ZoomからGoogle Meetへ移行する方法は?メリットや注意点を解説
コラム更新日:2026.08.27
テレワークの定着にともない、ツール重複やコスト増加に悩む企業が増加しています。特にGoogle Workspaceの導入を検討中の企業では、ライセンス費用の削減や業務効率化を目的に、Web会議ツールをGoogle Meetへ一本化する動きが進んでいます。
ZoomからGoogle Meetへの移行は、単なるコストカットではありません。 Googleのエコシステムをフル活用し、会議設定から資料共有、議事録作成、情報の蓄積までをシームレスにつなぐ「業務フローの最適化」こそが本質です。移行の不安を解消し、生産性を引き上げるための移行戦略を解説します。
執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。
※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
※名称変更に関するお知らせ: NotebookLMは、2026年7月に「Gemini Notebook」に名称が変わりました。メディア内では旧名称が利用されていることがあります。その場合は、Gemini Notebookに読み替えてご確認ください。
目次
ZoomからGoogle Meetへ移行する4つのメリット
ZoomからGoogle Meet への集約には、経営面・実務面で以下の4つのメリットがあります。 特に、コスト削減効果と業務のシームレスな連携は、全社的なDXを推進する上で有効な要素となります。
①経済性:SaaSコストの重複を解消
「チャットは〇〇、Web会議はZoom」というように、機能ごとに異なるSaaSを個別に契約するのはコストがかさむ原因となります。Google WorkspaceにはGoogle Meetをはじめ、ビジネスに必要な機能が揃っているため、業務ツールをGoogle Workspaceへ一本化することで、1アカウントあたり月額数千円規模のコスト削減が可能になります。
請求書の処理や契約更新の手間が省け、コスト管理をシンプルにできる点も、経理部門や情報システム部門にとって大きな魅力といえます。
意外と見落としがちなのが、退職者のライセンス放置です。Google Workspaceのアカウントを削除しても、Zoom側のライセンスを個別に消し忘れて課金が続いていたというケースは少なくありません。Google Meetへの移行は、こうした「隠れた負債」を自動的に防ぐガバナンス強化にも繋がります。
②効率化:スケジュール調整やファイル共有のシームレス化
Google Workspaceの各アプリケーションとのシームレスな連携による業務効率化も、Google Meetならではの大きな強みです。
Zoomも拡張機能やアドオンを使えばGoogle カレンダー との連携が可能ですが、個別のインストールや連携設定が必要です。
一方、Google Meetであれば事前設定は不要です。Google カレンダーで会議の予定を作成する際、「Google Meetのビデオ会議を追加」というボタンを1クリックするだけで、自動的に参加用URLが発行されて共有されます。
また、会議中にGoogle ドライブ内のドキュメントやスプレッドシートを参加者と即座に共有し、同じ画面を見ながらリアルタイムで共同編集が可能です。さらに、Business Standard以上のプランであれば、会議の録画データも自動的に主催者のGoogleドライブに保存され、参加者のカレンダー予定に録画リンクが紐づくため、後から会議内容を振り返る際の手間が大幅に削減されます。
※Google WorkspaceのプランごとのGoogle Meetの機能差については、こちらの記事をご参照ください。
③安全性:Googleアカウント基盤によるセキュリティ・ガバナンス統合
企業において情報漏洩リスクを最小限に抑えるためには、ITツールのセキュリティとガバナンスの統合が不可欠です。
Google Meetへ移行し、Google アカウント基盤に一本化することで、シングルサインオン を通じた安全なアクセス制御が実現します。2段階認証 の設定やデバイス管理といったセキュリティポリシーも、Google 管理コンソールから一元的に適用することが可能です。
さらに、社員が退職したり異動したりする際も、Google アカウントを停止するだけでGoogle Meetを含むすべての業務データへのアクセスを瞬時に遮断できるため、アカウントの消し忘れによる不正アクセスや情報漏洩のリスクを防ぐことができます。
④自動化:AIと文字起こし機能による議事録作成
4つ目の重要な視点として、最新のAI技術を活用した議事録作成の自動化が挙げられます。Google Meetは、Googleの生成AIであるGeminiとの連携を強力に推し進めています。
たとえば、Google WorkspaceのBusiness Standard以上のプランを利用している場合、会議の音声をリアルタイムでテキスト化する文字起こし(トランスクリプト)機能や、Geminiによる自動メモ生成機能を利用できます。
会議中に「メモを取る」機能をオンにするだけで、Geminiが発言内容を分析し、会議の要点や決定事項、次のアクションアイテムを自動的に抽出してGoogle ドキュメントにまとめてくれます。
これにより、これまで手作業で行っていた議事録作成の手間が大幅に削減され、会議終了後すぐに参加者全員へ議事録を共有することが可能になります。特に商談や定例会議が多い営業部門や企画部門において、本来の業務に集中するための強力な支援ツールとなります。
失敗しない!ZoomからGoogle Meetへの移行手順
混乱を最小限に抑えるため、以下の4ステップで進めましょう。
①自社に最適なプランの選定
移行の第一歩として、自社の規模や必要な機能に合わせて最適なGoogle Workspaceのプランを選定しましょう。
プランによって、Google Meetの最大参加人数や録画機能の有無、ノイズキャンセリング機能、そして議事録作成などを支援する「Gemini」機能が利用できるかどうかが異なります。
まずは、現在のZoomの利用状況(平均的な参加人数、録画の頻度や保存容量など)を洗い出し、自社の要件を過不足なく満たすプランを選ぶことがコスト最適化の鍵となります。
各プランの料金等については、以下のページをご参照ください。
Google Workspace プラン比較
Google Workspace の料金から機能の差、公式と代理店の違いまで解説
②Google Workspace環境の設定
次のステップはGoogle Workspace環境の準備です。Google 管理コンソールにログインし、Google Meetの各種機能が組織全体で適切に利用できる状態になっているかを確認します。
具体的には、「アプリ」から「Google Workspace」を選択し、「Google Meet」の設定画面から、録画機能の許可、参加者のアクセス設定、画面共有のデフォルト設定など、自社のセキュリティポリシーに合わせた調整を行います。
また、議事録の自動作成などを目的としてGemini機能を活用する場合は、「Geminiの設定」から「Google AIによるメモ作成」をオンにするなどの事前設定を済ませておきましょう。
管理者が適切に権限をコントロールすることで、運用開始後のセキュリティインシデントやトラブルを未然に防ぐことができます。
③移行過渡期の相互運用設定
移行期間中、社内のすべての会議室やデバイスを即座に切り替えるのが難しい場合や、取引先との兼ね合いでZoomを完全に手放せない期間が発生する場合があります。このような過渡期に非常に役立つのが、デバイスの相互運用機能です。
2023年より、追加費用なしでGoogle MeetハードウェアからZoomミーティングへ参加したり、逆にZoom RoomsからGoogle Meetへ直接参加したりすることが可能になっています。
管理コンソールで相互運用性の設定を有効にしておくことで、既存の会議室のハードウェア資産を活かしながら、利用者の利便性を損なうことなく段階的な移行を進めることができます。トークンを発行して登録するだけの簡単な手順で、ハイブリッドな会議環境を構築できます。
④ユーザー周知と操作切り替え
環境設定が完了したら、いよいよユーザーへの周知と操作の切り替えを実施します。移行の目的を明確に伝え、全社的な理解を得ることが定着化の鍵となります。
簡易マニュアルを配布するとともに、社内ポータルサイトやチャットツールを通じて移行スケジュールを継続的にアナウンスします。また、実務レベルでの混乱を防ぐため、情報システム部門側でGoogle カレンダーの設定を一括変更し、新規で予定を作成する際のデフォルトのビデオ会議ツールがGoogle Meetになるように設定しておくことを推奨します。
これにより、従業員は意識することなく自然とGoogle Meetを利用するようになり、新しいツールへの移行がスムーズに完了します。
移行時に注意すべき3つの課題と対策
事前の準備と社内コミュニケーションによって、スムーズな移行を実現し、業務の停滞を防ぐことができます。
①社内の「使い慣れたツール」からの心理的抵抗
新しいITツールの移行では、「使い方がわからない」「今までの機能がどこにあるのか迷う」といった現場の心理的な抵抗が、プロジェクトの妨げになることが少なくありません。
この課題に対しては、いきなり全社で一斉に切り替えるのではなく、まずは特定の部門で少人数のテスト運用から始め、現場の疑問点を洗い出すことを推奨します。
テスト運用で得られたフィードバックをもとに、自社専用の「Google Meet簡易マニュアル」や「Zoomとの機能対比表」を作成し、社内で周知しましょう。たとえば、録画機能については、Zoomがパソコンへのローカル保存とクラウド保存を選べるのに対し、Google Meetは主催者のGoogle ドライブに直接保存されます。仕様が異なる点を事前にアナウンスすることで、問い合わせを最小限に抑えられます。
特に、画面共有や背景の変更、音声・カメラのテストといった利用頻度の高い機能は、図解入りで解説することで、従業員の心理的ハードルを大きく下げることができます。
②外部取引先への配慮と注意点【そのまま使える案内文テンプレート付き】
自社内での利用はGoogle Meetに切り替えられても、外部の取引先がZoomを指定してくる場合や、取引先がGoogleアカウントを持っていないことを懸念するケースがあります。実際には、Googleアカウントを持っていなくても招待URLをクリックし、主催者の承認を得ることで、誰でもブラウザからゲストとしてGoogle Meetに参加可能です。
取引先に対しては、ツール変更の旨と参加手順を丁寧に案内することが重要です。以下に、そのままコピーして使える案内文のテンプレートをご紹介します。
③ウェビナー機能(Zoom Webinar)の代替・運用切り替え
大規模なオンラインセミナーやイベントを開催する際、Zoom Webinarを利用している企業にとっては、その代替手段の確保が重要な課題となります。Enterpriseなどの上位プランでは、Google Meetにも同一組織内のユーザー向けに最大10万人まで配信できるライブストリーミング機能が用意されていますが、社外の一般参加者を広く募るようなウェビナーにおける参加者管理やQ&A機能においては、Zoom Webinarに分があるケースも少なくありません。
対策として、社内向けの全社会議や研修はGoogle Meetのライブストリーミング機能を活用してコストを抑え、社外向けのリード獲得を目的とした大規模ウェビナーについては、YouTube Liveや他の専門ウェビナーツールを併用するという適材適所のハイブリッド運用を検討するのも一つの手段です。
Google Meet移行時の現場の混乱を防ぐ!トラブル回避チェックリスト
移行の最終確認として、本格稼働の前に、情報システム担当者は以下の項目を確認し、クリアできているかチェックしてください。
これらの項目を事前に確認し、対策を講じておくことで、移行直後の「会議に参加できない」「音が聞こえない」といったヘルプデスクへの問い合わせを削減することができます。
Zoom から Google Meetへ。Google Workspace統合で業務DXを
ZoomからGoogle Meetへの移行は、単なるWeb会議ツールの乗り換えや通信コストの削減にとどまりません。Google Workspaceという統合されたクラウドプラットフォームに業務基盤を集約することで、Google カレンダー、Google ドキュメント、Google ドライブといった日常的に使用するツール群とのシームレスな連携が実現し、組織全体の生産性が向上します。
さらに、Geminiなどの最先端のAI機能を活用することで、議事録の自動生成や会議内容の要約など、高次元の業務効率化が可能になります。移行に伴う一時的な心理的抵抗や設定の手間はありますが、この機会にGoogle Meetへの統合を通じて、DXを力強く推進していきましょう。

