電子帳簿保存法(電帳法)とは?義務化はいつから?ポイントと対応策も
コラム更新日:2023.10.02
本記事では、電子帳簿保存法(電帳法)とは?義務化はいつから?などの疑問についてわかりやすく解説しています。電帳法への対応手順や電帳法に関するQ&Aについても触れています。2024年1月から義務化となる電帳法について知り、対応について検討しましょう。
目次
電子帳簿保存法(電帳法)とは?
➤電帳法の概要
電子帳簿保存法(電帳法)とは、企業が事業活動において作成する帳簿や決算書、請求書など国税関係帳簿・書類を、一定の条件を満たせば電子化して保存することを認める法律です。電子帳簿保存法にもとづくデータ保存方法は以下の3種類です。
電子帳簿等保存 | 電子で作成した帳簿類をデータのまま保存する 例:仕訳帳、決算関係書類、自社作成の請求書や領収書など |
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スキャナ保存 | 紙で受領した書類をスキャナ保存する 例:取引先から受領した請求書や領収 |
電子取引データ保存 | 電子的に授受した取引情報をデータとして保存する 例:EDI、メール、クラウド上など電子取引で発生した書類 |
➤対応必須の対象書類
上記の表の「電子取引データ保存」が義務となり、対応必須です。メール添付のPDFやウェブサイトからダウンロードする請求書や納品書、見積書などが対象の書類となります。
➤電帳法の電子データの保存要件
電子取引のデータ保存等にあたって満たすべき保存要件があります。 ポイントとなるのは、「真実性の確保」「可視性の確保」です。
真実性の確保
下記、いずれかの措置をとる必要があります。
- タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
- 保存するデータにタイムスタンプを付与するとともに、保存を行う者または監督者に関する情報が確認できる環境を整える
- 訂正や削除の記録が残る・または訂正や削除ができないシステムを使用する
- 不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守する
可視性の確保
原則、下記すべての措置が必要となります。
- 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備え付け(自社開発のプログラムを使用する場合に限る)
- データの保存場所に、電子計算機・プログラム・ディスプレイおよびプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、かつディスプレイの画面および書面に整然とした形式および明瞭な状態で記録を速やかに出力できるようにしておく
- 検索機能の確保
- 「取引年月日」「取引先」「取引金額」について検索できる
- 「取引年月日」または「取引金額」の範囲指定により検索できる
- 複数の記録項目を組み合わせた条件により検索できる
➤電帳法の電子データの保存期間
帳簿書類については、一定期間保存することが決められています。紙によるか電子保存によるかで、保存期間が変動することはありません。電子帳簿保存法で定められた電子データの保存期間は原則7年間です。
※ただし青色申告、連結申告での繰り越し欠損金の控除では最長10年間の控除が利用できるため、その場合は最長で11年4カ月の保存が必要となります。
電子帳簿保存法に違反すると罰則を受けるリスクもあるため、定められた期間を過ぎるまで適切に保存しなければなりません。
電帳法の義務化はいつから?→2024年1月から!
2022年1月の改正により、電子帳簿等保存手続きについて抜本的な見直しが行われました。 猶予期間が2023年12月まであり、2024年1月より電子取引で発生する文書については、電子データでの保存が義務となります。
電帳法への対応手順
➤STEP1:現状を整理する
現在の業務フローや、社内で発生している電子取引について洗い出し、把握・整理することが必要です。
<電子取引の例>
- メール添付でのやり取り
- Web上でのダウンロード
- EDIシステムでの受領
- 交通系ICカード等の立替精算
経理担当者だけでなく、保存すべき取引情報が誤って破棄されないよう、全社へ周知しておきましょう。
➤STEP2:保存方法を検討する
電子取引におけるデータ保存要件に対応した保存方法を検討しましょう。
<選定のポイント>
- データのバックアップ体制、セキュリティ
- 既存システムとの連動
- 安定的な稼働が可能かどうか
- 導入にかかるコストや時間(導入のしやすさ)
- 設定にかかるサポート体制
電帳法とインボイス制度の関係性
➤インボイス制度とは?
インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、消費税の正確な計算と控除を目的とした制度です。この制度下で、課税事業者が発行する「適格請求書(インボイス)」には消費税の税率や税額が記載され、これを保存することで初めて消費税の仕入額控除が可能となります。特に、食品などの軽減税率商品も含まれるため、正確な税率の適用が求められます。
➤インボイス制度との関係性は?
インボイス制度の導入は、電子取引データの電子保存を前提としています。これは、電帳法の改正と深く関わっており、企業は電子取引のデータを効率的に管理・保存する必要があります。具体的には、インボイス制度での電子取引データの保存と、電帳法での電子帳簿等保存の要件が一緒になって考えられるため、企業はこれらの要件を満たすシステムを導入・運用する必要があります。このつながりを把握し、適切に対応することで、経理業務の効率化と法的なコンプライアンスを同時に確保できます。
電帳法に関するQ&A
➤Google Workspace は電子帳簿保存法に対応している?
はい。Google Workspaceは保存要件に対応しています。
- JIIMA認証を取得した製品で安心して利用できる
- タイムスタンプが不要な「訂正削除の記録が残るクラウド」に該当
- 検索機能の確保 「日付」「金額」「取引先」を検索条件として設定できる
- 大容量ストレージで電子取引データをクラウド上で安全に保管できる
- Google Vault機能により電子帳簿保存法で定める7年以上のデータ保持が可能
Google Vault についての詳細はこちらを参考にしてください。
参考記事:Google Vault の使い方。できること、管理コンソールを使った権限設定も紹介。
また、電子帳簿保存法に対応したデータ保存に加え、ビジネス向けグループウェアとしてGmailやGoogleMeetなど、業務効率化に必須のアプリケーションが使用できます。
対応しているエディションは?
電子帳簿保存法で定める電子取引データ保存に対応するためには、Google Vault機能が付帯する以下のエディションが必要です。
- Business Plus
- Enterprise Standard
- Enterprise Plus
*Business Starter、Business StandardエディションにVault機能のみをアドオンとして追加することは出来ません。
➤電帳法に対応しないと罰則があるの?
電子帳簿保存法に違反した場合、下記3つの罰則が科せられるリスクがあります。
- 青色申告の承認が取り消される
- 推計課税や追徴課税を課せられる
- 会社法による過料を科せられる
➤インボイスにも対応している?
インボイス(適格請求書)を電子取引(EDI取引、電子メール、Webサイトを通じた授受など)による電子データで提供または受領した場合は、電子帳簿保存法に準じた方法による保存が必要です。
Google Workspaceに関する問い合わせはTSクラウドへ
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