Googleフォームの企業活用事例。無料版の限界とDX推進法
コラム更新日:2026.09.10
企業において、ペーパーレス化や業務効率化が急務となる中、オンラインで手軽にフォームを作成できるGoogle フォームの活用に注目が集まっています。 従来の手書きの用紙やPDF、メールをベースとした業務フローからGoogle フォームへ移行することで、情報収集の手間を削減し、迅速なデータ共有と分析が可能になります。
本記事では、企業におけるGoogle フォームの導入メリットや具体的な活用シーン、さらには成功事例を詳しく解説します。さらに、Geminiを活用した自動生成機能など、一歩進んだ運用テクニックも紹介しますので、自社の業務改善のヒントとしてぜひお役立てください。
執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。
※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
※名称変更に関するお知らせ: NotebookLMは、2026年7月に「Gemini Notebook」に名称が変わりました。メディア内では旧名称が利用されていることがあります。その場合は、Gemini Notebookに読み替えてご確認ください。
目次
Googleフォームで企業のアナログ業務を脱却!業務効率化の全体像
社内アンケートや日々の申請業務など、紙の書類やメールでのやり取りに追われている企業は少なくありません。特に中小企業では、限られたリソースの中でいかに業務を効率化するかが大きな課題となっています。 そこで注目されているのが、手軽に導入できるGoogleフォームを活用した業務改善です。
これまで手作業で行っていたデータ入力や集計、紙の印刷・配布・回収といったアナログな業務をGoogleフォームに置き換えることで、業務全体の進め方が大きく変わります。
たとえば、作成したフォームのURLをチャットやメールで共有するだけで、従業員はいつでもどこからでもスマートフォンやパソコンを使って回答できるようになります。 さらに、集まったデータはリアルタイムで自動的にグラフ化され、ワンクリックでスプレッドシートにまとまるため、集計にかかる時間を削減できます。このように、Googleフォームは専門的なIT知識がなくても簡単にペーパーレス化を実現し、企業のDXを強力に推進するための第一歩として最適なツールです。
企業におけるGoogleフォームの代表的な活用事例5選
実際に中小企業がアナログ業務をデジタル化し、生産性を向上させた具体的な活用例を5つ紹介します。これらの事例を通じて、自社に導入した際のイメージや業務削減効果、運用上の注意点についての理解を深めていきましょう。
企業における具体的な導入・活用事例
- 求人の承認業務や各種申請手続きの移行
年間14万件以上の事案に対応する大規模な非営利組織では、これまで電子メール、紙、PDFを使って煩雑に行われていた業務フローをGoogle フォームへ移行しました。基本的な社内申請手続きから、時間のかかった求人の承認業務にいたるまで、多くのプロセスをデジタル化しています。
これにより、従来のメールや紙、PDFのやり取りに伴う管理の煩雑さが解消されました。この移行によって、現場のスタッフがスマートフォンやタブレットなどデバイスを問わず、いつでもどこからでも必要なフォームにアクセスできるようになり、「いつでも・どこでもコラボレーションができる環境」を実現しています。時間やコストを実質的に削減し、組織全体の円滑な共同作業を強力に支える好例です。
- 社内トラブル報告の迅速化
欧州でラストマイル配送ビジネスを展開する企業では、倉庫でのシフト終了時にマネージャーが手動で作成したトラブル報告書を、メッセージツール(Slack)へ直接送信する運用をしていました。
しかし、Google Chatへの移行を機に、この報告プロセスをGoogle フォームを利用した効率的な運用へと刷新しました。
報告用のフォームに入力されたデータは、自動的にGoogle スプレッドシートに転送・保存され、さらにBigQueryへと蓄積されて分析ツールで詳細に探索・分析できる仕組みを構築しました。
これにより、手動での集計の手間をなくし、集まったデータを会社全体の意思決定や改善に活かす強力なデータ活用インフラが実現しました。
- 顧客とのコミュニケーションおよびプロジェクト管理
ホームページの新規制作や印刷媒体の制作、映像制作などを展開する株式会社サングラフィカでは、クライアントとのコミュニケーションや進行管理の効率化において、Google フォームが貢献しています。
デザイン制作やWeb制作の現場では、制作データのラリーやお客様との原稿のやり取りが多く、従来の社内サーバーや個別の無料ツールでの共有では、バージョン管理の難しさや情報共有・セキュリティ面に課題を抱えていました。
そこでGoogle フォームを活用し、顧客との制作物に関するやり取りや作業依頼を受け付ける仕組みを構築しました。
期限を設けて回答を締め切る機能を活かすことで、作業締め切りが守られないといった事態を防ぎ、クライアントと何度も頻繁にやり取りが発生するストレスを削減することに成功しています。さらに、企業アカウントとして情報をクラウドで一元的に管理・アクセス制限できるようになったことでプロジェクト管理が容易になり、進行の効率化・円滑化を実現した好例です。
コラボレーションツールならこれ一択!Google Workspace を使い続ける理由
【Google Workspace 導入事例】信州上田市で高品質な事業推進支援を行う株式会社 サングラフィカ。導入するまでの経緯や成果、活用方法についてお話を伺いました。
その他の活用例
- イベント・セミナーの参加申込およびアンケート
自社で実施する社内研修の受講確認やイベントなどの出欠確認において、Google フォームを活用することで作成からデータ集計までの工数を大幅に削減できます。
Google フォームに搭載されたGeminiを活用すれば、たとえば「オンラインセミナーの参加登録フォームを作成して」といったプロンプトを入力するだけで、会話をしながら短時間で新しいフォームを自動生成できます。これにより、ゼロからフォームを作成する手間がありません。
さらに、回答が送信されるとリアルタイムでグラフとして自動集計されるため、参加者の属性や関心といったデータを瞬時に可視化して把握できます。回答データは自動的にGoogle スプレッドシートに記録されるため、手作業で行っていたデータ入力や集計の手間をなくし、集まったデータを迅速な次の施策立案や共同分析に活かすことができます。 - 社内申請・日報・現場報告のペーパーレス化
社内で従来実施されていた、紙やメール、PDFによる各種申請や現場の報告業務を、Google フォームを用いてデジタル化することにより、回答データの自動収集および自動グラフ化が実現します。
この自動集計機能を活用することで、データを手作業で入力・転記する労力が削減され、集計や情報管理に要する工数が大幅に削減されます。また、集計結果がリアルタイムで反映・可視化される仕組みにより、管理者や担当者が現場の状況や発生した問題を迅速に把握し、遅れをとることなく業務環境の改善や意思決定へとつなげられる点も強みです。
Googleフォームの基本設定と作成方法
ここでは、専門知識がない初心者の方でも迷わず導入できるよう、Googleフォームを活用したアンケートや申請フォームの基本的な作成ステップと初期設定について詳しく解説します。
【基本】フォーム作成とスプレッドシート自動連携
まずは基本的なフォームの作り方です。
- Googleドライブから「新規」>「Googleフォーム」を選択するか、フォームのホームページからテンプレートを選んで作成を開始します。


- 画面上の「+」ボタンをクリックして質問項目を追加し、「ラジオボタン(単一選択)」「チェックボックス(複数選択)」「記述式(テキスト入力)」など、用途に合わせて形式を選びます。


- 右上のパレットアイコンの「テーマをカスタマイズ」からは、自社のロゴやコーポレートカラーに合わせたデザイン設定も可能です。

さらに重要なのがGoogle スプレッドシートとの自動連携です。
- フォーム編集画面の上部にある「回答」タブを開き、「スプレッドシートにリンク」を選択します。

- 回答の送信先のスプレッドシートを新しく作成するか、既存のシートを選択して、「作成」をクリックします。

- これにより、フォームから回答が送信されるたび、リアルタイムでスプレッドシートに新しい行としてデータが自動記録・集計されていきます。
【応用】条件分岐を活用した効率的な回答設計
より使いやすいフォームにするために条件分岐という応用テクニックがあります。これは、回答者の前の選択内容に応じて、次に表示する質問やセクションを切り替える機能です。
たとえば、「Q1. 当社の製品を利用したことがありますか?」という質問に対し、「はい」と答えた人には「Q2. 利用した感想を教えてください」というセクションへ進ませ、「いいえ」と答えた人にはQ2をスキップして別の質問へ飛ばす、といった設定が可能です。
設定は、質問の右下にある「その他のオプション」から「回答に応じてセクションに移動」を選択して行います。


これにより、回答者にとって不要な設問をスキップでき、回答の負担を軽減して回収率を高めることができます。同時に、リアルタイムでのスプレッドシート自動集約や、新しい回答があった際のメール通知設定と連携させることで、運用管理の工数も削減できます。
回答率を高めるためのフォーム設計のコツ
回答者の入力完了率を向上させる設計のポイントは、回答者の入力負担を抑えることです。
Google フォームでは、複数ある質問形式からニーズに合わせて選択し、ドラッグ&ドロップ操作で素早く構成できます。テストの作成では、多肢選択式やチェックボックス式、記述式などの質問形式を自由に組み合わせることが可能です。作成したフォームはさまざまなデバイスのUIに対応しているため、回答者はスマートフォンを含め、どのデバイスからでも簡単に開いて入力することができます。
さらに、前の回答に基づいて関連する質問だけを表示する条件分岐をフォームに追加することで、回答者の入力完了率をより向上させることができます。
Geminiによるフォーム作成支援と回答データ分析
最新の活用法として、Googleの生成AIであるGeminiを使ったフォーム作成の効率化があります。
フォーム作成サポート機能を使い簡単なプロンプト(指示文)を入力するだけで、Geminiが目的を汲み取り、適切な設問や選択肢を含んだ下書きを自動生成してくれます。
さらに、収集された回答データを安全にGoogle スプレッドシートにリアルタイムで自動記録・保存させ、Geminiによる回答の要約や分析機能と連携させることで、専門的なコードを書くことなく、フォームの作成からデータ活用までの業務フロー全体をGeminiで効率化できます。(※本機能のご利用にはGoogle Workspace・Google One AI プレミアム等の有料プランへの加入が必要です。)
組織利用ならGoogle Workspaceへの移行がおすすめ
Googleフォームは無料のGoogleアカウントでも手軽に導入できる反面、組織で運用していくにはセキュリティやガバナンスの面でいくつかの限界が生じます。企業で安全かつ高度にフォーム運用を行うためには、ビジネス向けの組織アカウントであるGoogle Workspaceの導入が推奨されます。Google Workspaceへ移行することで得られる、管理体制の強化と業務DXの双方を達成するメリットを解説します。
独自ドメインとアカウント一元管理によるセキュリティの強化
Google Workspaceでは、企業独自のカスタムビジネス用メールアドレスを使用してアカウントを発行・管理します。これにより、無料アカウントのように人数分のアドレスを個別に登録して共有をかける手間がなくなり、グループ機能を活用して細かなアクセス権限をコントロールできるようになります。
また、管理コンソールと呼ばれる管理者向けの画面が備わっているため、すべてのアカウントを企業アカウントとして安全に一元管理することが可能になります。従業員が退職する際も、管理者がアドレス帳やメールの内容、ドライブ内のファイルなど、蓄積されたデータやアカウント情報の引き継ぎを簡単かつ安全に行えるため、情報漏洩や大切なデータ紛失の不安を解消し、組織全体で安心してフォームを活用できる環境を構築できます。
大容量ストレージと他ツール連携による業務効率化
Google Workspaceでは、容量のニーズに合わせてプランを柔軟に選択でき、大きなデータやファイルを扱う企業でも、PCのスペックに影響を与えることなく安全にクラウドへファイルを保存・一元管理できるようになります。
企業アカウントとしてのクラウド管理により、フォルダや収集データの所有権が個人のアカウントに紐付いて分散してしまっていた無料版の課題を解消し、チームでの円滑なデータ共有を実現します。さらに、グループ機能を活用したスムーズなアクセス権限の設定やスプレッドシートへのリアルタイムな自動記録に加え、強固なデータ暗号化や二段階認証、さらには安全なデータ保護の仕組みを保ったままGeminiの連携を活用することで、組織全体の業務自動化とDXを安全に推進していくことが可能になります。
Google Workspaceの詳細や導入ポイントについては、以下の関連記事を併せてご参照ください。

Google Workspaceとは?できること・使い方・料金をわかりやすく解説
Google Workspaceでできることや基本的な使い方、料金プランを徹底解説!Microsoft 365との違い、Geminiなど最新AIの活用法から導入事例まで網羅。
自社に最適なフォーム運用でペーパーレスとDXを推進しよう
Googleフォームは、社内アンケートのデジタル化から、各種申請手続き、トラブル報告、顧客とのコミュニケーションに至るまで、多岐にわたるアナログ業務を効率化できる強力なツールです。無料版でも直感的な作成やスプレッドシートとの連携といった恩恵は十分に受けられますが、企業としてのセキュリティリスクやデータ管理の限界を考慮すると注意が必要です。
企業全体のセキュリティ向上と抜本的な業務プロセス改革を達成するためには、Google Workspaceの導入により強固な保護環境のもとでフォームを運用することが最大の近道です。今回ご紹介したGoogleフォームの具体事例、無料版における懸念事項、ならびにWorkspaceがもたらす導入メリットを理解し、自社の運用体制やセキュリティ方針に応じた最適なデジタル化を推し進め、ペーパーレス化と組織のDXを力強く加速させていきましょう。








