コラム更新日:2026.08.10

企業において、本部の「デスクワーカー」と工場や店舗の「現場スタッフ」のスムーズな連携を進めつつ、コストを抑える選択肢として注目されているのが「Google Workspace Frontline」です。このFrontlineプランは単体で契約できず、BusinessやEnterpriseといった通常プランとの併用が前提となります。

この記事では、Google Workspace Frontlineの基本ルールと、企業におすすめの組み合わせパターン、運用上の注意点などを詳しく解説します。貴社のプラン選びにお役立てください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

目次

Google Workspace Frontlineの基本ルールと併用条件

Google Workspace Frontlineを導入するにあたり、まずはプランの特徴と、基本ルールや条件を押さえておきましょう。

Frontlineのプラン一覧|料金と特徴

Google Workspace Business Starter と主要な機能は共通していますが、機能の一部に制限があるため、価格が抑えられています。

  Frontline Starter Frontline Standard Frontline Plus Business Starter
年契約(月額) ¥520/ユーザー ¥1,360/ユーザー ¥1,800/ユーザー ¥800/ユーザー
Gemini
(機能制限あり)

(機能制限あり)

(機能制限あり)

(機能制限あり)
ストレージ容量 5GB/ユーザー 5GB/ユーザー 5GB/ユーザー 30GB/ユーザー
ドキュメントファイルの作成
(共有ドライブ)
× × ×
(機能制限あり)
ドキュメントファイルの作成
(マイドライブ)
利用可能人数 無制限 無制限 無制限 300人
エンドポイント管理 高度 エンタープライズ エンタープライズ 標準
高度なセキュリティおよび管理機能 × ×
99.9%の稼働率保証
24時間365日の電話サポート
2段階認証プロセス
Meet ビデオ会議への最大参加者数 100人 100人 100人 100人

Business・Enterpriseなど他プランとの併用が前提

Google Workspace Frontlineは、工場や店舗など、現場で働くスタッフ専用のプランです。単体での契約はできず、本部やオフィスのデスクワーカー向けに提供されているBusinessやEnterpriseといった、通常プランと併用することが前提となります。

たとえば、本部の従業員にはフル機能が使えるBusiness Standardを割り当て、現場のアルバイトやパートスタッフにはコストを抑えたFrontlineを割り当てるといった使い方です。役割に応じて適切なライセンスを組み合わせることで、現場と本部の業務管理をシームレスにつなぎながら、不要なITコストの削減が可能となります。

対象となる現場スタッフの定義とGoogleによる審査要件

Frontlineは誰でも利用できるわけではなく、利用対象が「現場スタッフ」に限定されています。具体的には、製造業の組み立て作業員、レストランや小売業の接客スタッフ、農業や建設業など、主に非デスクワーカーとして最前線で働く従業員が該当します。導入に際しては、対象者がこの定義に当てはまるかどうか、Googleによる事前の審査を通過する必要があります。

現場スタッフはドキュメントの作成よりも、情報閲覧やコミュニケーションツールの利用が主となるため、こうした業務実態に合わせて提供されているのがFrontlineプランです。ライセンス数の上限はありませんが、審査をクリアするための情報は非公開のため、詳細な条件や自社が該当するかどうかなどは、Google Workspaceの正規代理店へ確認することをおすすめします。

※TSクラウドでは、Frontlineを「通常プラン20ライセンス+Frontline20ライセンス(合計40ライセンス)」から受け付けしております。最終的にはGoogleの判断となりますが、プランの組み合わせでお悩みの場合は、一度、ご相談ください。

企業におすすめのFrontline組み合わせパターン3選

ここでは、企業が導入する際に参考となる、他エディションとの代表的な組み合わせパターンをご紹介します。

【コスト最優先】Business Starter×Frontline Starter

本部と現場でライセンスを使い分けて、運用コストを最小限に抑える組み合わせです。データの利用や外部とのやりとりが多い従業員には「Business Starter」を、チャットのやりとりやドキュメントの閲覧がメインとなる現場スタッフには「Frontline Starter」を適用します。すべての従業員に会社の公式アカウントを支給しつつ、1ユーザーあたりのランニングコストを極力抑えたい企業に適しています。

【端末管理・セキュリティ強化】Business Standard×Frontline Standard

セキュリティをより強固にし、情報漏洩対策やデバイス紛失時の安全性を徹底しながら、本部と現場の連携を深めたい企業に最適な構成です。上述のFrontline Starterでも、リモートワイプや強固なパスワード要求などの「高度なエンドポイント管理」は標準搭載されていますが、Frontline Standardにすることで、さらに高度なセキュリティ機能を利用できます。本部側のBusiness Standardによって共有ドライブをフル活用できるため、現場との円滑なファイル共有や安全な一元管理が実現します。

【高度なコンプライアンス・AI活用】Enterprise系×Frontline Plus

全社的に厳格な監査要件をクリアしながら、最新の生成AIを活用して現場の業務効率化を進めたい企業に最適な構成です。Frontline Plusでは、メール暗号化や添付ファイルのスキャンといった最先端のセキュリティ機能を備えているだけでなく、Gmail、Google Chat、Google Meetの各アプリ内で生成AI「Gemini」を利用可能です。現場スタッフもGmailでの文章作成サポート、Chatでの会話要約や自動翻訳、Meetでの自動メモ生成などができるため、AIによる現場業務の効率化が期待できます。

なお、Frontline Starter/Frontline Standardでは、Geminiアプリ単体は利用可能ですが、GmailやMeetなど各ツールに組み込まれたGemini機能は利用できません。

Frontlineを組み合わせて運用する際の注意点

Frontlineはコストパフォーマンスに非常に優れていますが、制限事項や運用ルールを事前に確認しておく必要があります。

ストレージ容量は1ユーザーあたり5GB

Frontlineプランを運用する際の大きな注意点として、ストレージ容量が1ユーザーあたり5GBに制限されていることが挙げられます(Starter/Standard/Plus共通)。Business Starterなどのように組織全体で容量を共有する「プール方式」ではなく、個別の割り当てとなります。

現場スタッフは「ファイルの閲覧」や「情報の確認」を行うユーザーであると想定されているため容量が抑えられていますが、業務で高画質な現場写真や動画データを日常的に大量保存したり、重いファイルを頻繁に送受信したりすると、すぐに上限に達してしまう恐れがあります。ストレージが不足するメンバーに対しては、現場スタッフであっても個別に通常プラン(Business Starterなど)を割り当てることで、柔軟に対処できます。

共有ドライブの権限は「閲覧」「コメント」に限定される

組織内でファイルを一元管理できる共有ドライブ機能において、Frontlineのユーザーは「閲覧者」または「閲覧者(コメント可)」の権限しか付与されません。共有ドライブ内に新しくファイルを作成したり、既存のファイルを直接編集したりする権限は持っていない点に注意が必要です。

現場スタッフが共有ドライブ内のファイルを直接編集する必要がある場合、上位プランを持つ管理者が該当のファイルごとに個別の編集権限を付与して対処できますが、運用が複雑になってしまいます。該当スタッフには、FrontlineではなくBusiness Starterなど通常のプランを割り当てるほうが、現実的です。

既存のプランからFrontlineへのダウングレードは原則不可

Google Workspace Frontlineを導入するにあたり、まずは最小限の「Frontline Starter」から開始し、現場での活用状況に応じて、後から上位プラン(Frontline StandardやPlus)へ段階的なアップグレードが可能です。一方で、Frontlineプランの適用には「現場スタッフである」という厳格な資格要件があり、基本的にBusiness/Enterpriseプランからの移行(ダウングレード)は想定されていません。

もし「利用資格のないデスクワーカーが、Frontlineのアカウントを取得している」とGoogleが判断した場合、Frontlineアカウントへのアクセスを制限される場合があります。そのため、ダウングレードによる見直しを前提とせず、「対象となる現場スタッフ」を正確に特定した上で、中長期的な視点でライセンス計画を策定することが重要です。

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Frontline導入と組み合わせの相談は正規代理店へ

Google Workspace Frontlineは、オフィスのデスクワーカー向けであるBusinessやEnterpriseプランとの併用を前提としたプランです。実際の導入にあたってはGoogleによる審査があるため、事前にどのプラン同士を組み合わせるか、また各ライセンス数をどのように割り当てるかを綿密に検討しておく必要があります。無駄のないライセンス構成でスムーズに運用を開始するために、Google Workspaceの正規代理店へご相談いただき、導入手続きを進めることをおすすめします。

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