AppSheet とは?何ができるか、活用例や料金プランを解説
コラム更新日:2024.11.05
働き方が見直されている今、業務改善を目的に DX化 を目指す企業も増えています。しかし、IT人材 の不足が深刻化し、システム開発の内製化が難しい場合も多いです。
そこで、非エンジニアでもアプリを作成できるノーコードツールが注目されています。AppSheet(アップシート)もその一つで、プログラミング不要でアプリを開発できるプラットフォームです。本記事では、 AppSheet とは何か、特徴やできること、料金プランなどを解説。開発できるアプリの具体例と併せてご紹介します。
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AppSheet とは
AppSheet とは、Google が提供するノーコードでアプリを開発できるプラットフォームです。エンジニアではない、現場で働く人がアプリを作れることを目的に、サービスが開始されました。
AppSheet のアカウント認証は、 Google 以外にも Microsoft や Apple、 Dropbox 等にも対応しています。また、他の Google サービスとの連携もできることから、世界ではすでに AppSheet を使ったアプリが数多く開発されています。
AppSheet はクロスプラットフォームを採用しているため、PCだけでなく、スマホやタブレットにも対応したアプリを制作できます。
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AppSheet の特徴
AppSheet には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは AppSheet の代表的な特徴を4つ紹介します。
➤ノーコードでのアプリ開発を実現
ノーコードでアプリを開発できるのが、 AppSheet の最大の特徴です。ノーコードとは、プログラミング言語を使用してソースコードを作成する、「コーディング」作業のいらないアプリ開発手法の一つです。そのため、プログラミングの専門知識を持たない非エンジニアでもアプリ開発がおこなえます。
IT人材 の不足が深刻化する中、 ノーコード開発ができる AppSheet の活用は、企業にとって非常に有益と言えるでしょう。
➤開発期間の短縮
AppSheet は、アジャイル開発に最適なプラットフォームであることから開発期間の短縮が期待できます。アジャイル開発とは、短期間で開発から実装、テスト、改善をスピーディーにおこなえる開発手法です。
AppSheet を活用すれば、アプリ開発会社を通さず現場でテストから改善を短時間で繰り返すことができます。ちょっとした課題をその場で解決できるようになるほか、実際にアプリを使用する現場担当者の声も反映しやすいのが特徴です。
➤わかりやすい操作方法
AppSheet では、直感的かつわかりやすいインタフェースを通じて自身のアイデアを形にしていきます。難しいプログラムは一切不要で、機能やデザインをプルダウンリストから選択、ドラッグ&ドロップで並べ替えるなど、簡単な操作だけでアプリの基本機能が作成可能です。
➤デザインや機能は豊富なテンプレートから選択
AppSheet では、豊富なテンプレート「App templates」が用意されているため、工数をかけずに UI を作成できるのが特徴。テンプレートは、さまざまな業種や用途に対応しているため、自社のニーズに合ったものを選択・カスタマイズするだけで簡単にアプリを開発できます。
アプリ開発において最も工数がかかると言われているのが、UI(ユーザーインタフェース)の構築です。テンプレートの活用により、開発工数の大幅な削減が期待できます。
AppSheet で何ができる?
AppSheet はアイデア次第で活用の幅が広がります。ここでは、 AppSheet でできる主な機能を3つ紹介します。
➤Google サービスとの連携
AppSheet は、 Google カレンダーや Google ドライブなど Google サービスとの連携ができます。連携できる代表的な Google のサービスには、以下が挙げられます。
- Google ドライブ
- Google カレンダー
- Google フォーム
- Google スプレッドシート
- Gmail
Google ドライブは、AppSheet で使用するデータ置き場として活用でき、Google スプレッドシートは、アプリのデータソースとして使用できます。Google スプレッドシートを基にアプリを作成することも可能なため、顧客情報をまとめた Google スプレッドシートを用意しておけば、数クリックで顧客管理システムを構築できます。
また、Google カレンダーと連携した営業活動のスケジューリングや、Google フォームの回答が追加された際に自動でメールを返信したり、Google チャットに通知したりとさまざまな活用方法があります。
このように、それぞれのツールで管理しているデータを、 AppSheet でまとめて一元管理できるようになるのも大きなメリットです。
さらに、AppSheet は、Google サービス以外にも、ファイル共有サービスや Microsoft Office の各種サービス、slack、chatwork、teams など外部サービスとも連携できます。
多岐にわたるサービス連携により、多彩な機能を持ったアプリ開発が実現できるでしょう。
➤スプレッドシートなどのデータベースの作成
AppSheet は、 アプリから Google スプレッドシートへ新規の入力や編集も可能です。
そのため、作成したアプリで取得したデータを、Google スプレッドシートや Excel などに入力してデータベース化することもできます。
➤Automation 機能による作業の効率化
AppSheet には、「AppSheet Automation」という、 作業を自動化する RPA (Robotic Process Automation)機能が備わっています。この Automation 機能により、複数のファイルへのデータ入力やメールの一斉送信といった、日常的に発生する定型作業を自動化できます。
これまで時間がかかっていた作業を AppSheet で自動化することで、作業の効率化が図れます。
Automation には、以下の6つの機能がタスク(Task)として定型化されています。
タスク(Task)名 | 活用事例 |
---|---|
Send an email メールを送信する |
・ボタンクリックで完了通知メールを送信する ・Googleフォームで受け付けた問い合わせに、定型文で返信する |
Send a notification 通知を送信する |
・担当者のモバイルデバイスにプッシュ通知を送信する |
Send an SMS message SMSメッセージを送信する |
・担当者のモバイルデバイスにSMSメッセージを送信する(日本は対象外) |
Call a webhook 外部サービスと通信する |
・LINE などの外部サービスにプッシュ通知する |
Create a new file 新規ファイルを作成して保存する |
・見積書、納品書、請求書などの PDF を作成する ・顧客リスト、受注リストなどの Excel ファイルを作成する |
Call a script GAS(Google Apps Script)を実行する |
・AppSheet だけではできない複雑な処理を実行する ・外部サービスと連携する |
Send a chat message チャットメッセージを送信 |
・チャットのスペースに、イベントに基づいたチャットメッセージを送信する自動化ボットを構成する |
上記であげた活用事例はあくまで一例です。また、AppSheet の無料プランでは機能が一部制限される場合があります。すべての機能を使うには、後述する有料プランの契約が必要です。
AppSheet の詳しい使い方については、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:AppSheet の基本的な使い方。初心者でもわかるアプリ開発
AppSheet で開発できる主なアプリの例
AppSheet で開発できるアプリの中から、業務の効率化に役立つ例をいくつか紹介します。
AppSheet の活用事例 | ||
---|---|---|
顧客管理システム | ・顧客情報や取引履歴などの記録 | |
日報管理システム | ・日々の業務の報告 ・進捗や成果の集計・管理 |
|
予約・受注管理システム | ・予約や注文の受付 ・予約状況の把握・管理 |
|
タスク管理システム | ・業務タスクの追跡 ・進捗状況の可視化・管理 |
|
在庫管理システム | ・在庫情報の管理 | |
ワークフローシステム(電子稟議) | ・さまざまな承認プロセス処理 |
日報や注文、稟議書など、紙による事務処理を AppSheet により電子化および自動化することで、作業の手間やコストを削減できます。日報を電子化すれば、出先や移動中など場所を選ばず作成、提出できるうえ、時間や業務内容の集計もできます。
在庫管理システムでは、商品をバーコードスキャンで管理できるため、管理の工数削減だけでなく、品名や商品コードの入力間違いなど人的ミスの防止にもつながります。また、 Automation 機能を利用すれば、在庫量が一定数を下回った際にアラートメールが送信されるよう設定することも可能です。
このように、日々の業務の中にも AppSheet で効率化できることが数多く存在しています。
在庫管理アプリの作成方法は、以下の記事にて画像付きで解説しています。こちらもぜひ、ご活用ください。
参考記事:7ステップで完成!AppSheet で在庫管理アプリを作成する方法
AppSheet の料金は?
AppSheet は、Google アカウントを持っていれば無料で利用できますが、使えるサービス内容に制限があります。ここでは、有料プランとの違いと料金について詳しく解説します。有料プランを検討する際に参考にしてください。
➤無料アカウントは制限付きで利用可能
AppSheet は、Google アカウントを取得すれば無料で利用できます。しかし、無料プランでは、アプリの共有人数や機能に制限があります。有料プランとの違いは以下の通りです。
無料(Prototype) | 有料(Deployed) | |
---|---|---|
共有人数 | 10人まで | 10人以上 |
デプロイ(公開) | ✕ | ◯ |
商用利用 | ✕ | ◯ |
機能制限 | あり | 解除(プランによって異なる) |
有料プランとの一番の違いはデプロイ(公開)できるかどうかです。デプロイとは、作成したアプリを公開して実際に運用するプロセスを指します。無料プランでは、アプリの作成とテストまではできますが、デプロイができません。そのため、作成したアプリを10人以上のユーザーに公開したい場合には、有料プランへの切り替えが必須となります。
➤AppSheet のプラン
AppSheet の有料プランは、「Starter」「Core」「Enterprise Plus」の3つがあります。
それぞれの特徴を理解して、自社に合ったプランを選びましょう。
プラン名 | 特徴 |
---|---|
AppSheet Starter | ・基本的な認証方式 ・スプレッドシートに接続するアプリの開発・利用 ・AppSheet データベース |
AppSheetCore | ・Starter の全機能 ・QR コード / バーコードスキャン ・Webhook ・アプリごとのユーザー管理機能 など |
AppSheet Enterprise Plus | ・AppSheet Core の全機能 ・高度な認証 ・Odata や Google AI との連携 ・組織管理者による組織内のアプリ一元管理 ・優先顧客サポート など |
個人での利用や小規模のアプリケーションを開発したい場合は、Starter プランをおすすめします。
Core プランは Starter プランの全機能に加えて、高度な機能や自動化、セキュリティ機能などが備わっています。中規模ビジネスでのアプリケーション開発におすすめです。
Enterprise Plus プランは Core プランの全機能に加えて、高度なデータ管理や認証、 Google AI などのサービスや優先的な顧客サポートが利用できます。大規模なアプリケーション開発をおこなう大企業や組織に最適です。
➤Google Workspace ユーザーは無料で利用可能
Google Workspace ユーザーの場合、 ほとんどのプランで AppSheet Coreプラン を追加料金なしで利用できます。
Google Workspace のさまざまなツールとの連携が可能なため、AppSheet をハブとして使用することで活用の幅がさらに広がります。
- Google チャットや Gmail からアプリケーションへアクセス
- Google フォームで受信した問い合わせに自動で返信メールを送信
- Google カレンダーを使ったスケジュール連携 など
上記は、連携でできることの一例です。Google Workspace と合わせた活用で、より業務効率化が図れます。
AppSheet でできることを理解して業務プロセスを効率化しよう!
本記事では、AppSheet の特徴やできること、料金について解説しました。AppSheet は、プログラミングなしで誰でも簡単にアプリを作成できる Google が提供するツールです。ほかの Google サービスとの連携はもちろん、さまざまな外部サービスやツールとの連携もできることから活用方法は多岐にわたります。AppSheet でなにができるのかを理解して、業務プロセスを効率化するためのアプリ開発に挑戦してみてください。
また、AppSheet と Google Workspace を組み合わせて使うことで、活用の幅が広がり、さらなる効率化につながるでしょう。株式会社TSクラウドでは、Google Workspace の機能や料金について分かる資料を提供しています。無料でダウンロードできますので、こちらもぜひご覧ください。
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