Gmail の送信者ガイドラインとは。不着リスクと設定・対策方法

コラム更新日:2026.01.22

Google が発表している「メール送信者のガイドライン」は、Gmail アカウント宛にメールを送信するすべての送信者に適用されます。このガイドラインに対応することは、メールの到達率を維持し、ビジネスの信頼性を守る上でとても重要です。

ガイドラインに対応していない場合、迷惑メールとなり届かなくなるリスクが高まるため、日々の業務で Gmail 宛に送信を使用している企業は特に必見です。ぜひ参考にしてください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

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目次

Gmail の「メール送信者のガイドライン」とは

Gmail の「メール送信者のガイドライン」とは、Google が Gmail ユーザーを迷惑メールやフィッシング攻撃から保護するために定めた、メール送信者が遵守すべき一連の技術仕様と運用のルールです。

これまでは努力目標に近い側面もありましたが、2024年2月からは、メールを正しく届けるための必須条件として厳格化されました。このガイドラインを守らない場合、送信したメールが拒否されたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりするリスクが高まります。

「メール送信者のガイドライン」内容

ガイドラインの主な柱は以下の3点です。

  1. 送信メールを認証する
  2. 未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しない
  3. 受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにする

なぜ企業は対策が必要なのか

企業がこの対策を怠ると、ビジネスにおいて以下のような影響が出る可能性が高まるため注意が必要です。

  • 重要なメールの不着 取引先への見積書や、顧客への注文確認メールなど重要なメールが届かなくなる可能性があります。
  • ブランド信頼の低下 自社ドメインが「スパム送信者」と判定され、メールサーバーのレピュテーション(評価)が下がることが懸念されます。
  • セキュリティリスク なりすましメール対策(DMARC等)が不十分だと、自社を騙った詐欺メールを放置することになり、社会的信頼を失ってしまうかもしれません。

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Gmail ガイドラインの対象者

ガイドラインの対象は、以下のとおりです。

メールを受信する側

ガイドラインでは、個人用 Gmail アカウントへ送信されるメールを対象としています。

メールを送る側

送信者は大きく 2 つのカテゴリーに分けられます。

  • ①すべての送信者
    個人用 Gmail 宛てにメールを送るすべての人・企業。
  • ②1 日 5,000 件以上の送信者(大量送信者)
    同じドメインから 1 日に合計 5,000 件以上のメールを送信する者。

特に②大量送信者には、より高度な認証設定と機能実装が義務付けられています。

本記事では、厳しい要件に合わせて設定を完了しておくことは、メール送信の信頼とセキュリティを高めるうえで有用と考え、②大量送信者を想定とした対策について解説していきます。

Gmail ガイドラインに従い送信者が対応すべきこと

上記の、メールを送信者の条件に当てはまる場合に必要な対応をまとめます。

すべての送信者が守るべき事項

全ての送信者に義務付けられた対応は以下になります。

  1. SPFまたはDKIM メール認証の設定
  2. 送信元のドメインまたは IP に、有効な正引きおよび逆引き DNS レコード(PTR レコードとも呼ばれます)があるか確認
  3. メールの送信に TLS 接続を使用
  4. 迷惑メール率を0.1%未満に維持し、0.3 %以上にしない
  5. メールは Internet Message Format標準(RFC 5322)に準拠する形式で作成
  6. メール送信する場合、必ず自分のアカウントを送信者とし、 From:ヘッダのなりすましはしない
  7. メールを定期的に転送する場合は送信メールに ARC ヘッダー、メーリングリストを指定する場合は List-id ヘッダーを追加

1 日に 5,000 件以上のメールを送る送信者の必須事項

1日に 5,000 件以上のメールを送る送信者には、全ての送信者に必須とされた項目以外に、下記の対応が必要になります。

  1. SPFおよびDKIM メール認証の設定
  2. DMARC メール認証の設定
  3. マーケティング目的のメールと配信登録されたメールは、ワンクリックでの登録解除に対応。また、登録解除のリンクをメッセージ本文にわかりやすく表記

※ Google では、24 時間以内に個人の Gmail アカウントに 5,000 件近くもしくはそれ以上のメッセージを送信する電子メール送信者を一括送信者としています。同じプライマリドメインから送信されたメッセージは、5,000 の制限にカウントされます。

対応1.送信メールの認証を設定する

まずは、送信メールの認証を設定することが必要です。

メール認証とは

メール認証とは、送信元のドメインが正当であることを確認するための方法です。メール認証の設定をすることで、なりすましメールやフィッシングメールなど、悪意あるメールから受信者を保護できます。

また、 Google では Gmail アカウントに送信されたメールの認証情報があるかチェックを行っています。そのため、認証情報のないメールは迷惑メールに分類されたり、メールがブロックされたりする可能性が高まります。

今回、送信者ガイドラインで指示されているものが以下の3つになります。それぞれ、次で詳しく説明していきます。

  • SPF
  • DKIM
  • DMARC

SPF

SPF( Sender Policy Framework)とは、悪意のあるメール送信者に、自分のドメインを装ってメール送信されてしまう「なりすまし」を防ぐ認証方式です。メール送信者が、自身の DNS サーバーに送信元 IP アドレス情報を SPF レコードとして登録しておくことで、メール受信者は届いたメールがなりすましでないことを確認できます。

DKIM

DKIM( DomainKeys Identified Mail)とは、電子署名を付与することで、送信元アドレスを偽装したスパムメールなどを防ぐ技術です。メールの内容が変更されていたり、メールの差出人アドレスが不正に変更されていたりする場合、 DKIM によって検出されます。

DMARC

DMARC( Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、 SPF および DKIM などの認証が通らず、「なりすまし」であると判断されたメールをどのように処理するか、送信側が設定できる技術です。この設定に応じた対応を受信側に実行させることができます。

メール認証の設定方法

SPF・ DKIM ・ DMARC は、全てドメインを管理しているサーバー上で設定する必要があります。ドメインサーバーの管理者へお問い合わせください。

設定の確認方法

SPF・ DKIM ・ DMARC の設定が完了したら、動作確認ができるメールアドレスへ送信してみましょう。テスト用として、自分が受け取れる Gmail アカウントメールを作成すると分かりやすいためおすすめです。

  1. 受信したメールを開き、右上にある三つの黒丸をクリックします。
  2. 受信メールの三つの黒丸をクリック

  3. 表示されたメニューの「メッセージのソースを表示」をクリックします。
  4. メッセージのソースを表示

  5. 下記のような表が表示され、すべての設定が完了している場合はそれぞれ「PASS」と表示されます。
  6. メール認証の確認

対応2.未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないようにする

ガイドラインでは、迷惑メール率を 0.1 %未満に維持し、迷惑メール率が 0.3 %以上にならないようにすると記載されています。迷惑メールと判断されないよう、メールを送信する際に避けるべき方法には以下が挙げられます。

  • 同じメールに異なるタイプの内容を混在させない
    (例:領収書を送るメールにプロモーションに関する内容を含めない)
  • メールを受信するよう登録していないユーザーにはメールを送信しない

対応3.受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにする

マーケティング目的のメールと配信登録されたメールは、ワンクリックでの登録解除に対応し、メッセージ本文に登録解除のリンクをわかりやすく表示する必要があります。メール一括配信サービス等を利用している場合は、ワンクリックで購読を解除するボタンを表示する設定があるか確認してみましょう。

その他に Gmail ガイドラインで言及されている項目

上記の対応に加え、Gmail ガイドラインで言及されている以下の項目についても確認してみましょう。

Gmail 送信時にはTLS接続

TLS( Transport Layer Security )とは、プライバシーを保護するためにメールを暗号化するセキュリティプロトコルです。 Gmail を利用している場合は、デフォルトでメール送信する際に常に TLS 接続を試みます。これが確立されるためには、送信側と受信側の両方で TLS の使用が必要です。Gmail へのメール送信は、送信元が TLS を使用していればTLS 接続が確立されることになります。現在の状況を確認する方法は以下の通りです。

  1. メール宛先右側にある「▼」をクリック
  2. ▼をクリック

  3. セキュリティから現在の状況を確認(赤い鍵マークが表示されていなければ問題ない)
  4. セキュリティから状況を確認

有効な正引き及び逆引き DNS レコードの確認

ホスト名から IP アドレスを割り出す操作を「正引き」といい、IP アドレスからホスト名を割り出す操作を「逆引き」といいます。PTR( Pointer )レコードは IP アドレスに対応するホスト名を定義したもので、反対にホスト名に対応する IP アドレスを定義したものは A レコードと呼ばれています。

この部分の設定に関しては、送信サーバーを管理している業者・団体が対応を行うものになるため、Gmail など、メールサービスを利用している場合、対応は不要です。自社で運営管理している送信サーバーを利用しているような場合は管理者へお問い合わせください。

メッセージの形式を準拠

メッセージの形式には、Gmail などメールサービスを利用している場合は準拠できているものと考えられます。 Google のメール送信者ガイドライン上では、以下のようなメールの内容についても言及していますが、通常のやり取りであれば問題になることはないでしょう。

  • 送信者の情報を、明確に、見やすく示す必要がある
  • メールの件名は正確である必要があり、誤解を招くものにしない

ARC ヘッダ、 List-id ヘッダ付与

ARC ヘッダによってメールが転送されていることを明示し、転送元のメールがメール認証に通ったものだったかを確認することができます。また、 List-id ヘッダの追加により、メーリングリストへの送信であることの確認が可能です。Gmail を利用している場合は別途対応する必要はなく、メールヘッダに ARC や List-id が付与されています。

【対応済みチェックリスト】Gmail ガイドライン

  • SPF、DKIM、DMARCそれぞれPASSしていますか?
  • 受信側が迷惑メールだと判断するようなメールは送っていませんか?
  • マーケティング目的のメールに登録解除のボタンは設置されていますか?

「Google Workspace」導入による、Gmailガイドライン遵守と信頼性向上

古いメールシステムからの送信は、上記のような複雑な技術要件の管理が困難な場合があります。ビジネス向けプラットフォームである Google Workspace を導入することで、ガイドラインへの対応を大幅に簡略化し、確実性を高めることができます。

ガイドライン遵守を容易にし、ビジネスメールの信頼性を高める Google Workspace 導入のメリットを以下で具体的に記載します。

管理コンソールからドメイン認証設定が一元管理可能

Google Workspace の管理コンソールでは、SPF、DKIM の設定状況を視覚的に確認でき、数ステップで正しく設定を行うためのガイドが充実しています。技術的な知識が乏しくても、セキュアな送信環境を構築できます。

独自ドメインの利用で送信者としての社会的信頼を確保

@gmail.com のようなフリーアドレスではなく、自社の独自ドメインを使用することで、送信者としての身元が明確になります。これは DMARC 認証の前提条件でもあり、取引先に対する信頼性の証明に直結します。

迷惑メール率の管理と可視化

Google が提供する無料ツール「Postmaster Tools」との連携がスムーズです。自社のメールがどのように評価されているかを定量的に把握し、問題が発生した際に迅速に原因を特定できます。

Google 公式サポートの活用

万が一「メールが届かない」といったトラブルが発生した場合も、Google Workspace であれば公式のテクニカルサポートを受けることが可能です。ガイドラインの解釈や設定の修正について、確実な助言を得られるのは大きなメリットです。

Gmail ガイドライン対策でメールが届かない不安を解消しよう

Google のメール送信者ガイドラインは、一見すると技術的なハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、その本質は、受信者に安心してメールを読んでもらうための基盤づくりにあります。

SPF、DKIM、DMARC といった認証設定を適切に行い、ワンクリック解除などの利便性を整えることは、もはやマナーを超えた企業の義務となっています。「自社のメールが届いているか不安」「設定が正解かわからない」という方は、セキュリティと管理機能が統合された Google Workspace の活用を検討し、安定したメールコミュニケーションを実現しましょう。

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