コラム更新日:2026.04.15

Google Workspace Studio は、プログラミングの知識がなくても、 Gemini と連携した自動化フローをノーコードで作成できる機能です。「メールが多くて仕分けが大変」「外部とのやりとりが多くコアの業務に集中できない」などの悩みを抱える現場も、自然言語でフローを設計して作業を効率化できます。

今回は、Google Workspace Studio の活用事例を紹介します。企業の各部門ごとの活用方法や、導入にあたっての料金、制限事項なども解説。Google Workspace の基本機能と Gemini の判断能力を活用して、煩雑な作業にかかる時間と労力を削減し、コアの業務のための時間を取り戻しましょう。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

目次

Google Workspace Studio とは?何ができるのか

Google Workspace Studio は、Google Workspace 内のアプリを横断して業務を自動化できる機能です。以前は「Google Workspace Flows」と呼ばれていた機能で、コード作成は不要。ユーザーが自然言語で指示を出すことで、生成 AI の Gemini が文脈を理解して判断し、自ら推論しながらタスクを実行します。

この Google Workspace Studio は、Google Workspace のプラン料金内で利用できるため、追加コストは不要です。Google 公式のテンプレートが用意されているため、ゼロからつくる手間もありません。「作業を自動化したいが、専用のアプリをつくるほどではない」「自社でコードを書くのは難しい」などでお悩みの方は、Google Workspace Studio を試してみる価値があるでしょう。

▼Google Workspace Studio の使い方は、こちらで詳しく解説しています。

【部門別】Google Workspace Studio の具体的な活用例

Google Workspace Studio は、Gemini による柔軟な判断をフローに組み込めるため、幅広い業務に適用可能です。ここでは、企業における具体的な活用シナリオを紹介します。どのような「スターター(フローを開始するきっかけとなる特定の条件、トリガー)」を AI で検知して、どのような作業を実行するのか、各部門で設計する際の参考にしてみてください。

※本記事に記載の内容は、あくまで参考例を記したもので、個々の業務ごとの可否を保証するものではありません。Google Workspace Studio による業務フローの自動化は、ケースによってその可否やフロー構築方法などに違いがあることに注意し、自社の責任においてご利用ください。

【営業】商談準備と報告業務の効率化

営業部門では、日々発生する大量のコミュニケーションと、付随する事務作業の効率化が課題です。Google Workspace Studio を活用して作業を自動化することで、顧客対応の質を維持したまま、雑務を削減できます。

AI がメールの文脈を判定し優先度を自動分類

受信したメールを AI に判断させて、重要度や緊急度をラベル分けします。重要な商談など優先度の高いメールの見落としを防ぎながら、メール処理にかかる時間を削減します。

  • スターター:Gmail で新しいメールを受信
  • 実行内容:AI がメール本文を分析し、内容の重要度や緊急性に基づいて「重要」「要返信」などのラベルを自動付与

活動成果から週報ドラフトを AI が自動生成

報告書の作成に費やしていた時間を短縮し、担当者は、より生産性の高い業務に時間を使えるようになります。

  • スターター:指定した曜日や時刻(例:毎週金曜日の 17 時)
  • 実行内容:Google スプレッドシート や Google ドキュメント に記録された 1 週間の活動データから情報を取得し、Gemini が要約・分析して週報のドラフトを作成

【人事・採用】候補者対応と事務手続きの自動化

人事部門では、採用候補者との日程調整や入社手続きなど、煩雑な作業が発生します。Google Workspace Studio は、これらの定型的なやりとりを自動化し、ヒューマンエラーの削減に寄与します。

AI が候補者とやりとりして面接日程を調整

候補者とのやりとりを AI に任せることで、煩雑なメールの往復を削減します。

  • スターター:応募者から希望日程が含まれるメールを受信
  • 実行内容:Gemini がメールから希望日時を抽出し、面接官の Google カレンダーの空き枠と照合して、自動的に会議の招待状を送信します

属性に応じた入社手続きの個別案内

手続きを自動化することで、入社手続きの属人化を解消し、抜け漏れのないスムーズな受け入れ体制を構築します。

  • スターター:採用管理用の Google スプレッドシートで、ステータスが「内定承諾」に変更されたとき
  • 実行内容:新入社員の属性(職種や拠点など)に応じて必要な提出書類リストを生成。提出依頼メールを自動送信し、進捗を Google スプレッドシートに記録

【経理・法務】書類確認と期限管理の自動化

経理や法務の業務では、書類の正確性と期限の遵守が求められます。Google Workspace Studio で、Gemini による自動チェックフローを構築することで、人的コストを抑えつつガバナンスを強化できます。

領収書の読み取りと経費申請を AI が自動チェック

提出された領収書について、経理担当者の審査時間を短縮するとともに、手作業による入力ミスや見落としを予防します。

  • スターター:従業員が経費申請用の Google フォームを送信
  • 実行内容:添付された領収書の画像を Gemini が解析し、Google スプレッドシート上の社内規定と照らし合わせて、不備や規定違反がないか自動判定

AI が契約書更新日を読み取ってリマインド

契約更新忘れのリスクを最小化し、担当者の管理負荷を軽減できます。

  • スターター:Google ドライブの指定フォルダに、新しい契約書(PDF など)が保存された
  • 実行内容:Gemini が文書内の「契約期間」や「更新期限」を読み取り、期限の 1 か月前などに Google Chat や Gmail で担当者に通知を送信

【購買・資材】発注業務と納期回答の迅速化

資材調達や在庫管理の現場では、情報の抽出や比較といった作業に時間がかかります。データの整理から書類作成までを、Google Workspace Studio がサポート可能です。

残りの在庫数から発注提案と書類作成を自動化

迅速な対応によって、在庫不足による機会損失を防ぐとともに、発注業務のスピードを向上させます。

  • スターター:Google スプレッドシートで管理している在庫数が、規定値を下回ったとき
  • 実行内容:過去の発注実績や需要予測に基づいて Gemini が最適な発注数を計算し、発注書(Google ドキュメントなど)を自動生成して承認担当者に通知を送信

複数の見積書から主要項目をAIが抽出し比較表を作成

複数の書類からデータを転記する手間を削減して、意思決定の迅速化につなげます。

  • スターター:Gmail で複数の見積書(PDF など)を受信し、Google ドライブ内の指定のフォルダに保存したとき
  • 実行内容:Gemini が各見積書から「価格」「納期」「保証期間」などを抽出し、比較検討用の Google スプレッドシートを自動作成

【カスタマーサポート】問い合わせ対応の品質向上

カスタマーサポートでは、迅速な初期対応と適切な回答の提供が不可欠です。Google Workspace Studio を導入することで、24 時間体制のサポート補助を実現できます。

問い合わせ内容の自動返信 とチャット通知

AI が問い合わせに対して「受信した」旨を自動返信します。同時に、担当部門にチャットで通知することで見落としを防ぎ、顧客満足度の向上と迅速な対応を実現します。

  • スターター:問い合わせ用の Google フォームが送信されたとき
  • 実行内容:Gemini で自動返信しながら、担当部門の Google Chat スペースへ通知を飛ばす

過去の FAQ から最適な回答案を AI がドラフト作成

AI が回答のドラフトを作成することで、オペレーターの回答作成にかかる負担を軽減し、回答の品質を均一化できます。

  • スターター:新しい問い合わせメールを受信する
  • 実行内容:Gemini が社内の FAQ 集やマニュアルを参照し、問い合わせ内容に基づいた最適な回答案をメールの下書きとして作成

Google Workspace Studioの対象プランと料金形態

Google Workspace Studio は、Google Workspace の Business および Enterprise の全プランで利用できます。追加費用なしで利用でき、新たな導入コストは不要です。個人向けの無料アカウントでは利用できないため、未契約の法人で利用する場合は、Google Workspace の導入をご検討ください。

多くの企業が検討する Google Workspace の主要プランはこちらです。

  Business Enterprise
Starter Standard Plus Standard Plus
価格
ユーザー1人あたりの月額
(年間契約の場合)
¥800 ¥1,600 ¥2,500 ¥3,060 ¥3,980
利用可能人数 ~300人 ~300人 ~300人 無制限 無制限
ストレージ容量
ユーザー1人当たり
30GB(プール) 2TB(プール) 5TB(プール) 5TB~(プール) 5TB~(プール)
生成 AI 機能
(機能制限あり)

※一部機能の範囲は、契約プランによって異なる場合があります

利用前に知っておきたい3つの注意事項・制限事項

導入にあたっては、ツールの仕様上の上限や、管理上の設定など、制限事項について理解しておく必要があります。

エージェント作成数やステップ数に上限がある

Google Workspace Studio は強力なツールですが、利用に一定の上限が設けられています。

  • 作成可能なフロー数 : 1 ユーザーあたり 最大 100 個(停止中も含む)
  • 1 フロー内のステップ上限 :最大 20 ステップ
  • Gmail 開始条件:新しいメールから開始できるアクティブなフローは 25 個まで
  • 実行回数の制限 : ユーザーあたりの 1 日の合計実行数にも上限があり、これに達すると、24 時間経過するまですべてのフローが一時停止

管理者による設定が必要

利用に際し、管理者が Google Workspace の管理コンソールから、設定を有効化する必要があります。また、フロー内で AI 機能(Gemini)を利用するためには、Google Workspace 内で Gemini が利用できることも必須です。Workspace Studio の利用が「オン」に設定されているか、Gemini が Google Workspace 内で使用できるか、管理者にご確認ください。

外部ツールとの連携は制限される

Google Workspace Studio は主に Google Workspace アプリ間の連携に特化しており、外部ツールとの連携には制限 あります。2026 年 4 月時点では、Google Workspace Studio の拡張は「限定プレビュー版」となっているため、外部連携については必ず最新情報をご確認ください。

▼生成 AI 活用の環境構築から運用支援まで。TSクラウドは組織の生成 AI 活用をサポートしています。
Google Workspace の生成 AI Gemini 活用を進めたいとお考えでしたら、まずはご相談ください。

Google Workspace Studio を活用して働き方を改革!

今回は、Google Workspace Studio 活用事例をご紹介しました。この Google Workspace Studio は、Gemini という強力な AI を、現場の誰もがノーコードで業務に組み込める画期的な機能です。単純なデータ転記から文脈判断を伴うものまで、幅広い活用が期待できます。

プログラミングの壁に阻まれて自動化を諦めていた方も、Google Workspace Studio なら「やりたいことを Gemini に伝える」ことからスタートできます。Google Workspace を導入していればプラン内で利用可能で、追加コストはかからないため、まずは、一部の部署のみでメールの自動分類など、小さなことから始めてみてはいかがでしょうか。導入設定やセキュリティに不安がある場合は、専門のパートナーの力を借りながら、AI と共生する新しい働き方を構築しましょう。

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