コラム更新日:2026.06.22

Googleの「Skills(スキル)」は、Chromeブラウザ上のAI「Gemini in Chrome」の機能の1つです。繰り返し使用するプロンプトのブラウザへの保存・呼び出しができるため、スキル機能を活用すれば、ブラウザ自体をAIアシスタントとして活用し、業務を効率化できます。

この記事では、スキル機能の使い方について、手順や実務への活用方法を解説します。企業が利用する際の注意点もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

目次

Chromeの新しいAI機能「Skills(スキル)」の概要

「Skills(以下、スキル機能)」とは、Googleのブラウザで利用できるブラウザ一体型AI「Gemini in Chrome 」の一つの機能です。

Gemini in Chrome(画面右上「Geminiに相談」をクリック)を開き、 よく使うプロンプトを保存し、ワンクリックで指示を繰り返し実行できます。ユーザーは毎回同じプロンプトを手入力する手間が省け、今見ているWebページを対象に、サイドパネルでAIによる分析や要約を行えます。

たとえば、英文のWebサイトを閲覧することが多い場合に、スキル機能で「日本語の要約を生成してください」というプロンプトを登録しておけば、登録したスキルをクリックするだけで日本語の要約が手に入ります。ブラウザでの業務を効率化したい方にとっては、自動化ツールのように便利なショートカット機能といえるでしょう。

スキル機能を利用するための条件・環境

スキル機能は、Google Workspace のユーザーを対象としており、無料アカウントやシークレットモードでは使用できません。加えて、「Gemini in Chrome」が有効であることが前提です。利用にあたって、まずは条件などを確認しておきましょう。

スキル機能を利用する要件
  • Googleにログインしている
  • Mac、Windows、Chromebook Plusのデスクトップ版を使用している
  • 言語設定が英語(US)になっている※
  • Chromeのバージョンを147以降にアップデートしている
  • 管理対象アカウントまたはEnterpriseアカウント(企業・学校用)の場合、管理者がGemini in Chrome自体を有効にしている

※スキル機能は順次ロールアウトされており、公式には英語設定が推奨されていますが、日本語のまま利用できる場合もあります。

「カスタムスキル」の登録・呼び出し・管理方法

自分で作成した独自のプロンプトを「カスタムスキル」として登録・呼び出し・管理できます。ここでは、具体的な操作方法を解説します。

カスタムスキルの登録方法

サイドパネルから簡単に自分専用のスキルを作成できます。

  1. 画面右上「Geminiに相談」をクリックして、サイドパネルのGemini in Chromeを開きます。
  2. プロンプト入力欄に半角スラッシュ「/」を入力し、表示されたメニューから「+スキルを追加」をクリックします。
  3. ポップアップ画面で、スキルの「名前」と「指示」を入力して、「保存」すれば、スキルの登録は完了です。

カスタムスキルの呼び出し方法

保存したカスタムスキルは、どのWebページを見ていても、Gemini in Chromeで呼び出してタスクを実行できます。呼び出し方法は以下の2通りです。

方法①:テキストボックスで「+(プラス)」ボタンをクリックして、表示された一覧の中から、実行したいスキルを選択する。

方法②:テキストボックスに半角スラッシュ「/」を入力し、保存したカスタムスキルの名前を入力する。

いずれもスキルを選択して「送信」すると、AIが現在閲覧しているWebページや、選択した他のタブの情報を併せて読み取り、保存していたスキル(プロンプト)を実行します。

カスタムスキル管理・編集・削除方法

保存したカスタムスキルは、いつでも編集・削除できます。Chromeのアドレスバーに「chrome://skills/yourSkills」と入力すると、これまでに保存したスキルの一覧が表示され、指示内容の微調整や、不要なスキルの削除が可能です。

日々の業務に合わせてプロンプトの指示を細かくチューニングしていくことで、自分にとって最も使いやすい、精度の高いAIアシスタントへと育てることができます。業務の変化に合わせて柔軟にスキルを管理するとよいでしょう。

業務効率化に直結!企業におけるスキル機能の活用例

ここでは、ビジネスの現場で役立ちそうな、スキル機能を使った業務効率化のアイデアを4つ紹介します。ただし、いずれの場合もハルシネーションの可能性があるため、人による最終確認が必要な点にご注意ください。

複数タブをまたぐ「競合の価格・仕様比較」

スキル機能の強みの1つは、 単一のページだけでなく、複数のタブをまたいで横断的に情報を収集・整理できる点にあります。たとえば、自社製品と競合他社の製品ページを別々のタブで複数開いて、「現在開いているタブの製品について、価格、主な機能、ターゲット層を表形式で比較して」という指示をスキルとして保存しておけば、次回からはワンクリックで情報を整理できます。別々のページから手作業で情報をコピーしてGoogle スプレッドシートやMicrosoft Excelなどにまとめる手間が省け、リサーチ業務の時間短縮につながります。

Webサイトの「定型フォーマット要約」

日々のビジネスにおける情報収集において、長文のニュース記事や専門的なレポートをすべて精読するのは多大な時間がかかります。そこで、「この記事の重要なポイントを3つの箇条書きで要約し、最後に結論を1文でまとめて」といった定型フォーマットのプロンプトをスキルに保存しておきます。新しいWebページを開くたびにこのスキルを呼び出せば、瞬時に概要を把握できるようになります。特に、長文の記事では、読むべき記事かどうかを判断しやすくなり、情報収集の効率が向上します。

テキストからの「タスク・ToDo自動抽出」

複数のタスクを抱える担当者や、プロジェクトを管理するマネージャー層にとって、確認作業の負担軽減につながる使い方もあります。たとえば、会議の長い議事録や、クライアントからの長文メールなど、雑多なテキスト情報の中から自分がやるべきことを拾い上げる作業を、スキル機能で自動化できます。「このテキストから、実行が必要なタスク、担当者、期限をリストアップして表にまとめて」という指示をあらかじめ保存しておきましょう。

該当のテキスト(あるいはメール、各種資料など)を開いた状態でスキルを実行するだけで、ToDoが抽出されます。これにより、タスク管理ツールへの入力作業がスムーズになる効果が期待できます。

複数SNSの「広報文同時作成」

企業の広報やSNS担当者にとって、新しいお知らせやキャンペーン情報を複数のプラットフォームに合わせて書き換えるのは非常に面倒な作業です。自社のプレスリリースやブログ記事のページを開いた状態で、「この記事の内容をもとに、X(旧Twitter)用、Facebook用、LinkedIn用の投稿文を、それぞれのプラットフォームに適したトーンと文字数で作成して」というスキルを実行します。

1箇所で実行するだけで、文字数やトーン&マナーの異なる複数のテキストが同時に生成されるため、SNS運用の負担が軽減され、スピーディーな情報発信が実現します。

企業がスキル機能を利用する際の注意点

Google Workspaceの契約を結んでいれば、入力データがAIの学習に流用されないことは規約で保証されています。しかし、データが学習されないからといって「100%安全」とは言えません。Chromeのスキル機能には、仕様上、企業が運用する上で見落としてはならない注意点があります。

スキル機能だけを「個別オフ」にする管理者コントロールがない

組織の管理者が「Gemini in Chrome」全体を有効にしている場合、スキル機能は対象ユーザーに対してデフォルトで自動的にオンになります。「Geminiのチャットは使わせたいが、スキル機能だけを制限したい」といった、機能ごとの細かな制御(オン・オフ設定)はできません。

広範囲のデータを読み込んでしまう

スキル機能を使ってブラウザ上の情報を分析する際、Googleのファイルを開いた状態で実行すると、Geminiはユーザーのアカウント権限に準じて、そのドキュメント「全体」を読み込む仕様となっています。例を挙げると、Google ドキュメントで作成された「プロジェクト月次報告書」を要約する際、たとえユーザーが特定部分のみを要約するつもりでも、スキル機能は文書内に含まれる部外秘の予算情報や未公開の提携案件なども含めて解析し、出力に反映させてしまう可能性があります。

「開いているページ=AIが読み込む範囲」ということではなく、ドキュメント内のすべての情報が読み取り対象となるため、対象とするファイルの取り扱いには細心の注意が必要です。

スキル機能を正しく理解して安全にAI機能を活用しよう

Chromeの「Skills(スキル機能)」は、毎回のプロンプト入力を不要にしてブラウザ業務を効率化する、ショートカットのような機能です。一方で、運用における注意点も正しく理解しておく必要があります。Google Workspaceであれば、入力データがAIの学習に利用されないという点で一定の安全性は担保されますが、前述のとおり、意図しない挙動や個別オフができないといった、仕様上のリスクがゼロになるわけではありません。

重要なのは、リスクを恐れて利用を遠ざけるのではなく、正しい知識を持って安全な環境で使いこなす姿勢です。取り扱うデータに注意を払いながら、目の前の手軽な業務の効率化を検討してはいかがでしょうか。

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