Google Workspace 独自ドメインの設定手順(TXT / MX レコード)や料金、メリットを解説

コラム更新日:2025.12.08

「Google Workspace の導入を検討しているものの、独自ドメインへの切り替えでつまずきたくない」
「取引先の信頼向上のために独自ドメインへの移行を急ぎたい」

Google Workspace を企業の独自ドメインと連携させることは、単にメールアドレスが変わるだけでなく、企業の信頼性、セキュリティ、ブランディングを確立する上で不可欠です。しかし、ドメインの所有権証明(TXT レコード)やメールサーバーの切り替え(MX レコード)など、その設定の複雑さに頭を抱える担当者の方も少なくありません。

本記事では、Google Workspace で独自ドメインを利用するメリットからドメインの取得方法、そして多くの担当者が不安を感じる上記のような複雑な設定手順までを、トラブルシューティングを含めて詳しく解説します。

▼「設定に時間をかけたくない」「設定ミスでメールが止まるのが怖い」とお悩みの方へ
Google Workspace で独自ドメインを利用するための設定は、専門的な知識が必要な作業です。設定の代行を含むサポートをご希望の方は、まずはご相談ください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。

目次

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はじめに:独自ドメインとは何か?

ドメインとは、「インターネット上の住所のこと」で、Web サイトがどこにあるのか判別する際の情報として利用されます。ドメインは、Web サイトの URL やメールアドレスのなかに存在しています。

例)https://abcd-domain.comの「abcd-domain.com」の部分
例)mail@abcd-domain.comの「abcd-domain.com」の部分

その中で、独自ドメインとは、自分の好きな文字列を使ったオリジナルのドメインのことで、法人や個人を問わず誰でも取得可能です。ウェブサイトの URL やメールアドレスに使用され、企業やブランドのアイデンティティを表す重要な要素となります。

Google Workspace を独自ドメインで使うメリット

Gmail は全世界で数億人以上のユーザーを持つ電子メールサービスです。 しかし、ビジネスにおいては、Gmail のアドレスをそのまま使用するのではなく、 自分のビジネスやブランド名を反映した独自ドメイン指定をすることが推奨されます。 ここでは、その理由やメリットについて説明します。

信頼性の向上

無料版 Gmail の使用は、ビジネスの信頼性を損なうなどのリスクがあります。 Google Workspace では独自ドメインの Gmail(例:~~~@googleworkspace.tscloud.co.jp)が利用可能であり、 メールの受信者は、ひと目でどの会社の人かメールアドレスで判断でき、信頼性が高く、セキュリティ面でも安心感があります。


企業のブランディング

独自ドメインを使用することで、メールアドレスに企業名やサービス名を反映させることができます。 自社専用のメールアドレスによって、ブランドイメージを提示でき、認知度の向上にも期待できるでしょう。

セキュリティレベルの維持・向上

無料版 Gmail はユーザー個別のセキュリティ設定に依存し、組織全体の安全性を確保できないリスクがあります。 一方、Google Workspace では二段階認証の強制、不審なアクセスのアラート通知、アクセス制限などを通じて、 企業全体のセキュリティレベルを高めることが可能です。

コンプライアンス違反を回避

個人が作成した無料の Gmail アカウントは、その個人の所有物であり企業のものではありません。 個人に所有権のあるものを使って企業活動に従事させることは、コンプライアンス上、問題となる可能性があります。 対して、Google Workspace では独自ドメインのアカウントを発行し、すべてのアカウントとデータを企業で管理することが可能です。

スムーズなデータの引き継ぎ

無料 Gmail アカウントを使用すると、データの引き継ぎに手間がかかります。退職者のデータを引き継ぐには、一度ローカルに保存し再アップロードしたり、各ファイルのオーナー権限を変更しなければならず効率が悪いです。一方、 Google Workspace では、管理者がファイルやメールのオーナーの変更を一括で行え、データ引き継ぎの労力を大幅に軽減できます。


Google Workspace 独自ドメインがもたらす信頼性とセキュリティのメリットをご理解いただけたでしょうか。「メリットは分かったが、複雑な設定は心配」といった方は、この後の設定方法を読む前に、まずは専門家にご相談ください。

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独自ドメインを取得する方法

ドメインはインターネット上のさまざまなサービスから購入できます。 このセクションでは、信頼できるドメイン登録業者の選び方や、ドメインを指定する際のポイントについて説明します。

ドメイン登録業者の選び方

ドメイン登録業者を選ぶ際は、以下のポイントをチェックし自社のニーズに合った業者を選びましょう。

  • ドメインの維持費用など、価格面
  • ドメインの種類
  • 管理画面の使いやすさやサポート体制
  • レンタルサーバーとの相性
  • Whois 情報公開代行サービスがあるか

ドメイン購入から Google Workspace の導入・設定までの料金

Google Workspace を独自ドメインで利用する際に発生する費用は、主に「ドメイン料金」「Google Workspace ライセンス費用」「初期設定やサポートの費用」の 3 つに分けられます。それぞれについてまとめました。

独自ドメインの料金

ドメインを購入する会社や種類によって差はありますが、年間¥ 0 〜¥ 1,400 円くらいが相場になるようです。

Google Workspace の料金

利用するプランやユーザー数によって料金が異なります。詳細は以下の料金表をご確認ください。

  Business Enterprise
Starter Standard Plus Standard Plus
価格
ユーザー1人あたりの月額
(年間契約の場合)
¥800 ¥1,600 ¥2,500 ¥3,060 ¥3,980
利用可能人数 ~300人 ~300人 ~300人 無制限 無制限
ストレージ容量
ユーザー1人当たり
30GB(プール) 2TB(プール) 5TB(プール) 5TB~(プール) 5TB~(プール)
生成 AI 機能
(機能制限あり)

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初期設定支援サービスの料金

独自ドメインの設定には専門知識が必要なため、初期設定や導入支援を外部の専門業者に依頼する企業も多いです。この場合、ドメイン料金やライセンス料とは別に、サポート費用が発生します。

TSクラウドでも、確実な導入の実現のための導入支援サービスを提供しています。お客様の組織に IT に詳しいスタッフがいない場合や、お急ぎの場合におすすめとなっています。基本のパックに加え、課題別に対応できるオプションサービスによって料金が変わります。

導入支援サービスのサポート内容や料金については以下のページでご確認ください。

Google Workspace導入支援サービス

ドメインを選ぶ際のポイント

ドメインを選ぶ際は、企業のブランドやサービスを表現し、ユーザーがわかりやすく安心感のあるドメインであることが重要です。 選び方として以下の 3 つのポイントを考慮しましょう。

わかりやすい文字列にする

見間違えやすい文字や読み方で打ち間違えやすい文字は避けるようにしましょう。ハイフンの使用や文字の選択により、読みにくさや間違いづらさを軽減できます。半角英数字文字 (A~Z、0〜9)と半角のハイフン「-」を使用できます。

短くて覚えやすい文字列にする

短くシンプルなドメインにすることで、ユーザーが覚えやすく検索しやすくなります。ただし、短すぎて意味が通じないドメインは避けるようにしましょう。

内容をイメージしやすい文字列にする

ドメインを見ただけで何を提供しているのかをユーザーが理解しやすいものを選べると、ユーザーは提供内容をドメイン名から直感的に理解することが可能となります。


独自ドメインを取得した後は、Google Workspace へのアカウント作成と本格的な初期設定に進みます。この後、その一部であるドメイン所有権の証明とメールサーバーの切り替えについて、設定手順を解説します。

Google Workspace の初期設定の全体像が把握できていない場合は、まずはじめに以下の記事で流れを整理しておくことをおすすめします。設定の前に全体像を把握しておくことで、スムーズな Google Workspace 利用開始につながるでしょう。

Google Workspace へのドメイン所有権の証明(TXT レコード)

Google Workspace で独自ドメインを利用する際にまず行う設定がドメイン所有権の証明で、重要な設定の一つです。この証明を TXT レコードという形で実施することで、Google に対してドメインの正規の管理者であることを安全に示します。

ドメインの所有権の証明が完了すると、Google Workspace サービスの設定を開始できます。以下の手順に沿って、ドメイン所有権の証明を行いましょう。

  1. Google Workspace の管理コンソールにログインし、HOME 画面上部に表示されるドメイン所有権の証明を促すメッセージをクリック(表示されない場合は、Google Workspace 設定ツールにアクセス)
  2. 「始める」をクリックし、ドメインホスト(ドメインを購入した先:ドメインの DNS 情報を管理しているサービス)を選択
  3. 「ドメインの確認」手順に進み、表示された TXT レコード(文字列)をコピー
  4. レンタルサーバーの DNS 設定画面 を開き、コピーした TXT レコードを追加・保存
  5. 重要

    TXT レコード追加の手順は、ご利用のドメインホスト(ドメインの DNS を管理しているサービス)やドメインの契約状況により異なります。
    設定手順を誤ると、ご利用中のサービスに影響を与える可能性がありますので、あらかじめドメインホストへ確認の上、設定をお願いします。

  6. Google の管理コンソールに戻り、画面の案内に従って操作

▼複雑なドメイン設定に、不安を感じた方へ
ドメイン所有権の設定手順をご覧になり、「自分で設定するのは難しそう」「設定ミスで業務が滞るリスクは避けたい」と感じた方もいるかもしれません。

この後は、更に複雑なメールサーバーの切り替えが控えています。安全にかつ確実に独自ドメインの設定を行うためには、失敗する前に専門家へご相談ください。

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MX レコードの設定によるメールサーバーの切り替え

独自ドメインのメールアドレスでメールを送受信するには、メールサーバーを現在利用しているものから Google Workspace へ切り替える「MX レコードの切り替え」が必要になります。なお、この設定は Google Workspace でメール機能(Gmail)を利用する場合にのみ必要です。

MX レコードとは?

MX レコード(Mail eXchanger record)とは、あるドメイン宛のメールを、どのメールサーバーに配送すればよいかを指定するための情報です。インターネット上の DNS サーバーに登録されており、「メールの宛先住所録」のような役割を担っています。

MX レコードを切り替える前の注意点

MX レコードの切り替え作業は、メールの送受信に直接影響を与えるため、いくつか注意点があります。事前に注意点を確認したうえで作業に取り掛かるといいでしょう。

  • 必ず全ユーザーのアカウント作成が完了し、移行準備が整ってから行います。中途半端な状態で行うと、一部のユーザーだけメールが届かないといった事態が発生します。
  • MX レコードを変更してから、完全に変更が反映されるまでの 48 時間は、古い環境でのメールチェックが必要です。

Google Workspace の MX レコード設定手順

Google Workspace の Gmail を使用するために、ドメインのメールの受信先を、これまでのメールサーバーから Google サーバーに変更していきます。

重要

①メールサーバー切り替えの手順は、ご利用のドメインホスト(ドメインの DNS を管理しているサービス)やレンタルサーバー等の契約状況により異なります。 設定手順を誤ると、他のサービスに影響を与える可能性がありますので、あらかじめドメインホスト・サーバー提供元へ確認の上、設定をお願いします。

②メールサーバー切り替えを行うと、そのドメインを使用しているすべてのメールの受信先が変更され、Google Workspace のユーザーまたはグループとして登録されていないメールの受信ができなくなります。


  1. 管理コンソールにアクセスし、HOME 画面上部に表示される MXレコード の設定を促すメッセージをクリック。 (表示されない場合は、Google Workspace 設定ツールにアクセス)
  2. 上から 3 つ目の【(ドメイン名)における Gmail の有効化】の欄の「有効化」をクリック。
  3. Gmailの有効化

    Gmailの有効化

  4. 表示されるメッセージを確認し、Google Workspace 側でメールを受信する準備が完了しているかを確認。すべてにチェックをしたら、「続行」をクリック。
  5. 表示される案内メッセージに従い、ドメインホストでの設定を行う。Google にてドメインホストを自動的に特定できる場合には、詳細な手順が表示される。手順について不明な点がある場合には、必ずドメインホストのサポートに確認のうえ、設定を進める。
  6. ドメインホストでの設定

  7. ドメインホストでの設定が完了したら、管理コンソールの設定画面に戻り、画面最下部に表示される「GMAIL を有効にする」をクリック。ドメインホストでの設定がインターネットに浸透するまでには最大 72 時間程度かかることがあるので、エラーが発生する場合はしばらく経ってから試す。
  8. Gmailのを有効にする


メールサーバー移行後に起きやすいトラブルと対処法

万全の準備をしても、予期せぬトラブルが発生することがあります。起こりやすいトラブルは以下です。

メールが届かない・送信できない

このケースは、多くの場合、DNS 設定に起因します。最も確認すべきは MX レコードの設定ミスです。Google 管理コンソールのチェックツールで設定を確認し、誤りがあれば速やかに修正しましょう。

また、なりすましメールと判定されるのを防ぐ SPF レコードの設定漏れも原因となり得ます。Google 用の SPF レコードが正しく設定されているか確認してください。設定が正しいのに不安定な場合は、DNS 設定の反映に時間がかかっているだけの可能性もあります。

過去のメールが見られない

このトラブルは、データ移行自体に問題があるケースです。管理コンソールでデータ移行サービスのステータスを確認し、一部のユーザーでエラーが出ていないか、プロセスが完了しているかを確認しましょう。エラーがあれば、再度移行を実行します。

文字化けする

移行元と移行先の文字コードの違いが原因であることが多く、Web 版の Gmail で表示を確認したり、PC のメールソフト側のエンコード設定を「UTF-8」に変更したりすることで解決する場合があります。


▼設定手順の不明点、または設定が難しいと感じた方へ
メールサーバーの切り替え設定を間違えると、独自ドメイン宛のメールが届かなくなる可能性があります。値の入力ミスなどがないよう、細心の注意が必要です。上記の通りにいかない場合や、ご不安がある場合、お気軽にお問い合わせください。

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よくある問題とトラブルシューティング

新しいドメインを設定する際には、エラーや問題が生じることも多くあります。 このセクションでは、一般的な問題とそれらに対処するための方法を紹介します。

ドメイン所有権の証明ができない

ドメイン所有権の証明でエラーメッセージが表示される場合、検証タイミングや確認レコードの設定ミスなどの可能性があります。以下2点お試しください。

  • ドメインの確認には最長で48時間かかることがあるため、時間を置いて確認する
  • 確認レコードを再設定し、入力をし直す

新しい Google Workspace アドレスのメールを受信できない

原因が MX レコードの入力間違いであると考えられる場合、以下 3 点お試しください

  • MX レコードが反映されるまでに最大72時間かかることがあるため、時間を置いて MX レコードが機能するか確認する
  • MX レコードが正しく入力されているか確認する
  • ドメインホストのヘルプサイトを参考に、@記号について確認し、追加または削除する

メールシステムの部分移行はどのように行う?

まず、Google Workspace 側では、メールのルーティング、ゲートウェイ、フィルタリングの条件を設定する必要があります。 また、既存のメールホストも転送設定を行う必要があるため、両側の設定が必要です。

Google Workspace 側の設定はTSクラウドがサポートします。 既存のメールサーバーにログインできる環境があればTSクラウドでのサポートも可能で、ログインできない場合は、 パートナーの情報システムインテグレーターに依頼して一緒に設定することも可能です。

現在ドメインなしの場合は?

Google Workspace の費用には、ドメインは含まれていません。 Google Workspace のお申し込みの際には、会社のメールに使用するドメインを指定する必要があります。 まだドメインを持っていない場合、まずドメイン販売サービスからドメインを購入してください。

自分で環境を整える方法がわからない場合、設定をお願いできる?

はい、可能です。Google Workspace をご利用いただく際の初期設定を含む環境整備には、専門的な知識が必要なものや大きな労力が必要なものがあります。ご自身での設定に不安を感じる場合は、リスクを減らし、確実に最短で Google Workspace をご利用するためも、専門家への依頼がおすすめです。

株式会社TSクラウドでは、IT に不慣れな企業や、導入をお急ぎの企業向けに、専門スタッフによる確実な導入を実現するためのサービスを提供しています。

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本記事では、Google Workspace で独自ドメインを設定する方法を解説しました。

Google Workspace の独自ドメイン設定は、企業の信頼性、セキュリティを確かなものにするために重要な設定ですが、ミスは業務停止という大きなリスクにつながりかねません。

株式会社TSクラウドでは、Google Workspace の正規販売パートナーとして、TXT / MX レコードといった複雑なドメイン設定やデータ移行、導入後の運用まで一貫してサポートできる体制が整っています。

Google Workspace の導入や独自ドメインの設定に関して、ご不明な点やお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

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