メールシステムのセキュリティリスクから会社を守る!対策実践ガイド
コラム更新日:2025.12.18
ビジネスにおける主要なコミュニケーションツールであるメールは、利便性の高さからサイバー攻撃の侵入経路ともなっています。企業を標的としたメール攻撃は増加しており、メールシステムのセキュリティ対策は、企業規模にかかわらず急務です。
今回は、メールシステムを取り巻くリスクと具体的なセキュリティ対策について解説します。メールに起因する情報漏洩リスクを排除し、従業員が安心して仕事に取り組める環境を整備しましょう。
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執筆・監修:TSクラウド編集部
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目次
なぜ今、メールシステムのセキュリティ対策が急務なのか?
メールシステムは、ビジネスコミュニケーションの要であり、機密情報や個人情報など重要なデータが行き交う情報資産の宝庫です。そのため、サイバー攻撃者にとって最も狙われやすい経路の一つともなっています。近年はリモートワークが普及したことで、外部からのアクセスが増加しているため、より強固なセキュリティ対策が必要です
※無料で提供されるメールアカウントは、ビジネス利用を想定した強固なセキュリティ機能や管理体制が不足しています。そのため、企業の機密情報や顧客情報を扱うべきではありません。
メールに潜むセキュリティリスクの具体例
企業が特に警戒すべきメールを起点とした攻撃やリスクには、以下のようなものがあります。情報漏洩や自社の信頼の失墜につながるほか、これらのインシデントへの対応は、調査や専門家への依頼など多大なコストを伴うことがあります。
なりすまし・詐欺
なりすましは、取引先や経営層、あるいは実在する金融機関などを装ったメールを送りつけ、受信者を騙す行為です。具体的には、偽の送金指示を行って金銭を騙し取ろうとする詐欺や、機密情報の送信を不当に要求するなどです。
対策としては、メールの送信元が正当であるかを確認する送信ドメイン認証技術(SPF/DKIM/DMARC)の導入が有効です。また、従業員に対しては、不審な要求に対する警戒心を高めるための教育も重要です。
マルウェア・ウイルス感染
マルウェア(悪意のあるソフトウェア)やウイルスは、メールの添付ファイルや本文中の悪意あるリンクを通じてシステムに侵入します。特に「ランサムウェア」は、一度感染すると企業のデータが暗号化され、事業活動が停止に追い込まれるなど、システムレベルで甚大な被害をもたらします。身代金を要求されるケースも多く、企業は二重の脅威にさらされます。
対策として、メール受信時に多層的なフィルタリングを行うシステムを導入し、不正な添付ファイルやリンクをブロックすることが効果的です。
アカウント乗っ取り
金融機関やクラウドサービスの提供元を装った偽のウェブサイトへ利用者を誘導し、ログイン情報を不正に取得する手口で「フィッシング詐欺」と呼ばれることもあります。一度メールアカウントが乗っ取られると、攻撃者はそのアカウントを悪用してさらなる詐欺メールを送信し、社内や取引先への感染拡大の加害者となってしまう恐れがあり、アカウントの所有企業が感染拡大の責任を問われるリスクもあります。
アカウント乗っ取りを防ぐためには、多要素認証(MFA)の導入などによる認証強化と、定期的なパスワードの更新など、アカウント管理の徹底が必須です。
情報漏洩・誤送信
情報漏洩や誤送信は、悪意のある攻撃だけでなく、従業員の人的ミスによっても発生する重大なリスクです。具体的には、宛先の間違いによるメールの誤送信や、機密情報を含むファイルを誤って添付してしまうといったケースが該当します。これらのミスは、自社の機密情報が外部に流出するだけでなく、顧客や取引先からの信頼を失墜させる原因となります。
企業は、メール送信前のチェック体制を強化するとともに、誤送信防止機能を備えたメールシステムの導入や、従業員への定期的なセキュリティ教育を実施する必要があります。
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今すぐ取り組むべき企業のセキュリティ対策
企業の規模や業種にかかわらず、メールを起点としたセキュリティリスクは存在します。そのため、すべての企業において多層的なセキュリティ対策が必要不可欠です。
従業員への対策:セキュリティ教育の実施
セキュリティ対策における最初の防御線は、従業員自身です。なりすましメールの添付ファイルをダウンロードする、不審なURLを不用意に開くといった人為的なミスは、重大なセキュリティインシデントに直結します。自社を守るために、基本的な対策を組織全体で理解・実践することが重要です。
- 定期的な教育と訓練
フィッシング詐欺やマルウェアなど、最新の攻撃手口について周知徹底し、疑わしいメールを見分けるリテラシーを向上させます。 - 誤送信防止の徹底
メール送信前の宛先や添付ファイルの確認を義務付け、厳格なチェック体制を構築します。 - 緊急時の対応手順
万が一、不審なメールやインシデントを発見した際の報告・対応手順を明確にし、迅速な初動対応を可能にします。
アカウントの対策:認証強化と管理の徹底
メールアカウントは、企業の情報への主要な入り口です。アカウントが不正アクセスや乗っ取りの被害に遭うことを防ぐために、組織的なルール設定と技術的な認証強化が求められます。
- 多要素認証(MFA)の導入
パスワードだけでなく、スマートフォンやセキュリティキーなど複数の要素を組み合わせて認証を行う MFA は、不正ログインのリスクを大幅に低減します。 - 強固なパスワードポリシー
無関係な単語を並べる、間に数字や記号を挟むなど、推測されにくいパスワードを義務付けて、辞書攻撃や総当たり攻撃に対する耐性を高めます。定期的なパスワードの変更も重要です。 - アクセスログの監視
不審なログイン履歴や異常なアクセスパターンがないか、継続的に監視し、早期に異常を検知できる体制を整えます。IP アドレスやタイムスタンプなどのデータを記録・分析することで、いつ・どこで・どのような操作が行われたのかを把握し、不正アクセスを早期に発見します。
メール送信に関する対策:送信ドメイン認証の導入
なりすましメールやフィッシング詐欺を防ぐためには、メールの送信元が正当であることを技術的に証明する「送信ドメイン認証」が必要です。第三者によるなりすましやフィッシング詐欺など、不審なメールの受信そのものを抑止します。
- SPF (Sender Policy Framework)
送信サーバーの IP アドレスを判別し、メールの送信元ドメインが正規のものか、差出人のメールアドレスを偽装していないかをチェックします。 - DKIM(DomainKeys Identified Mail)
送信者がメールに電子署名を付与して、送信元ドメインの正当性を証明します。受信側は署名を検証し、メール内容が改ざんされていないか確認します。 - DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)
単独で機能する技術ではなく、SPF や DKIM の認証結果を利用して、メールのなりすましを検知します。受信側は、送信者が公開しているポリシーを適用して、なりすまし(迷惑メール)と判断したメールを「拒否」または「隔離」できます。
メール受信に関する対策:多層フィルタリングの活用
企業への不審なアクセスを未然に防ぐためには、メールが従業員の受信トレイに届くよりも前に、怪しいメールをブロックする技術的な防御策が有効です。
- 迷惑メール対策システム(アンチスパム)
大量の迷惑メールを検知・隔離することで、従業員の業務効率低下を防ぎます。 - メールゲートウェイ
メールサーバーの手前(ゲートウェイ)に専用のシステムを設置し、メールを監視します。マルウェア、フィッシング、情報漏洩の危険性があるメールを多層的に検査・ブロックします。 - サンドボックス機能
不審な添付ファイルを、ほかの環境から隔離された場所(サンドボックス)で開き、悪意のある動作がないかを確認してから受信トレイへ送り、マルウェア感染などを防ぎます。
これらの多層的なフィルタリングを活用することで、従業員が不審なメールに触れる機会を減らします。
クラウド型はメールセキュリティと利便性を両立しやすい
メールシステムのセキュリティ対策は、大きく 3 つに分類されます。それぞれのタイプには特徴があり、企業の規模や働き方によって最適な選択肢が異なります。
| エンド ポイント型 |
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|---|---|
| ゲートウェイ型 |
|
| クラウド型 |
|
クラウド型メールの特徴。他タイプとの違いは?
クラウド型メールシステムは、IT 専任の担当者が不在の企業でも、最新のセキュリティレベルを維持しやすいのが特長です。機器の購入が不要なため、比較的短期間で導入できるうえ、機器のメンテナンスにかかる手間やコストを削減できます。また、ベンダー企業によってセキュリティ機能が常に最新にアップデートされるため、端末ごとに管理する手間がかかりません。
インターネット接続さえあれば利用できるため、オフィス外で働くリモートワーカーや出張先など、社外で受信したメールも保護できるため、場所を問わない高い利便性とセキュリティを両立します。
Google Workspace で実現するセキュリティ強化
Google Workspace は、メールシステム(Gmail)を含むビジネスアプリケーション群で、次のような強固なセキュリティ機能を備えています。
-
強靭なフィッシング・マルウェア対策
Gmail は AI を活用し、99.9%以上の迷惑メール、マルウェア、フィッシングを自動的にブロックします。 -
データ保護とコンプライアンス
データの暗号化や情報漏洩防止(DLP)機能により、機密情報を含むメールの送信を保護します。 -
高度な認証管理
2 段階認証やセキュリティキーを用いた、より強固な認証を標準機能として提供し、アカウント乗っ取りを強力に防ぎます。
Google Workspace を活用することで、企業はセキュリティレベルを高めながら、業務効率化も同時に実現できます。基本機能や導入事例などを下記の記事で詳しく解説していますので、自社のセキュリティ強化を検討中の方は、ぜひご参照ください。



【事例あり】Google Workspace とは?使い方やできること、料金プランを解説
Google Workspace は、業務効率化と強固なセキュリティを両立する、クラウド型のサービスです。できること、料金、導入事例などを解説しています。
セキュリティと業務効率化を両立するメールシステムを構築しよう
企業にとって、メールシステムは業務効率と情報セキュリティの両方を担うインフラです。巧妙化するサイバー攻撃に対抗するため、従業員教育から技術的な防御策まで、さまざまな策を講じることは急務であると同時に、企業の持続的な成長のための投資となります。セキュリティ対策は一度きりではなく、継続的な取り組みが不可欠です。この記事でご紹介した具体策を参考に、安全で効率的なメールシステムを構築しましょう。

