【導入ガイド】AppSheetでできること・料金・注意点を徹底解説
コラム更新日:2026.07.01
働き方が見直されている今、業務改善を目的にDX化を目指す企業も増えています。しかし、IT人材の不足が深刻化し、システム開発の内製化が難しい場合も多いです。
そこで、非エンジニアでもアプリを作成できるノーコードツールが注目されています。AppSheet(アップシート)もその一つで、プログラミング不要でアプリを開発できるプラットフォームです。本記事では、AppSheetとは何か、特徴やできること、料金プランなどを解説します。開発できるアプリの具体例や企業の導入事例も参考にしてください。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。
※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
目次
AppSheet(アップシート)とは
AppSheetとは、Googleが提供するノーコードでアプリを開発できるプラットフォームです。エンジニアではない、現場で働く人がアプリを作れることを目的に、サービスが開始されました。
AppSheetのアカウント認証は、Google以外にもMicrosoftやApple、Dropbox等にも対応しています。また、他のGoogleサービスとの連携もできることから、世界ではすでにAppSheetを使ったアプリが数多く開発されています。
AppSheetはクロスプラットフォームを採用しているため、PCだけでなく、スマホやタブレットにも対応したアプリを制作できます。
AppSheetの特徴
AppSheetには、どのような特徴があるのでしょうか。ここではAppSheetの代表的な特徴を4つ紹介します。
ノーコードでのアプリ開発を実現
ノーコードでアプリを開発できるのが、AppSheetの最大の特徴です。ノーコードとは、プログラミング言語を使用してソースコードを作成する、「コーディング」作業のいらないアプリ開発手法の一つです。そのため、プログラミングの専門知識を持たない非エンジニアでもアプリ開発が行えます。
IT人材の不足が深刻化する中、ノーコード開発ができるAppSheetの活用は、企業にとって非常に有益といえるでしょう。
開発期間の短縮
AppSheetは、アジャイル開発に最適なプラットフォームであることから開発期間の短縮が期待できます。アジャイル開発とは、短期間で開発から実装、テスト、改善をスピーディーに行える開発手法です。
AppSheetを活用すれば、アプリ開発会社を通さず現場でテストから改善を短期間で繰り返すことができます。ちょっとした課題をその場で解決できるようになるほか、実際にアプリを使用する現場担当者の声も反映しやすいのが特徴です。
わかりやすい操作方法
AppSheetでは、直感的かつわかりやすいインタフェースを通じて自身のアイデアを形にしていきます。難しいプログラムは一切不要で、機能やデザインをプルダウンリストから選択、ドラッグ&ドロップで並べ替えるなど、簡単な操作だけでアプリの基本機能が作成可能です。
デザインや機能は豊富なテンプレートから選択
AppSheetでは、豊富なテンプレート「App templates」が用意されているため、工数をかけずにUI(ユーザーインタフェース)を作成できるのが特徴です。テンプレートは、さまざまな業種や用途に対応しているため、自社のニーズに合ったものを選択・カスタマイズするだけで簡単にアプリを開発できます。
アプリ開発において最も工数がかかるといわれているのが、UIの構築です。テンプレートの活用により、開発工数の大幅な削減が期待できます。
AppSheetでできること
AppSheetはアイデア次第で活用の幅が広がります。ここでは、AppSheetでできる主な機能を4つ紹介します。
Googleサービスとの連携
AppSheetは、Google カレンダーやGoogle ドライブなどGoogleサービスとの連携ができます。連携できる代表的なGoogleのサービスには、以下が挙げられます。
- Google ドライブ
- Google カレンダー
- Google フォーム
- Google スプレッドシート
- Gmail
Google ドライブは、AppSheetで使用するデータ置き場として活用でき、Google スプレッドシートは、アプリのデータソースとして使用できます。Google スプレッドシートを基にアプリを作成することも可能なため、顧客情報をまとめたGoogle スプレッドシートを用意しておけば、数クリックで顧客管理システムを構築できます。
また、Google カレンダーと連携した営業活動のスケジューリングや、Google フォームの回答が追加された際に自動でメールを返信したり、Google チャットに通知したりとさまざまな活用方法があります。
このように、それぞれのツールで管理しているデータを、AppSheetでまとめて一元管理できるようになるのも大きなメリットです。
さらに、AppSheetはGoogleサービス以外にも、ファイル共有サービスやMicrosoft Officeの各種サービス、slack、chatwork、teamsなど外部サービスとも連携できます。多岐にわたるサービス連携により、多彩な機能を持ったアプリ開発が実現できるでしょう。
スプレッドシートなどのデータベースの作成
AppSheetは、アプリからGoogle スプレッドシートへ新規の入力や編集も可能です。
そのため、作成したアプリで取得したデータを、Google スプレッドシートやExcelなどに入力してデータベース化することもできます。
Automation機能による作業の効率化
AppSheetには、「AppSheet Automation」という、作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation)機能が備わっています。このAutomation機能により、複数のファイルへのデータ入力やメールの一斉送信といった、日常的に発生する定型作業を自動化できます。
これまで時間がかかっていた作業をAppSheetで自動化することで、作業の効率化が図れます。
Automationには、以下の6つの機能がタスク(Task)として定型化されています。
| タスク(Task)名 | 活用事例 |
|---|---|
| Send an email メールを送信する |
・ボタンクリックで完了通知メールを送信する ・Googleフォームで受け付けた問い合わせに、定型文で返信する |
| Send a notification 通知を送信する |
・担当者のモバイルデバイスにプッシュ通知を送信する |
| Send an SMS message SMSメッセージを送信する |
・担当者のモバイルデバイスにSMSメッセージを送信する(日本は対象外) |
| Call a webhook 外部サービスと通信する |
・LINEなどの外部サービスにプッシュ通知する |
| Create a new file 新規ファイルを作成して保存する |
・見積書、納品書、請求書などのPDFを作成する ・顧客リスト、受注リストなどのExcelファイルを作成する |
| Call a script GAS(Google Apps Script)を実行する |
・AppSheetだけではできない複雑な処理を実行する ・外部サービスと連携する |
| Send a chat message チャットメッセージを送信 |
・チャットのスペースに、イベントに基づいたチャットメッセージを送信する自動化ボットを構成する |
上記であげた活用事例はあくまで一例です。また、AppSheetの無料プランでは機能が一部制限される場合があります。すべての機能を使うには、後述する有料プランの契約が必要です。
▼「自社でも作れそうか、実際の画面を見てみたい」という方は、具体的な作成手順を解説した以下の記事もぜひご覧ください。

AppSheet の基本的な使い方。初心者でもわかるアプリ開発
プログラミングスキルがなくてもアプリを開発できる AppSheet の使い方について、初心者でもわかるよう丁寧に解説します。
AIを活用したアプリ作成(Gemini in AppSheet)
AppSheetには、作りたいアプリのアイデアやビジネスプロセスを自然言語で指示するだけで、AIがアプリを自動作成する機能「Gemini in AppSheet」があります。プログラミングの専門知識がいらないノーコードツールであることに加え、AIのサポートによってアプリ開発のハードルがさらに下がり、より直感的かつスピーディーな業務改善が可能になります。
Gemini in AppSheetは、「AppSheet Core」が利用できるライセンスが必要です。Google Workspaceユーザーなら追加費用なしで使用できます。
AppSheetで開発できる主なアプリの例
AppSheetで開発できるアプリの中から、業務の効率化に役立つ例をいくつか紹介します。
| AppSheetの活用事例 | ||
|---|---|---|
| 顧客管理システム | ・顧客情報や取引履歴などの記録 | |
| 日報管理システム | ・日々の業務の報告 ・進捗や成果の集計・管理 |
|
| 予約・受注管理システム | ・予約や注文の受付 ・予約状況の把握・管理 |
|
| タスク管理システム | ・業務タスクの追跡 ・進捗状況の可視化・管理 |
|
| 在庫管理システム | ・在庫情報の管理 | |
| ワークフローシステム(電子稟議) | ・さまざまな承認プロセス処理 | |
日報や注文、稟議書など、紙による事務処理をAppSheetにより電子化および自動化することで、作業の手間やコストを削減できます。日報を電子化すれば、出先や移動中など場所を選ばず作成、提出できるうえ、時間や業務内容の集計もできます。
在庫管理システムでは、商品をバーコードスキャンで管理できるため、管理の工数削減だけでなく、品名や商品コードの入力間違いなど人的ミスの防止にもつながります。また、Automation機能を利用すれば、在庫量が一定数を下回った際にアラートメールが送信されるよう設定することも可能です。
このように、日々の業務の中にもAppSheetで効率化できることが数多く存在しています。
▼在庫管理アプリの作成方法は、以下の記事にて画像付きで解説しています。こちらもぜひ、ご活用ください。
企業でのAppSheet導入事例
オリジナルプリントウェアの制作を手掛ける 株式会社H.sketch 様は、AppSheetで開発した自社アプリを使った生産・進捗管理を行っています。プログラミング未経験でのアプリ開発で活用したのが生成AI「Gemini」です。自社アプリ活用による転記作業の削減や部署間のリアルタイム連携により、業務スピードが大幅に向上しました。

AppSheet で自社アプリを自作。進捗管理の効率化とデータ集積の仕組み化を両立
【導入事例】AppSheet と Gemini を活用した自社アプリ開発に取り組む 株式会社H.sketch 様の事例を紹介します。
AppSheetの導入前に確認すべき注意点
AppSheetは非常に便利なツールですが、導入前に以下の注意点を確認しておきましょう。
- 自由なUIデザインや複雑な基幹システムの構築には不向き
AppSheetは、用意されたテンプレートやビュータイプ(表示形式)を選択して構築するため、デザインの細かなカスタマイズや、複雑な要件を伴う基幹システムの構築には向いていません。適材適所での活用を心がけましょう。 - 社内での運用ルール(ガバナンス)の必要性
現場の担当者が手軽にアプリを作れる反面、管理者の目が届かないところで独自のアプリが乱立する「シャドーIT」や、作成者の異動・退職でメンテナンスできなくなるリスクがあります。組織導入の際は、開発ルールの策定やアクセス権限の一元管理など、運用体制を整えることが重要です。
AppSheetの料金は?
AppSheetは、Googleアカウントを持っていれば無料で利用できますが、使えるサービス内容に制限があります。ここでは、有料プランとの違いと料金について詳しく解説します。有料プランを検討する際に参考にしてください。
無料アカウントは制限付きで利用可能
AppSheetは、Googleアカウントを取得すれば無料で利用できます。しかし、無料プランでは、アプリの共有人数や機能に制限があります。有料プランとの違いは以下の通りです。
| 無料(Prototype) | 有料(Deployed) | |
|---|---|---|
| 共有人数 | 10人まで | 10人以上 |
| デプロイ(公開) | ✕ | ◯ |
| 商用利用 | ✕ | ◯ |
| 機能制限 | あり | 解除(プランによって異なる) |
有料プランとの一番の違いはデプロイ(公開)できるかどうかです。デプロイとは、作成したアプリを公開して実際に運用するプロセスを指します。無料プランでは、アプリの作成とテストまではできますが、デプロイができません。そのため、作成したアプリを10人以上のユーザーに公開したい場合には、有料プランへの切り替えが必須となります。
AppSheetのプラン
AppSheetの有料プランは、「Starter」「Core」「Enterprise Plus」の3つがあります。
それぞれの特徴を理解して、自社に合ったプランを選びましょう。
| プラン名 | 特徴 |
|---|---|
| AppSheet Starter | ・基本的な認証方式 ・スプレッドシートに接続するアプリの開発・利用 ・AppSheetデータベース |
| AppSheet Core | ・Starterの全機能 ・QRコード/バーコードスキャン ・Webhook ・アプリごとのユーザー管理機能 など |
| AppSheet Enterprise Plus | ・AppSheet Coreの全機能 ・高度な認証 ・ODataやGoogle AIとの連携 ・組織管理者による組織内のアプリ一元管理 ・優先顧客サポート など |
個人での利用や小規模のアプリケーションを開発したい場合は、「Starter」プランをおすすめします。
「Core」プランは「Starter」プランの全機能に加えて、高度な機能や自動化、セキュリティ機能などが備わっています。中規模ビジネスでのアプリケーション開発におすすめです。
「Enterprise Plus」プランは「Core」プランの全機能に加えて、高度なデータ管理や認証、Google AIなどのサービスや優先的な顧客サポートが利用できます。大規模なアプリケーション開発を行う大企業や組織に最適です。
Google Workspaceユーザーは追加料金なしで利用可能
AppSheetを組織で本格導入する最大のメリットの一つは、Google Workspaceとの連携です。Google Workspaceユーザーの場合、ほとんどのプランで「AppSheet Core」プランを追加料金なしで利用できます。
Google Workspaceのさまざまなツールとの連携が可能なため、AppSheetをハブとして使用することで活用の幅がさらに広がります。
- Google チャットやGmailからアプリケーションへアクセス
- Google フォームで受信した問い合わせに自動で返信メールを送信
- Google カレンダーを使ったスケジュール連携 など
上記は、連携でできることの一例です。Google Workspaceと合わせた活用で、より業務効率化が図れます。
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AppSheetでできることを理解して業務プロセスを効率化しよう!
本記事では、AppSheetの特徴やできること、料金について解説しました。AppSheetは、プログラミングなしで誰でも簡単にアプリを作成できるGoogleが提供するツールです。他のGoogleサービスとの連携はもちろん、さまざまな外部サービスやツールとの連携もできることから活用方法は多岐にわたります。AppSheetで何ができるのかを理解して、業務プロセスを効率化するためのアプリ開発に挑戦してみてください。

