしたかを管理しやすく、情報漏洩のリスクを減らし、ガバナンスの強化に貢献します。
また Google ドライブでは、「管理者」「編集者」「閲覧者」など、段階的なアクセス権限を設けています。これにより、必要な人だけがファイルにアクセスしたり、編集したりができる状態に。不正アクセスや情報改ざんなどのセキュリティリスクに備えます。
➤5.小規模からコストを抑えて導入できる
Google Workspace は、利用するユーザーの数に応じたライセンス体系です。そのため、まずは特定の部門や少数拠点から少しずつ導入し、効果を確認しながら組織全体へと段階的に広げることも可能です。スモールステップで初期投資を抑えつつ、柔軟な導入計画を立てることができます。
また、「セキュリティ基盤をより強化したい」「会議や情報共有を効率化したい」など、組織の課題やニーズによって複数のプランから選択可能。組織のフェーズに沿って、段階的にプランをアップグレードすることもできます。
【事例紹介】Google Workspace で複数拠点の課題を解決した事例
業界・業種によって課題は異なりますが、いずれの組織も、情報共有、移動コスト、セキュリティなどが課題になることが多いでしょう
ここでは、Google Workspace を複数拠点で導入して課題を解決した 3 つの事例をご紹介します。事業内容や規模など、自社で検討する際の参考にしてください。
➤事例1:佐久市役所|全庁に導入して業務効率を大幅に向上
佐久市は長野県東部に位置し、市役所では約 780 名の職員が働いています。既存のシステムが限界で業務効率が悪いことから、新システムの導入が必要だったそうです。地方自治体として機密情報を扱うことから、強固なセキュリティは不可欠で、さまざまなアプリや価格も含めた総合的な判断で、Google Workspace を導入しました。
| 主な課題 | 解決につながった機能・効果 |
|---|---|
| 約 20 年前のオンプレミスシステム利用による、職員間のコミュニケーションと情報伝達の停滞 | Google カレンダーで全職員の予定が可視化され、会議調整が容易 |
| 本庁舎以外に支所や公民館など多数の拠点があり、拠点間の移動コストが負担 | Google Meet による WEB 会議で、拠点の移動が不要となり、移動の燃料費と時間コストを削減 |
| システムの使い方が分からないと各システムの業者に問い合わせて、回答をもらうまでに時間がかかる | NotebookLM(AI 機能)にマニュアルを学習させて職員の質問に瞬時に回答できるようにし、業者への問い合わせ工数を削減 |
| 書類のペーパーレスを推進したことで「データをどう保管するか」という問題が発生 | 大容量かつセキュリティが万全な Google ドライブにデータを保管 |
Google Workspace 導入の決め手のひとつとなったのは、 コード不要でアプリを開発できる「AppSheet」です。2025 年 4 月の市議会選挙では、選挙ポスターの掲示板を管理するアプリを施行的に開発。「Google スプレッドシート」「Google マップ」の連携で、選挙業務を効率化しました。
➤事例2:株式会社 カドヤ|低コストで業務効率向上と高いセキュリティを実現
株式会社 カドヤは、全国に 6 拠点ある、従業員 50 名ほどの革製品メーカーです。少人数で運営しているためデータのやりとりが煩雑なことや、サイバー攻撃対策などのセキュリティ強化が課題でした。
Google Workspace の導入で、全拠点のデータを Google ドライブに格納して一元管理を実現。さらに、全アカウントに対する 2 段階認証の有効化やメールの検閲機能など、高度なセキュリティ環境を確保し、低コストで「効率的な情報共有」と「強固なセキュリティ体制」を両立させました。
| 主な課題 | 解決につながった機能・効果 |
|---|---|
| 少人数で運営する体制でデータ管理が煩雑化 | Google ドライブにデータを格納して、一元管理や拠点間のファイル共有が可能となり、データ管理が容易に |
| サイバーセキュリティの観点から、ファイルサーバーの置き換えを含むインフラ構築とセキュリティ強化が急務 | 全アカウントに対する 2 段階認証やメールの検閲機能など、高度なセキュリティ環境を確保 |
| 遠隔の拠点との連携が不足 | 社内の連絡を Google Chat にして、拠点や案件ごとのスペースで使い分けることで、遠隔の従業員との円滑なやりとりが可能 |
同社はほかにも、「Google サイト」で作成した社内ポータルで備品管理を行う、決済承認に「Google フォーム」を利用するなど、Google Workspace のさまざまな機能を活用しています。
➤事例3:株式会社ビームス|現場スタッフが主導した「店舗・本部」連携
株式会社ビームス(本社:東京都)は、日本全国およびアジアに約 150 店舗を展開するセレクトショップです。以前はオンプレミス型のメールソフトとグループウェアを利用しており、システムが停止するリスクや、タブレットなどからのモバイル利用が難しいことなどがスタッフの負担となっていました。また、店舗と本部間の情報共有において、情報の取りまとめが煩雑でした。
Google Workspace への移行により、従来メールで行っていた店舗と本部間の店頭動向確認などを Google スプレッドシートに一本化。情報の一元化と、収集の手間を大幅に削減しました。さらに Google Meet の活用により、大阪オフィスやロジスティクス部との会議、新卒採用面接もオンライン化して、時間的・費用的コストを削減しています。
| 主な課題 | 解決につながった機能・効果 |
|---|---|
| オンプレミス型のシステム利用により、システム停止リスクや、モバイル利用が非効率で現場スタッフに負担 | クラウド化により、システムの安定性を確保し、ハードウェア購入やネットワーク構築、運用コストの負担を低減 |
| 店舗と本部間の情報共有がメール中心で、回答方法が担当者によって異なり、本部での情報取りまとめ作業が煩雑 | Google スプレッドシートを現場スタッフが活用し、店頭動向確認などの情報収集を一本化。質問状に直接書き込む方式に変えることで、情報の一元化と収集の手間を削減 |
| 会議のため上京するスタッフの交通費と時間的コストが発生 | Google Meet を活用し、大阪オフィスやロジスティクス部との会議などをオンライン化して出張費用や移動時間を削減 |
同社は店舗スタッフ(デスクワーク以外の業務)も含め、すべての従業員がすぐに使いこなせるように、「Google サイト」で分かりやすいポータルを用意するなどの工夫をした結果、約 1,600 名(導入当時)の移行が 2 週間で完了。それぞれのスタッフが自発的に Google Workspace の機能を使いこなし、業務の進め方に変革をもたらしています。
その他にもさまざまな規模や業種の事例をご紹介していますので、導入検討の参考にご活用ください。>>Google Workspace の導入事例を読む
複数拠点での導入は外部サポートの活用もポイント
いざ Google Workspace の導入を決めても、「自社では初期設定や運用に不安がある」「運用開始後に継続的に相談したい」といった課題をお持ちの場合もあるでしょう。そのような場合は、代理店の活用も検討してはいかがでしょうか。代理店は、Google 公式からのライセンス購入では利用できないサポートを提供していることがあります。
例えば、Google の認定を受けた正規代理店 TSクラウドでは、Google Workspace 導入計画の策定から初期設定を代行する「導入支援サービス」をご提供。データ移行、セキュリティ、研修の実施など、貴社の規模や課題に合わせて必要な支援オプションを柔軟に組み合わせることが可能です。
また、ご契約のお客様に対し導入時だけでなく運用開始後もメール・電話によるサポートを提供しています。
サポートサービスは代理店ごとに異なりますので、自社のニーズに合ったサービスを各社検討してみてはいかがでしょうか。TSクラウドの導入支援サービスの内容を詳しく知りたい場合は、下記よりお問い合わせください。
統制とセキュリティの課題を解決して安全な複数拠点運用を
Google Workspace は、複数拠点を持つ企業の情報分断、非効率な業務、セキュリティリスクといった課題を解決できる強力なプラットフォームです。特に、クラウドによるデータの一元化と堅牢なセキュリティは、全拠点の IT 統制を強化し、安全な運用に寄与します。
「何から始めればいいかわからない」「導入・運用に不安がある」などを感じている方は、ぜひ一度、複数拠点での導入実績があるTSクラウドへお気軽にご相談ください。


