コラム更新日:2026.08.31

店舗や工場、配送現場などの現場職(デスクレスワーカー)を多く抱える企業では、本部と現場のコミュニケーション不足や、全員分のITライセンス費用によるコスト増大に頭を悩ませがちです。「現場の作業効率を高めたいけれど、全社に高額なライセンスを付与するのは費用対効果が見合わない」と感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

このような課題を解決する手段として注目されているのが、現場で働く従業員向けに安価で提供されているGoogle Workspaceの「Frontline(フロントライン)」プランです。

本記事では、Google WorkspaceのFrontlineを活用してコスト削減と一元的な情報共有を実現した実際の導入事例と失敗しないための注意点などについて詳しく解説します。自社に合わせたライセンス構成の参考にしてください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

※名称変更に関するお知らせ: NotebookLMは、2026年7月に「Gemini Notebook」に名称が変わりました。メディア内では旧名称が利用されていることがあります。その場合は、Gemini Notebookに読み替えてご確認ください。

目次

なぜ「Google Workspace Frontline」が選ばれるのか?現場と本部間の課題

店舗や工場、配送現場などで働く「デスクレスワーカー(デスクやパソコンを専有せずに業務を行う現場職)」と本部の間では、情報共有の壁が大きな課題となります。紙での伝達による遅れや、個人のチャットツールを業務利用するシャドーITによるセキュリティリスクが生じやすいためです。これらの課題を解決するためには、全社共通のITツール導入が有効ですが、全社員に標準プランを付与するとITコストが高騰してしまうという悩みがつきまといます。

デスクレスワーカーのデジタル化を推進するために設計されたプランがFrontlineです。Frontline単体での契約はできず、「Business」または「Enterprise」との併用(プラン混在)が導入の必須条件となっています。現場スタッフ向けに最適化されており、現場に必要な基本機能に絞ることで、コストを抑えつつ安全かつスムーズな情報共有環境を実現できます。

ただし、Frontlineを利用するには、対象となるユーザーがGoogleの定める「現場スタッフ(フロントラインワーカー)」の資格要件を満たしている必要があり、以下のような働き方が想定されています。

  • デスクレスな働き方をしている
  • 仕事中に異なる場所を行き来することが多い
  • モバイル端末を多用している
  • 他のワーカーと仕事用端末を共有している など

上記以外にも要件が定められています。詳細は公式サイトにてご確認ください。

【事例】Google Workspace Frontlineでコスト削減と情報共有を実現した成功パターン

Google Workspace Frontlineの導入により、業務の効率化と運用コストの最適化を同時に達成した成功事例を紹介します。一般企業が直面しやすい「本部と現場の分断」や「ライセンス費用の高騰」といった課題を、どのように工夫して解決したのかを具体的に見ていきましょう。

事例① 現場スタッフのライセンスコストを抑え情報共有を一元化

農産物の流通やEC事業を展開する株式会社 坂ノ途中の事例です。こちらの企業では、農場や配送を担当する現場スタッフが数多く在籍しており、全社でGoogle Workspaceを導入する際のコスト増大が懸念されていました。

そこで、日常的にパソコンで複雑な業務を行うデスクワーク層にはBusinessプラン、スマホや共有端末で閲覧や簡易的な入力をメインに行う現場スタッフにはFrontlineプランを割り当てる運用を採用しました。

このライセンスの混在運用により、全体の月額ライセンス費用を最小限に抑えつつ、業務マニュアルの共有やデータ共有の一元化をスムーズに実現できました。現場から本部への報告スピードが向上し、紙の印刷費用や共有の手間を大きく削減できた成功事例です。

本事例における詳しい導入背景や運用方法の工夫については、以下の記事で紹介しています。

事例② ライセンス最適化でコストを抑えつつコミュニケーションコストを改善

複数の医療施設を運営する、医療法人桂名会重工大須病院の事例です。多職種(医師・看護師・事務など)が混在する中、電話を中心とした連絡による業務の中断や効率低下が課題となっていました。

そこで、データ使用量や外部とのやり取りが多い役職者や一部の部署にはBusinessプランを導入し、メールやチャットの利用が中心となる一般事務職員などの現場スタッフにはFrontlineプランを割り当てる混在設計を採用。

Frontlineは一部の機能が制限される一方、主要な情報共有ツールは十分に利用できます。この特徴を活かし、同社では緊急度の低い日常的な連絡はすべてGoogle Chatへ切り替える運用を徹底しました。コストを抑えつつも、Google Workspaceの強みであるコラボレーション機能で全社の基盤を統一したことで、電話対応が減り、結果としてコミュニケーションコストの改善と業務効率化を実現できた成功パターンです。

具体的な運用ルールの工夫や導入後の変化についてさらに詳しく知りたい方は、以下の導入事例記事をご参照ください。

導入前に確認すべきGoogle Workspace Frontlineの注意点・制限事項

Google Workspace Frontlineはコストパフォーマンスに優れたプランですが、標準のBusinessプランと比較すると一部機能に制限があります。契約後に「必要な作業ができない」という事態を防ぐためにも、事前に確認しておくべき重要なポイントを整理しておきましょう。

1ユーザーあたりのストレージ容量制限

Google Workspace Frontline Starterプランの場合、1ユーザーあたりに割り当てられるGoogle ドライブのクラウドストレージ容量は「5GB」までに制限されています。Business Starterの30GBや、Business Standardの2TB(組織全体で共有)と比較すると、かなり控えめな容量設計となっています。

そのため、現場スタッフ自身が写真や動画などの大容量ファイルを日常的に作成・保存する運用には向いていません。

Frontlineの導入を検討するときは、対象の現場職が「本部の共有ファイルを閲覧・共有することがメインなのか」、それとも「自身でファイルを頻繁に作成・保存するのか」といった事前要件の整理が不可欠となります。要件に応じて、適切なプラン選択を行うようにしてください。

共有ドライブにおける機能制限

Google Workspace Frontlineのユーザーは、組織内で作成された「共有ドライブ」の中にあるファイルの閲覧はできますが、「新規作成」や「アップロード」する権限を持っていません。ただし、ファイルごとに権限を付与することで、編集は可能です。

フォルダの作成者や管理者を固定し、情報の散乱を防ぐ目的としては非常に有効ですが、現場主導で新しいフォルダ階層を自由に作成したい場合などには注意が必要になります。

Tips:共有ドライブの運用ルールを事前に決めておこう

Frontline環境におけるデータの取り扱いやセキュリティ設定について、事前に全社共通の運用ルールを決めておくことが重要です。権限周りのトラブルを抑えるためにも、本部側で共有ドライブを作成・管理し、現場スタッフには適切なアクセス権限を付与する運用設計を行っておきましょう。

失敗しないライセンス設計:「Business×Frontline」の混在設計がカギ

Google Workspaceの導入で費用削減と業務効率化を両立させる最大の鍵は、全ユーザーを同一プランにするのではなく、職務内容に応じた「混在設計」を行うことです。本部には機能が豊富なBusinessプラン、現場には必要最低限の機能が使えるFrontlineプランを割り振ることで、全体のITコストを抑えることができます。

なお、Google Workspaceでプランの混在契約を行うためには、各プラン一定数以上の契約が必要となるなど、各種要件を満たす必要があります。

以下に、100名規模の企業で「全員Business Standard」にした場合と、「Business StandardとFrontline Starterの混在設計」にした場合の概算費用比較をまとめました。

構成 内訳 1ユーザーあたりの月額 全体の月額費用
一律構成(100名) Business Standard 100名 ¥1,600 ¥160,000
混在構成(100名) Business Standard 30名
Frontline Starter 70名
¥1,600
¥520
¥48,000
¥36,400
合計:¥84,400

このように適切にプランを混在させることで、全社導入と比べ月額費用を大幅に削減できる場合があります。自社の業務フローを正しく分析し、最適な組み合わせを選択しましょう。

プラン混在設計におけるルール詳細については以下の記事で詳しく解説しています。

ライセンス最適化と導入サポートは「TSクラウド」へ

自社におけるGoogleWorkspaceライセンスの最適化を含め、事前の初期設定やドメイン移行、初期構築を自社内だけで完結させるのは容易ではありません。

また、Google Workspaceの通常プランとFrontlineを混在して契約・申し込むためには、Googleの営業担当者へ直接問い合わせるか、正規販売代理店を経由して導入手続きを進める必要があります。

TSクラウドは、Google Workspaceの正規販売代理店として、「導入支援サービス」を提供しており、自社に合ったプランのご相談から、スムーズな初期設定、セキュリティ強化まで一気通貫で伴走サポートいたします。

「導入支援や手続きをプロに任せたい」とお考えの担当者様は、TSクラウドの導入支援サービスをご検討ください。

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適切なプラン設計で現場DXと費用削減を両立しよう

Google Workspace Frontlineは、デスクレスワーカーを抱える企業にとって、ITコストを最小限に抑えながら全社のDXや情報共有を強力に推進できる最適な選択肢です。

導入を成功させるポイントは、自社の業務要件をしっかりと精査し、本部向けのBusinessプランと現場向けのFrontlineプランを最適に組み合わせる「混在設計」にあります。ストレージ容量や共有ドライブの機能制限などの注意点をあらかじめ把握し、社内運用ルールを整えておくことで、導入後のトラブルを防ぎスムーズな活用が可能となります。

「他社の詳しい活用事例をさらに見たい」「自社に当てはめた場合の見積もりや導入スケジュールを確認したい」という方は、ぜひ無料の導入資料をご活用いただくか、TSクラウドへご相談ください。適切なプラン設計で、現場の働き方改革とコスト最適化を同時に実現していきましょう。

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