クラウドサービスのセキュリティリスク。情報漏洩・サイバー攻撃から会社を守る対策
コラム更新日:2025.07.30
「業務効率化のためにクラウドサービスを使いたいが、情報漏洩やサイバー攻撃のニュースを見ると不安になる」そう考える経営者は少なくありません。便利なクラウドサービスですが、たった一つの設定ミスが会社の信用を失墜させ、事業を停止させるリスクも潜んでいます。
この記事では、具体的な攻撃事例から、安全に活用するための対策までを徹底解説。高セキュリティのクラウドサービスについても紹介しているので、参考にしてください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
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クラウドサービスのセキュリティリスクとは?
クラウドサービスは、コスト削減や業務効率化に貢献する便利なツールですが、インターネットを介して利用するため、特有のセキュリティリスクが伴います。以下に、クラウドサービスの主なセキュリティリスクを一覧にまとめました。
| クラウドサービスのセキュリティリスク一覧 | |
|---|---|
| 不正アクセス・なりすまし | 盗まれたIDやパスワードで第三者が不正にログイン |
| 情報漏洩 | 人的ミスやサイバー攻撃により、顧客情報や機密情報が外部に流出 |
| サイバー攻撃 | データを人質に取るランサムウェアや、サービスを停止させる DDoS 攻撃などを受けるリスク |
| 設定ミス | 担当者によるアクセス権限などの設定間違いで、意図せず情報が公開 |
| サービス障害・停止 | クラウド事業者側で障害が発生し、自社のサービスや業務が停止 |
これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じていかなければ、企業の信頼や事業そのものに深刻なダメージを与えかねません。クラウドサービスに関するセキュリティリスクを詳しくみていきましょう。
➤会社の「信用」に関わるセキュリティリスク
クラウドサービスのセキュリティリスクの中でも、最も警戒すべきは「情報漏洩」です。実際に、クラウドサービスを利用する上での設定不備により、個人情報や非公開情報が誰でも閲覧できる状態になってしまう例が毎年のように起きています。
自社のセキュリティが強固でも、取引先や関連会社などを巻き込んだ「サプライチェーン攻撃」の被害も深刻です。顧客情報や機密情報が一度流出すれば、企業の社会的信用は大きく損なわれます。
➤事業が突然ストップするセキュリティリスク
サイバー攻撃は、情報漏洩だけでなく事業活動そのものを停止させる深刻なリスクをもたらします。その代表例が「ランサムウェア攻撃」です。
もし社内の共有データが保存されたクラウドサービスがランサムウェアの標的になれば、全てのファイルが利用できなくなり、業務は完全に停止します。具体的な事例を紹介します。
近年の手口は、データを暗号化して身代金を要求するだけでなく、事前に窃取した機密情報や個人情報を「ダークウェブで暴露する」と脅す「二重恐喝」が主流です。さらに、DDoS攻撃を仕掛けたり、顧客や取引先に直接連絡したりするなど脅迫は悪質化しています。
参考:IPA『情報セキュリティ10大脅威』『制御システムのセキュリティリスク分析ガイド補足資料:制御システム関連のサイバーインシデント事例シリーズ』
古いサーバーを使い続けるのは安全?実はリスクも
「クラウドは不安だから」と自社運用のオンプレミスサーバーを使い続ける企業もみられますが、こちらも決して安全とは言えません。専門のIT担当者がいない企業では、日々のメンテナンスやセキュリティアップデートが疎かになりがちで、結果的にクラウドサービスよりも危険な状態で運用してしまっているケースも少なくないのです。
警視庁では、サポートが終了した OS やソフトウェアを使い続けることの危険性を繰り返し警告しています。実際に、サポート切れのサーバーや OS の脆弱性を放置した結果、そこを突かれて不正アクセスされ、ランサムウェアに感染する被害が後を絶ちません。
これらの危険に対して対策をしながら、オンプレミスサーバーを運用するにはコストも手間もかかるため、気づかないうちに経営を圧迫している可能性もあります。
クラウドサービスのメリットとデメリット
クラウドサービスへの移行を検討する上で、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが重要です。
| 項目 | クラウドサービス | オンプレミス(自社運用) |
|---|---|---|
| セキュリティ管理 | サービス提供者と利用者で分担 | すべて自社で行う |
| 災害対策 | Gサービス提供者のデータセンターで対策 | 自社での対策が必要 |
| 運用コスト | 月額利用料など。基本的に一定 | データセンター費用、電気代、保守・運用人件費など。変動しやすく高額 |
| システム更新 | 自動が原則 | 手動が原則 |
クラウドサービスの最大のメリットは、サーバー機器の購入が不要なため初期費用を抑えられ、運用・保守をサービス提供事業者に任せられる点です。これにより、自社の負担を大幅に軽減できます。
一方、デメリットとしては、自社のセキュリティポリシーに合わせて細かく設定できない場合があることや、サービス提供事業者側で障害が発生すると、自社では何もできず復旧を待つしかない点が挙げられます。
クラウドサービスのセキュリティ対策のポイント
クラウドサービスのセキュリティは「責任共有モデル」という考え方が基本です。例えば、インフラの堅牢性については事業者が責任を持ちますが、アカウント管理やデータへのアクセス権限の設定は利用者側の責任です。
つまり、クラウドサービスを安全に利用するには、利用者側での対策も不可欠です。対策は大きく「組織的対策」と「技術的対策」に分けられます。
➤人・ルールによる組織的対策
クラウドサービスを使い始める前に、セキュリティ研修の実施や明確なルール整備といった「組織的対策」が重要になります。例えば、以下のような対策です。
- セキュリティ教育と訓練の実施
全従業員を対象に、情報セキュリティの重要性や具体的な脅威(不審なメールの見分け方など)について研修を行う。 - 明確なルールの策定と周知
パスワードの管理方法、私物デバイスの利用(BYOD)、データの取り扱いなど、全社で守るべきルールを明確に定める。 - シャドーIT の禁止と利用サービスの管理
会社が許可していないクラウドサービスやアプリの業務利用を禁止し、会社として利用するサービスを正式に管理する。
特に、会社が許可しないサービスを勝手に使う シャドーIT は重大なリスクです。組織全体でセキュリティ意識を高め、ルールを守る文化を醸成することが、真の安全につながります。
➤システムで防御!技術的対策
技術的対策とは、システムの機能を用いて脅威から情報を守るアプローチです。例えば以下のような対策です。
- 多要素認証(MFA)の導入
ID/パスワード に加えて、スマートフォンへの確認コードなどを組み合わせ、なりすましによる不正ログインを阻止する。 - データの暗号化
万が一データが盗まれても、中身を読み取られないようにする。保存データと通信データの両方を暗号化することが重要。 - アクセスログの監視
「いつ、誰が、何をしたか」を記録・監視し、不審な操作や不正アクセスの兆候をいち早く検知する。
IDとパスワードだけの認証は危険なため、多要素認証(MFA)など厳格なアクセス制御が不可欠です。さらに、万が一の漏洩に備えたデータの暗号化や、不審な操作を検知するログ監視を組み合わせることで多層的な防御を実現し、セキュリティレベルを大幅に向上させることができます。
高度なセキュリティ基準で選ぶなら Google Workspace
自社で高度なセキュリティ対策を講じるには、専門知識と多大なコストが必要です。そこでおすすめしたいのが、世界最高水準のセキュリティ基盤を持つ Google Workspace です。
➤情報漏洩を阻止する多層的なセキュリティ
Google Workspace は、情報漏洩を防ぐための「多層的」な防御機能を標準で備えています。
- AI技術を活用した「不審なログインの監視」
- 最新技術による暗号化で不正な読み取りを阻止
AI技術を活用した「不審なログインの監視」機能は、普段と違うデバイスからのアクセスなど、不審なアクティビティを検知し、アカウントの乗っ取りを阻止します。
強固な「暗号化」も情報漏洩を防ぐために非常に重要な機能です。Google ドライブに保存されたデータはもちろん、通信経路上でやり取りされるデータもすべて最新の技術で暗号化し、Google Workspace が情報を守ってくれます。
➤ウイルス対策も万全。迷惑メールのブロックやウイルススキャン
ビジネスにおけるサイバー攻撃の入り口として最も多いのが、ウイルス付きのメールです。Gmail は、この脅威に対しても非常に強力な防御力を発揮します。
- 危険なメールは99.9%以上ブロック
- 添付ファイルを自動ウイルススキャン
Gmail は、99.9%以上の精度でスパム、フィッシング詐欺、マルウェアをブロック。さらに、受信したメールの添付ファイルはすべて自動的にウイルススキャンが実行されます。これらの高度なセキュリティ対策機能が、バックグラウンドで常に作動し、あらゆる攻撃から守ってくれるのです。
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セキュリティ対策を強化してクラウドサービスを安全に活用しよう
本記事では、クラウドサービスに伴うセキュリティリスクと、その具体的な対策について解説しました。情報漏洩やサイバー攻撃は、企業の信用と事業継続性を脅かす深刻な問題ですが、リスクを正しく理解し、適切な対策を講じることで、クラウドの利便性を安全に享受することが可能です。
しかし、技術的対策から組織的対策まで、すべてを自社だけで完璧に行うのは容易ではありません。だからこそ、導入するクラウドサービス自体のセキュリティレベルが重要になります。Google Workspace のように、世界水準のセキュリティ機能が標準で組み込まれているサービスを選ぶことは、効率的なセキュリティ投資といえるでしょう。
クラウドサービスのセキュリティに関して、自社だけで対策するのは不安な点も多いのではないでしょうか。
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