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無料Gmailを企業業務で使う経営リスク。信頼のある独自ドメインを使おう。

コラム更新日:2024.09.13

無料Gmailを企業の業務で使うリスクは存在します。この記事ではその危険性と、Google Workspace(グーグルワークスペース)を用いたリスクの回避について解説していきます。責任ある企業として最低限のセキュリティを保持し、企業のコンプライアンスを守るための行動を取っていきましょう。


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無料Gmailを業務利用しても問題ないのか

現在フリーメール(~~~@gmail.comなど)を業務で利用している会社もあるのではないでしょうか。無料で使えるフリーメールはコストをかけずに気軽に利用できるのがメリットではありますが、果たして企業のメールとして利用することにリスクはないのかと疑問に思っている方もいるかと思います。

TSクラウドでは、会社業務でGmailを利用する場合、有料のGoogle WorkspaceでGmailを使うことを推奨しています。次の見出しでは、業務で無料Gmailを使うリスクを紹介します。

《参考》フリーメールとは?

無料で利用できるメールサービスのことです。一般的に、フリーメールは広告収入などの収益源を活用して無料で提供されています。代表的なフリーメールは、Gmail(~~~@gmail.com)、Yahoo!メール(~~~@yahoo.co.jp、~~~@ymail. ne.jp)、AOLメール(~~~@aol.jp)などです。すぐに無料で作れるところがメリットになります。

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無料Gmailを業務利用するリスク

リスク① 無料版は業務用としての信頼性が低い

Gmailなどのフリーメールを受け取る側の気持ちを考えると、「セキュリティやコンプライアンスに甘い企業か…??」と思われても仕方ありません。独自ドメインを用いたメールを使わないと、ビジネスの機会損失になる可能性もありますので、リスクがあると言えるでしょう。

リスク② 企業としてコンプライアンス違反になる可能性

無料のGmailアカウントでは、社員それぞれのアカウントを管理することができません。管理されていないアカウントへの不正アクセスやパソコン等の紛失による情報漏えいによって、顧客や取引先に対しても大きな被害を及ぼす可能性があります。情報セキュリティ対策の不備は、企業としてのコンプライアンス違反にもつながりかねません。

また、個人が作成した無料のGmailアカウントは、その個人の所有物であり企業のものではありません。個人に所有権のあるものを使って企業活動に従事させることは、コンプライアンス上、問題となる可能性があります。企業は、このような法的な問題を回避するため、自社の所有物を従業員に使用してもらうようにするべきです。

《事例》問題が起きるシーン

個人が使用している無料Gmailのデータも個人の所有物となるため、その従業員が退職する場合、企業はそのデータの譲渡を強制することはできません。そのため、そのデータが退職と同時に失われる可能性があります。

リスク③ データ紛失の恐れがある

ログインしているユーザーが以下の操作をしてしまった場合、メールやファイルの復旧が困難となることがあります。

  • 変更したパスワードがわからなくなり、アカウントにログインできなくなる。
  • アカウントを削除してしまい、重要なデータが失われる。

※復旧できる場合もありますが、個人Gmailアカウントの場合Googleでは一切サポートをしていません。

リスク④ セキュリティのレベルが下がる

無料Gmail自体のセキュリティレベルは高いのですが、使い方次第では組織にとって十分なセキュリティレベルを保てない状況が発生します。

  • 個人アカウントのセキュリティ設定がユーザーによって勝手に変更されてしまい、予期しないデバイスからのアクセスを受ける
  • 適切なセキュリティ設定を怠ると、退職者でも引き続き社内のデータにアクセスできてしまう

リスク⑤ 十分なサポートが受けられないケースがある

フリーメールは無料で利用できることから、技術的な問題が起きた時などに、メールサービスを提供する企業から十分なサポートを得られないケースがあります。

無料Gmailの場合は、Gmailヘルプのヘルプセンターで自分で調べるか、コミュニティで質問する方法があります。しかし、解決までに時間がかかったり、解決に至らない可能性がありますので、事前に承知しておく必要があります。Googleによる個別のサポートは望めません。

Gmailヘルプ:https://support.google.com/mail/?hl=ja#topic=7065107

リスク⑥ 迷惑メールに振り分けられやすい

フリーメールを利用したことがある方は経験があるかもしれませんが、送信先のメールのセキュリティレベルによっては、送信したメールが「なりすまし」や「フィッシング」と判定されてしまい、迷惑メールのフォルダに自動的に振り分けられるケースがあります。迷惑メールフォルダに入ってしまうと、送信相手に気づかれる可能性は低く、ビジネスの機会損失につながってしまうでしょう。

リスク⑦ オンラインストレージの容量が少ない

無料のGmailアカウントでは、15GBのオンラインストレージを使うことができます。15GBと聞くと「意外と多いのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、この15GBはGmailだけでなく、Googleドライブ、Googleフォトなどに保存したデータの容量も含みます。特に写真や動画を保存したり、容量が大きなデータを添付したメールを送ると、すぐに容量上限に達してしまいます。

容量の上限まで使用してしまうと、新しいメールの送受信ができなくなったり、Googleドライブに新しいファイルをアップロードすることができなくなるので注意が必要です。

リスク⑧ データの引き継ぎに手間がかかる

従業員が退職する場合、企業はそのデータの譲渡を強制することはできないと先述しましたが、譲渡してもらえることになった場合でも、データの引き継ぎに多くの手間がかかります。

退職者がオーナーになっているドライブのファイルやメールを他者が引き継ぐ場合、一度ローカルに保存してからドライブに再度アップロードしたり、ファイルそれぞれのオーナー権限を変更しなければならず、ファイル数が多い場合は非常に面倒な作業となります。

《危険》複数名で1つのGmailアカウントを共有する使い方

無料Gmailのアカウントを複数名で共有して利用するケースを散見しますが、この使い方は大変危険です。

  • 誰がどの操作を行ったのか履歴の後追いができない(操作の匿名性が上がる)
  • 退職者が引き続きアクセスできてしまい情報流出する可能性がある

Googleもこの使い方をされることを想定しておらず、ユーザーに対してアカウントが一時的にロックされたりするなどの問題が発生することがあると明記しています。セキュリティレベルが低下する使い方にもなりますので絶対にやめましょう。

後述するGoogle Workspaceのアカウントを従業員1名ずつに適用する場合は、上記の問題はクリアされます。

  • ドキュメント変更やメール送受信などの履歴が明瞭
  • 管理者がアカウントを停止できる

リスク解消のためにGoogle Workspaceの導入を

業務で無料Gmailを使うリスクを紹介しましたが、そのリスクを解消するのがGoogle WorkspaceのGmailです。有料のサービスとなりますが、企業活動を行う上で必要な機能とツールを備えているので、導入の検討をオススメします。

無料Gmail Google WorkspaceのGmail
無料版は業務用としての信頼性が低い 独自ドメインの利用で信頼性アップ
企業としてコンプライアンス違反になる可能性 コンプライアンス違反を回避できる
データ紛失の恐れがある 十分にデータを保護できる
セキュリティのレベルが下がる セキュリティレベルの維持だけでなく、さらに向上させることも可能
サポートが受けられないケースがある 代理店経由で契約する場合、個別サポートも受けられる
迷惑メールに振り分けられやすい 迷惑メールに振り分けられにくい
オンラインストレージの容量が少ない(15GB) 大容量のストレージを持てる(30GB〜5TB)
データの引き継ぎに手間がかかる 管理コンソールで簡単に一括変更できる

独自ドメインの利用で信頼性アップ

Google Workspaceでは独自ドメインのGmail(例:~~~@googleworkspace.tscloud.co.jp)をご利用いただけます。メールの受信者は、ひと目でどの会社の人かメールアドレスで判断でき、セキュリティ面でも安心感があります。

《参考》独自ドメインとは?

独自ドメインとは、自分の好きな文字列を使ったオリジナルのドメインのことで、法人や個人を問わず誰でも取得可能です。

ドメインとは、「インターネット上の住所のこと」で、Webサイトがどこにあるのか判別する際の情報として利用されます。ドメインは、WebサイトのURLやメールアドレスのなかに存在しています。

例)https://abcd-domain.comの「abcd-domain.com」の部分
例)mail@abcd-domain.comの「abcd-domain.com」の部分

独自ドメインとは?取得するメリットと取得方法、無料ドメインのリスクについて
https://googleworkspace.tscloud.co.jp/gmail/personal-domain

コンプライアンス違反を回避できる

企業が独自ドメインのアカウントを発行して従業員に利用してもらう場合、社員のアカウントを管理することができます。また、そのアカウントで行われたGmailのやり取りやGoogleドライブ内のファイルは、全て企業に所有権があります。無料Gmailの利用とは異なり、コンプライアンスの面においても安心して企業活動を行うことができます。

十分にデータを保護できる

Google Workspaceのアカウントの場合、管理者でないユーザーがアカウントを消すことはできません。また、管理コンソールより以下のような操作が可能になります。

  • ユーザーが完全削除したメールも管理コンソールから25日間なら復元可能
  • 管理者により全てのアカウントのパスワードの変更が可能
  • 削除されたアカウントについても、一定期間内は管理者側で復元可能
  • エディションによってはGoogle Vaultの機能の利用可能に。さらに長期でデータを保持することができ、監査やデータ開示が必要になった際に備えられる。

これらのように、個人が管理者となる無料Gmailと違い、管理者が全てのアカウントをコントロール下に置くことができるため、十分にデータを保護できると言えるでしょう。

《参考》Google Vaultでコンプライアンス関連のリスクを軽減

Google Vaultとは、情報ガバナンスやeDiscovery、規制に関する監査に備えて、Google Workspace のGmailで送信したメールやチャット記録のアーカイブ、データ管理、保全を行うサービスです。Google Workspaceの上位プランに含まれています。

社員同士のチャットのやり取りやGoogle Meetの録画ファイル、Googleドライブのストレージ内に保存されるGoogleドキュメント、Googleカレンダーなど、多くの操作ログを保管し、いつでも取り出すことができます。

Google Vaultとは。使い方や価格、その機能を解説。
https://googleworkspace.tscloud.co.jp/vault/google-vault

セキュリティレベルをさらに上げることもできる

Google Workspaceでは、以下のようなセキュリティレベルをさらに高める対応をとることも可能です。強固なセキュリティを求める企業では、必ずGoogle Workspaceを利用しましょう。

  • 従業員に対して2段階認証による本人確認を必須とすることができる。
  • 不審なアクセスに対して管理者に対してアラートを設定することができるため、アカウント保護に即座に対応できる。
  • アクセス可能なデバイスや使用できるアプリの制限を行うことができる。
  • アカウントの停止(アカウント自体を残しながらログインを防ぐ)ができる

個別サポートも受けられる

Google Workspaceの正規代理店である「TSクラウド」とご契約いただいた場合、Google公式への問い合わせだけでなく、代理店にも問い合わせることが可能です。TSクラウドとの連絡手段は、メール・電話です。お客様の疑問や課題をスピーディーに解決できるよう、サポートさせていただきます。導入に関するご相談はWeb会議(Google Meet)でのご案内も可能です。

迷惑メール に振り分けられにくい

独自ドメインのメールは、送信先の迷惑メールフォルダには入りにくくなります。まれに迷惑メールに入ってしまうケースがありますが、設定の問題であることが多いため解決することが可能です(DNSのTXTレコードの設定でSPFレコードの設定を適切に行われていない、など)。

大容量のストレージを持てる

Google Workspaceでは、30GB〜5TBのオンラインストレージを持つことが可能です。容量は選択いただくエディション(プラン)によって異なりますので、Gmail以外にも動画や写真を保存したいという方は、上位のエディションを選択すると良いでしょう。

                                                               
  無料
アカウント
Business Enterprise
Starter Standard Plus
価格
ユーザー1人あたりの月額
(年間契約の場合)
¥0 ¥680 ¥1,360 ¥2,040 お問い
合わせ
ストレージ容量
ユーザー1人あたり
15GB30GB(プール) 2TB(プール)5TB*(プール)5TB~*(プール)

*必要に応じて拡張可能。詳しくは お問い合わせ ください。

データの引き継ぎは管理コンソールで一元管理

Google Workspaceの場合、管理者によるファイルやメールのオーナーの変更を一括して行うことができ、データの引き継ぎにかかる労力を少なくすることができます。

また、オーナーの変更をする前にオーナーのアカウントがなくなると、ファイルは自動的に削除されてしまいますが、アカウント削除後20日以内であれば、特権管理者により復元させることができます。

《参考》「共有ドライブ」ならデータの引き継ぎ作業がなくなる

Google WorkspaseのエディションがBusiness Starterである場合は、個人で管理するマイドライブ内でのデータ保存のみであり、必ずオーナーが存在します。しかし、Business Standard以上で利用できる共有ドライブでファイル作成すれば、組織がオーナーとなり個人がオーナーになることはなく、オーナーを変更する必要はありません。

共有ドライブとは?マイドライブとの違い、容量制限や権限管理など
https://googleworkspace.tscloud.co.jp/drive/shared-drive

Google Workspaceの価格

アプリ

Google Workspaceは、Gmail以外にもGoogleドライブ、Googleカレンダー、Google Meetなどの多様なツールがパッケージされたGoogleが提供するビジネス向けのクラウド型グループウェアサービスです。クラウド上の情報を組織内で共有しながら業務を行えるため、テレワークが当たり前になっている現代の働き方に最適な統合型ツールです。

《参考》Google Workspaceに含まれる代表的なツール

Google Workspaceの使い方。主な機能と出来ること、料金プランを解説
https://googleworkspace.tscloud.co.jp/article/gws

  • 【Gmail】迷惑メールを99.9%遮断するメールサービス
  • 【Googleドライブ】大容量のオンラインストレージ
  • 【Googleカレンダー】チームや組織のスケジュールが共有できる
  • 【Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド】業務に必要なツールが一同に揃う
  • 【Googleフォーム】アンケートの作成や回答収集をより簡単に
  • 【Google Meet】どこからでも安全にビデオ会議を
  • 【Google Chat】チャットでスムーズなコミュニケーション
  • 【Googleサイト】特別な知識は不要。誰でも簡単にWebサイト作成
  • 【Google Keep】PCでもスマホでも便利に使えるメモ機能
  • 【管理コンソール】一元管理でセキュリティ強化し組織を守る

Google Workspaceには様々なエディションが用意されていますが、Gmailを含むプランは以下の5つです。利用する人数やオンラインストレージの容量によって、価格が変わってきます。

  Business Enterprise
Starter Standard Plus
価格
ユーザー1人あたりの月額
(年間契約の場合)
¥680 ¥1,360 ¥2,040 お問い合わせ
利用可能人数 ~300人 ~300人 ~300人 無制限
ストレージ容量
ユーザー1人当たり
30GB(プール) 2TB(プール) 5TB(プール) 5TB~(プール)
会議 100ユーザーまで 150ユーザーまで 500ユーザーまで 500ユーザー~

無料GmailのデータをGoogle Workspaceに移行したい

無料GmailからGoogle WorkspaceのGmailに変更する場合、無料Gmailのアカウントをアップグレードしたりそのまま情報を引き継ぐことはできません。しかし、無料GmailのデータをGoogle Workspaceに「移し替える」ことは可能です。Google Workspaceを導入する際に、弊社TSクラウドのスタッフまでお問い合わせ下さい。移し替えのサポートをさせていただきます。

Google Workspaceの問い合わせはTSクラウドへ

この記事では、無料Gmailを企業の業務で使うことのリスクと、それを回避するためのGoogle Workspaceについて解説してきました。最低限のセキュリティを保持し、企業のコンプライアンスを守るためには、無料のGmailはオススメできません。Google Workspaceの導入を強くオススメします。

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