コラム更新日:2026.08.12

多くのビジネスシーンで活用されているGoogle ドライブですが、ファイルの共有設定に対してセキュリティ上の不安を抱いている方も少なくないでしょう。とりわけ「リンクを知っている全員」という共有設定は、手軽にファイルを共有できるメリットがある一方、情報漏洩リスクが懸念されます。

そこでこの記事では、「リンクを知っている全員」の設定に潜む危険性を整理するとともに、安全にファイルを共有する具体的な方法を解説します。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

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目次

Google ドライブ共有設定「リンクを知っている全員」の情報漏洩リスク

Google ドライブには複数の共有設定があります。このうち「リンクを知っている全員」という共有設定は便利な反面、情報漏洩リスクが高い方法でもあります。リスクを軽減するためにも、まずは「なぜこの設定が情報漏洩につながりやすいのか」という、具体的な危険性について把握しておきましょう。


URLを知っていれば誰でもアクセスできる

Google ドライブの「リンクを知っている全員」という設定は、Webサイトと同じように、データをインターネット上で一般公開している状態です。本来であれば取引先やプロジェクトメンバーなど、限られた相手にのみ共有するはずの社外秘データや個人情報であっても、URLさえ知っていれば誰でも簡単にアクセスできてしまいます。

この設定では、ファイルは無防備で脆弱な状態に置かれるため、第三者に重要な機密情報が抜き取られる(改ざんされる)危険性があります。万が一、URLが外部のWebサイトや掲示板などに投稿されてしまうと、検索エンジンや生成AIに検知され、業務と無関係なアクセスが増加するリスクも排除できません。

アクセス履歴が匿名で「誰が」見たのか特定できない

「リンクを知っている全員」に設定されたファイルは、Googleアカウントへログインなしにアクセスできる仕組みであるため、ログ上で「匿名」として扱われます。そのため企業側で「誰がアクセスしたのか」を確認するのは困難です。

Google Workspaceでは、アクセスがあった日時や、ファイルの操作内容(表示、ダウンロードなど)がログに記録されるため、見られた事実やダウンロードされた形跡はわかります。しかし、アクセスしたのが「社内の人間や業務上必要な関係者」なのか「たまたまファイルのURLを知った第三者」なのかを追跡できない以上、機密情報の外部漏洩を根本から防ぐことはできません。

誤送信やSNS・チャットツールでの二次拡散を防げない

「リンクを知っている全員」という共有設定は、共有相手の善意や「情報の取り扱いに気をつける」といった個人の意識に依存した運用になりがちです。もし、メールの宛先を誤って入力してしまい、まったく関係のない人にURLを誤送信してしまった場合、その誤送信先の相手でもクリックするだけでファイルにアクセスできてしまいます。

さらに懸念されるのは、共有相手が意図的(あるいは無意識)に、SNSやチャットツールにそのURLを貼り付けて、二次拡散してしまうケースです。自社の知らないところでURLが拡散し、不特定多数の人に情報が公開されてしまう危険性があり、個人への注意喚起だけでは防ぎきれません。

個別にアクセス権を制御できない

ビジネスシーンにおいて、人事異動やプロジェクトの完了など、「特定のメンバーだけファイルの閲覧権限を取り消したい」というケースが発生します。しかし、「リンクを知っている全員」という共有設定では、特定の人物だけをアクセス禁止にするような、個別の権限管理ができません

そのため、すでに退職した元従業員や、過去のプロジェクト関係者、あるいは競合他社であっても、URLさえ把握していればいつまでも自社のデータにアクセスできる状態が続いてしまいます。これを防ぐには、共有そのものをやめる(解除する)しかありませんが、そうすると本来は閲覧を許可したい他のメンバーまでファイルが見られなくなり、業務の進行に悪影響を及ぼします。

【現状チェック】「リンクを知っている全員」に設定されたファイルを検索する方法

「リンクを知っている全員」に共有しているファイルは、たとえば自社パンフレットのPDFなど、一般公開を前提としたファイルに限定するべきです。自身のGoogle ドライブ内には、「リンクを知っている全員」に設定されたファイルがどれくらいあるのか、実際に確認してみましょう。

【個人のGoogle ドライブで検索する方法】

Google ドライブの検索窓に「sharedwith:public」とコマンド(検索演算子)を入力します。インターネット上で広く共有(一般公開)しているファイルを検索する演算子で、「リンクを知っている全員」が設定されたファイルを絞り込むことが可能です(自分がほかのユーザーから共有されているファイルも抽出されます)。

【管理コンソールで検索する方法】

  1. 管理者権限のあるアカウントで管理コンソールにログイン
  2. 管理者メニューから「レポート」>「監査と調査」>「ドライブのログイベント」を選択
  3. 検索する期間を設定(デフォルトは過去7日間)
  4. 「フィルタを追加」をクリック
  5. 演算子や値などを設定して「適用」をクリック
  6. 「検索」をクリック、該当するファイルが表示される

※上記は一例で、プランによって検索方法が異なります。また、Google Workspaceの仕様変更により、演算子の運用が変わる場合があります。

企業の安全を守るためには管理者による一括制御が不可欠

Google ドライブの安全な運用ルールを定めたとしても、個人のセキュリティ意識に依存した管理には、どうしても限界があります。意図しない誤送信や設定変更といったヒューマンエラーを完全に防ぐことは困難なため、「システムによる強制的な制御」が不可欠です。具体的には、管理コンソールから以下のように設定します。

  • 組織外共有の制限:共有範囲を同一ドメイン内に限定し、「リンクを知っている全員」の選択肢自体を無効化する。
  • 「共有ドライブ」の活用:個人のマイドライブでの管理を避け、アクセス権限を一元的に統制できる「共有ドライブ」で運用を行う。これにより、退職者やプロジェクトを離れたメンバーのアクセス権を一括で遮断する。

▼管理コンソールで一括制御できるGoogle Workspaceについて、詳しくはこちらをご覧ください。

Google Workspaceで安全に共有するための設定とルール

ビジネスに特化したGoogle Workspaceで、Google ドライブを安全に活用して情報漏洩を防ぐためには、正しい共有設定と明確な運用ルールの徹底が重要です。ここでは、日々の業務ですぐに実践できる、安全な共有ルールのポイントを解説します。

原則は「メールアドレス指定」で特定相手だけに共有する

重要なデータや個人情報を含むファイルを共有する際は、不特定多数に公開される「リンクを知っている全員」は使用せず、原則として、共有設定は「制限付き」で、アクセスを許可する相手のメールアドレスを個別に指定する運用を徹底しましょう。指定のユーザー以外はファイルにアクセスできないため、セキュリティが向上します。また、複数のメンバーにまとめて共有したい場合は、 「Google グループ」を作成し、グループアドレスに権限を付与することで、効率的かつ安全な共有が可能です。

閲覧・コメント・編集など「最小限の権限」を付与する

メールアドレス指定で特定の相手だけに共有する場合であっても、必要以上の権限を与えないことが、セキュリティ対策において重要です。相手が内容を確認するだけで共同編集の必要がない場合は、データの改ざんや二次的な配布を防ぐため、権限を「編集者」ではなく「閲覧者」に制限してください。「編集者」権限を与えてしまうと、意図しないデータの削除や変更、さらにはファイルの共有設定そのものを変更される恐れがあります。

また、より強固な情報保護を求める場合は、「閲覧者」に対するファイルのダウンロード・印刷・コピーを制限する設定も併用します。自社の情報を守るためには、データの外部への持ち出しを物理的に防ぐことが大切です。

メールアドレスを指定して共有する際に有効期限を設定する

メールアドレスで特定の相手に共有する場合は、共有に有効期限を設定できます(個人向けの無料アカウントや、「リンクを知っている全員」で共有する場合は設定できません)。指定の期日を過ぎると自動でアクセス権限が消失し、相手はファイルを閲覧・編集できなくなります。

ビジネスシーンでは、短期間のプロジェクトのような一時的な共有で、「共有設定の解除を忘れたために、長期にわたって外部から閲覧できる状態だった」ということが起こりがちです。特に、社外の人にデータを共有する場合は、「確認用に1週間だけ共有する」など、不要になった時点で自動的にアクセス権が消滅するよう、有効期限を設定する習慣を身につけましょう。

Google ドライブの共有方法を理解して安全な運用を徹底しよう

Google ドライブにおけるファイル共有は、業務効率化に欠かせない便利な機能ですが、一歩間違えれば重大な情報漏洩につながります。パンフレット配布や公開資料共有など、意図的に「リンクを知っている全員」を使っているならよいのですが、社内秘や個人情報を扱うファイルにおいて「リンクを知っている全員」に設定すると情報漏洩のリスクが高まります。ビジネスでは「制限付き」での共有を基本とする運用ルールを徹底し、その上で、Google Workspaceの管理機能を有効に活用して、企業全体で安全なファイル共有環境を構築していきましょう。

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