Google Workspaceのデバイスを守るエンドポイント管理ガイド!機能比較・設定手順

コラム更新日:2026.08.28

働き方の多様化に伴い、リモートワークや私用端末の業務利用を導入する企業が急速に増えています。どこからでも業務を行える利便性が高まる一方で、IT 管理者の頭を悩ませているのが、端末の紛失・盗難や不正アクセスによる情報漏洩リスクです。

「社員が持ち出す PC やスマホのセキュリティをどう担保すべきか分からない」
「Google Workspace でどこまでのデバイス管理ができるのか知りたい」
「自社のライセンスプランで必要な管理機能が使えるのか不安」
このような疑問や困りごとを抱えていませんか?

本記事では、Google Workspace に標準搭載されているデバイス管理機能「エンドポイント管理」について、基礎知識からプラン別の機能比較、具体的な活用法、失敗しない導入ステップまでを網羅して解説します。

社内のセキュリティ体制を強化し、安全な業務環境を構築するためのガイドとしてぜひご活用ください。

▶ アクセス制御やデバイス管理など、管理者による対策をまとめて知りたい方へ

セキュリティの基本とプランによる違い、デバイス管理機能、内部不正とシャドーITの対策をまとめた「【管理者向け】Google Workspace セキュリティ&デバイス管理ガイド|端末紛失対策まとめ」もあわせてご覧ください。

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執筆・監修:TSクラウド編集部

Google Cloud の「プレミア認定」を保有する、Google Workspace 正規販売代理店です。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上の導入支援実績( 2026 年 2 月時点)に基づき、Google Workspace の最新機能から活用術、DX推進に役立つノウハウを専門的な視点で解説しています。

※情報は記事公開(更新)時のものです。Google Workspace の仕様や価格は変更される場合があるため、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

※名称変更に関するお知らせ: NotebookLMは、2026年7月に「Gemini Notebook」に名称が変わりました。メディア内では旧名称が利用されていることがあります。その場合は、Gemini Notebookに読み替えてご確認ください。

目次

Google Workspace によるデバイス管理の必要性

Google Workspace を運用する上で、ユーザーのアカウント管理と並んで重要なのが「エンドポイント管理(デバイス管理)」です。エンドポイントとは、PC やスマートフォン、タブレットなど、ネットワークの末端(エンド)に位置する端末を指します。

クラウドサービスである Google Workspace は、インターネット環境とブラウザやアプリがあれば、世界中どこからでも社内データにアクセスできる優れた利便性を備えています。しかし、アクセスする「端末そのもの」のセキュリティが確保されていなければ、どれほど強固なパスワードを設定していても情報漏洩のリスクを防ぐことはできません。

企業の重要データが保存された Google ドライブや Gmail にアクセスする端末を一元管理し、安全な端末からのみアクセスを許可する仕組みを構築することが、現代の企業セキュリティにおける優先課題となっています。

リモートワークと BYOD で増大した 3 つのセキュリティリスク

オフィス外で業務を行うリモートワークの定着や、個人のスマートフォンを業務に活用する BYOD(Bring Your Own Device)の広がりは、生産性の向上に大きく貢献しています。

その反面、社外に持ち出される端末が増加したことで、従来型の「社内ネットワークの境界線で防御するセキュリティ対策」だけでは防ぎきれない新たなリスクが顕在化しています。主なリスクは以下の 3 点です。

端末紛失・盗難時におけるデータ漏洩の危険性

社外で業務を行う機会が増えるほど、電車内やカフェ、出張先での端末の置き忘れや盗難といった物理的なトラブルのリスクが高まります。

端末が第三者の手に渡った際、迅速かつ確実に業務データを消去する仕組みがないと、機密情報が流出する危険性が高まります。特に私物端末の場合、データを消去するリモートワイプ機能がなければ、対応が難しくなります。

セキュリティレベルの低い端末からの不正アクセスリスク

OS のアップデートが放置され脆弱性が残ったままの端末や、ウイルス対策ソフトが未導入の端末、パスワードが簡易的な端末などは、マルウェア感染やフィッシング詐欺の標的となりやすい状態です。このような「セキュリティレベルの低い端末」を経由してアカウント情報が窃取されると、悪意のある第三者によって社内ネットワークへ不正アクセスされる二次被害へと発展します。

シャドー IT や私的利用による統制不能な状態

企業の情シスや IT 管理者が把握・許可していない端末やアプリを従業員が業務に使用する「シャドー IT」も深刻な問題です。

「個人のスマホの方が使いやすいから」「会社の PC だと制限があるから」といった理由で、管理外の端末へ業務ファイルをダウンロードしたり、未承認のクラウドストレージに転送したりする行為が日常化すると、管理者はどこにどんな社内データが存在するのかを把握できなくなります。これにより、社員の退職時や端末売却時にデータが残存し、予期せぬ情報漏洩を引き起こすケースが発生しています。

【プラン比較】高度なエンドポイント管理機能はどのプランから使える?

Google Workspace のエンドポイント管理機能は、ほぼすべてのプランに標準搭載されています。しかし、契約しているプランによって利用できる範囲が異なります。そのため自社のセキュリティ要件に合ったプランを検討することが重要です。

【比較表】Google Workspace のプラン別エンドポイント管理に関わる機能

デバイスのセキュリティと統制に関わる高度な機能は、主に Business Plus 以上のプランで提供されています。Google Workspace のプラン別エンドポイント管理に関わる機能について表で比較してみましょう。

機能 Business Starter / Standard Business Plus Enterprise Standard / Plus
基本のエンドポイント管理 ◯ ◯ ◯
高度なエンドポイント管理 ✕ ◯ ◯
エンタープライズ向けエンドポイント管理機能 ✕ ✕ ◯
MDM 機能 基本管理機能 詳細管理機能 詳細管理機能
コンテキストアウェアアクセス ✕ ✕ ◯
デバイス監査ログ ✕ ◯ ◯
Google Vault ✕ ◯ ◯
データ損失防止(DLP) ✕ ✕ ◯
  最低限の管理で小規模組織向け 300名以下の組織における安心プラン 厳格なセキュリティ・大規模運用向け

※Google Workspace 各プランの詳細内容・料金については、>>Google Workspace のプラン比較 で確認できます。

MDM 機能(モバイルデバイス管理)の基本管理と詳細管理

MDM 機能とは「モバイルデバイス管理(Mobile Device Management)」の略で、組織が管理するスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを一元管理するための機能です。Google Workspace に標準で備わっています。

Google Workspace の MDM 機能には、「基本管理」と「詳細管理」があります。詳細管理は、本格的なエンドポイント管理を行うための機能で、セキュリティをより強化したい企業には不可欠です。

  1. 基本管理(Business Starter/ Standard でも利用可能)
    パスワード設定の必須化 、アカウントのリモートワイプ、2 段階認証の強制など、最低限のセキュリティ対策です。

  2. 詳細管理(Business Plus 以上のプランで利用可能)
    デバイスのリモートワイプ(端末全体消去)、デバイス承認、エンドポイントのポリシー設定、デバイスインベントリ(詳細な端末情報取得)など、本格的なエンドポイント管理を行うための機能です。

より高度なデバイス管理、セキュリティが求められる時代のプラン選び

より高度なデバイス管理、セキュリティ対策が求められる企業は、主に以下のようなケースに該当します。

<より高度なセキュリティ対策が求められる企業例>

  • 私物端末の業務利用を許可している企業
  • 機密情報や個人情報を多く扱う企業
  • 金融、医療など法的・業界的な規制が厳しい企業
  • グローバル展開しており、アクセス元の国や地域でアクセス制限が必要な企業

セキュリティ課題を解決!Google Workspace のデバイス管理機能

前述したようにGoogle Workspace にはデバイスの管理機能として、「エンドポイント管理」機能が標準で組み込まれています。ここからは、具体的なセキュリティ課題に対応する各種機能について解説します。選択するプランによって管理機能には差がありますので、比較表と照らし合わせてご確認ください。

端末紛失・盗難時のデータ漏洩防止

万が一、従業員がスマホやPCを紛失した場合でも、管理コンソールから迅速に対処できる機能が用意されています。

リモートワイプ(遠隔データ消去)

端末の紛失が発覚した際、管理者は管理コンソールから対象の端末に対して遠隔操作でデータを消去する「リモートワイプ」を実行できます。

Google Workspace のリモートワイプには、企業情報のみ消去する「アカウントのリモートワイプ」と、端末全体のデータを削除する「デバイスのリモートワイプ」が選択できます。

個人の私物端末(BYOD)の場合は、プライベートのデータや写真を保護しつつ、会社データのみを削除するアカウントのリモートワイプを適用することで、プライバシーに配慮した安全なリスク回避が可能です。

ただし、対象となる端末の OS によって、事前準備や管理できる範囲に違いがあります。Android デバイスでは仕事用プロファイルの設定や、iOS デバイスの詳細管理には、Apple Push Notification service(APNs)証明書の発行と年次更新が必要のため、事前の準備が必要なことに注意してください。

パスコードの必須化とポリシー適用

管理者は、Google Workspace にアクセスするモバイル端末に対して、強力なスクリーンロック(パスコード)の適用を義務付けることができます。

文字数や使用文字の種類(英数字混在など)、自動ロックまでの時間制限、誤入力による初期化ルールなどをポリシーとして一元設定できます。これにより、従業員のセキュリティ意識に依存することなく、第三者による即座の不正利用を防止します。

私物端末・モバイルからの不正アクセス防止

許可されていない端末からのアクセス制御を厳密に行うことで、セキュリティポリシーを満たさない端末からの不正なデータアクセスを未然に防ぎます。

コンテキストアウェアアクセス

コンテキストアウェアアクセス(Context-Aware Access)とは、ユーザーやデバイスの状況(コンテキスト)に応じて、Google Workspace へのアクセス権を動的に変更する仕組み です。

アクセスしてくるモバイル端末の状況(OS バージョン、地域、IP アドレスなど)を分析し、セキュリティポリシーを満たしているかによって、Gmail や Google ドライブへのアクセスを許可・拒否できます。

例えば、「営業担当者が社外からアクセスする場合、会社貸与の承認済みスマホからのみ Gmail を閲覧可能とし、ファイルのダウンロードや Google ドライブへのアクセスは会社PCからのみ許可する」といったきめ細やかな運用ポリシーを実現できます。

デバイスの承認とブロック

管理対象の端末が Google Workspace アカウントに初めてログインした際、管理者の承認が必要となるよう設定できます。従業員が新しいスマホやPCからログインを試みても、管理者が管理コンソール上で「承認」を行わない限り社内データにアクセスすることはできません。不正な端末や未登録の個人所有端末からのアクセスを入口で確実にブロックします。

社外アプリ利用時のログインリスク排除

従業員がさまざまなクラウドサービスを利用する際、ID / パスワードが分散・流出し、それが原因で企業アカウントが乗っ取られるリスクがあります。Google Workspace の機能により、認証を統合し、リスクを低減できます。

SSO(シングルサインオン)

Google Workspace のアカウント一つで、承認された多くの社外アプリケーションに安全にログインさせることが可能です。パスワードの多重管理というリスクを排除し、アクセスの一元管理を実現します。

サードパーティアプリのアクセス制御

業務データへのアクセス権を要求する外部アプリに対し、IT 管理者が明示的に信頼、制限、ブロックを設定できます。これにより、意図せず不適切なアプリにデータを渡してしまう事態を防げます。

退職時のデータアクセス権剥奪

従業員の退職に伴う社内情報の持ち出しや不正アクセスを防止するための迅速なアカウント管理手法が確立されています。

アカウントのリモートワイプ

退職した従業員が利用していたモバイル端末から、Google Workspace の業務データのみを遠隔で消去し、アクセス権を剥奪します。これにより、私物端末のデータに影響を与えることなく、企業のデータを保護できます。

アカウントの一時停止・削除

管理コンソールから即座にアカウントを停止・削除し、すべてのエンドポイントからのアクセスを遮断します。一時停止にすることで、退職者が過去に作成したドキュメントやデータの所有権を後任者に安全に引き継いだ上で、不要になった段階で削除するというスムーズな運用も可能です。

シャドー IT の実態把握と監査対応

シャドー IT とは、従業員が企業に無許可で業務に利用する IT 機器やサービスを指します。セキュリティ監査やコンプライアンス遵守のため、企業が利用しているエンドポイントを正確に把握し、ログを保全する機能は、企業の透明性を確保します。監査対応をスムーズに行うためにも、これらの機能の活用は重要です。

デバイスインベントリ(端末一覧表示)

Google Workspace にアクセスしているすべての PC、スマートフォン、タブレットの情報を自動的に集約し、一覧で表示する「デバイスインベントリ」機能を搭載しています。

端末のシリアル番号、OS のバージョン、所有区分(会社所有/個人所有)、最終同期日時、導入されている拡張機能などをリアルタイムで把握できるため、社内の IT 資産管理の手間を削減できます。

監査ログと Google Vault

管理コンソールの「監査と調査」ダッシュボードでは、誰が・どの端末から・いつ・どのファイルにアクセスしたかという詳細な操作ログ(監査ログ)を記録・検索できます。

さらに上位プランで利用可能な「Google Vault」を活用すれば、メールやチャット、ドライブ内のデータを長期間アーカイビング(電子保管)し、コンプライアンス遵守や万が一の不祥事発生時の証拠開示(eDiscovery)にも迅速に対応可能です。

デバイス管理を失敗しないための導入ステップと導入支援の活用

デバイス管理機能を新たに導入する場合、いきなり全社に適用すると「急にスマホからメールが見られなくなった」といった従業員からのクレームや混乱を招く恐れがあります。失敗しないための導入ステップは以下の通りです。

  1. 対象と所有区分の整理: 会社貸与端末と BYOD 端末の割合を把握します。また、「基本管理」と「詳細管理」のどちらを適用するかを決定します。
  2. 管理ポリシーの策定と同意取得:パスコードの強さやワイプの実行基準を決めます。とくにBYOD の場合、「会社が個人の写真やWeb閲覧履歴を見ることはない」「万が一の際は会社データのみを消去する(アカウントワイプ)」といったプライバシーに関する事項を明確に説明し、社員の不安を払拭することが重要です。
  3. テストグループでのスモールスタート: IT 担当者や特定部署で検証を行います。iOS の証明書設定が正しく反映されるか、業務アプリに支障がないかなど、想定通りに端末が制御できるか検証します。
  4. 全社展開と周知:テストで問題がなければ、簡易マニュアルを用意し、全社(全組織部門)へポリシーを適用します。「デバイス管理をするのは、監視のためではなく、紛失時にあなたと会社を守るためだ」というメッセージを伝えましょう。

エンドポイント管理の設定は、Google Workspace の管理コンソール上から直感的に行えますが、組織の規模が大きくなるほど高度な専門知識が求められます。また、設定を誤ると、最悪の場合「管理者自身がアクセスできなくなる(ロックアウトされる)」といったトラブルも発生し得ます。

もし自社の情シス部門のリソースが不足していたり、設定に不安がある場合は、Google Workspace の正規代理店や認定パートナーが提供している「導入支援サービス」を活用するのが有効な手段です。

TSクラウドでは、導入計画の策定から面倒な初期設定の代行、追加メニューとしてセキュリティ強化などをカスタマイズできる「Google Workspace 導入支援サービス」や、管理コンソールの設定からセキュリティの要点まで網羅した「GoogleWorkspace 導入研修」をご用意しています。この機会に、安全でスムーズな運用体制を整えませんか。

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Google Workspace のデバイス管理「エンドポイント管理」で安全に業務拡大しよう

Google Workspace のデバイス管理「エンドポイント管理機能」は、リモートワークや私物端末の業務利用(BYOD)の広がりによって生じるセキュリティ課題を根本から解決します。モバイル端末や私物端末を安全に統制することで、情報漏洩リスクを最小限に抑え、従業員が安心して業務に集中できる環境を整備しましょう。

株式会社TSクラウドでは、貴社のセキュリティ要件に合った最適なプランの提案からデバイス管理の設定、運用定着までをサポートします。「どのプランを選べばいいかわからない」「複雑な設定をプロに任せたい」とお考えの IT 管理者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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