Google スライドの使い方。基本からビジネスに役立つ応用編まで徹底解説
コラム更新日:2025.10.29
本記事では、Google スライドの使い方について解説します。基本操作から編集方法、Google Workspace 上で他のツールと連携させることのメリットなどを紹介します。
さらに、チームの生産性を向上させるための応用機能やビジネス活用術についても深く解説します。Google スライド で効果的なプレゼンテーションを行ったり有益な資料の作成をしたい方は、ぜひ参考にしてください。


執筆・監修:TSクラウド編集部
Google Workspace 正規代理店のうち、最も高いランクのプレミア資格を持っています。業界歴 17 年、延べ 3,500 社以上へのサービス提供で培った知識と経験を活かし、Google Workspace の情報を発信しています。
Google スライドとは
Google スライドとは、Google が提供するオンラインプレゼンテーション作成ツールです。テキストや図形、画像などを組み合わせて、効果的なプレゼンテーションを作成できます。Google スライドはアプリ( iOS / iPadOS 、 Android )をダウンロードすることで、 iPhone や Android などのスマートフォンからも、スライドの閲覧・編集が可能です。同一の Google アカウントでログインすることでデータが同期され、パソコンとスマートフォン間で同じデータを編集できます。また、共有設定をすることで複数人で同時編集をすることもでき、ビジネスの場面で効率的に作業が可能です。
最初に知っておきたい Google スライドの基本的な使い方
まずは、Google スライドの基本的な使い方を説明します。
➤プレゼンテーションを作成する
- Google スライドを開く
- 新しいプレゼンテーションを作成の「空白のプレゼンテーション」をクリック。作成途中のプレゼンテーションを編集する場合は、 「最近使用したプレゼンテーション」から編集したいものを選択。


➤タイトルを設定する
表紙にもなるタイトルを設定します。スライドの上部がタイトル、下部がサブタイトルになります。


また、画面左上部の「無題のプレゼンテーション」の項目は、ファイル名になります。変更しておくと、後から検索しやすいため、タイトル名にするなど工夫しておくとよいでしょう。
➤テーマの選択
Google スライドでは、全てのページのデザインを統一できる「テーマ」が利用可能です。テンプレート化されているものから選択でき、自社のロゴを入れるなど自作もできます。
画面上部「スライド」>「テーマを編集」、もしくは上部メニューの「テーマ」をクリック。右側で使用するテーマを選択します。


既存の Google スライドの他、パワーポイントのプレゼンテーションからもテーマをインポートすることができます。テーマ編集画面下部の「テーマをインポートする」から設定が可能です。
インポートする方法は以下の記事をご覧ください。
➤スライドの追加、コピー、削除、並び替え
スライドを追加する
- 上部メニュー左上の「+」をクリックで、スライドを追加
- 「+」の右横にある「▼」からはレイアウトを指定して新しいスライドの追加が可能


スライドをコピーする、不要なスライドを削除する
- 画面左側で、コピーもしくは削除したいスライドをクリック(複数のスライドを選択する場合、 Shift キーを押しながら対象のスライドを選択)
- 右クリックから「スライドのコピーを作成」もしくは「削除」を選択(スライドの削除は、Delete キーもしくは Backspase キーでも可能)


スライドの並べ替えをする
- 画面左側で、並べ替えるスライドをクリック(複数のスライドを選択する場合、 Shift キーを押しながら対象のスライドを選択)
- クリックしたまま、目的の位置までスライドをドラッグ
➤レイアウトの変更
レイアウトとは、スライド上のテキストと画像の配置のことです。
画面上部「スライド」>「レイアウトを適用」、もしくは上部メニューの「レイアウト」をクリックし、使用するレイアウトを選択します。


➤フォントや文字の大きさ、効果、色を変える
該当テキストを選択し、上部メニューからそれぞれ編集できます。


①フォント ②文字の大きさ ③太字 ④斜体 ⑤下線 ⑥文字の色 ⑦ハイライト
➤テキストボックスや画像、図形、線、表などを挿入する
- 画面上部の「挿入」をクリック


- 挿入したい項目をクリック
挿入できる項目は、以下になります。
- 画像
- テキストボックス
- 図形
- 表
- グラフ
- 線
- ワードアート
- スピーカースポットライト
- 音声
- 動画
「テキストボックス」「画像」「図形」「線」は、上部メニューのアイコンをクリックからでも挿入できます。


➤スライドショーを開始する
スライドショーを開始するには、右上の「スライドショー」をクリックすると開始されます。スライドの切り替えは、「キーボードの矢印キー」で行えます。


- 右上の「共有」をクリック
- 共有したいユーザー名やグループを入力。もしくは「リンクをコピー」をクリックし、リンクを共有相手に伝える




共有時に、権限の設定をすることも可能です。共有権限は、「閲覧のみ」「コメント可」「編集可」の3種類があり、共有するユーザーごとに権限の設定ができます。ただし、リンクで共有した場合の権限は、一括して保存されます。
Google Workspace 上でのシームレスな連携で Google スライドの価値はさらに高まる
Google スライド の持つ特徴は、機能を単体で使うよりも、Google Workspace 上で管理したり、他のツールと連携させたりすることで、その真価を何倍にも高めることができます
これまでのプレゼンテーション資料作成で起こりがちであった問題として、「修正待ちで、作業が進まない…」「やり取りが多く、最新版がわからなくなった…」などの声がよく聞かれます。組織全体で Google Workspace を導入し、管理者が一元管理・共有設定を行うことで、ファイルの送り合いやバージョンの管理といった非効率な作業を根本からなくすことができます。
ビジネス活用の一例として、たとえば Google スプレッドシート上にあるデータやグラフを、ワンクリックで Google スライドに反映することができます。元のスプレッドシートの数値が変わるたびに、スライドのグラフも自動で更新されるため、手作業での貼り直しや数値の打ち間違いといったミスがなくなり、より正確で効率的な資料運用が可能になります。
また、Google ドキュメントで作成した議事録や文章構成案を、Google の AI「Gemini」を活用することにより瞬時にスライドの骨子に変換させることも可能です。
このように、ビジネス利用の場面では Google Workspace 上で Google スライドを活用することで、より生産性を高め、機能を最大限に活かすことができます。
ビジネスで役立つ Google スライドの応用機能
プレゼンテーションツールをビジネスで活用する場合、個人のスキル以上に「チームでの共有、共同作業、そして資料の品質統一」が重要です。
組織全体で Google Workspace を導入し Google スライドを使いこなすことで、チームでのフィードバックを円滑にし、資料の品質を均一化することで、最終的なプレゼンテーションの成功率を高めることに直結します。
ここからは、ビジネスの場面でチームの成果を底上げするための Google スライド応用機能を紹介します。
➤修正の意図と経緯を残す「取り消し線」と「コメント機能」
プレゼンテーション資料を共同編集する際、誰がどこをなぜ修正したのか、経緯が不透明になりがちです。Google スライド では、「コメント機能」とテキストの「取り消し線」機能を使うことで、資料上で修正の意図と経緯を残すことが可能です。
コメント機能は、特定の文字や図形を選択後右クリック、「コメント」を選択します。でてきたコメント枠に直接コメントを入力し「コメント」をクリックすることでフィードバックや質問を伝えることができる機能です。「@ユーザー名」でコメントを届けたい相手を指定することも可能です。コメント機能を活用することで「修正履歴をメールで送る」「修正内容を口頭で確認する」といった煩雑な作業が不要になります。


取り消し線は、修正が必要なテキストを選択し、画面上部「表示形式」>「テキスト」>「取り消し線」をクリックします。取り消し線を活用することで、修正内容の前後関係を視覚的に伝えることができ、フィードバックの質とスピードを向上させます。


➤「ルーラー」や「グループ化」で細部まで品質を向上
プロフェッショナルなプレゼンテーション資料は、要素が整然と配置され、視覚的に安定しています。ビジネスの場面では社内資料のデザインを統一させることも重要で、この品質を担保するのが「ルーラー」と「グループ化」機能の活用です。
ルーラー(定規)とは、Google スライド内のテキストやグラフィック、表の位置を調整できる機能です。水平ルーラー・垂直ルーラーの2種類が使えます。
ルーラーはデフォルトで表示されますが、表示されない場合は、画面上部「表示」>「ルーラーを表示」をクリックします。


複数の図形や画像を挿入した場合、グループ化することで、まとめて動かしたり、大きさを変えたり配置の微調整ができます。
- グループ化したい対象を「Ctrlキー」を押しながらクリック
- 右クリックし、「グループ化」を選択


もしくは画面上部「配置」>「グループ化」を選択


➤「画像の透過」でチーム共通素材の作成
プレゼンテーション資料のデザインを統一するうえで、ロゴやアイコンといった素材の使い方は重要です。Google スライドの編集機能には、画像を透過させる機能が標準で搭載されています。
この機能を活用し、会社のロゴなどを透過させておけば、どんなデザインにも馴染ませることができます。作成した透過画像はチームで共有する共通テンプレートに含めておくことで、資料のデザインルールの徹底と、資料作成時間の短縮に役立てることができます。
Google スライドで画像を透過にするには、透過させる画像を選択し、「書式設定オプション」>「調整」をクリック。「不透明度」をスライドさせることで設定できます。


➤「ワードアート」や「アニメーション」で重要なメッセージを際立たせる
資料の中で特に伝えたいメッセージや結論は、目を引く必要があります。通常のテキスト装飾に加えて「ワードアート」や「アニメーション」を活用しましょう。
Google スライド のワードアートは、影やグラデーションなどの装飾を施した立体的なタイトルを作成でき、資料のメインメッセージに強烈なインパクトを与えます。また、アニメーション(動き)を適切に活用することで、情報の提示順序をコントロールし、聴衆の集中力を維持しながら、伝えたい内容を段階的に強調できます。
「ワードアート」「アニメーション」は次の手順で設定できます。
- 上部メニュー「挿入」>「ワードアート」をクリック
- 作成する文字を入力
- 作成された文字を選択し、上部メニュー「書式設定オプション」または「アニメーション化」をクリック
- 右側に表示された書式設定オプションから装飾の設定


➤今どのページ?をなくす「ページ番号の挿入」
プレゼンテーション資料において、ページ番号の挿入は必須であり、資料作成時のレビュー担当者や会議の参加者とコミュニケーションを円滑にする重要な機能です。資料作成の初期の段階に自動で「ページ番号」を挿入する設定をしておけば、資料の枚数が変わってもページ番号を自動更新してくれます。
この設定により、資料作成時には「15ページのグラフの修正をお願い」など、ページ番号を基準に指示出しができ、資料作成の時間の短縮ができます。また会議で資料を活用する際には、参加者全員が瞬時に参照箇所を特定できるようになり、円滑な会議の進行に役立ちます。
Google スライドでは、以下の手順でページ番号を挿入します。
- 画面上部「挿入」>「スライド番号」をクリック
- 「オン」を選択し、「適用」をクリック


「タイトルのスライドを除外する」を選択した場合、タイトルスライドにはページ番号がつきません。
➤説得力を高める「動画の挿入」
文字や画像だけでは伝えきれない複雑な情報や、実際の動作を見せたい場合に有効なのが「動画の挿入」です。Google スライドでは、Google Drive に保存した動画のほか、YouTube 動画をスライド内に埋め込むことができます。
動画は、聴衆の記憶に残りやすく、資料の説得力を大きく高めます。また、動画の再生開始位置と終了位置を指定できるため、資料の内容に合わせた必要な部分だけを切り取って見せることが可能です。
動画の挿入は、以下の方法で行えます。
- 画面上部「挿入」>「動画」をクリック
- 「 YouTube を検索または URL の貼り付け」「 Google ドライブ」から動画を取得する場所を選択。該当する動画をクリック
- 「挿入」をクリック


➤「スピーカーノート」で個人スキルに依存しない発表
スピーカーノートとは、プレゼンテーション資料と発表者本人にしか見えない原稿を同時に表示する機能です。
スピーカーノートに話すべき内容、重要なデータ、質疑応答で想定される回答などを事前に記述しておけば、どのメンバーが発表しても一定の品質を維持できます
特にチームで資料を共有し、複数のメンバーが活用する可能性がある場合に、プレゼンテーション内容の均質化と、個人スキルに依存しない成果、発表者の負担軽減などに大きく役立ちます。
スピーカーノートは以下のように設定します。
- 画面下のスピーカーノート欄に発表原稿やメモを入力


- 画面右上「スライドショー」横の「▼」をクリック、「プレゼンター表示」を選択


- プレゼンターの「スピーカーノート」を選択


➤「生成 AI Gemini」で画像生成や背景削除がスライド内で完結
Google Workspace 契約上で利用する最新の Google スライドには、生成 AI「Gemini」の機能が統合され、資料作成のワークフローが劇的に変化しています。
例えば、資料のテーマに合ったオリジナルの画像をプロンプトから生成したり、既存の画像から不要な背景をワンクリックで削除したりといった作業が、Google スライドのサイドパネル上で作業を行うことができ、スライドからタブを切り替えることなく完了します。これにより、外部の画像編集ツールを立ち上げるといった手間がなくなり、プレゼンテーション資料内のコンテンツ作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
Google スライド作成中に生成 AI「Gemini」のサイドパネルを立ち上げるには以下のように操作します。
- 画面右上の Gemini マーク( ◆ のような形)をクリック
- サイドパネルが開く
- プロンプトを入力または「画像を生成」などの指示を選択してクリック


Google スライドを使いこなしチームの生産性を最大化しよう
Google スライドは、単なるプレゼンテーション作成ツールから、チームの協業を促進するプラットフォームへと進化しています。ビジネスで Google スライドを活用する場合には、その効果を最大限に活用するため、 Google Workspace の導入をぜひ検討しましょう。クラウドベースの強みを活かし、組織やチーム全体のプレゼンテーション資料の品質と組織の生産性を最大限に向上させることが期待できます。


