Google Meet と Zoom、どちらが最適?料金・機能から徹底比較ガイド
コラム更新日:2025.07.30
Web 会議がビジネスの標準となった今、代表的なツール「Google Meet」と「Zoom」のどちらを導入すべきか、改めて検討する機会が増えています。安易なツール選定は、将来的なコスト増や混乱を招く恐れもあり、慎重に選ぶことが重要です。
この記事では、ビジネス利用のさまざまなシーンを想定して 2 大ツールを徹底的に比較します。料金、機能、使いやすさといった基本項目から、セキュリティや連携性に至るまで、ツール選定に必要な「違い」を客観的に解説。貴社の働き方や目的に合ったツールを選ぶために、ぜひ最後までご覧ください。
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貴社に適しているのは?30 秒でわかる選び方
まず重要となるのは「何を最も重視するか」という点です。貴社の働き方や IT 環境にはどちらのツールがより適しているかを、以下を参考にチェックしてみてください。
➤シンプルさ・手軽さ・Google ツールの連携を重視 → Google Meet
Google Meet の大きな特徴は、そのシンプルさと Google サービスとの高い親和性です。専用アプリは不要で、Google カレンダーの予定からワンクリックで参加できる手軽さは、日々の業務効率化に貢献します。
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推奨するケース
- 会議の招待相手に、アプリインストールなどの手間をかけさせたくない
- IT ツールに不慣れなメンバーでも直感的に使えるツールがよい
- 普段から Gmail や Google カレンダーを業務で活用している
➤機能の豊富さ・会議のカスタマイズ性を重視 → Zoom
Zoom は Web 会議の専門ツールとして多機能であることが強みです。特に、ウェビナー機能やブレイクアウトルーム、詳細なレポート機能は、管理が求められる大規模なイベントや商談において効果を発揮します。
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推奨するケース
- 数十人から数百人規模のウェビナーやオンラインセミナーを主催する
- 会議中の参加者を細かく管理・コントロールする必要がある
- Google 以外のさまざまな外部ツールとの連携を重視する
【比較表】Google Meet と Zoom の違い
具体的な機能や料金の違いを一覧表で見てみましょう。ここでは、中小企業で導入されることが多い代表的な有料プランで比較しています。
| 比較項目 | Google Meet | Zoom |
|---|---|---|
| プラン名 | Business Standard | プロプラン |
| 料金 (月額/ユーザー) |
1,600 円 ※ | 1,999 円 ※ |
| 時間制限 | 24 時間 | 30 時間 |
| 最大参加人数 | 150 人 | 100 人 |
| 録画 | Googleドライブにクラウド保存 | クラウド・ローカル保存 |
| 始めやすさ | ◎(ブラウザメイン) | ○(アプリ推奨) |
| ウェビナー機能 | △ | ◎ |
※料金は 2025 年 7 月時点の情報で、契約形態により変動する可能性があります
Google Meet の無料版と有料版の違いについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:Google Meet とは?無料・有料版の機能や使い方、Zoomとの違いも解説
ビジネス利用での Google Meet と Zoom の重視すべき比較ポイント
より具体的なビジネス利用の視点から、特に重要なポイントに絞り、両ツールの違いを深掘りしていきましょう。
➤1. 料金体系:コストに影響するビジネスモデルの違い
Google Meet と Zoom は、その提供モデルが根本的に異なります。企業がコストパフォーマンスを考えるなら、この違いが重要です。
Google Meet:
Google Workspace というグループウェアの一部で、業務効率化や既存の Google ツールとの連携を重視する企業におすすめです。
Google Workspace は、Gmail、Google ドライブ、ドキュメント、スプレッドシートなど、さまざまなツールの中にビデオ会議機能(Google Meet)があるという位置づけです。Meet 以外のツールもまとめて導入することになり、業務全体の効率化とコスト削減につながる可能性が高まります。
Zoom:
Web 会議に特化した「専門ツール」で、会議の充実度を強化したい企業に向いています。 多機能で外部ツールとの連携に優れており、日頃よりさまざまなアプリを利用している企業に向いています。共同ホストの設定、ブレイクアウトルーム、参加パスワード設定など、快適な Web 会議を実現する機能が充実しており、大規模なウェビナーに適したプランもあります。
➤2. 基本機能:時間制限・参加人数・録画機能の違い
無料版を利用する場合、両者の大きな違いは「時間制限」でしょう。Google Meet 無料版は 1 対 1 の場合で 24 時間、3 名以上では 1 時間の時間制限があります。これに対し Zoom 無料版は、人数に関係なく最長 40 分の制限があります。
この時間制限は、個人利用や短時間の打ち合わせにおける最初の選択基準になることがありますが、有料プランに移行することで時間制限は実質的にないものとなります。
参加人数は、それぞれプランによって異なります。Google Meet では、Google Workspace のエディションによって最大参加人数が異なり、100 人から 1,000 人まで対応可能です。Zoom も無料版の上限は 100 人ですが、ウェビナー機能を利用すると最大 1,000 人まで参加可能です。
また、会議の録画機能も有料版の大きなメリットです。
Google Meet では、無料版と「Starter」は録画機能がなく、「Standard」以上のプランは会議をクラウドに録画できます。加えて、自動文字起こし機能があり、クリックするだけで会議の文字起こしができるため、議事録作成の手間を削減し、参加者は議論に集中することが可能です。
Zoom の無料版は、PC への「ローカル保存」が可能です。有料版にすることで、会議の録画をクラウドに保存できるようになり、共有や管理が容易になります。
➤3. 会議の質と体験:音質・画質・便利機能
オンライン会議の快適さを左右するのが、音質や画質、そして便利な補助機能です。
両ツールともに、ノイズキャンセリング機能、バーチャル背景、挙手や絵文字でのリアクションといった基本機能を備えています。
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Google Meet:
- AI がキーボードのタイピング音や室内の雑音を自動的に除去
- 画面共有時に音声を共有する機能が使いやすい
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Zoom:
- ユーザーが画質や音質の設定を細かく調整できる
- アバター機能や多彩なエフェクトが比較的充実している
会議の雰囲気や参加者の満足度を高める上で、これらの機能は非常に重要です。
➤4. 使いやすさ:手軽さ vs 多機能
ツールの「使いやすさ」は、参加者の IT リテラシーによって感じ方が大きく変わります。
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Google Meet:
- 「URL クリックだけで参加できる手軽さ」が強み
- Web ブラウザで動作するため、アプリのインストールやアカウント作成の手間がかからない
- IT に不慣れなメンバーや、初めて Web 会議に参加する顧客にとっては、抵抗感が少ない
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Zoom:
- 安定した多機能な会議を実現するため、専用アプリのインストールを推奨
- 参加者は、Zoom のアカウントを作成しておく必要がある
- 高度な機能を活用するには、こうした準備が完了していることが前提
会議の頻度や参加者の顔ぶれを考慮し、どちらがより重要かを判断することが大切です。
➤5. 高度な機能:ウェビナーとコラボレーション機能
Zoom と Google Meet は、高度な機能においても異なります。
Zoom の強みの 1 つが、大規模イベントを円滑に進める「ウェビナー機能」です。通常の会議とは異なり、参加者を「視聴者」として位置づけ、Q&A やアンケート機能を使って効率的に進行できます。また、参加者を小グループに分ける「ブレイクアウトルーム」は、グループワークや小規模な議論を行う際に便利です。
一方、Google Meet の強みは、Google Workspace との連携によるシームレスなコラボレーション機能です。会議中に Google ドキュメントやスプレッドシートを共同編集する機能は、リアルタイムでの情報共有や意思決定を加速させます。なお、ブレイクアウトルームは、Google Workspace では Business Standard エディション以上で利用できます。
➤6. セキュリティ:考え方と管理機能の違い
企業でWeb会議ツール導入担当者が特に重視するのがセキュリティ面です。両ツールは、セキュリティに対する考え方も異なります。
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Google Meet:
- Google の巨大なインフラに支えられた、標準で堅牢なセキュリティ体制
- データは Google のサーバーで保護され、SSL/TLS 暗号化が標準で適用
- ユーザー側での細かい設定は不要で、安全な環境がデフォルト
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Zoom:
- ホストが細かく設定できる柔軟なセキュリティオプションが特徴
- 会議にパスワードを設定したり、参加者を待機室に入室させたり、不審な参加者を強制退室させたりといった設定が可能
- 有料プランでは「エンドツーエンド暗号化」にも対応しており、より秘匿性の高い会議を実現
どちらのセキュリティが正しいということではなく、自社にはどちらが合っているか考慮して選ぶことが大切です。
➤7. 連携性:エコシステム vs App マーケットプレイス
日々の業務効率を考えるうえで、外部ツールとの連携性は欠かせません。
Google Meet(エコシステム):
Google カレンダー、Gmail、Google ドライブ、Google ドキュメントといった、Google サービス群と深く連携する「エコシステム(特定の企業が提供する一連のサービス群)」の強みを持っています。
たとえば、Google カレンダーで会議をスケジュールするだけで、参加者に自動で Meet の URL が送付され、会議開始時間になるとカレンダーからワンクリックで参加できます。
Zoom(Appマーケットプレイス):
ビジネスチャットツールのような多種多様な外部アプリと連携できる「App マーケットプレイス(さまざまな外部アプリを導入・連携できるプラットフォーム)」が強みです。普段利用しているビジネスツールを連携させる際に高い柔軟性を発揮し、業務フローの効率化が期待できます。
自社がどのツールをメインで使っているかを考慮し、連携性の高いツールを選ぶのが賢明です。
【実践】利用シーン別!最適なツールの選び方
ここまでの比較を踏まえて、具体的な利用シーンごとに、どちらのツールが最適かを考えてみましょう。
➤顧客との商談やセミナーが多い企業
顧客とのオンライン商談やセミナー開催など対外的なWeb会議が多い企業は、Zoomの機能が有効です。特に、多様なツールを組み合わせて利用している場合は、連携性に優れる Zoom が適している可能性が高いでしょう。
また、大勢の参加者とつながる講演会や企業説明会などは、参加者の入退室を管理する待機室、質疑応答を円滑にする Q&A などのウェビナー機能が Web 会議の質を高める効果が期待できます。
➤社内会議がメインの中小企業
定例会議、部門間連携、情報共有など、日常的な社内コミュニケーションが中心の企業は、Google Meet の方が適しています。社内会議で重要なのは「いかにストレスなく、スムーズに会議を始められるか」で、Google Meet には参加者の IT リテラシーが中程度であっても簡単に会議に参加できる手軽さがあります。 Google Workspace を利用中あるいは導入を検討している企業は、業務効率アップのためにもGoogle Meet がおすすめです。
最適なツール選びは、未来の働き方をデザインする第一歩
今回は Google Meet と Zoom をさまざまな観点から比較しました。Google Meet がシンプルさを強みとし、Google サービスとの連携で業務効率を高めるのに対し、Zoom は専門性と多機能性が強みで、ウェビナーや外部連携などの高度なニーズに応えます。いずれも優れた特徴を持っているツールで、自社によりフィットするのはどちらなのかを見極めることが重要です。
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